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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第109号(平成28年4月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【第四期を迎えて】
【お知らせ】
・インターネット講義配信について
・特総研ジャーナル第5号の刊行について
・NISE Bulletin Vol.15の刊行について
・車椅子バスケットボール体験会の開催について
・平成28年度に実施する各種研究協議会について(開催のお知らせ)
・小児がんの子どもの教育セミナーの開催について(終了報告)
・読売テレビドラマへの撮影協力について
【NISEトピックス】
・平成28年度の研究活動について
・平成27年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの報告
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【研究職員の異動について】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】第四期を迎えて
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 本研究所は、この4月1日より、第四期中期目標・中期計画期間を迎える
こととなりました。
 第四期のミッション(使命)とビジョン(方向性)については、文部科学
大臣から示された本研究所の中期目標に掲げられています。
 ミッションは、以下の通りです。
 「我が国唯一の特別支援教育のナショナルセンターとして、国や地方公共
団体等と連携・協力しつつ、インクルーシブ教育システムの構築に向けて、
特別支援教育を取り巻く国内外の情勢の変化も踏まえた国の政策課題や教育
現場の課題に柔軟かつ迅速に対応する業務運営を行い、もって障害のある子
供一人ひとりの教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献すること」です。

 そして、このミッションを達成するためのビジョンを要約すると、以下の
通りです。
(1) 国の政策立案や施策推進等に寄与する研究の実施とその成果の普及
(→研究活動)
(2) 各都道府県等の特別支援教育の推進に寄与する指導者育成や資質向上
の支援(→研修事業)
(3) 特別支援教育に関する情報収集・発信と関係者の理解促進、効率的・
効果的な情報提供(→情報普及活動)
(4) インクルーシブ教育システムに係るセンターの設置による、各都道府
県等の課題解決に寄与する取組の実施(→インクルーシブ教育システム推進
センター)
 これらの活動を通して、特別支援教育の振興に寄与することとしています。


 第四期を迎えるに当たり、本研究所の組織を改編し、研究基本計画や研修
指針、広報戦略等を作成しながら、これらに沿って、具体的な活動を進めて
いくことになります。メルマガをご愛読いただく皆様には、今年度も、本研
究所の事業等に対して、更なるご理解とご支援をお願いいたします。

              独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
                       理事長  宍戸 和成

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【2】お知らせ
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●インターネット講義配信について
◇講義配信が新しくなりました◇
 インターネット講義配信105コンテンツをより多くの方々に活用していた
だくために、本研究所では平成28年4月から新システムになりました。

◇講義配信105コンテンツとは◇
 障害のある児童生徒等の教育に携わる教員の資質向上を図る取組を支援す
るため、本研究所では「特別支援教育研修講座105コンテンツ(基礎編45、
専門編60)」をインターネットにより講義配信しています。
 インクルーシブ教育システム構築のためにお役立てください。

◇視聴するには◇
 本研究所のホームページから、登録をすることでご利用できます。
 平成28年4月から、個人登録になり、より多くの方がご利用しやすくなり
ました。

◇自分の目的にあわせて自由に視聴ができます◇
 タブレットやスマートフォンでも視聴できます。また、障害種別や学校種
別といった目的別やキーワード検索により、自分にあったコンテンツの視聴
ができます。

詳しい内容はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,0,20.html

※これまで機関の代表として登録されていた方(機関登録)も、改めて個人
としての登録が必要です(機関登録は平成28年2月29日で終了)。
※機関登録による旧システムでの視聴は、平成28年4月30日で終了します。

●特総研ジャーナル第5号の刊行について
 この度、本研究所の平成27年度における諸活動の成果等をまとめた「国立
特別支援教育総合研究所ジャーナル(特総研ジャーナル)第5号」を刊行し、
本研究所のWebサイトに掲載しました。
 特総研ジャーナル第5号では、本研究所が平成27年度に実施した研究の概
要、調査研究報告、諸外国における障害のある子どもの教育に関する状況調
査報告、国際会議・外国調査等の報告、学会等参加報告、NISE特別支援教育
国際シンポジウム等の事業報告を紹介しています。
 なお、次号よりパートごとにそれぞれの内容を紹介していきます。

○国立特別支援教育総合研究所ジャーナル第5号はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/7,11473,32,133.html

