障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

平成16年度第二期短期研修 視覚障害教育コース講義等内容

講義題目等 講師氏名(所属・職名) 講義内容
専門講義・演習
1.「盲ろう」障害の理解と支援(講義) 新井千賀子
(企画部・研究員)
金田由紀子
(弱視者問題研究会)
中澤恵江
(教育支援研究部・総括主任研究管) (教育支援研究部・総合研究官)
 弱視の見え方は眼疾患、視機能(視野、視力、しゅう明)に主に規定されるが個人差が大きくなかなか理解しにくい。講義では、弱視の見え方の基本的とらえ方を疑似体験をとおして学習する。また、疑似体験を通じてより具体的な障害の理解と支援の方策について考える機会を提供する。
2.「盲ろう」障害の理解と支援(演出) 佐藤正幸
(教育支援研究部・総括主任研究官)
中澤恵江
(教育支援研究部・総括主任研究官)
 一般に「盲ろう」と考えても、きこえの程度は様々である。本講義では音と聴覚、聴覚が障害されるとは?、きこえの体験、コミュニケーションの体験を中心に概説し「盲ろう」障害児、者の聴覚面での理解と支援を検討していきたい。
3.「盲ろう」障害の理解と支援(講義・演出) 中澤恵江
(教育支援研究部・総括主任研究官)
藤鹿一之
(東京都盲ろう者友の会・理事)
中山喜崇
(長野県花田養護学校・教諭)
 盲ろうの代表的な困難は外部からの情報摂取」「コミュニケーション「移動・方向定位」にある。ここでは、全盲ろうの疑似体験によって、コミュニケーション能力や情報収集能力を著しく低下させ、その低下が自分の行動や思考や感情に何をもたらすのかを体験し、共感・理解を試みることで、盲ろうという重複障害の理解とともに、自らの児童・生徒とのかかわり合いについて見つめ直すきっかけを提供することを目的としている。(聴覚コースと共通)
4.視覚障害に配慮した重複障害児のコミニュケーション 菅井裕行
(教育相談センター・主任研究官)
 障害の重い子ども達との係わり合いをコミュニケーションの視点から取り上げ、音声言語を偏重しない多様なコミュニケーションの在り方と、交渉を主題とするコミュニケーションについて、実践例をもとに考察します。生活環境を「交信圏」という視点から検討することにも触れたいと思いますます。
5.重複障害児の指導(1)-子どもの出会いとの係わり- 松田直
(群馬大学・教授)
 重複障害を伴う子どもの行動をより深く理解し、少しでもよい係わりを展開するには、どのようなことを配慮する必要があるのでしょうか。いろいろな事例を紹介しながら、この点について考えたいと思います。活発な発言を期待しています。
6.重複障害児の指導( )-重度・重複障害児との係わり- 石川政孝
(教育支援研究部・主任研究管 )
 重度の肢体不自由のある重複障害児の教育相談事例を中心に、人とのかかわり合いや探索活動を促す際の基本的な視点について述べると共に、身近な人やものへの自発的な働きかけを支援する教材教具を紹介し、人との相互性及びものの応答性からなる「応答する環境」をつくることの重要性について考える。
7.重複障害児の指導(3)-「盲ろう」障害との係わり- 菅井裕行
(教育相談センター・主任研究所)
 感覚障害を伴う重複障害児は、それぞれに多様で、かつ複雑なニーズがあると考えられています。特に視覚と聴覚の両方に障害がある場合は、それ自体として独自のニーズに着目することが重要です。このような状況にある子どもとの係わり合いの例を紹介し、情報の保障や、環境の工夫といった観点を盛り込みながら教育的課題を考えてみたいと思います。
8.重複障害児の指導(4)-盲学校における重複障害児の指導- 神尾裕治
(東京都立久我山盲学校・校長)
1 教育課程と個別の指導計画の作成
2 概念形成の指導
3 コミュニケーションの指導
4 日常生活習慣の指導
5 環境構成と教材・教具の開発
9.重複障害児の指導(5)-教材の開発と活用- 中野尚彦
(群馬大学・教授)
 こどもとの実際のかかわりの中に現れる教材をこどもとのかかわりの中で見て頂きます。今回は紹介する「たかちゃん」については、一部分文字にした資料があるので、あらかじめお読み頂ければ良いかと思います。
10.自立活動の理念と展開 香川邦生
(健康科学大学・教授)
1 自立活動領域の基本的捉え方
2 教科と自立活動との関連
3  個別の指導計画の作成と評価
4 視覚障害領域における幾つかの中心的指導内容とその展開
