ア 学級担任や教科担任としての気付きと理解


一人一人に適切な教育的支援をしていくスタートは、児童生徒の出している様々なサインに対する担任の気付きです。サインに気付いたら、「いつ」「どこで」「どのような時」「どんな問題が起こるか」を観察し、問題となっているつまずきや困難さ等を正確に把握します。サインを見逃してしまったために、適切な対応が遅れてしまうこともあります。問題行動等につながることもあります。担任として、児童生徒の出すサインに気付く感性をもつことが大切です。
児童生徒のつまずきや困難さに気付いたら、担任が一人考えるのではなく、同じ学年の教員や校内のコーディネーター、特別支援学級や通級指導教室の担当者、養護教諭等の協力を得て、複数の目で検討することが必要です。
担任の児童生徒のサインに対しての気付きは、次のような場面や機会にありますが、そのいくつかを例にあげてみます。


(ア)児童生徒の困っている状況からの気付きと理解(担任の学習や生活場面で子どもが困っている状況からの気付きです。)

  • 教科書を読む時に、行をとばしたり、単語を言い換えたりして読んでしまいます。

  • ノートを書く時に、他の子に比べてとても時間がかかっています。

(イ)指導上の困難からの気付きと理解(担任の指導上困っている場面や状況からの気付きです。)

  • 順番が待てずに、他の人の学習をじゃましてしまいます。

  • 授業中、たびたび座席を離れて立ち歩いてしまいます。

(ウ)保護者相談での気付きと理解(担任の家庭訪問や教育相談における保護者からの情報による気付きです。)

  • 次々と物を出してしまい、部屋中散らかりっぱなしで片付けができません。

  • 翌日の学習の準備ができません。何でもカバンにつめこんでしまいます。

担任の気付きの記録をとっておくとともに、担任としてどのような対応や支援をしたか、児童生徒の反応はどうだったか等も記録するようにします。この記録は、校内委員会で提示する資料作りや個別の指導計画の立案・作成、保護者面接等の際に役立つ貴重な資料となります。

  イ 学校体制としての気付きと理解

 
児童生徒のつまずきや困難さの状況の把握、その原因の理解、指導方針等は学級担任や教科担任だけの対応では正しいかどうか、不安も出てきます。特に原因の理解については正しくとらえないと、その後の指導も間違った方向で進めてしまう可能性もあります。学年会や校内委員会は、担任のそうした不安を取り除く場であることが望まれます。そのためには、担任が率直に悩みを話せる雰囲気の学校であることが何よりも大切になります。

(ア)学年体制としての理解

  • 学年会で学年の児童生徒等についての情報交換と共通理解の時間を確保し、話合いを行います。
  • 同学年の学級間で対応の仕方を共通理解した上で、指導を行うようにします。
  • 中学校では、教科担任間で情報交換を行い、連携を図っていきます。

(イ)校内委員会など学校体制での理解

  • 担任として把握している情報を提供し、個別の指導計画の作成を通して共通理解を図るようにします。
  • 誰が、いつ、どこで支援していくか学校体制の方針を出して実践していきます。

(ウ)LD・ADHD・高機能自閉症等についての研修と理解

  • 全職員が参加する障害理解や指導法に関する校内研修を開催します。
  • 学級での指導にすぐに行かせるような研修内容を企画します。
  • 教育センター等の校外の研修にも積極的に参加して理解を深めます。