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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第99号(平成27年6月号)
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■目次
【お知らせ】
・特別支援教育教材・支援機器等活用研究協議会の開催について 
・平成27度第一期特別支援教育専門研修開講
【NISEトピックス】
・業務部の活動紹介(2) 教育支援部の活動について
【海外情報の紹介】
・第30回テクノロジーと障害者国際会議(CSUN2015)の参加報告
【連載コーナー】
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●特別支援教育教材・支援機器等活用研究協議会の開催について
 特別支援教育支援機器等の活用の更なる充実と当該領域の関係者間のネッ
トワークを構築することを目的として、各都道府県の指導者層を対象に支援
教材、支援機器を活用した実践研修を特別支援教育教材・支援機器等活用研
究協議会において実施します。本研究協議会を通じ、特別支援教育教材・支
援機器等の活用に関する専門的知識を深め、各地域における指導の充実を図
ります。
 ◇期日:平成27年8月17日(月)~平成27年8月18日(火)
 ◇会場:本研究所研修棟
 ◇内容(予定):
  ・行政説明
   講師:文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官
      分藤 賢之氏
  ・特別講演
   講師:東京大学先端科学技術研究センター教授
      中邑 賢龍氏
  ・ワークショップ
   講師:兵庫教育大学学校教育研究科講師
      小川 修史氏
 ◇対象者(募集人数):障害のある幼児児童生徒のための教育支援機器等
  活用に関わる幼稚園・認定こども園・小学校・中学校・中等教育学校・
  高等学校・特別支援学校の教職員(50名)
 ◇参加申込:平成27年6月17日(水)~平成27年7月16日(木)
  ※申込期間中であっても、定員に達した場合は申込を締め切りますので、
   ご了承ください。
 ◇参加費:無料

 詳細は、後日、本研究所のWebサイトにて掲載する予定です。

●平成27年度第一期特別支援教育専門研修開講
 5月7日、平成27年度第一期特別支援教育専門研修(発達障害・情緒障害・
言語障害教育コース)が開講しました。
 特別支援教育専門研修では、約2ヶ月間、全国から派遣された、今後指導
的立場に立つことが期待される教職員が本研究所に宿泊し、特別支援教育 
全般と各障害種別に関わる専門的な講義や演習、研究協議、実地研修等を 
通して研修します。
 特別支援教育専門研修は、年に三期開講し、今期(平成27年5月7日~7月8日)
は、全国から集まった75名の教職員が研修に励んでいます。
 この研修では、知識、技術の習得のみならず全国から集まった教員同士の
情報交換やネットワークづくりも魅力となっています。

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【2】NISEトピックス
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●業務部の活動紹介(2) 教育支援部の活動について
              明官 茂(教育支援部長/上席総括研究員)

 教育支援部は、1.学校教育支援 2.教育相談支援・インクルーシブ教
育システム構築関連DB(インクルDB)の2つの業務を担当しています。
1.学校教育支援
 学校教育支援に関しては、各種学校長会や関連機関と情報交換し、特別支
援学校及び通常の学校、教育センターへの支援及び連携協力を業務としてい
ます。障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に向
けて、以下の4つのセクションで活動しています。
 特別支援学校担当は、全国特別支援学校長会(以下「全特長」)との連携
に努めています。本研究所と全特長との組織的な連携が円滑に進むように、
全特長が毎年実施する調査研究についても連携・協力を進め、平成25年度か
ら基本情報を共有しています。
 幼・小・中・高等学校担当は、全日本私立幼稚園連合会、全国国公立幼稚
園・こども園長会、全国連合小学校長会、全日本中学校長会、全国高等学校
長協会との連携・協力を進め、特別支援教育の理解啓発等に努めています。
 小中学校(通級・特別支援学級)担当は、全国特別支援学級設置学校長協
会との連携を積極的に進めています。全国の特別支援学級の実態調査に関し
て、精度の高い調査結果が得られる等、連携の成果が出ています。
 教育センター担当は、研修や相談等において重要な役割を果たしている全
国の都道府県、指定都市、中核市等の教育センター及び特別支援教育センター
との連携を深め、教育センターの機能を充実させるための具体的な取組の在
り方について検討しています。また、都道府県や市町村の教育長会を通じて
特別支援教育に関する情報普及を行います。
2.教育相談支援・インクルDBインクルーシブ教育システム構築関連DB
 教育相談支援に関しては、地方公共団体等の行う教育相談を支援し、教育
相談実施機関における資質の向上を支援するために、教育相談を実施する上
で必要な情報を蓄積した「教育相談情報提供システム」の運用と改善に取り
組んでいます。また、専門的・総合的な教育相談や障害のある子どもの教育
に関するコンサルテーションも行っています。
 在外日本人学校支援は、国外に在住する日本人学校等の保護者や教員を対
象とした教育相談や海外日本人学校に対する特別支援教育の理解啓発活動等
を企業と連携して行っています。
 「インクルーシブ教育システム構築関連支援データベース」(通称、イン
クルDB)に関しては、関連情報を閲覧できるWebサイトを立ち上げ、平成
26年7月から「合理的配慮」に関する実践事例データベースを公開しました。
文部科学省と連携して今後さらに事例を増やし、内容を充実させるよう取組
を進めています。

