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[5]重複障害教育における情報機器の活用

      平成21年3月に文部科学省が作成した『教育の情報化に関する手引き』(http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/1259413.htm)の第9章は、「特別支援教育における教育の情報化」として特別な教育的支援を必要とする児童生徒への情報機器等の活用について書かれており、この中でも「重複障害等の児童生徒に対する情報教育の意義と支援の在り方」について述べられています。
     重度の障害のある幼児児童生徒にとって、外界との「相互作用」は、困難なことです。外界に働きかけようとしてもそのための手段をもたない、発信行動は見られるものの、それをうまく汲み取ることができないなど、発信側及び受信側、双方において問題を抱えています。
     こうした幼児児童生徒の日常生活の中で、かかわり手の側が幼児児童生徒の意思を受け止める姿勢をもてず、子どもの意図に裏打ちされた行動であることに気付かれずに過ごしていると、幼児児童生徒は外界の変化の原因になれず、何らかの能力があることに気付かれないままに、やる気を無くして、受け身の生活を強られてしまいます。いわゆる学習された無力感(learned helplessness)です。
     人間は生後まもなくの頃から外界に自分で働きかけ、その変化を確かめたり、予測してみたりしながら、自分の起こした行動とその結果との関係を分かろうとしています。障害が重度であっても、その子なりの方法で自分の内側の世界と外側の世界を組み立てようとしています。
     佐伯(1995)は、「『分かる』ということの意味」の中で、人間誰でもがもっている要求として、次の二つを挙げています。

  • (1) 私は外界の変化の原因になりたい。
  • (2) 私には何らかの“能力”があることを認めてほしい。

     重度の障害のある幼児児童生徒たちにも当然のことながら同様の要求があります。自分が働きかけた結果として、周囲の状況が変わり、人を動かすことができるという、人とかかわる面白さを体験しながら、自分で動きを起こしたり、止めたりしながら分かろうとしています。この外界への働きかけの中から、周囲の様々なものごとの関係を学ぼうとしているのです。
     近年、こうした幼児児童生徒たちに対してAAC(Augmentative and Alternative Communication:拡大代替コミュニケーション)を基礎としたテクノロジー(アシスティブ・テクノロジー Assistive Technology)の利用に関心が集まっています。アシスティブ・テクノロジーは、例えば、文字盤等の高度のテクニックを必要としないもの(ローテク)から、パソコン等の情報機器を活用したもの(ハイテク)まで多種多様です。
     操作スイッチによる玩具遊びも支援テクノロジーの一例です。個々の幼児児童生徒の障害に合った操作スイッチを子どもが獲得することで、玩具遊びに参加することができるようになります。そこから次に、誰かに対して働きかけたり、時にはお手伝いをしたり、いたずらしたり、誉められたいという気持ちになったり、「できた」という達成感を味わったりするなど、支援技術はこうした学級や地域社会に参加していくことを現実にする世界への入口です。

 

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