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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第134号(平成30年5月号)
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■目次
【お知らせ】
・平成30年度 発達障害教育実践セミナーのご案内
・世界自閉症啓発デー2018シンポジウムについて(終了報告)
・文部科学省「情報ひろば」における企画展示及び特別展示イベント「NISE
デイ」の開催について(終了報告)
【NISEトピックス】
・業務部の活動紹介(1)平成30年度の研究企画部の活動について 
【特総研ジャーナルの紹介】
・研究報告及び国際会議・外国調査等報告について
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・平成29年度特別支援教育に関する調査の結果について
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●平成30年度 発達障害教育実践セミナーのご案内
 本研究所では、8月3日(金)に一橋大学一橋講堂にて「発達障害教育実
践セミナー」を開催します。本セミナーは、教育関係者に対して発達障害教
育に関する理解推進と実践的な指導力の向上を図ることにより、各地域にお
いて発達障害のある子どものライフステージに応じた切れ目のない支援体制
の構築が推進されることを目的としています。
 今年度は「通級による指導に期待されること」をテーマとして開催します。
主な内容としては、基調講演、シンポジウム、事例提案とグループ協議によ
る参加型の分科会を計画しています。通級による指導を担当されている方々
の積極的な参加をお待ちしています。
 6月上旬より参加申込の受付を開始する予定です。詳細は本研究所、発達
障害教育推進センターのWebサイトにてご確認ください。

●世界自閉症啓発デー2018シンポジウムについて(終了報告)
 「知りたい、知らせたい、発達障害のこと-子ども、若者、スポーツ、ア
ートの視点から-」と題して、4月7日(土)に全社協・灘尾ホール(東京)
で本シンポジウムが開催されました。第10回の節目となった今回のシンポジ
ウムには、373名の参加がありました。
 シンポジウム1「安心してください!地域のみなさん」では、三鷹市と高
槻市の市長等から、地域での発達障害についての理解啓発の取組や本人・家
族への支援体制について紹介がなされました。シンポジウム2「やりたいん
だ!アート・スポーツ・ミュージック」では、こうした活動が発達障害のあ
る方と地域社会とをつなぎ、彼らの余暇活動の保障や自己実現の場として大
切であることが述べられました。シンポジウム3「知ってほしい!街の中の
味方」では、美容院での支援と自閉症のある子どもの興味関心を伸ばすサー
ビスについて紹介がなされました。自閉症のある方が地域で豊かに生活して
いくために、彼らの可能性を育み発揮する機会や場の必要性を再認識しまし
た。そして、そのためには、彼らの理解者となる「味方」を増やすことが不
可欠であり、その一端を担う本シンポジウムの意義をあらためて実感しまし
た。
 世界自閉症啓発デー日本実行委員会公式サイトには、当日、会場で展示さ
れた自閉症のある方の絵画等の作品や本シンポジウムへの応援メッセージが
掲載されていますので、ご覧ください。

○世界自閉症啓発デー日本実行委員会公式サイトは、こちら→
 http://www.worldautismawarenessday.jp/htdocs/index.php?action=pages_view_main&page_id=165

●文部科学省「情報ひろば」における企画展示及び特別展示イベント「NISE
デイ」の開催について(終了報告)
 文部科学省情報ひろばにて1月より開催していた企画展示が4月20日に終
了しました。
 開催期間中は通常の学級における読みの指導パッケージ「MIM」(多層指
導モデル)、研究概要のパネルや研究成果書籍等を展示しました。
 また、文部科学省情報ひろばラウンジにおいて、特別展示イベント「NISE
デイ」を4月4日と18日に開催しました。
 「NISEデイ」では、障害や病気のある子どもを支援するICT機器の紹介、
具体的な支援・配慮の紹介、インターネット講義配信の紹介、通常の学級と
通級による指導のガイドブックの紹介、発達障害のある子どもの教育に関す
る情報提供に加え、「MIM」等を紹介しました。
 来場者は、ICT機器を実際に使用したり、「MIM」を開発した研究職員と意
見交換したりすることができ、大変満足した様子でした。
 本研究所の研究成果を来場者に理解してもらうことができ、とても有意義
な機会となりました。

○「NISEデイ」当日の様子はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/news/detail.6.14316.html

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【2】NISEトピックス
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●業務部の活動紹介(1)平成30年度の研究企画部の活動について
             棟方 哲弥(研究企画部長/上席総括研究員)

