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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第137号(平成30年8月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
大阪府北部地震及び西日本豪雨で被災された皆様に、心からお見舞い申し上
げます。
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■目次
【お知らせ】
・平成30年度特別支援教育におけるICT活用に関する指導者研究協議会の開
催(終了報告)
・平成29年度全国小・中学校弱視特別支援学級及び弱視通級指導教室設置校
及び実態調査について
・MIM理解・実践セミナー(8月24日開催)のお知らせ
・インターンシップ生の受入れについて(終了報告)
【NISEトピックス】
・業務部の活動紹介(4) 発達障害教育推進センターの活動について
【研究紹介】
・高等学校における通級による指導の在り方に関する研究―導入段階におけ
る課題の検討―
【連載コーナー】
・知的障害のある子どもの交流及び共同学習の実践
 第1回 連載の趣旨と研究紹介
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】

【編集後記】

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【1】お知らせ
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●平成30年度特別支援教育におけるICT活用に関する指導者研究協議会の開
催(終了報告)
 7月23日及び24日の2日間、標記指導者研究協議会を本研究所において開
催しました。研究協議会は、インクルーシブ教育システムの充実を目指し、
障害のある幼児児童生徒に適切な指導・支援を行う上で必要なICT活用につ
いて、指導的立場にある教職員による研究協議等を通じ、各地域の特別支援
教育におけるICT活用の推進を図ることを目的としています。本年度は、全
国から特別支援学校、小・中学校等教員や指導主事等82名が受講しました。
 1日目は、文部科学省による最新の行政説明「新学習指導要領を踏まえた
ICT活用」に続いて、本研究所から「タブレット端末を活用した実践事例の
収集と地域支援のためのガイド作成」と題して研究紹介を行いました。
 2日目は、「ICT活用の推進に向けた教育委員会の取組について」長野県
教育委員会事務局特別支援教育課の永田寛尚指導主事より発表していただき
ました。また、二つのグループに分かれて、班別協議・演習②「校内・地域
におけるICT活用に関する研修を考える:仮想事例検討の研修モデルを通し
て」をICT活用実践演習室において行うとともに、施設見学により支援機器・
教材を体験していただきました。さらに、計11班に分かれて各受講者から提
出されたレポートに基づく報告や最新の情報等について、熱心な協議・意見
交換がなされました。

●平成29年度全国小・中学校弱視特別支援学級及び弱視通級指導教室設置校
及び実態調査について
 本調査は、本研究所の視覚障害教育研究班が5年ごとに実施している、全
国の小学校及び中学校の弱視特別支援学級と弱視通級指導教室についての調
査です。
 この調査の結果をまとめた報告書を下記に掲載しました。
 報告書では、弱視特別支援学級及び弱視通級指導教室の設置状況と在籍児
童生徒の状況、担当教員及び指導の状況についてまとめています。在籍児童
生徒の状況としては視力の状況、視覚補助具の使用状況、学習状況等につい
て、担当教員及び指導の状況としてはICTの活用状況、研修の状況等につい
てそれぞれ報告しています。
 弱視特別支援学級と弱視通級指導教室の全国的な状況を知るためにご活用
ください。

○平成29年度全国小・中学校弱視特別支援学級及び弱視通級指導教室設置校
及び実態調査の報告書はこちら→
 http://nc.nise.go.jp/report_material/research_results_publications/specialized_research

●MIM理解・実践セミナー(8月24日開催)のお知らせ
 8月24日(金)に羽田空港にほど近い大田区産業プラザPiOにて、多層指
導モデルMIM理解・実践セミナーが開催されます。多層指導モデルMIMは、通
常の学級に在籍する様々なニーズのある子どもの学びを支えていこうとする
学力指導モデルです。子どものつまずきを早期に把握し、速やかに支援して
いきます。特に、学力の基礎である小学校入門期の読みに焦点を当て、流暢
性のある読みの力を育んでいきます。研究を始めてから10年以上が経過し、
今では自治体単位でMIMに取り組むところも増えてきました。今回のセミナ
ーでは、MIMの実践で顕著な効果を上げられている先生方をお迎えし、話題
提供をしていただきます。その他に、模擬授業も予定しています。既に申込
締切日を過ぎておりますが、若干空きがございます。ご参加を考えておられ
る方はお早めにどうぞ。

○MIM理解・実践セミナーの参加申込等詳細はこちら→
 http://forum.nise.go.jp/mim/?action=common_download_main&upload_id=211

