障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

平成19年度 第一期 特別支援教育専門研修 言語障害教育コース専門講義等内容

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専門講義・演習

講義題目等 講師氏名(所属・職名) 講義内容
コミュニケーション障害とその援助 松村 勘由
(教育研修情報部・総括研究員)
 言語障害をコミュニケーションの障害と考えることで、子どもへの支援の幅が大きく広がっていく。子どもを学校や家庭・地域等周囲環境の中で生活する主体として見つめること、子どもを暮らしの中で繰り広げられる周囲との関わり合いの中で捉えることを通して、子どものコミュニケーション上に生じる様々な躓きに対して支援していくという関係への支援のあり方について考えていく。
言語機能とコミュニケーション 牧野 泰美
(企画部・主任研究員)
 「言語機能」、「言語機能の獲得と障害」、「コミュニケーションの成立や深まり」といったことに関する基礎的な知見を解説するとともに、コミュニケーションを深め拡げるという観点から、子どものことばを支える関わりについて考える。
子どもと保護者のニーズに応じた個別 の指導計画 小林 倫代
(教育相談部・総括研究員)
子どもと出会ってから、指導計画を作成するまでに、どのような視点で子どもを見て、目標や課題を立てていくのでしょうか。全国調査の結果を紹介したり、先生方実践例を聞かせていただきながら考えていきたい。
構音障害の基礎 後上 鐵夫
(教育相談部・上席総括研究員)
表記法を含む日本語の構音に関する基礎的事項を整理し、さらに言葉の発達に課題のある子どもの行動観察やアセスメント等の方法について考える。
脳機能と発達の障害 渥美 義賢
(教育支援研究部・上席総括研究員)
脳の構造と機能及びその障害についての基礎的な知識と発達障害児をみる際の脳機能障害と心理・環境要因の関連について講義する。
言語発達の遅れの指導の基礎 久保山 茂樹
(教育支援研究部・主任研究員)
乳幼児期の言語・コミュニケーションの発達について、子どもの発達の全体像と関連させながら、概説する。
言語発達の遅れの指導の実際(1)
-言語・コミュニケーションの指導-
久保山 茂樹
(教育支援研究部・主任研究員)
ことばの遅れのある乳幼児との「早期出会い」の場である乳幼児健診、「早期からかかわり」の場である療育について、その目的や内容を保護者のおもいとともに概説し、ともに考えたい。
言語障害教育の歴史と制度 宍戸 和成
(文部科学省初等中等教育局・視学官)
言語障害教育の始まり、学級における指導から通級指導教室での指導への移行などの歴史的な推移を踏まえ、「通級による指導」の意義と今日的な課題について、共に考えたい。
言語障害教育の教育課程
宍戸 和成
(文部科学省初等中等教育局・視学官)
教育課程の基準である学習指導要領に基づいた難聴・言語障害特別支援学級や通級による指導の教育課程編成について説明する。
言語発達の理論 浜田 寿美男
(奈良女子大学・教授)
ことばは人と人とをつなぐ。しかしことばによってはじめて、人と人とがつながるのではない。それどころかむしろ逆に、人と人がつな-がるところにことばは生まれる。本講ではこのことばの発生の問題を考える。
構音障害の評価と指導 中村 勝則
(西東京市立保谷小学校・教諭)
構音障害のある子どもについて、構音発達の条件、構音と子どもの評価、指導の原則、指導の実際などについて解説する。
口蓋裂の医療 大久保 文雄
(昭和大学医学部・准教授)
口蓋裂は先天性の比較的頻度の多い疾患であり、その治療には多数の構成メンバーによるチーム医療が必要とされている。その理解のために口蓋の解剖、生理、発生及び、口蓋裂の病理、外科的治療について解説する。
大脳の生理・病理 (1)(2) 西牧 謙吾
(教育支援研究部・上席総括研究員)
運動・感覚・知覚の生理、自律神経・内分泌の機能、高次脳機能(記憶・情報・認知・行為・意識・睡眠・言語など)、脳疾患(脳血管障害・脳変性疾患・遺伝子異常疾患等)、障害児の脳病変、脳画像、機能などについて解説する。
(*(1)視覚障害教育コースと共通)
発達の理論 鯨岡  峻
(中京大学・教授)
1.なぜ関係論視点に立つのか
2.発達概念を再考する
3.両義性という概念がなぜ必要か
4.「関係障碍」という概念を巡って
5.障碍のある子どもの自己性の発達を考える
(*聴覚障害教育コースと共通)
吃音の基礎 小林 宏明
(金沢大学・准教授)
