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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第111号(平成28年6月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
熊本地震で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【お知らせ】
・平成28年度第一期特別支援教育専門研修開講
【NISEトピックス】
・業務部の活動紹介(1) 研究企画部の活動について 
【海外情報の紹介】
・NAHT(英国初等学校長会)カンファレンス2016参加及びAsh特別学校訪問に
 関する報告 
【特総研ジャーナルの紹介】
・学会等参加報告及び事業報告について
【連載コーナー】
・「地域実践研究」って何?
 第1回 地域実践研究の紹介
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・平成27年度特別支援教育に関する調査の結果について
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●平成28年度第一期特別支援教育専門研修開講
 5月9日(月)、平成28年度第一期特別支援教育専門研修(知的障害教育
コース)が開講しました。今期(5月9日~7月8日)は、全国から集まっ
た82名が受講しています。
 特別支援教育専門研修は、年に三期開講し、各都道府県等で指導的立場に
立つ又は今後指導的立場に立つことが期待される教職員が、教育委員会等の
推薦を受けて受講するものです。
 研修プログラムは、特別支援教育全般と各障害種別に関する専門的な講義
や演習、研究協議、実地研修等で構成されています。約2ヶ月間の宿泊型研
修で、神奈川県横須賀市の本研究所にて受講していただきます。
 この研修では、専門的知識及び技術を深めるとともに、全国から集まった
教職員同士の情報交換やネットワークづくりも魅力となっています。

○特別支援教育専門研修の内容等はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,0,21,116.html

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【2】NISEトピックス
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●業務部の活動紹介(1) 研究企画部の活動について
             新平 鎮博(研究企画部長/上席総括研究員)

 研究企画部では、本研究所の研究活動に関する総合的な企画立案及び調整、
障害のある子どもの教育に関する政策課題、関係法令及び行財政施策に関す
る分析などの業務を行っています。また、本研究所の業務、特に研究活動に
関する評価の企画立案や、その円滑な実施のための調整なども行っています。

 これらのうち、研究活動に関する企画立案及び調整に関しては、本研究所
では、平成28年度から5年間の第4期中期目標期間に実施する研究の基本方
針や実施計画を取りまとめた「研究基本計画」を策定していますが、研究企
画部では、その円滑な実施に関わる企画や調整などを行っています。
 本研究所では、今年度については、特定の障害種によらない総合的な研究
2課題、障害種別の研究4課題、地域実践研究(インクルーシブ教育システ
ムの構築に向けて、地域や学校が直面する課題の解決のために地域と協働で
実施する研究)4課題を実施しています。研究企画部では、これらの研究課
題が、「研究基本計画」に基づいて円滑に実施されるよう、各研究課題の実
施内容、研究体制、研究成果の普及、文部科学省との連携等に関わる、研究
活動全体の調整を行っています。
 これらの研究活動に関する評価の企画立案及び調整については、研究課題
毎に、国の政策課題や教育現場の課題への貢献等の観点から、中間及び終了
時に研究所内による内部評価及び外部評価委員による専門的な見地からの外
部評価を実施し、研究の効果的・効率的実施、質的向上を図ることを目指し
ています。
 第4期中期目標期間における研究の評価においては、アウトカムを重視し
た評価の観点・項目設定や自己評価の充実などの評価システムの改善を図り、
評価結果を研究課題の設定や研究内容の改善に生かすとともに、研究所の日
々の研究活動の質的向上につながるような評価システム運用に努めています。

 また、研究成果については、特別支援教育に関する国の政策立案・施策推
進等に寄与できるよう、研究成果報告書、サマリー集、リーフレット等を国
及び地方自治体教育委員会をはじめ学校等へ広く公開し、成果の効果的な還
元を図っていくことが求められています。さらに、研究成果の教育現場等で
の活用状況等の調査・検証をとおし、日々の研究活動の質的向上を図ること
もより一層求められているところです。これら成果の公表と活用に係る評価
の企画立案や調整なども行っています。

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【3】海外情報の紹介
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●NAHT(英国初等学校長会)カンファレンス2016参加及びAsh特別学校訪問に
 関する報告
               小澤 至賢(情報・支援部 主任研究員)