●NISE Bulletin Vol.15の刊行について
 この度、本研究所の平成27年度における諸活動の成果等を英文でまとめた
「NISE Bulletin Vol.15」を刊行し、本研究所のウェブサイトに掲載しまし
た。
 NISE Bulletin Vol.15では、本研究所が平成27年度に実施した研究の概要、
本研究所の研究紀要に掲載されている論文の要旨、国立特別支援教育総合研
究所セミナー等の事業報告や、文部科学省特別支援教育課による日本の特別
支援教育の政策動向等を英文で紹介しています。

○NISE Bulletin Vol.15はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/7,11475,32,137.html

●車椅子バスケットボール体験会の開催及び参加者募集について
 本研究所では、昨年度に障害者スポーツに関する教員研修のための施設整
備として、体育館をリニューアルしました。この体育館及びグラウンド(テ
ニスコート・フットサルコート)は、研修事業に支障のない範囲で、外部の
方々にご利用頂けます。この度、リニューアル記念イベントとして、障害者
スポーツの1つである車椅子バスケットボール体験会を開催します。是非、
お気軽にご参加ください。

◇内容:車椅子バスケットボールの体験会及び選手によるエキシビション
◇日時:平成28年4月23日(土)13:00~16:00
◇費用:無料 (ただし、事前申込が必要です)
◇場所:国立特別支援教育総合研究所 体育館(駐車場あり)
◇備考:運動できる服装や室内用運動靴をご持参ください。
◇協力:関東車椅子バスケットボール連盟

 詳細につきましては、本研究所Webサイトをご覧ください。

○車椅子バスケットボール体験会はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/news/detail.9.11454.html

●平成28年度に実施する各種研究協議会について(開催のお知らせ)
 平成28年度に本研究所が実施する下記の各種研究協議会への参加者の推薦
について、都道府県教育委員会等に照会を行っています。

◆平成28年度就学相談・支援指導者研究協議会
 期日    平成28年7月14日(木)~15日(金)の2日間
 募集人員  70名
 実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,11333,21,114.html

◆平成28年度発達障害教育指導者研究協議会
 期日    平成28年7月28日(木)~29日(金)の2日間
 募集人員  90名
 実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,11332,21,117.html

◆平成28年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会
 期日    平成28年11月17日(木)~18日(金)の2日間
 募集人員  70名
 実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,11335,21,112.html

◆平成28年度特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会
 期日    平成28年11月24日(木)~25日(金)の2日間
 募集人員  70名
 実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,11340,21,296.html

○平成28年度国立特別支援教育総合研究所研修計画一覧はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/10956/20151216-172108.pdf

◇「特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会」については、指導者研
究協議会としては開催せず、「特別支援学校寄宿舎指導実践協議会」と改め、
各都道府県等の寄宿舎指導員による実践発表、情報交換等を中心に全国特別
支援学校長会の後援のもと、平成28年7月22日(金)に開催することを予定
しています。積極的なご参加をよろしくお願いいたします。

○募集の詳細はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/news/detail.6.11474.html

●小児がんの子どもの教育セミナーの開催について(終了報告)
 病弱班では、国立成育医療研究センターと共同研究「小児がん患者の医療、
教育、福祉の総合的な支援に関する研究」に取り組んでいます。平成26~27
年度の研究成果の普及を兼ねて、平成28年2月6日は大阪、平成28年3月5
日は広島で、教育関係者、医療関係者を対象に、「小児がんの子どもの教育
セミナー」を開催しました。大阪は、大阪府立母子保健総合医療センターと
共催、広島は、国立がん研究センターがん対策情報センターと共催です。大
阪は39人の参加、広島は62人の参加がありました。地域の学校の教員や行政
(教育、保健)等、様々な方の参加がありました。本研究所からのプレゼン
テーションに加えて、病院にある学校・学級の教員、病院のがん相談員の取
組も紹介しながら、小児がんの基礎的な知識を病院の医師、そして、復学支
援を大阪教育大学の平賀准教授にご講演いただきました(広島)。回収でき
たアンケートでは、無記入を除くと、ほぼ全員「参加してよかった」という
回答でした。小児がんの子どもの教育について、今後も、小児がん拠点病院
のある地域を中心にセミナーを企画して、一人でも多くの方に理解してもら
う取り組みを進めていきたいと思います。
 研究成果報告書は、Webサイトに掲載する予定ですので、ご覧ください。