(1) 手による探索操作活動と空間のイメージ作り
(2 ) 歩行地図の基礎指導
(3) 視覚認知の基礎指導
11.視覚障害教育の今日的課題と教育課程 池尻和良
(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課・特殊教育調査官)
 最近の教育改革の動向、視覚障害教育の現状と課題、特殊教育における教育課程の編成、新しい学習指導要領や学力についての基本的な考え方、評価の在り方などについて説明するとともに、特別支援教育と今後の視覚障害教育の在り方について考える。
12.視覚障害教育の歴史と制度 千田耕基
( 教育支援研究部・部長)
 まず、我が国の視覚障害教育のあゆみについて、明治の草創期から21世紀の今日まで概説し、ついで、視覚障害教育制度の変遷について論じ、これからの視覚障害教育の動向を、受講生との協議を交えながら考える。
13.視覚障害児教育法(1)-視覚障害児の認識と指示- 木塚泰弘
(日本ライトハウス・理事長)
1.WHO国際生活機能分類と障害の捉え方WHO
2.感覚情報障害とその補償
①保有する感覚の活用 ②感覚代行と視覚補強
3.感覚情報の特性に応じた活用
①聴覚情報の活用 ②筋感覚による運動のコントロール ③嗅覚・味覚の活用
4.空間概念の形成と活用
①観察のストラテジー ②モデルによる図形・立体概念の形成 ③具対物の観察と地理的空間概念の形成
5.音声の聞き取りと点字の触読
14.視覚障害児教育法(2)-乳幼児期の発達と指導- 猪平眞理
(宮城教育大学・教授 )
 視覚障害のある乳幼児の発達支援は、親の障害受容等への援助を心がけて育児力を高め、子どもには人や物への関心を養うことを大切にした取り組みである。
 視覚情報の不足を他の感覚で補う具体的な方法を講述する。
15.視覚障害児教育法(2)-職員教育- 長岡英司
( 筑波技術短期大学・教授)
 視覚障害者の職業事情や高等教育の現状を概観するとともに、盲学校等における進路指導や職業教育について情報と意見の交換を行う。特に、高度情報化社会に対応するための情報処理教育に注目し、関連する技術の現状や進展の動向について紹介する。
16.視覚障害教育課程と通級による指導 千田耕基
(教育支援研究部・部長)
 盲学校及び弱視特殊学級・弱視通級指導教室の教育課程を説明し、視覚障害児の学習指導の現状と課題について、それぞれの取り組みを紹介し、通級による指導の教育的支援及び援助の視点について論じる。併せて、特別な指導の場の今後の動向を受講者と協議する。
17.視覚障害者の福祉とリハビリテーション 坂本洋一
(和洋女子大学・教授)
 障害者福祉のサービス利用に係る社会福祉基礎構造改革と支援費制度の仕組みに触れ、視覚障害福祉の課題となっている地域生活支援システムを紹介し、視覚障害者のリハビリテーション、特に社会適応訓練の現状と課題を解説する。
18.バリアフリー時代のモノ・サービス・生活環境そして遊び―視覚障害を中心に- 星川安之
(財団法人共用品推進機構・専務理事)
 1981年の国際障害者年のテーマ「完全参加と平等」以来、国内外、公的・民間機関を問わず「障害の有無に係わらず共に使いやすい製品・サービス・生活環境」に関しての普及が進んできています。今回は、視覚障害を軸に「共用品・UD・アクセシブルデザイン」を紹介していきます。また、1990年から日本玩具協会を中心に行われている「共遊玩具」に関しても、その始まりからの経過について紹介していきます。
19.ハプティックスによる図形知覚とその指導 志村洋
(福岡教育大学・教授)
 盲児が物の形や図形などを知覚し認知する場合に活用するハプティックス(能動触)について概説したうえで、盲児の形の知覚の特色及びハプティック知覚の特色及ハプティック技能の指導法について講義する。本講義のねらいは、盲という状態の理解の促進である。
20.視覚の病理 仁科幸子
(国立成育医療センター・眼科医師)
 小児の視覚障害の原因となる眼疾患のうち、特に眼の発生過程で起こるさまざまな先天眼疾患、同産期に起こる未熟児細膜症の病態について解説し、それぞれの疾患による障害の特性について指導する。
21.視覚生理学概論 新井千賀子
(企画部・研究員)
 視機能評価、視覚の病理の講義の理解の基礎となる視覚および視機能の基礎について講義する。またこれらの知識は個別の教育支援計画や児童・生徒の実態把握に必要となるものであり、できるかぎり教育実践と結びつけた内容とする予定である。