○インクルDBのWebサイトはこちら→
 http://inclusive.nise.go.jp

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【3】海外情報の紹介
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●第30回テクノロジーと障害者国際会議(CSUN2015)の参加報告
              田中 良広(教育研修・事業部総括研究員)

 平成27年3月2日から3月7日にかけて、米国のサンディエゴで開催されたテ
クノロジーと障害者国際会議(CSUN2015)に参加しました。
 今年で30回目の開催となったCSUN 2015では15のカテゴリーで354のセッショ
ンが開かれました。その中でも、「盲・弱視」と「Webアクセシビリティ」、
「ICT」に関する発表が多く、これらの3つで全体の約半数を占めていました。
また、機器展示では、視覚障害のある方用の拡大読書器や点字ピンディスプ
レイ、肢体不自由のある方用の入力補助装置など、アシスティブテクノロジー
に関するものが多くありました。
 セッションの内容や機器展示の他にCSUNの特徴として挙げられるのは、発
表者を含めた参加者の中に障害のある人たちが非常に多いことです。会場と
なっているホテルでは、いたる所で盲導犬を連れて、あるいは電動車いすに
乗って自由に会場内を移動している人たちが数多く見受けられました。
 このように見ていくと、CSUNはアクセシビリティ関連のイベントとしては
世界最大級であると同時に、障害のある当事者が最も多く参加している国際
会議であると言えるかもしれません。

○第30回テクノロジーと障害者国際会議(CSUN2015)のWebサイトはこちら→
 http://www.csun.edu/cod/conference/2015/sessions/index.php/public/website_pages/view/1

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【4】NISEダイアリー
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      「子どもが教えてくれる」ということ
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)


 先日、ある先生から手記が届いた。そこには、担当している重複障害のあ
る生徒の指導に関する記録が綴られていた。
 その高等部の生徒は、登校時などにスクールバスや保護者の車からなかな
か降りようとしないとのこと。お気に入りの絵本のくだりを話して聞かせた
り、実際に絵本を持参して見せたりしながら、降りようとする気持ちを喚起
したらしい。一度は、うまくいったようだが、その手は次回には効き目がな
かったとのこと。その日は、PTA総会当日。送って来たお母さんの車からな
かなか降りようとしない。その先生は、一生懸命、生徒の気持ちを想像し、
これまでの指導の経過を振り返った。
 そこで、中学部の時に効果のあった方法を試すことに。生徒の横の席に座
って降りるよう話し掛ける。それでも降りてくれない。そんな様子を見てい
た中学部の時の担任が、以前やっていたことを実際にやってみる。ところが
うまくいかない。
 さらには、以前、うまくいったというので、母親が生徒の乗った車を運転
して高等部の玄関まで移動する。しかし、それでも降りようとしない。通り
がかりの高等部の生徒たちにも声を掛けてもらうが、動いてくれない。
 そんなことを繰り返しているうちに、2時間近くが経過することに。
 その先生は、お手上げというところか。でも、諦めない。何とかして、降
りようとしない生徒の心の内を知りたいと、あれやこれやと思案を巡らす。
ふと、お母さんがその生徒に「今日は仕事がお休みだよ。」と言ったことを
思い出す。そして、「お母さんが『お休み』と言ったので、その生徒は『今
日はお母さんと一緒にいられる』と思ったのではないか?」と想像する。
 それで、お母さんに頼んで、「仕事に出掛けるよ!」と言ってもらった。
すると、頑として動こうとしなかった生徒が、急におしりを上げ、車から「
どん」と降りたという。
 面白いと思いながら、何度も読ませてもらった。そして、私が思ったこと
が、「子どもが教えてくれる」ということ。私も、昔、学校現場で経験した
ことだ。授業の展開に行き詰まった時、子どもからの一言で先が開けたこと
を。
 子どもは様々な信号を送ってくれる。言葉で上手く表現できない子どもで
も、視線やしぐさ、時には目に見えないもの(雰囲気や文脈など)で。そん
な信号を的確にキャッチできるようになるためには、子どもとの日ごろの密
な関わりが大切である。そんな関わりがあったからこそ、その先生は思い付
いたのではないか。これが、「子どもが教えてくれる」ということかもしれ
ないと思う。