●読売テレビドラマへの撮影協力について
 本研究所の広報活動の一環として、4月7日(木)23時59分から読売テレ
ビ・日本テレビ系列で放送開始される連続ドラマ「ドクターカー」への撮影
協力を行いました。
 このドラマは、医師が同乗して絶体絶命の患者がいる現場に赴き、その場
でいち早く救命処置を行う「ドクターカー」を題材にしています。
 本研究所での最初の撮影の際には、主演の剛力彩芽さんをはじめ、多くの
出演者が来所されました。本研究所の国際情報室をドラマの中で登場する病
院の理事長室として使用しています。それ以外にも撮影場所として使用して
います。

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【3】NISEトピックス
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●平成28年度の研究活動について
                   研究企画部 総合企画調整担当

 本研究所は、特別支援教育のナショナルセンターとして、インクルーシブ
教育システムの構築に向けて、障害のある子供一人ひとりの教育的ニーズに
対応した教育の実現に貢献することをミッションとしています。
 研究の推進に当たっては、平成28年度より第四期中期目標に示されたミッ
ションを達成するためのビジョン(国の特別支援教育政策立案及び施策の推
進等に寄与する研究を行い、研究成果の幅広い普及を図ること)を踏まえ、
国の政策立案や施策推進に寄与する研究及び教育現場等の喫緊の課題に対応
した研究に重点化して実施します。第四期中期目標期間においては、研究基
本計画(基幹研究<横断的研究、障害種別研究>及び地域実践研究、その他
の研究<共同研究、外部資金研究、受託研究>)に基づき、以下の研究を実
施します。

◆基幹研究:横断的研究(各障害種別を通じて、国の重要な政策課題の推進
に寄与する研究)2課題
1)我が国におけるインクルーシブ教育システム構築に関する総合的研究(平
成28~32年度)
2)特別支援教育における教育課程に関する総合的研究(平成28~32年度)
◆基幹研究:障害種別研究(各障害種における喫緊の課題の解決に寄与する
研究)4課題
1)知的障害教育における「育成すべき資質・能力」を踏まえた教育課程編
成の在り方-アクティブ・ラーニングを活用した各教科の目標・内容・学習
評価の一体化-(平成27~28年度)
2)「ことばの教室」がインクルーシブ教育システム構築に果たす役割に関
する実際的研究-言語障害教育の専門性の活用-(平成27~28年度)
3)特別支援学校(知的障害)に在籍する自閉症のある幼児児童生徒の実態
の把握と指導に関する研究-各部間の連続性を踏まえた指導の検討-(平成
28~29年度)
4)発達障害等の特別な支援を必要とする子どもの実態に応じた指導内容・
方法に関する実践的研究-高等学校における通級の在り方の検討-(平成28
~29年度)
◆地域実践研究 4課題
 地域実践研究は、本研究所の新しいタイプの研究です。これは本研究所が
主体となり、教育委員会と協働しながら、インクルーシブ教育システムの構
築に向けて地域や学校が直面する課題の解決に資する研究を行うものです。
本研究所では、地域実践研究に関する2つのメインテーマ及び8つのサブテ
ーマを設定し、教育委員会にはその中から地域の課題・実情に応じたテーマ
を選択して申請を行っていただきます。本研究所は申請のあった教育委員会
の中から選考を行い、指定研究協力機関として指定します。
 研究所は、サブテーマごとに本研究所の研究員、教育委員会から派遣され
る地域実践研究員、外部研究者等による研究グループを組織して、研究活動
を推進します。各サブテーマについては2年間研究を実施し、地域実践研究
員はそのうち1年間を派遣期間として研究に参画します。サブテーマの具体
的な研究課題は、参画する教育委員会の意向を踏まえて決定します。平成28
年度は以下の研究を実施します。
1)メインテーマ1:インクルーシブ教育システム構築に向けた体制整備に
関する研究
[サブテーマ]
(1)地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する研究(平成28
~29年度)
(2)インクルーシブ教育システム構築に向けた研修に関する研究(平成28
~29年度)
2)メインテーマ2:インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教
育に関する実際的研究
[サブテーマ]
(3)交流及び共同学習の推進に関する研究(平成28~29年度)
(4)教材教具の活用と評価に関する研究(平成28~29年度)
 また、共同研究、他の課題については、現在検討中です。

●平成27年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの報告
                田中 良広(情報・支援部総括研究員)