 平成26~28年度 科学研究費助成事業研究 基盤研究(C)(一般)「ス
クールクラスターの構築に向けた特別支援学校の学校間マネジメントに関す
る研究」の一環として、海外の学校間のマネジメントについての情報を収集
するため英国に出張し、調査を行いました。
 3月8日は、レスター市にあるAsh Field Academyを訪問しました。Ash 
Field Academyは、Ofsted(Office for Standards in Education「英国教育
水準局」)が行う学校評価で「優」を長年維持している学校です。Ofstedが
2009年に発表した特別学校における先進事例報告書「Twelve outstanding 
special schools - Excelling through inclusion」に先進校12校のうちの
1校として紹介されており、校長が、自校だけでなく周辺の他校に対して指
導する役割を担うシステム・リーダーシップ(System Leadership)の実践校
でもあります。
 また、3月10日、11日は、スクールリーダーのための組織であるNAHT
(The National Association of Head Teachers「英国初等学校長会」)が
主催するNAHT Special Schools, Specialist and Alternative Provision 
Conference 2016に参加し、情報収集を行いました。このカンファレンスに
は、特別学校の校長、副校長や関係機関のリーダー、特別支援教育コーディ
ネーターなど約200名の方々が参加し、活発な情報交換等を行っていました。
 現在の英国の連立政権は、地方当局の権限を縮小し、学校に権限を持たせ、
自律的に運営できる学校である「アカデミー」を増やしていく方向を示して
います。そのため、2010年のアカデミー法の成立以降、多くの公立校がアカ
デミーに移行しています。そして、複数の学校が学校群を形成して、学校群
でマネジメントを行うマルチアカデミートラスト(Multi-academy trusts)
によって、学校間のマネジメントを行うようになってきました。Ofstedが実
施する学校評価で「優」「良」を獲得できない学校は、マルチアカデミート
ラストのメンバーとなっている「優」を獲得している学校からマネジメント
の支援、介入を受けることとなります。
 特別学校がこのマルチアカデミートラストに入っていると、マルチアカデ
ミートラストのメンバーとなっている学校では、特別学校に所属する専門家
を共有するメリットがあります。また、特別学校の特別支援教育コーディネ
ーターによるマルチアカデミートラストのメンバーの学校への支援が行われ
ることもあるそうです。このマルチアカデミートラストへの特別学校の参加
は始まったばかりの状況にあり、今後の進展が期待されています。
 これら英国における学校間のマネジメントの情報を参考にし、研究を進め
ていく予定です。

○Ash Field AcademyのWebサイトはこちら→
 http://www.ashfield.leicester.sch.uk/

○NAHTのWebサイトはこちら→
  http://www.naht.org.uk/

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【4】特総研ジャーナルの紹介
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●学会等参加報告及び事業報告について
 本研究所では、本研究所の研究をはじめとする様々な活動内容を紹介する
「特総研ジャーナル」を毎年作成し、Webサイトに掲載しています。
 今号では、学会等参加報告及び事業報告として掲載されている内容を紹介
します。

-学会等参加報告-
 ・日本特殊教育学会第53回大会参加報告
 ・第118回日本小児科学会学術集会および第62回日本小児保健協会学術集
  会参加報告
-事業報告-
 ・平成27年度NISE特別支援教育国際シンポジウム報告
 ・日本人学校調査から見える特別支援教育の現状について
 ・障害のある子供を帯同して海外に渡航する家族への支援について
 ・ICTを活用した教員の専門性向上充実事業に係わる事業報告
 ・支援機器等教材普及促進事業における特別支援教育教材ポータルサイト
  の構築・運営について
 ・発達障害教育情報センターにおけるWebサイトのコンテンツ「指導・支
  援」の紹介

○学会等参加報告及び事業報告に関する記事はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/11473/20160330-155609.pdf

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【5】連載コーナー
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●「地域実践研究」って何?
 第1回 地域実践研究事業の紹介
       原田 公人(インクルーシブ教育システム推進センター長)

