最初に情緒障害についてですが、一般に、「身体的、あるいは器質的には何らかの原因になると考えられるような要因は認められず、主として社会的あるいは対人関係を中心とした心理的な原因によって生じた、機能的な行動異常」を指します(杉山雅彦、2000)。また、文部科学省の就学指導資料(2002)においては、情緒障害を「情緒の現れ方が偏っていたり、その現れ方が激しかったりする状態を、自分の意思ではコントロールできないことが継続し、学校生活や社会生活に支障となる状態」と規定しています。
次に自閉症についてですが、同資料では、情緒障害教育の対象に自閉症等も含むものとしています。これは、これまでの歴史的経過により、教育制度として、情緒障害の一部として自閉症を位置付け、それらの障害のある児童生徒を特別支援学級及び通級による指導の対象としてきたからです。
現在では、自閉症及びそれに類する障害と、かん黙、不登校などの心理的な要因による情緒障害とは、障害の原因が異なることが明らかであることから、両者に対する指導内容や配慮事項は異なるということを十分に認識しておく必要があります(就学指導資料、2002)。また、自閉症と情緒障害の違いをより明確にすることが必要であることなどから、平成21年2月の文部科学省1126号通知によって、従前の情緒障害特別支援学級の名称を「自閉症・情緒障害特別支援学級」と変更をしています。
なお、自閉症の原因は、中枢神経系における何らかの機能不全であることが定説です。