 本研究所は、事務部門の要である総務部を含めて4部、2センターで構成
されています。その一つが、研究企画部です。研究企画部は、その名称の通
り、研究所で行われる調査及び研究に関する企画立案、調整を主な業務とし
ています。これに加えて、研究のアウトプットとその評価、さらには活用度
の調査までを行って、国の政策立案や教育現場の喫緊の課題の解決のために
真に活用される研究成果を目指して活動を行っています。
 これらの活動は本研究所のビジョンの一つである「国の特別支援教育政策
立案及び施策の推進等に寄与する研究及びその成果の普及」のために、特別
支援教育のナショナルセンターとして(1)国として特別支援教育政策上重
要性の高い課題に関する研究、(2)教育現場等の喫緊の課題に対応した実
際的研究を組織的かつ戦略的に実施するために重要な業務となっています。
 特に、平成30年度は、全ての研究活動が「研究所全体としての研究」であ
ることを意識することで研究チーム及び研究班という既存の枠にとらわれる
ことなく、相互に協力する体制の構築、主体的で創意工夫のある研究の実現
を目標に掲げています。本研究所では職員の一体感を表す例として「チーム
ナイセ」ということばを使うことがあります。新年度の研究企画部は、まさ
にチームナイセとしての研究を支えるために新たな担当ラインを整備するこ
とにしました。その一つが、チームナイセとしての研究を支援し推し進める
「総合研究推進担当」、もう一つが、教育現場等で真に活用される研究成果
を目指すための「研究企画評価担当」で、二つの新しいラインによる組織体
制となっています。この体制のもと、所内においては、研究職員の研究力向
上のための新たな取組や研究設備備品の整備なども推進することにしていま
す。さらに、文部科学省、地方自治体、全国の学校長会等と研究リソースを
共有する効率的で戦略的な研究の実施に加えて、研究成果の活用を促進する
ために、都道府県の教育センター等との連携を深める取組を計画しています。
 研究企画部は、メンバー全員で5名という所内でも人数規模の小さな部門
ですが、平成30年度は、実際的な研究の成果が教育現場でより活用してもら
えるよう、教育現場、教育委員会・教育センターと積極的に連携するという
ことをモットーに活動して参ります。

○研究成果物のリストはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,13575.html

○研究企画部の掲載された組織体制はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,0,29,128.html

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【3】特総研ジャーナルの紹介
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●研究報告及び国際会議・外国調査等報告について
 本研究所では、本研究所の研究をはじめとする様々な活動内容を紹介する
「特総研ジャーナル」を毎年作成し、Webサイトに掲載しています。今号か
ら数回に分けて、この3月に発行した特総研ジャーナルの内容を紹介します。

 今月は、研究報告及び国際会議・外国調査等報告に関してご紹介します。
-研究報告-
 ・がんのある・あった学生支援に関する国立大学への調査報告
 ・医療的ケアを実施する小・中学校等を支える教育委員会の取組について
  の一考察
 ・米国カリフォルニア州におけるコモンコア・州スタンダードの障害のあ
  る子どもへの適用について-EDgeニュースレター2014年冬/春号より-
 ・全国小・中学校弱視特別支援学級及び弱視通級指導教室設置校及び実態
  調査
-国際会議・海外調査等報告-
 ・韓国の教育現場における特殊教育及び統合教育の現状
 ・Council for Exceptional Children 年次総会参加及びボストン近郊の
  学校訪問~公立学校におけるインクル-ジョンとPBISの実践を中心に~
 ・タイ教育省主催「特別支援教育に関する国際シンポジウム」の報告 
  障害児教育と障害者就労の現状と今後の課題
 
○研究報告及び国際会議・外国調査等報告に関する記事はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/385/d_354_all.pdf#page=13

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【4】NISEダイアリー
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           「想像すること」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 ある日曜日に、東京の家から久里浜に向かう途中でのことである。横浜ま
で乗り換えなしで行けるという便利さから、副都心線に乗った。休日で出掛
ける人が多かったせいか、いつもよりも車内は混んでいた。渋谷を過ぎる頃
には、席に掛けられることが多いのだが、その日は空かなかった。すると、
近くの座席の方から、手を叩く音や足で床を踏みならす音が聞こえてきた。
時々、大きな声も聞こえた。「誰か、混んだ車内の状況に馴染めず、パニッ
クでも起こしているのかな?」と思った。そちらの座席を人混みの間から眺
めてみると、成人の障害のある方と思われる人が、付き添いの方と一緒に乗
車していた。私と同じように一本で行けるということから、副都心線、東横
線を使って、グループで横浜方面へ出掛けるところだと推測した。
 私の目の前の席では、息子さんと思われる男の方にお父さんが寄り添い、
足をブラブラさせないように自分の足を伸ばして押さえ、さらに、息子さん
の片方の腕を、お父さんが手でしっかり握っていた。
 最近、障害のある方を街で見掛けることが多くなった。いいことだと思う。
もっと気楽に外出できるようになるといいと思う。
 こんなとき、周囲の人はどんなふうに思うのだろう。奇声を上げることを
自然なこととして受け止めるためには、経験するとともに、なぜかを想像で
きる余裕が必要だ。お父さんが、一言、「足をブラブラさせないでね。」と
息子さんに声を掛けてくれれば、私たちももっと想像しやすいかも知れない。
 ふと、これから共生社会を創っていくためには、何気ないことを「なぜ?」
と想像する、日々の努力が欠かせないのではないかと思う。
 想像するためには、先ずは、気が付かないといけない。そして、身近なこ
とについて、「どうしてか?」と考えることが必要になる。
 「こんなことを言ったら、相手はどう思うかな?」、「隣の人が慌ただし
く動いているけど、何かあったのかな?」、そして、「何か手伝うことは、
ないかな?」と考えられれば、自然と協力することができるのではないか。
 前日の雨風で、窓が汚れている。「来週は、長期の研修員が来所する。き
れいにしておいてあげようか?」というのも気配りであり、思いやりである。
 聾学校では、子どもとの関わりの中で、「相手の立場になって考えよう!」
ということを子どもに気付かせるのが難しかった。ごみが廊下に落ちていて
も、「私が落としたのではありません。」と言って、拾って貰えないことも
あった。結局、先生がやってみせることが大事だと思い、自分で拾ったが…。
相手の立場になって想像すること、それは、思いやりにも繋がる。そして、
協力や互助にも結び付く。
 障害があるからどうのこうのではなく、「人として、こう思う」、「人と
して、こんな行動ができる」ということが、今、求められているような気が
する。
 そのもとになるのが、「想像すること」ではないか。そして、これは人に
言われてやることではなく、人と人との関わりの中で、自分で身に付けてい
くことかも知れない。身の回りのちょっとしたことに、想像の翼を広げたい。