 本研究所では、本年4月にインクルーシブ教育システムに関する当研究所
のリソースを一元化し、「インクルーシブ教育システム推進センター」を開
設しました。本センターでは、インクルーシブ教育システムの構築に向け、
地域実践研究事業、国際情報集積発信事業、情報発信・普及事業の3事業を
実施します。ここでは、「地域実践研究事業」について紹介します。
 地域実践研究事業は、インクルーシブ教育システム構築に向けて、地域や
学校が直面する課題を研究テーマとして設定し、地域と協働して課題の解決
を目指すものです。
 本事業に参画していただく対象は、都道府県の教育委員会です。特総研が
実施主体となり、教育委員会と協働しながら、インクルーシブ教育システム
の構築に向けて、地域や学校が直面する課題を解決する研究を行います。研
究への参画方法は、特総研が提示した地域実践研究に関するメインテーマ及
びサブテーマから、教育委員会が地域の課題に応じたテーマを選択し、申請
します。
 メインテーマとしては、「インクルーシブ教育システム構築に向けた体制
整備に関する研究」及び「インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支
援教育に関する実際的研究」の2課題を設定しています。サブテーマとして
は、計8課題[(1)地域におけるインクルーシブ教育システム構築に関する
研究、(2)就学に関する教育相談、就学先決定プロセスに関する研究、(3)
インクルーシブ教育システム構築に向けた研修に関する研究、(4)インクル
ーシブ教育システムの理解啓発に関する研究、(5)多様な教育的ニーズに対
応できる学校作りや指導改善に関する研究とその評価の在り方、(6)学校に
おける合理的配慮及び基礎的環境整備に関する研究、(7)交流及び共同学習
の推進に関する研究、(8)教材教具の活用と評価に関する研究]を設定して
います。
 サブテーマごとに所内の研究員、教育委員会から派遣された「地域実践研
究員」、外部研究者等による研究チームを組織して、研究活動を推進します。
地域実践研究の各課題は2年間で実施するものですが、地域実践研究員の派
遣期間は1年間です。
 地域実践研究員は、地域実践研究に参画し、研究実践校(地域)との連絡
調整、教育委員会への研究進捗状況の報告を行います。また、研究成果の普
及として、特総研の研究員と共に専門性向上等、インクルーシブ教育システ
ムの構築に関する活動を行います。
 なお、地域実践研究事業の実施に係る費用は、原則として特総研が支出し
ます(ただし、地域実践研究員の給与、諸手当、宿泊費及び派遣に関わる費
用は、教育委員会の負担とします)。
 今年度は、地域実践研究事業に、青森県、埼玉県、神奈川県、静岡県より、
参画していただいております。
 以上のように、我が国におけるインクルーシブ教育システムの構築に寄与
すべく、当研究所のインクルーシブ教育システム推進センターは、地域や学
校現場を強力に支援してまいります。皆様のご理解とご協力をよろしくお願
いいたします。

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【6】NISEダイアリー
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         「研修を進めるに当たって」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 平成28年度が始まり、研究所は独立行政法人として、第四期中期目標期間
を迎えた。研修事業についても、中期目標に従い、研修指針を策定し、それ
に従って、不断の見直しを行うこととしている。
 連休明け、第一期の特別支援教育専門研修が開講した。第一期は、知的障
害教育コースのみの研修となった。知的障害教育分野の特別支援学校が多い
だけに、専門性の向上は、「焦眉の急」の課題でもある。82名の研修員が、
7月上旬までの二か月間に及ぶ専門研修を受ける。このコースには、講義や
演習、研究協議や課題研究、実地研修等が組み込まれ、さらに、図書室や宿
泊棟での自主的な研修が思い思いに繰り広げられる。
 現在、文科省では学習指導要領等の改訂作業が行われている。アクティブ
・ラーニングやカリキュラム・マネジメント、キャリア教育、育成すべき資
質・能力、学びの連続性等の言葉が、キーワードとして話題になる。その際、
子どもを目の前にする学校現場では、「どのような学習活動を展開するか」
が気になることと思う。確かにその通りだが、二か月間の研修期間という少
し余裕のある研修員の立場であれば、「なぜ、アクティブ・ラーニングが求
められているのか?」、「なぜ、今、カリキュラム・マネジメントが必要な
のか?」などというように、「そもそも論」を考えてほしいと思う。
 キャリア教育が話題になって以降、「キャリア教育」という言葉を目にす
る機会が増えた。研究テーマに掲げられる言葉として用いられているせいだ
ろうか。でも、「今、なぜ、キャリア教育なのか?」ということを追求した
ものはあまり見掛けなかった。それが気になっていた。今まで用いてきた
「進路指導」や「職業教育」とはどのようにすみ分けているのだろうか、あ
るいは、「キャリア教育」という言葉を用いることによって、どのような教
育を志向しているのか、そして、それをどのように同僚や保護者に説明して
いくのか、そんなことも気になる。
 社会的な背景、これまでの教育の振り返り、そして、これからの社会状況
を踏まえて、キャリア教育が何を目指すか、そんなことについても洞察した
いものだと思う。
 今、とかく、ハウツー論に関心が集中することが多い。すぐ、子どもの指
導に役立てるためには欠かせないことでもある。しかし、指導を長続きさせ、
新たな工夫を盛り込むためには、その指導法等の背景にある思想や原理につ
いても考えをめぐらす必要がある。