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【5】特別支援教育関連情報
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●平成26年度特別支援教育に関する調査の結果について
 文部科学省は、平成26年度における特別支援教育体制整備状況、通級によ
る指導実施状況、特別支援学校等の医療的ケアに関する状況を調査し、標記
結果を平成27年3月27日に公表しました。詳しくは下記URLをご覧ください。

○平成26年度特別支援教育に関する調査の結果はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1356203.htm

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【6】研修員だより
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 今号は、平成24年度第一期特別支援教育専門研修を修了された髙橋真理子
先生からお寄せいただきました。

「学び直しの貴重な機会」
           髙橋 真理子(秋田県立養護学校天王みどり学園)

 研修参加当時の私は、もはや教職経験20年を過ぎていましたが、日々に忙
殺され『今のままの自分で良いのだろうか?』という漠然とした不安をもっ
ていました。初任者研修担当などもして自分の未熟さに気付き、もう一度学
びたいという気持ちも強くなっていました。そのため研修のお話を頂いたと
きは本当に嬉しく、講義の一覧を見たときの胸の高鳴りは、今も鮮明に覚え
ています。毎日たくさんの講義を受けましたが、経験を重ねたからこその疑
問に、先生方はズバッと応えてくださいました。新しい知識を得ることも楽
しく、今までの人生で一番積極的に勉強できました。まさに私にとっては学
び直しの貴重な機会でした。また、全国から集まってきた素敵な研修仲間や、
研究所の先生方との出会いも、研修に一層の刺激を与えてくれました。全国
の銘酒を酌み交わしながら夜毎語り合い、休日には一緒にあちこち出かけま
した。皆年齢はバラバラでしたが、大学の同期のような感覚で、別れの日は
涙が止まりませんでした。研修から3年が過ぎましたが、研究所の先生方に
は今も度々相談をしておりますし、当時の仲間とは強い絆をもち続けていま
す。頭と心に沢山の栄養をいただいた2か月は、間違いなく私の宝物です!

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=79959&lang=ja

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【8】編集後記
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先日、小学校の授業を参観しました。年度始めの落ち着きのない様子と打
って変わって、一人でじっくり課題に取り組む子、友達と相談しながら答え
に辿り着こうとしている子など、新緑のように伸びゆく子ども達に元気をも
らいました。さらにもう一つ嬉しいことが。その後の授業研究会では、よく
あるそれとは違って、参観した先生方が次々と観察した子ども達の成長やつ
まずきの様子を語って行きます。すると、自然とどう支援すれば、という話
になりました。次の解決策が見え、清々しく、また一人一人の子どもを大切
にした暖かな「子どもが教えてくれた」授業研究会でした。
 さて次号は創刊100号となります。これからも末長く皆様に役立つ情報発信
できるよう努めてまいります。本メルマガの更なる発展のため、【7】のア
ンケートへ御回答いただければ幸いです。忌憚のないご意見をお待ちしてお
ります。
                    (第99号編集主幹 涌井 恵)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第99号(平成27年6月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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