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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第98号(平成27年5月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・世界自閉症啓発デー2015について(終了報告)
【NISEトピックス】
・業務部の活動紹介(1) 企画部の活動について
【海外情報の紹介】
・フランス国立特別支援教育高等研究所(INS-HEA)との研究協力協定締結
について
【NISEダイアリー】
・平成26年度特別支援教育に関する調査の結果について
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●世界自閉症啓発デー2015について(終了報告)
              笹森 洋樹(教育情報部 上席総括研究員)

 4月4日(土)に東京・霞が関にある灘尾ホールにおいて、全国から300人
以上の参加者の下、世界自閉症啓発デー2015シンポジウムが開催されました。
このシンポジウムには本研究所も共催機関の1つとして参画しました。
 『共に支え合う-一人ひとりのつながりが大きな輪に-』をテーマに、4
つの市の市長をシンポジストに迎え2つのシンポジウムが行われました。シ
ンポジウム1では、新潟県三条市長、滋賀県湖南市長より早期からの子育て
支援の取組が紹介され、シンポジウム2では、岡山県総社市長、兵庫県神戸
市長より思春期・青年期の支援、就労支援の取組が紹介されました。
 また、世界自閉症啓発デー・日本実行委員会による啓発イベントとして、
4月2日(木)に東京タワーをブルーにライトアップすると共に、屋外広場や
ステージで展示会や演奏会も開かれました。世界自閉症啓発デーのブルーラ
イトアップは、世界の各地、日本の各地でも行われました。
 本研究所では、理解されることの難しい自閉症について、世界自閉症啓発
デーを機会に多くの人たちに知っていただき、支援が充実していくよう情報
普及に努めていきたいと考えています。

○世界自閉症啓発デー公式サイトはこちら→
  http://www.worldautismawarenessday.jp/

○本研究所の世界自閉症啓発デー特設サイトはこちら→
  http://www.nise.go.jp/waad/

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【2】NISEトピックス
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●業務部の活動紹介(1) 企画部の活動について
                原田 公人(企画部 上席総括研究員)

 企画部では、1.研究計画、政策連携・行財政担当、2.評価担当、3.
調査、国際担当の3つの担当を設け、以下の業務を行っています。
1.研究計画、政策連携・行財政担当
 本担当の業務は、(1)研究所の業務に係る調査及び研究に関する総合的な
企画及び立案並びに調整、(2)研究基本計画及び研究の実施計画、(3)特別
支援教育政策に係る情報収集、関係省庁との連携・連絡調整、(4)研究課題
設定の助言及び調整。(5)特別支援教育に関する研究動向及び大学等関係機
関との研究協力にかかる調整、(6)筑波大学附属久里浜特別支援学校との研
究協力、(7)特別支援教育に関する関係法制及び行財政施策に関する調査・
分析です。
 この中で(1) (2) (4)に記した研究に関する業務が中心になります。本
研究所で実施する研究は、「研究基本計画」に基づき、研究活動を戦略的か
つ組織的に行うために、年度毎の研究計画を立案します。研究計画の立案に
際しては、研究課題の精選や研究計画・内容の改善を図るため、都道府県教
育委員会や特別支援教育センター、学校長会等に対して研究ニーズ調査を実
施しています。研究計画を立案する段階において研究成果の現場への効果的
普及の方策について検討しています。
 また、毎月1回、研究班長会議を開催し、各研究班の研究内容の交流や進
行管理等を行っています。
 この他、都道府県・指定都市教育委員会から1年間派遣され研究等を行う
派遣研究員を受け入れています。

2.評価担当
 本担当の業務は、研究所の業務に係る評価に関する企画及び立案です。
 各研究課題について、国の政策課題や教育現場の課題への貢献等の観点か
ら、中間及び終了時における内部評価及び外部評価を実施しています。また、
Webサイトを活用し研究計画の事前・中間・事後において、教育現場をはじ
め広く国民から意見や情報の収集を行っています。