吃音のある子どもと関わるに当たり必要となる基礎事項、及び吃音について現在までに明らかにされている事項を整理するとともに、吃音臨床における問題は何か、どのような指導・支援が可能なのかについて言及する。
言語心理学 林部 英雄
(横浜国立大学・教授)
障害の有無に関わらず、ことばの発達を考える上での最も基本的な枠組みとして重要な、臨界期等の概念を含んだ生物学的基礎について述べると同時に、ことばの機能の観点についてもおわかりいただけるよう講義する。
身体運動とコミュニケーション 木舩 憲幸
(広島大学大学院・教授)
言語の基礎には認知がある。認知発達の基礎である感覚運動発達過程について講義する。さらに、言語における感覚間統合の重要性について述べる。全体を通して、基礎と指導の実際を融合させて述べる。
言語発達の遅れの指導の実際(2)
-読み・書きの指導-
海津 亜希子
(企画部・研究員)
読み書きが困難な子どもの指導について、アセスメントから個別の指導計画、そして指導の実際について概説する。
吃音と自己肯定感 牧野 泰美
(企画部・主任研究員)
松村 勘由
(教育研修情報部・総括研究員)
後上 鐵夫
(教育相談部・上席総括研究員)
伊藤 由美
(教育相談部・心理療法士)
吃音のある子どもへの指導・支援においては、吃症状のみでなく、それがあることによって生じる様々な困難さを視野に入れる必要がある。ここでは、吃音のある子どもが、自己を肯定的に捉えていくためにどのような支援が可能なのか、現在研究所で取り組まれている課題別研究の議論・成果も踏まえて考えてみたい。
口蓋裂の指導 今富 摂子
(埼玉県小児医療センター保健発達部、昭和大学形成外科・言語聴覚士)
口蓋裂及びその類似領域に関して、鼻咽腔閉鎖機能ならびに構音の評価について述べるとともに、その指導法を解説する。
言語障害教育の課題と展望 菅井 邦明
(東北福祉大学・教授)
言語障害のある子どもの教育について、教育全体の中でその在り方を俯瞰するとともに、言語障害に関わる教育の専門性、教員の専門性などについて考える。
聴覚機能の障害と支援
横尾  俊
(教育研修情報部・研究員)
聴覚機能について生理学的、心理学的に概説する。さらに、実践事例を通して聴覚障害児の支援について概説する。
構音障害の指導の実践 西田 立郎
(上尾市立西小学校・教諭)
・構音指導の基本的事項
 音作り
 歪み音(側音化構音・口蓋化構音)の指導
・実際の構音指導を事例を通して述べる。
吃音の指導の実践 杉原  晃
(大阪市立上福島小学校・教諭)
吃音を再現することは、子どもの指導に役立つだけでなく、指導者自らの吃音に対する態度にふれることになるだろう。積極的に吃音を持つ子どもを支援することについて、共に考えたい。
吃音への指導と支援 伊藤 伸二
(日本吃音臨床研究会・会長)
吃音児への真の支援とは何か。吃音症状の軽減や消失を目標とする従来の指導から脱却し、新しい吃音観に立った実践を、ことばの教室でどのように展開できるかを、吃音親子サマーキャンプの実践などを通して提示する。
校内支援体制におけることばの教室の役割 戸田 淑子
(相模原市立桜台小学校・教諭)
ことばの教室から提案してすすめてきた校内支援の取り組み、支援した子どもたち、相模原市の地域条件などを話題として、校内支援に必要な源、通常の学級との連携、校内の体制作りなどについて述べる。
社会性とコミュニ ケーション 緒方 明子
(明治学院大学・教授)
障害のある子どもの社会性とソーシャルスキル、コミュニケーションなどを視点に、子どもの見方、指導・支援の考え方やその実際などについて解説する。
言語発達の遅れの指導の実践 阿部 厚仁
(世田谷区立駒沢小学校・教諭)
ことばの発達に遅れや偏りのある子どもの理解、教材教具等の活用、指導の実際について考える。
地域におけることばの教室の役割 金曽 奈穂美
(北海道中川郡幕別町立札内南小学校・教諭)
地域支援と校内支援をつなぐことばの教室担当者の実践から、ことばの教室が地域の相談支援体制に果たす役割などについて考える。
通級指導教室と福祉機関との連携 清水 英子
(横浜市南部地域療育センター・ソーシャルワーカー)
横浜市南部地域療育センターにおける幼児期への対応と関わりについて、
 1.幼児期の福祉制度の利用について、
 2.初期相談、初期療育における親への対応、
 3.幼稚園、保育園への巡回相談(子どもの問題と対応)について、概説する。
言語障害教育における保護者支援 小林 倫代
(教育相談部・総括研究員)
久保山 茂樹
(教育支援研究部・主任研究員)
保護者のおもいを大切にしながら、保護者との協働をどのようにすすめていくかについて研究成果を踏まえながら、先生方とともに考えていきたい。

