障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

言語障害のある子どもの通常の学級における障害特性に応じた指導・支援の内容・方法の開発に関する研究-通常の学級と通級指導教室の連携を通して-

研究代表者
牧野泰美
研究分担者
松村勘由,久保山茂樹,小林倫代
研究班
言語班(研究班長 小林倫代)
概要
 構音障害,吃音等,言語障害のある子どもの障害特性に応じた指導・支援については,言語症状への治療的な指導の方法,言語障害の状態の認識や受容への支援の在り方等,通級指導教室における個別的な対応を中心に,その内容・方法の研究・開発が進められてきました。子どもが多くの時間を過ごす通常の学級での対応に関しては,主に,周囲が配慮すべき事項について報告されてきましたが,通常の学級という集団の場において可能な指導・支援の方法や,学校生活全般における障害特性に応じた配慮事項等は充分には検討・整理されていない状況にあります。
 そこで本研究では,これまでの知見を踏まえ,授業や休み時間,放課後等,通常の学級における学習や生活の各場面での障害特性に応じた指導・支援の工夫,配慮事項について体系的に整理するとともに,子どもの言語面に対して,通常の学級で可能な指導内容・方法について検討します。また,通級指導教室の指導と通常の学級の指導の関連性や役割の区分などを整理し,通級指導教室と通常の学級のより機能的な連携の内容・方法について考察します。具体的な研究活動としては,研究課題に関わる実践報告や研究をレビューするとともに,各学校現場での状況を調査しその現状と課題を把握します。さらに,課題に関わる実践例の収集と実践研究を行い,言語障害のある子どもの通常の学級での生活を円滑にするための知見・方法を整理します。
 本研究の成果は,通常の学級担任に可能な言語障害のある子どもへの指導・支援や配慮事項,通級指導担当教員が行う通常の学級への支援,双方の連携の在り方等についての知見を具体的に教育実践に活用できる形にまとめ,研究報告書として提供します。
 本研究は,通級指導担当教員や通常の学級担任の資質向上にも資するものであるとともに,通常の学級に在籍する言語障害のある子どもの学習や生活の向上に寄与するものです。
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