22.歩行指導の理論(1)-歩行の基礎理論- 山本利和
(大阪教育大学・教授)
 歩行指導の基礎理論として、(1)移動と空間認知に関する心理学と地理学での理論から生まれた、歩行訓練に関する新しい理論的枠組みを紹介する。(1)視覚障害乳幼児と小学生への歩行訓練を例示し、具体的に指導方法を紹介する。
23.歩行指導の理論(2)-歩行と地図- 柴田裕一
(兵庫教育大学・助教授)
 視覚障害児・者の歩行指導の基礎(概略、考え方)を、地図(メンタルパップ、触地図)とも関連させ、以下の4つに大別して論ずる。
1.歩行指導の考え方
2.歩行に必要な基礎的能力
3.歩行能力
4.視覚障害児の歩行指導の考え方
24.歩行指導の理論(3)-歩行と日常生活- 山梨正雄
(広島大学大学院・教授)
 歩行メカニズムや歩行指導の内容等について、また、先天盲中途失明との指導時の観点等について講義する予定である。
25.歩行指導演習① 左振恵子
(筑波大学附属盲学校・教論)
 視覚障害児・者の歩行の種類についての説明後、その中の一つである手引きガイド歩行の方法、指導法、留意事項等の講義と実技及び屋内単独歩行の方法、環境認知の際に必要な情報提供についての講義と実技を行う。尚、実技はペアを組んで行うものとする。
26.歩行指導演習② 赤池信夫
山口崇
(筑波大学附属盲学校・教論)
白杖に関する知識、白杖の処方方法、白杖携行時の諸技能、白杖歩行の基本技術(スライド法・タッチテクニック・階段昇降・ガイドラインテクニック等に関する講義とアイマスクを利用して、白杖携行時の諸技能と白杖歩行の基本技術についての実習を行う。
27.歩行指導演習③ 牟田口辰己
(広島大学大学院・助教授)
 歩行指導における指導計画の作成と留意点について解説する。その後、受講生それぞれに出発地点とゴール地点を指定し、そのコースを単独歩行できるようにするための指導計画を作成してもらう。
28.歩行指導演習④ 牟田口辰己
(広島大学大学院・助教授)
 演習③で作成した指導計画を基に、アイマスクをした受講生を生徒に見立て、指導の実践を体験する。なお受講生は、指導者と生徒の両者をそれぞれ体験できる。
29.点字の表記・指導(1)-導入期の指導- 大内進
(企画部・総括主任研究官)
 点字以前の文字・ブライユ点字・日本点字の翻案など盲人の文字の歴史について概観した上で、「点字の表記」入門編として日本点字の基本的かなづかい、数学やアルファベットを用いた語の書き表し方などについて実習を通して解説する。点 字の初期指導法や点字触読の研究成果についても紹介する。
30.点字の表記・指導(2)-学校教育における指導- 澤田真弓
(教育支援研究部・主任研究官)
 点字の表記・指導(1)を受け、「日本点字表記法2001年版」をもとに、「点字の分かち書き」「書き方の形式「点字の読み書きの指導」について実習を交えながら話を進めていく。
31.点字の表記・指導(3)-専門点字入門- 加藤俊和
(京都ライトハウス点字図書館・館長)
1.点配列と点字配列の科学性
2.自動点訳の限界と変換率向上の方法
3.数学・理科の2次元的拡がりの点字表現
4.世界共通の点字楽譜と変換ソフトウェア
5.触図は1文字の電光掲示板
32.点字実習とコンピュータ 大内進
(企画部・総括主任研究官)
田中良広
(教育支援研究部・総括主任研究官)
澤田真弓
教育支援研究部・主任研究官)
金子健
(企画部・主任研究官)
 コンピュータ上で点字を扱うために機器類としては点字プリンタ、ピンディスプレイ、点字電子手帳など、ソフトとしては点字エディタ、自動点訳ソフト、点字OCRなど様々なものがある。この講義では、これらの活用法をデモンストレーションおよび実習を交えて解説する。視覚障害教育情報ネットワークについても紹介する。
33.視覚障害者の情報処理-音声・画面拡大- 岡田伸一
(障害者職業総合センター・主任研究員)
 視覚障害者のパソコン利用に不可欠なスクリーンリーダと画面拡大ソフトについて概説する。また、現在開発中の省スペース型及び携帯型拡大読書器等についても紹介する。
34.乳幼児期の触覚の活用 金子健
( 企画部・主任研究官)
 視覚障害児の乳幼児期における触覚の活用について、まず、触覚の特性について他の感覚との比較をまじえて論ずる。その上で、環境の把握、物の操作、絵・図形・文字(点字)情報の入手などのそれぞれにおける触覚の活用についての考え方と具体的対処法について述べる。