特別支援教育専門性向上講座(基礎編)より配信視聴(※任意) ただし、認定講習履修者は必修

講義題目等 講師氏名(所属・職名) タイトル
視覚障害教育 田中 良広
(教育支援研究部・総括研究員)
①視覚障害教育とは
②視覚障害児に応じた教育課程編成
③各教科等の指導の工夫
④職業教育と進路指導
⑤自立活動の具体的指導
⑥情報機器等の活用
聴覚障害教育 藤本 裕人
(企画部・総括研究員)
①聴覚障害とは
②各教科等の指導上の工夫
③自立活動
知的障害 木村 宣孝
(教育支援研究部・総括研究員)
①知的障害の理解と教育的対応の基本
②知的障害教育における教育課程の編成
③各教科等の指導と工夫
情緒障害 廣瀬 由美子
(教育支援研究部・総括研究員)
①情緒障害の理解と教育的対応の基本
②自閉症等の発達障害のある児童生徒の指導について
③選択性かん黙等の心理的要因が絡む児童生徒の指導について
肢体不自由教育 當島 茂登
(教育支援研究部・総括研究員)
①肢体不自由教育と教育課程について
②各教科等の指導の工夫
③自立活動の具体的指導
病弱身体虚弱教育 西牧 謙吾
(教育支援研究部・総括研究員)
①病弱教育とは
②病弱教育の歴史
③病弱教育の指導(Ⅰ)
③病弱教育の指導(Ⅱ)
LD・ADHD教育 笹森 洋樹
(教育支援研究部・総括研究員)
①定義と判断基準
②学校における気づきと実態把握
③指導の実際
④個別の指導計画の作成

実地研修等

題目等 研修先 研修内容
言語障害児の指導の実際 鎌倉市立御成小学校
言語障害通級指導教室
言語障害通級指導教室において行われている教育実践と施設の見学を行う。
 鎌倉市立御成小学校
〒248-0012 神奈川県鎌倉市御成町19-1

題目等 内容等
研 究 協 議 研修員が持ち寄った実践例等をもとに、共通な課題を設定し、協議を行う予定である。
課 題 研 究  研修員それぞれの課題の解決に向け、図書館での資料収集、他機関への訪問等、受講者が主体的に計画を立てて取り組む研修の時間である。
 全体で10コマを設定している。
 所外での研修を行う場合は、所定の手続きによる。
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