3.調査、国際担当
 本担当の業務は、(1)特別支援教育に関する調査の計画立案及び実施に関
し、研究所全体の調整、(2)外国の特別支援教育に関する調査・分析並びに
国内の特別支援教育情報の諸外国への提供、(3)外国の研究機関、大学等の
連携協力及び研究者との国際交流、(4)企画部の所掌事務に係る調査及び研
究です。
 特に、平成27年3月、フランス国立特別支援教育高等研究所との協定書を
交わし、海外の研究機関等との研究交流や情報交換の基盤を作りました。

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【3】海外情報の紹介
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●フランス国立特別支援教育高等研究所(INS-HEA)との研究協力協定締結
について
                棟方 哲弥(企画部 上席総括研究員)

 本研究所とフランス国立特別支援教育高等研究所(INS-HEA)は、平成27年
3月19日(木)に研究協力協定を締結致しました。INS-HEAは本研究所と同様
に、研究・研修・情報普及等の機能を持つ、フランスの特別支援教育のナシ
ョナルセンターです。締結式は、パリの郊外にあるINS-HEAにおいて小笠原
在仏日本大使館公使、田中一等書記官、シュレンヌ市テスチュード副市長の
ご臨席のもと宍戸理事長、INS-HEAのピュイグ所長により署名調印が行われ
ました。   
 ピュイグ所長、宍戸理事長、小笠原公使、テスチュード副市長の順に挨拶
のあと、記念品交換、署名、調印、記念撮影が執り行われました。協定書に
は、両機関が共同でインクルーシブ教育システムの構築に向けて、以下の4
つの活動を推進することが示されました。
 a)学術・研究・教育職員並びに管理部門職員の交流に関すること
 b)学術教育情報、文献、教材の交換に関すること
 c)共同研究の実施に関すること
 d)研究会及び事業等の共催に関すること
 本協定は、安倍首相とオランド大統領の共同声明による日仏間協力のため
のロードマップ(2013年-2018年)に位置づく活動と評価され、INS-HEAの担
当責任者との協議を通じて、研修コンテンツの相互利用の可能性など、具体
化に向けた検討が始まりました。それらの内容については、今後メルマガ等
を通じて、ご紹介して参ります。

○関連記事(メールマガジン第96号「海外情報の紹介」)はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,10172,13,260.html

○フランス国立特別支援教育高等研究所(INS-HEA)のサイトはこちら→
  http://www.inshea.fr/

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【4】NISEダイアリー
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           「分かるように伝えること」

 平成27年度が始まった。研究所の年度当初の催しは何か。それは、文部科
学省の新規採用職員等の研修を引き受けることである。4月13日、あいにく
の雨模様であったが、71名の新規採用職員が研究所を訪れた。
 午前中は、主に、隣の筑波大学附属久里浜特別支援学校の授業を参観し、
その後、研究所の講堂で研究所の概要等の説明を聞いた。午後からはグルー
プに分かれて、「iライブラリー」等に展示してある教材・教具を見学した。
 講堂で挨拶をする際、何を伝えようかと考えていた。これから、文部科学
省で仕事をしていく人たちである。特別支援教育について何か印象に残るこ
と、記憶に残ることは何かを思案していた。
 以前は、国立久里浜養護学校(現、筑波大学附属久里浜特別支援学校)の
重度・重複障害のある子どもたちが印象に残ったようである。以前、研修を
受けた方から、そんな話を耳にする機会が多かった。日本では、重度・重複
障害のある子どもたちも含めて障害のある子ども一人一人の実態に応じて教
育を受けているということ、これは、日本の教育に関わる仕事をしていく人
たちに知っておいて欲しいことである。
 隣の久里浜特別支援学校も、平成16年度から知的障害を併せ有する自閉症
の子どもを対象とする学校に移行した。対象が変わっても、こうした子ども
たちに対する教育を実際に参観できるという意味では、貴重な機会であろう。
 私が、伝えようと思ったことは、平成24年12月に報告された「通常の学級
に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒
に関する調査結果について」である。
 特別支援教育を考える時、特別支援学校や特別支援学級等における教育を
イメージするのが一般的であろう。しかし、平成19年の4月に特別支援教育
制度が施行され、今や、小・中学校等の通常の学級にも特別な支援の必要な
子どもが在籍する。その数は、約6.5%であるというのが、先の調査結果であ
る。ただし、この割合は医師の診断を受けたものではないことに留意する必
要がある。あくまでも、学校現場の先生がチェックリストに答えて出てきた
数字である。発達障害の可能性のある子どもは、40人学級であれば、2名ほ
どいるかもしれないという報告である。
 このように考えれば、特別支援教育は、小学校や中学校等でも考える必要
のある事柄である。小学校や中学校の先生はもちろんのこと、そうした分野
を所管する文部科学省の行政官にも関わりのあることである。
 特別支援教育の対象が、従来の障害に加え、発達障害(特に、学習障害や
注意欠陥多動性障害等)も加わったことから、これまで障害のある子どもの
教育に関わりのなかった人にも、特別支援教育を知っていただくことが必要
になった。
 まずは、文部科学省の新規採用職員の方々に、そんなことを知って欲しい
と思った。
 これからは、相手に分かるように伝えること、説明することが必要になる。
 いろいろな機会に「分かるように伝える」とはどういうことか、各自が考
えていきたいものだ。