 若い頃、学校現場で、「聾の子どもに、なぜ、読話が必要なのか?」、
「口話法とは何か?」、「その隘路(あいろ)は何か?」と、酒の席だが先
輩から詰問されたことがある。聞きかじりや専門書の引き写しで答えると、
看破された。そんな経験を通して、「実感をもって受け止めること」、「具
体的な事例を基にして、自分なりに答えを見付けること」の大切さを自覚し
た。
 研修の機会を大切にしてほしいと思う。設ける私たちも。

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【7】特別支援教育関連情報
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●平成27年度特別支援教育に関する調査の結果について
 文部科学省は、平成27年度における特別支援教育体制整備状況、通級によ
る指導実施状況、特別支援学校等の医療的ケアに関する状況を調査し、標記
結果を平成28年4月28日に公表しました。詳しくは下記URLをご覧ください。


○平成27年度特別支援教育に関する調査の結果はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1370505.htm

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【8】研修員だより
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 今号は、平成27年度第一期特別支援教育専門研修を修了された石井幸仁先
生からお寄せいただきました。

「久里浜LOVE」
              石井 幸仁(三重県立杉の子特別支援学校)

 久里浜での研修を受講した人なら誰にでも心に芽生える「久里浜LOVE」。
 私は、平成14年「言語障害コース」、平成26年「発達障害協議会」「交流
及び共同学習協議会」、平成27年「発達障害コース」の計4回、NISEの地を
訪れました。「最先端の研究機関で研修したい」という願いはもちろんです
が、「久里浜LOVE」ゆえの参加希望でした。
 超多忙であるのに、いつも笑顔で優しくかかわってくださる研究所の先生
方。先生方には、専門的な内容はもちろん、「人となり」を学ばせていただ
きました。研修生には、地域の情報をたくさん教えていただき、お互いを労
い励まし合いました。日々、忘れがちな「人と人のつながり」の大切さを教
えてくれた久里浜研修。とても有意義でした。
 研修会後もラインやフェイスブック等で先生や研修員たちと情報共有をし
ています。どんなにしんどくても、久里浜での研修の日々や先生、仲間たち
を思い出すと、力が漲ります。「久里浜LOVE」があれば、これからも頑張れ
そうです。

○三重県立杉の子特別支援学校のWebサイトはこちら→
 www.mie-c.ed.jp/ssugin/

○三重PECS研究会のWEBサイトはこちら→
 http://miepecs.blue/MiePECS.html

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【9】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=93969&lang=ja

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【10】編集後記
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 研究所では湿気を含んだ空気を感じることが多くなりました。全国各地の
先生方、子供たちも、梅雨の訪れを敏感に感じているのではないでしょうか。
ところで、皆さんは「梅雨入り」の判断がどのように行われるか、ご存知で
すか?
 気象庁が発表する梅雨入り日は(梅雨明けも)、気象台が観測している結
果と1週間先の見通しをもとに、まずは速報を出しておいて、後で実際の天
気を振り返って梅雨入り日を確定させるのだそうです。つまり、必要な情報
はいち早くつかんで日々の暮らしに生かせるようにし、一方では慎重に見直
して信頼のおける情報にするという工夫をしているということになります。
梅雨入り一つとっても、大切な情報として扱っていることに、今更ながらに
感心した次第です。
 梅雨入りの判断も、子どもの成長を読み取ろうとするときの苦労と重なる
ことに思い至ります。先生方も日々の子どもの行動をつぶさに読み取り、そ
の場に応じた接し方を考える一方、「本当にこれでいいのか?」と一連のや
りとりを振り返り、整理した情報を保護者と丁寧に共有していく、そんな毎
日を通して子どもの成長が明らかにされるのが、日々の実践なのだと思いま
す。本号のメルマガ発行に当たっても、皆様の実践と同様に担当者として情
報の整理に腐心してまいりました。先生方の貴重な教育の営みに、今回の情
報を生かしていただけたら幸いです。
                  (第111号編集主幹 若林 上総)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第111号(平成28年6月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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いてはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/6,3646,13.html

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