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【5】特別支援教育関連情報
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●平成29年度特別支援教育に関する調査の結果について
 文部科学省は、平成29年度における特別支援教育体制整備状況調査、通級
による指導実施状況調査、特別支援学校等の医療的ケアに関する調査を行い、
結果について平成30年3月29日に公表しました。詳しくは下記URLをご覧く
ださい。

○平成29年度特別支援教育に関する調査の結果はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/1402845.htm

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【6】研修員だより
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 今号は、平成29年度第二期特別支援教育専門研修を修了された川口美幸先
生からお寄せいただきました。

「理想の高校づくり」
               川口 美幸(千葉県立市川特別支援学校)

 私は特別支援教育コーディネーター3年目の時に、専門研修に参加しまし
た。地域の学校を訪問支援するなかで、進路や福祉制度などに関する相談が
多い高等学校への支援についてより深く学びたいと思い専門研修に志願しま
した。
 研修の協議グループでは、高校の先生方とインクルーシブ教育や特別支援
教育という言葉の枠を超えた「理想の高校」について話し合いを進めました。
「高等学校における通級による指導」の話題も追い風となり、「教育課程」
「単位取得」「校務分掌」「進路変更」「子ども達の居場所作り」について
など、「理想の高校をつくるためには、どうしたら良いのか」納得がいくま
で協議できる貴重な時間となりました。私は高校での勤務経験がないため、
高校の独自文化や考え方に驚くことも多々あり、忌憚ない意見交換の経験は
大きな財産となっています。
 研修最終日の閉講式後に、共に学んだ仲間達と約束したことがあります。
「高校でのインクルーシブ教育はこれからだから、私達は全国それぞれの場
所で頑張ろう。そしていつか高校でも多様な学びの場が当たり前になったら、
その時は研究所で同窓会をしよう」と。1日も早くこの約束が果たせるよう、
研究所で学んだことを存分に活かしながら頑張りたいと思います。

○千葉県立市川特別支援学校のWebサイトはこちら→
 https://www.chiba-c.ed.jp/ichikawa-sh/

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=32889&lang=ja

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【8】編集後記
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 5月になりました。「やっと過ごしやすい季節になった」とホッとしてい
る花粉症の方も少なくないと思います。東京や神奈川では、昨年に比べてス
ギ・ヒノキ花粉とも飛散量が非常に多かったため、今年から症状が出始めた
という方もいらっしゃったようです。花粉症の症状は風邪の症状と似ていま
す。そのせいか花粉症を認めない人の話を聞きます。認めて花粉対策をする
ことで楽になるかもしれないのに、どこか受け入れたくないと思うのは、一
度花粉症になってしまうと翌年以降も辛さを体験すると思うからでしょうか。
 さて、花粉の飛散が落ち着くこの時期、学校も少しずつ落ち着きを見せて
いるかと思います。仲の良いお友だちと別々のクラスになってしまった子、
勉強が難しくなり戸惑っている子と、決して嬉しくない状況も受け入れ、新
しい環境に馴染むために努力する子どもたちの姿に、大変さとひたむきさを
感じずにはいられません。
 メルマガを愛読してくださる方の中にも異動があったり、家族と離れて暮
らすことになったりと、この1ヶ月、新しい環境に慣れようと頑張った方が
少なくないと思います。ゴールデンウィークには頑張った自分とご家族にご
褒美をあげて、週明けからまた頑張りましょう。
                  (第134号編集主幹 伊藤 由美)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第134号(平成30年5月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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