●インターンシップ生の受入れについて(終了報告)
 本研究所では、平成30年6月25日~27日の3日間で、神奈川県立岩戸養護
学校2年生の生徒をインターンシップ生として受入れました。
 3日間、3つの部署で以下の仕事をしていただきました。
1日目 事務担当部署でのデータ入力作業、書類のシュレッダー作業、資料
    の配布など
2日目 図書室での本の整理、カウンター業務の見習いなど
3日目 研究担当部署でのカレンダーへのスケジュール記入、テプラ制作など
 インターンシップ生からは、「今回の実習を通して自信を持つことができ
ました。担当の方に分かりやすく説明してもらい、作業もやりやすく楽しく
仕事ができました。『わからないことはきちんと聞く』という実習の目標も
達成することができました」また担任の先生からは「本人は今回の実習に対
して大変緊張していましたが、実習後の表情はとてもよく、充実した実習だ
ったことがよく伝わってきました。これまでの学習も実習という本番で実践
でき、本人にとって今後の自信につながった貴重な実習でした」との感想を
いただきました。
 今回の職業体験が、インターンシップ生の自己の職業適性や将来設計を考
えるための一助となればと考えております。本研究所として、今後も、この
ようなインターンシップ生の受入れについて積極的に検討していく予定です。

○インターンシップ生の受入れの様子はこちら→
 http://nc.nise.go.jp/news/2018/0719

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【2】NISEトピックス
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●業務部の活動紹介(4) 発達障害教育推進センターの活動について 
      笹森 洋樹(発達障害教育推進センター長/上席総括研究員)

 平成29年度より、従来の発達障害教育情報センターは発達障害教育推進セ
ンターとなり、機能を拡充しました。インターネットによる情報提供の充実
に加え、教員等の実践的な指導力の向上を図る教育実践セミナーや、関係機
関と連携した各地域における理解啓発の推進に重点を置いた取組を進めてい
ます。

〇Webサイトによる情報提供
 発達障害のある子どもの理解や学校における指導・支援、教員向けの研修
動画、教材・教具、施策・法令等のコンテンツを用意し、最新情報の収集及
び発信を行っています。また、身近な地域で研修等の機会が得られるよう、
各地で開催されているイベントや研修会等の情報も随時更新しています。研
修動画の一部はYouTubeでも配信しています。

〇発達障害の理解を深める展示室の公開
 発達障害に関する理解促進と適切な対応や支援の充実を目的として、展示
室を公開しています。発達障害に関する基本的な理解、指導や支援に関する
パネル展示や参考図書、映画の紹介、教材・教具の展示、心理的疑似体験コ
ーナー等を用意しています。毎年、約1,000名の方が見学に訪れています。

〇発達障害教育実践セミナーの開催
 発達障害のある子どものライフステージに応じた一貫した支援体制の構築
を推進することを目的として、教育実践セミナーを開催しています。教員や
教育委員会等の関係者に対し、最新情報の提供や実践事例の報告、研究協議
等を通して、発達障害教育への理解推進と実践的な指導力の向上を図ります。
今年度は「通級による指導」をテーマに8月3日(金)一橋講堂(東京)で
開催します。(参加申込受付は終了しました。)

〇発達障害地域理解啓発事業の実施
 保護者と教育、福祉等の関係機関が連携した切れ目のない地域支援体制の
構築を推進することを目的として、都道府県等の教育委員会や福祉機関等と
連携して、地域住民の発達障害に関する理解を深める活動を実施しています。
講演やシンポジウム、研修会、ワークショップ(心理的疑似体験、教材・教
具等展示、研究紹介など)を行います。今年度は、秋田県(11月)、和歌山
県(10月)、兵庫県姫路市(2月)で実施予定です。

〇その他、関係機関と連携した取組
 国立障害者リハビリテーションセンター発達障害情報・支援センターや発
達障害者支援センター、日本自閉症協会、筑波大学附属久里浜特別支援学校
等とも連携し、発達障害に関する情報提供、理解啓発を推進する活動を行っ
ています。

○発達障害教育推進センターWebサイトはこちら→
 http://icedd_new.nise.go.jp/

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【3】研究紹介
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●高等学校における通級による指導の在り方に関する研究―導入段階におけ
る課題の検討―
                       研究代表者:笹森 洋樹

 平成30年4月1日より学校教育法施行規則の一部を改正する省令などが施
行され、平成30年度から高等学校においても通級による指導の制度運用が開
始されました。高等学校における通級による指導は、これまで多様化する生
徒や学校の実態に対して、課程や学科、学校設定科目・教科などの様々な教
育制度を設けて対応してきた高等学校教育において、初めて障害のある生徒
に対する特別の指導が認められる制度の導入ということになります。その在
り方については、高等学校教育の特徴を十分に踏まえ、計画的、段階的に進
めていく必要があります。
 本研究では、高等学校において通級による指導を平成30年度から制度導入
するにあたり、特に発達障害のある生徒の実態に応じた在り方、円滑に導入
するための課題とその方策について検討することを目的としました。