 平成27年度国立特別支援教育総合研究所セミナー(以下「研究所セミナー」
 とする。)が、平成28年2月25日(木)・26日(金)の二日間にわたり、
延べ800名を超える参加者を得て国立オリンピック記念青少年総合センター
で開催されました。本年度は「インクルーシブ教育システム構築に向けた特
別支援教育の推進-学校・地域の取組を支える教育資源の活用に視点を当て
て-」をテーマとして、一日目はテーマに基づく講演とシンポジウムを、二
日目は本研究所の研究活動・事業報告と研究成果発表が行われました。
 一日目の宮﨑英憲氏(東洋大学参与)による講演では、本年4月から施行
される障害者差別解消法の概要にも触れながら、学校教育における合理的配
慮の提供について具体的なお話をいただきました。また、その後のシンポジ
ウムでは、インクルーシブ教育システム構築のための学校・地域の取組を支
える教育資源の活用について、学校教育、教育行政等の立場から発表が行わ
れました。これを受けて、指定討論者からは子供たちの多様性を認めること、
障害は環境や社会的障壁との相互作用で生じると捉える必要があること、合
理的配慮を行うためには学校経営や学級経営の在り方を考えるとともに、子
供一人ひとりの教育的ニーズの的確な把握、指導、評価等が重要であること
が指摘されました。
 二日目午前の活動報告では、来年度から実施される第四期中期目標・中期
計画に向けて研究活動、研究方針、研究体制、研究課題、研究成果の還元方
法について説明が行われました。また、新たな取組として「インクルーシブ
教育推進センター」の設置、「地域実践研究事業」の紹介が行われました。
 事業報告では、国際調査関連、特別支援教育教材ポータルサイト、Webに
よる講義配信、ICT活用実践演習室についてそれぞれ説明が行われました。
 午後からの研究成果発表では分科会形式により、「特別支援学校及び特別
支援学級の教育課程の現状と課題Ⅱ~質問紙調査・面接による調査から見え
てきたこと~」、「発達障害のある子どもの指導の場・支援の在り方につい
て考える!~通級による指導を中心に~」、「合理的配慮を実現するための
ICT活用の課題と展望」について、それぞれ発表と質疑応答等が行われました。
 来年度の研究所セミナーは第四期中期計画の初年度として、平成29年2月
17日(金)・18日(土)の二日間で開催する予定となっております。詳細に
つきましては、本メールマガジン等を通じて案内を行ってまいります。

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【4】NISEダイアリー
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         「実るほど頭の下がる稲穂かな」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 3月11日に第三期特別支援教育専門研修の閉講式を迎えた。31名の視覚障
害教育コース、聴覚障害教育コースの研修員は、足早に地元へ帰って行かれ
た。そして、3月16日には、都道府県・指定都市教育委員会派遣研究員が、
一年間にわたる本研究所での研究を終えて、それぞれの地元に向かわれた。
 本研究所も、しばし、休息の時を迎えたということかもしれない。

 派遣研究員に研究成果認定証を授与するに当たり、何か一言を述べること
になった。お別れ会でも一言を述べたし、研究成果報告会でも述べた。同じ
ことを繰り返し述べることにも意味があると思ったが、折角だから、何か違
うことを伝えたい。それで、頭を悩ませていた。
 授与式当日の朝、ふと閃いた。それが、標記の言葉だ。
 この成句を広辞苑で調べれば、「学識や徳行が深まると、その人柄や態度
が謙虚になることにたとえる。」と記されている。その人の謙虚さを示すこ
とと言える。謙虚さと言えば、こんな話を思い出す。研修を終えて帰る人に、
「謙虚さが大切ですよ。まずは、地元に帰って三日間は気を付けて。」と話
していた人がいたことを。聴きながら、「本当に三日間でいいの?」と思っ
ていた。また、「もう少し表現の仕方がありそうだが…。」とも。

 ここで、私が言いたいことは、謙虚さも大切だが、こんなふうにも考える
ことができるのではという、私の閃きである。
 派遣研究員の先生方は、一年間、自分が抱いてきた研究テーマに沿って、
本研究所の指導担当研究員とコミュニケーションを取ったり、研究員の出張
に同行したり、また、図書室で文献を読み漁ったりと、各自、研究に取り組
まれた。本研究所では、様々な研修事業が実施されている。セミナーも開か
れる。そうした場に参加して、自己研修にも努められた。その成果は、それ
ぞれの研究報告書を見れば、一目瞭然である。つまり、知識や技術が沢山蓄
積され、“頭が重くなった”と言えるかもしれない。地元に帰って、それを
どのように学校現場に還元するのだろうか。そんなところに恐らくそれぞれ
の人柄が反映するのだと思う。得られた知見を、謙虚に同僚との語らいに生
かして欲しい。そして、もっと学校現場に生かすという意味では、私は「子
どもの目線まで降りて、そこで子どもの思いを受け止めたり、語り掛けたり
して欲しい。」と思った。
 謙虚さをこのような具体的な行動で表して欲しいという提案だ。

