ア ADHD(注意欠陥多動性障害)の定義

 ADHDとは、年齢あるいは発達に不釣り合いな注意力、及び/又は衝動性、多動性を特徴とする行動の障害で、社会的な活動や学業に支障をきたすものをいいます。また、症状は7歳以前に現れ、その状態が継続し、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると推定されます。

  イ 判断基準


支援を考える上で、判断基準はADHDの特徴かどうかの参考になりますが、ADHDの判断は、医療と連携した専門家や専門機関によって行われることが原則であり、学校でADHDを判断することには慎重な対応が必要です。

(ア) 以下の「不注意」「多動性」「衝動性」に関する設問に該当する項目が多く、少なくとも、その状態が6か月以上続いている。

○不注意

  • 学校での勉強で細かいところまで注意を払わなかったり、不注意な間違いをしたりする。
  • 課題や遊びの活動で注意を集中し続けることが難しい。
  • 面と向かって話しかけられているのに、聞いていないように見える。
  • 指示に従えず、また、仕事を最後までやり遂げることができない。
  • 学習などの課題や活動を順序立てて行うことが難しい。
  • 気持ちを集中させて努力し続けなければならない課題を避ける。
  • 学習などの課題や活動に必要な物をなくしてしまう。
  • 気が散りやすい。
  • 日々の活動で忘れっぽい。

○多動性

  • 手足をそわそわ動かしたり、着席していてもじもじしたりする。
  • 授業中や座っているべき時に、席を離れてしまう。
  • きちんとしていなければならない時に、過度に走り回ったりよじ登ったりする。
  • 遊びや余暇活動におとなしく参加することが難しい。
  • じっとしていない。または何かに駆り立てられるように活動する。
  • 過度にしゃべる。

○衝動性

  • 質問が終わらないうちに出し抜けに答えてしまう。
  • 順番を待つのが難しい。
  • 他の人がしていることをさえぎったり、じゃましたりする。
     

(イ)「不注意」「多動性」「衝動性」のうちのいくつかが7歳以前に存在し、社会生活や学校生活を営む上で支障がある。

(ウ)著しい不適応が学校や家庭などの複数の場面で認められる。

(エ)知的障害(軽度を除く)、自閉症などが認められない。
判断基準の多くの項目に該当し、ADHDの可能性が高いと考えられる場合でも、不注意や多動性、衝動性の行動特徴は、LDや自閉症などの他の障害の二次的障害の症状の一部として見られることがあります。不注意や多動性、衝動性の面に支援が必要であることは示していますが、ほかの面にも支援が必要であることも留意しておくことが大切です。