35.弱視児のための情報処理と教材の電子化 氏間和仁
(愛媛県立松山盲学校・教論)
 弱視児・者の視覚特性は多様である。①彼らの視覚特性を踏まえた情報処理環境の構築②ITC教育を実践する際の彼らへの配慮事項③彼らの扱いやすいe-Leamingについて、基本概念、事例を交えてお話し致します。
36.視覚障害児者の教育・医療・福祉の連載 渡辺文治
(神奈川県総合リハビリテーションセンター七沢ライトホーム・主査)
 視覚障害者は年齢も、障害の状況も大きく異なる。そのためニーズは様々で医療・教育・福祉・職業と多岐にわたる。これらのニーズに応えるためには各分野の連携が必要となる。神奈川の現状を例に説明する。
37.乳児と幼児期のロービジョンケア 川瀬芳克
(愛知淑徳大学・教授)
乳幼児期は視覚発達の大切な時期であり、疾病の管理とともに、適切な屈折異常の矯正などの視覚管理を行うことが重要です。矯正視力の向上がみられない児であっても同様です。講義ではロービジョン児の長期経過について報告するとともに屈折異常の体験をします。
38.教科別指導法(1)-点字・国語教育を中心に- 小林一弘
(日本社会事業大学・非常勤講師)
 視覚障害児の言葉の指導を、事物・事象や動作と言葉との対応、点字表記の体系的指導、点字常用者に対する漢字・漢語の指導等について、障害の理解を踏まえた指導のあり方、学ぶ者の立場に立った指導のあり方を考える。
39.教科別指導法(2)-観察の指導の指導- 鳥山由子
(筑波大学・教授)
 観察と実験の意義と、基礎的な内容の指導法について、講義と実習を行う。特に、感覚の活用、観察内容の言語化、見通しを持って主体的に学習するための全体像の把握の重要性、時間配分、安全対策などについて、具体的な理解を図る。
40. 教科別指導法(3)-算数・数学科を中心に- 大内進
(企画部・総括主任研究官)
 視覚障害教育における算数・数学科の内容の取扱いと留意点について全体的に整理した上で、基本的な留意事項、教材・教具とその活用法、自作教材作成上の配慮点などについて各領域毎に概説する。計算や図形などの重要な教具について実習する。新教科書の編集方針についても解説する。
41. 弱視学級における指導と学習支援 坂下恵子
(神奈川県横浜市立神奈川小学校・教論)
 通常の学級で学ぶ通級児童の精神的負担をできるだけカバーしたいと考え、指導を行っている。今回は、通級指導教室における指導についてその様子を知らせたい。また、時間が許せば、弱視学級についてもふれたいと考えている。
42.視機能評価法(1) 佐島毅
(筑波大学・助教授)
主に重複障害児および視覚障害乳幼児の視機能評価の基本的な考え方と実際について、事例のビデオを紹介しながら理解を深める。また、アセスメントの結果からどのようにアプローチへつなげたらよいか、その糸口と視点についても触れる。
43.視機能評価法(2) 新井千賀子
(企画部・研究員)
 乳幼児から成人、単一障害から重複障害まで幅広い範囲における視機能評価の目的、方法、その教育実践への活用について講義する。また、医療情報の解釈および医療機関との連携についてのテクニックについても言及する。
44.聴覚機能とその検査法 佐藤正幸
(教育支援研究部・総括主任研究官)
本講義では、外耳・中耳・内耳などの聴覚器官の構造及びその役割について概説する。そして、これらの基礎知識を踏まえて、どのような聴覚機能の評価を行うかについて検討し、その検査(評価)法の1つである純音聴力検査について実習を行いながら概説する。
45.視覚障害児の心理検査法 大内進(企画部・総括主任研究官)
金子健
(企画部・主任研究官)
視覚障害児の実態把握のために用いることができる心理学的な検査について、現在利用可能なものを中心に概説する。これらの検査のうちの幾つかについては、実習を行いながらそれらの検査の実施方法、評価方法、利用上の留意点などについて具体的に考察する。
46.言語発達の基礎条件 岡本夏木
(元京都女子大学・教授)
はじめに、言語のもつ基本的性質と、その獲得・発達過程をとらえる時の視点について述べる。つづいて段階的にその発達において不可欠と思われる諸条件をあげ、具体的な例を示す。最後にことばの使用が、子どもの発達全体にとってもつ意 味を考える。
(4コース共通)
47.弱視児の視知覚 千田耕基
(教育支援援助研究部・部長)
 弱視児の視知覚や視覚的認知について、弱視児の行動や弱視シミュレーションメガネを通して考えてみる。そして、その指導上の配慮事項について検討する。
