障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

重複障害のある児童生徒の教育課程の構築に関する実際的研究
-研究協議会資料

プロジェクト研究「21世紀の特殊教育に対応した教育課程の望ましいあり方に関する基礎的研究(平成13年度~15年度)」から

国立特殊教育総合研究所

當島 茂登

今後の教育課程の基準の在り方について

 盲・聾・養護学校の学習指導要領等については,幼稚園教育要領,小学校学習指導要領,中学校学習指導要領,高等学校学習指導要領に示された教育のねらいや目標、 教育の内容等を踏まえ、障害のある子どもの実態に即した教育を実現するために別個に定められている。それぞれの学校段階の教育目標や内容については、 基本的には小学校学習指導要領や中学校学習指導要領等に準ずることとし、障害のある子どもの多様な実態に対応した教育を進めるためには,様々な教育課程編成上の特例を設けて, 指導の適切化を図ることとしている。しかし、昨今の特殊教育を取り巻く状況の変化、つまり、障害の重度・重複化,多様化、そして特別な教育的ニーズに対応した教育への志向などの流れの中で、 新たにLDやADHD、高機能自閉症の子どもへの対応が求められるなど、これまでの特殊教育の対象に限らず、より対象を拡大した形で、特別支援教育としての幅広い対応が求められるようになった。 こうした流れの中で、これまでの盲・聾・養護学校を中心とした教育課程の基準についても、その在り方について様々な課題が指摘されている。

 特に、知的障害養護学校については、障害の特性に応じて、小・中学校の教育における教科内容とは異なる内容を独自に示しており、 それと幼稚部教育要領や自立活動の内容との関連をどのように保つかが課題となっている。

 また、「今後の特別支援教育の在り方について」で取り上げられているいわゆる特別支援学校や小・中学校における一人一人の特別な教育的ニーズへの対応を想定した教育の場における教育課程の基準の在り方については、 これまでの盲・聾・養護学校の学習指導要領をどのように改善していくかという大きな課題がある。

 本プロジェクト研究では、様々な角度からいわゆる特別支援学校への移行も踏まえた上で、盲・聾・養護学校の今後の学習指導要領等の在り方について議論してきた。 これまで盲・聾・養護学校の教育実践を生かした上で、新たな学習指導要領等を策定するためのプロセスとして、三つの段階に分けながら移行を進めていくことが望ましいと考え、 別紙のようにまとめることに至った(モデル1~3)。

以下、各モデルとその表題

モデル1
学習指導要領の改善のモデル
モデル2
特別支援学校(仮称)の教育課程の一本化モデル
モデル3
学習指導要領の一体化モデル
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