           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

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【5】研修員だより

 今号は、平成26年度第二期特別支援教育専門研修を修了された金成むつみ
先生からお寄せいただきました。

「夢の先に」
               金成むつみ(長崎県対馬市立鶏鳴小学校)

 NHKの朝ドラは『花子とアン』も『マッサン』へとかわり、この春からは
『まれ』になりました。平成26年度第二期専門研修から半年が過ぎます。こ
とばの教室がない長崎県の離島対馬。言語障害のある子どもに対する支援は、
保護者の皆さんの試行錯誤による工夫や学級担任の配慮によってなされてい
ます。私が言語障害教育の専門性を身につけることで、このような現状を変
えるきっかけになればという思いで、言語障害教育専修プログラムに参加し
ました。
 私を含めて7名という家族のような研修員の仲間たちとは、毎日あみだく
じで席を決め、長机をくっつけては、講師の先生を囲んでお話を聞くという、
贅沢な時間を過ごしました。その中で強く思ったのは、やはり、対馬の言語
障害のある子どもたちのために、適切な支援の場が必要だということです。
 今年度私は、知的障害特別支援学級の担任として、2年目のスタートを切
りました。今は目の前の子どもたちに向き合い、どのような支援が良いのか
試行錯誤の毎日です。でも、ことばの教室の夢はあきらめていません。「道
草したっていい。一歩ずつ歩いていけばいい。曲がり角の先にはきっといい
もの、ステキな景色が待っているはずです」(『花子とアン』より)。平成
26年度第二期専門研修を受けたみなさん、「対馬にことばの教室ができまし
たよ。」という報告を楽しみに待っていてくださいね!

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=66989&lang=ja

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【7】編集後記
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 ようやく春らしい日が続くようになった三浦半島ですが、お住まいの地域
はいかがでしょうか。研究所で仕事をしていると季節を意識することが少な
くなってしまうのですが、保護者の皆様や先生方からいただくメールやお手
紙には季節感あふれることばが添えられていてうれしくなります。連休が終
わると第一期専門研修が始まり全国から75名の先生方がいらっしゃいます。
それぞれの地域からどんな春のお話を持って来て下さるか、いまから楽しみ
にしています。私も久里浜の「春自慢」ができるように近隣の公園で咲き誇
るポピーやツツジを見に出かけようと思います。
 最後までお読みいただきありがとうございます。本号では業務部の活動の
紹介と研究所が持つ国内外の様々なつながりについて報告をしました。研修
員だよりでは、金成先生が研修員の先生方のつながりを「家族のような仲間
たち」と書いていらっしゃいます。つながりの大切さについて新年度の始ま
りの時期に改めて考えさせられました。
 このメールマガジンも皆様と研究所との大切なつながりの一つです。これ
からも内容を充実して参りますので、ご愛読下さいますようお願い申し上げ
ます。
                  (第98号編集主幹 久保山 茂樹)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第98号(平成27年5月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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