48.視覚障害者の進路 皆川春雄
(東京都立八王子盲学校・校長)
Ⅰ.視覚障害児の進路を、平成16年度の全国盲学校の動向調査から考える。
Ⅱ.これからの盲学校の在り方について
特別支援教育体制における盲学校の今後について、保護者の意見等も考慮して考える。
49.教育相談・早期相談とネットワーク 千田耕基
(教育支援研究部・部長)
障害がある子どもたちに対する早期教育相談の必要性について考え、盲学校や弱視学級の役割、特に地域における相談のセンターとしてどのような支援ができるのかその支援のあり方について、受講者との協議を行いながら考える。
50.弱視用補助具概論 大倉滋之
(東京都世田谷区立笹原小学校・教論)
 本講では、まず、弱視児のための拡大システムについて、それぞれの長所・短所を整理した後、その中でも最も手軽で活用範囲の広い弱視レンズを中心に、種類と特徴、選定の手順と方法、指導のプロセスについて論ずる。
51.拡大教科書の操作とその活用‐拡大教科書作成マニュアルを中心に- 遠藤赫子
(神奈川県ライトセンター拡大写本・代表)
金子健
(企画部・主任研究官)
 「拡大教科書」について、拡大写本ボランティアによる作成の実際や、当研究所によるDTPを用いたカラー版の作成などに関して、その作成方針及び活用方法も含めて、デモンストレーションを交えて講義する。
実地研修
題目等 研修先 研修内容
1.筑波大学附属久里浜養護学校の指導の実際 筑波大学附属久里浜養護学校
教頭 馬場信明
小学部主事 浜津平一
幼稚部主事 吉川明守
教務主任 工藤貴子
 平成16年度より国立大学法人筑波大学付属久里浜養護学校となる。知的障害を伴う自閉症の児童の教育についての研修を行い、自閉症教育のあり方について考える機会とする。
筑波大学附属久里浜養護学校
〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-1-2
2.盲学校及び弱視通信指導教室における指導の実際 横浜市立盲学校
校長 斉藤政和
副校長 田辺政美
教論 阿部伸男

横浜市神奈川小学校
教論 坂下恵子
 横浜市立盲学校では,早期教育相談から幼稚部・小学部・中学部・高等部・専攻科・理療科の課程を設置している。施設設備も充実しており、また情報教育や図書室の運営等においても特徴がある。授業場面を実際に見学し、盲学校における指導の実際について研修を深める。また、弱視学級・弱視通級指導教室を設置した横浜市立神奈川小学校を訪問する。具体的な指導の様子を見学し、教材・教具の工夫、教室環境、指導方法について研修を行う。

横浜市立盲学校
〒221-0005 神奈川県横浜市神奈川区松見町1-26
横浜市立神奈川小学校
〒221-0044 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川2-35-1
視覚障害情報提供施設における活動の実際 神奈川県ライトセンター
指導課長 宗 知英
訓練課長 若松万里子
主事 八木菜穂美
 神奈川県ライトセンターでは、点字・録音図書などの情報提供や各種の相談・指導、またボランティアの育成等も行っている。実際にそれらの活動と施設設備を見学しながら研修を深めていく。
神奈川県ライトセンター
〒241-8585 神奈川県横浜市旭区二俣川1-80-2
研究協議・自己研修
講義題目等 内容等
研究協議  ここでは、各自が持ち寄った課題について協議をし、課題解決に向け研修を 深めていく。そして9週間にわたる研修のまとめとして「短期研修視覚障害教育コースレポート集」を作成していく。全8回の研究協議を予定している。(1)は、各研修員の持ち寄った課題について協議を行う。そして(1)を受けて課題別にグループ分けをし(2)(3)(6) では、そのグループごとに協議を深める。(5)は全体で研究成果レポートに向けた中間報告を行う、(4)については、テーマを「歩行」に絞り、(4)の日程前までに行われる歩行指導理論や演習の総括を行う。(7) (8)は成果報告会とし,総括協議を行う。
自己研修  自らの課題解決に向け、図書室等での資料収集や、他機関の見学など、主体的に研修できる時間である。全体で11コマ設定している。他機関の見学を希望する場合は所定の手続きによる。
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