 インクルーシブ教育システムの構築を目指して、今後、特別支援教育を
充実することが課題となる。そのためには、相手に分かるように説明するこ
とが大切だ。何より、誤解されることがないように、話す内容や話し方には
最善の注意を払いたいものである。

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【5】研修員だより
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 今号は、平成22年度第一期特別支援教育専門研修を修了された白井百合子
先生からお寄せいただきました。

「久里浜での熱い思いを胸に」
                 白井 百合子(大分県教育センター)

 6年前に視覚障害コースを受講させていただきました。そうそうたる講師
の先生方の講義は言わずもがな、その豊富な経験を間近でうかがえ、自分の
質問に対して、答やあるいは答への道筋を示唆していただけたことは、本当
に貴重な機会でした。また、同期の仲間と講義を受けて気づいたことを話す
中で、互いの考えをつなげて課題解決の糸口や新たな実践のアイディアをた
くさん見出せました。日々、学びが深まっていく2ヶ月間でした。
 研修報告の最後にこう書いていました。「盲学校の専門性を高めようとた
だがむしゃらに頑張るのではなく、本校は様々な年齢や立場、専門性の先生
が集まっていることをしっかりと踏まえて、みんなで協力する必要性を認識
することができた。まずは、自分の役割を見直し、周囲に求めるのではなく
自分自身が変わっていきながら、よりよい学校作りにつなげて行きたい。」
 私は昨年度より大分県教育センター特別支援教育部にて研修業務に携わっ
ております。久里浜で勉強できたからこそ、出会った先生方とつながってい
るからこそ、今の私が伝えられることがあると強く感じています。新しい年
度を迎え、久里浜での熱い思いを忘れず、より一層励んでいきたいと思いま
す。

○大分県教育センターのWebサイトはこちら→
 http://kyouiku.oita-ed.jp/edu-c/

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【76】研究職員の異動について
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●3月で本研究所を退職・転出した、及び4月1日付けで本研究所に着任し
た研究職員を紹介します。

◆3月で本研究所を退職・転出した研究職員
 ・梅田 真理   教育研修・事業部 総括研究員
 ・日下 奈緒美  教育研修・事業部 総括研究員
 ・徳永 亜希雄  教育研修・事業部 主任研究員
 ・松見 和樹   教育研修・事業部 主任研究員
 ・石坂 務    企画部 主任研究員
 ・岡本 邦広   教育情報部 主任研究員

◆4月1日付けで研究所に着任した研究職員
 ・星 祐子    研究企画部 総括研究員
 ・清水 潤    研修事業部 主任研究員
 ・北川 貴章   研修事業部 主任研究員
 ・松井 優子   情報・支援部 主任研究員
 ・深草 瑞世   インクルーシブ教育システム推進センター 主任研究員
 ・横山 貢一   インクルーシブ教育システム推進センター 主任研究員
 ・李 煕馥    インクルーシブ教育システム推進センター 研究員

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=41314&lang=ja

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【8】編集後記
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 3月26日午前6時35分、北海道新幹線の一番列車「はやぶさ10号」が東
京へ向けて新函館北斗駅を出発しました。これにより長年に渡り北海道民の
悲願であった北海道と本州が新幹線で結ばれることになっただけではなく、
九州から北海道までを新幹線で往来することができるようになりました。函
館-東京間が最短で4時間2分で結ばれるようになったとのことですが、高
校の修学旅行で青函連絡船に揺られながら4時間余りをかけて本州へ渡った
ことを思うと、まさに隔世の感があります。
 このところ北海道には明るい話題が少なかっただけに、この度の北海道新
幹線の開業は道産子の私には久しぶりに胸躍る出来事となりました。今後、
北海道から九州までを結ぶ新幹線が多くの人たちの夢と希望を運んでくれる
ことと思います。
 本研究所ではこの4月から第四期の中期計画がスタートします。私たちも
特別支援教育に携わっている多くの人たちに夢と希望を与えることができる
よう、気持ちを新たにして業務に邁進していきたいと思っております。
                   (第109号編集主幹 田中 良広)

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次号も是非ご覧ください。
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       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
いてはこちら→
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