【導入段階における8つの課題】
 文部科学省と共同で実施したアンケート調査及び文部科学省のモデル事業
校等の実践から、導入段階において検討すべき課題は以下の8つに整理され
ました。
1)通級による指導の位置づけと活用
2)特別の教育課程の編成、評価と単位認定の在り方
3)生活、学習、就労支援に関する指導内容と個別の指導計画の作成、活用
4)対象生徒のニーズ把握と通級の必要性の判断
5)自立活動と個別の指導計画に関する専門性を有する教員の養成と配置
6)実施校の選定及び自校通級、他校通級、巡回指導などの実施形態の決定
7)通級による指導と通常の学級との連携、校内支援体制の充実
8)制度に関する正しい情報の説明と周知
 これらの8つの課題について、研究協力校などの実践や研究協議会におい
て検討し、課題解決の方策を10のポイントに整理しました。研究の成果は報
告書にまとめるとともに、高等学校教員のための「通級による指導」ガイド
ブックにまとめました。
 高等学校における通級による指導においては、生徒の自尊感情や自己理解、
二次的な障害に関する予防的対応などの視点も重要です。高等学校における
通級による指導には、発達障害などのある生徒の気持ちを日常的に受け止め、
心理面、情緒面の対応ができる場としての役割も期待されます。

〇本研究の研究成果報告書はこちら→
 http://nc.nise.go.jp/wysiwyg/file/download/1/1718 

〇高等学校教員のための「通級による指導」ガイドブックはこちら→
 http://nc.nise.go.jp/wysiwyg/file/download/1/1719 

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【4】連載コーナー
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●知的障害のある子どもの交流及び共同学習の実践
 第1回 連載の趣旨と研究紹介
                    知的障害教育研究班 涌井 恵
       (インクルーシブ教育システム推進センター 主任研究員)

 2015年9月25日に国連サミットで採択された「持続可能な開発のための
2030アジェンダ」には17のゴールからなる持続可能な開発目標(SDGs)が策
定されていますが、その第4番目のゴールに「すべての人に包摂的かつ公正
な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する」ことが掲げられてい
ます。なお、「包摂的」の原語はinclusive(インクルーシブ)です。持続
可能な開発目標(SDGs)は開発途上国だけでなく、先進国にとっても達成す
べき目標として掲げられており、生涯にわたる質の高いインクルーシブ教育
を進展させていくことは地球規模で人類が解決すべき課題となっています。
 日本においても、平成29年3月公示の小中学校の学習指導要領総則や、
「ユニバーサルデザイン2020行動計画」(ユニバーサルデザイン2020関係閣
僚会議、2017)の中で、交流及び共同学習の一層の推進が謳われています。
 このような社会状況と平行して、本研究所知的障害教育研究班では、北欧
の教育研究の第一人者である津田塾大学学芸学部の渡邊あや准教授と高知大
学教育学部の是永かな子准教授の協力を得て、共同研究「インクルーシブ教
育場面における知的障害児の指導内容・方法の国際比較~フィンランド、ス
ウェーデンと日本の比較から~(平成28-29年度)」を実施し、昨年度研究
成果報告書をまとめました。
 そこで、本連載では、平成28-29年度に実施した研究成果報告書(平成30年
3月)」より、日本の知的障害特別支援学級に在籍する児童生徒の交流及び共
同学習の実践事例6例について紹介していきます。
 連載の第1回目は、連載の趣旨と研究概要についての紹介、第2~7回目
は各事例について、最終回の第8回目は実践のポイントとまとめを予定して
います。
本共同研究全体の概要については、以下の研究サマリーをご覧ください。

○本共同研究のサマリーはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/14414/20180531-101841.pdf

 また、下記の研究成果報告書のWebリンクからは、渡邊あや先生(津田塾
大学)による障害のある子どもも含めたフィンランドの教育制度の概要、学
級編制、教育課程、教育財政制度等についての論考、是永かな子先生(高知
大学)によるスウェーデンの障害のある子どもも含めた教育制度の概要、学
級編制、教育課程等についての論考を読むことができます。是非Webリンク
をクリックしてご覧ください。

○本共同研究の研究成果報告書はこちら→
 http://nc.nise.go.jp/wysiwyg/file/download/1/1855

 次回は小学6年生の音楽の交流及び共同学習の実践を紹介する予定です。
どうぞお楽しみに。

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【5】NISEダイアリー
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          「深い学び」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 七月の半ば、今年度の第一期特別支援教育専門研修が閉講式を迎えた。五
月から始まった二ヶ月間にわたる宿泊研修が終了した。
 実は、開講式の折り、まだ緊張感や不安感が見受けられる72名の研修員に、
一つの宿題を提示していた。
 「今回の学習指導要領の改訂においては、『主体的・対話的で深い学び』
の実現が話題となっています。そこで、この研修の間に、受け持っている子
どものうち、例えば、『Aさんにとっての深い学びとは何か?』を考えてみ
てください。」と。そして、「『深い学び』は、子ども一人一人によって、
異なっていいと私は思います。個々の『深い学び』を考えることに意味があ
ると思っています。」と、付け加えた。
 閉講式の折り、研修員代表のお礼の言葉に、その先生の「深い学び」に対
する考え方が述べられていた。二ヶ月も前のことを覚えていてくださったこ
とに嬉しくなった。
 宿題を出すだけで、何も回答しないというのでは申し訳ないと思い、実は、
自分なりの考えをまとめていた。それを閉講式では述べさせて貰った。
 新学習指導要領の解説書が発刊され、そこでは、「主体的・対話的で深い
学び」の説明がなされている。特に、「深い学び」については、各教科等の
特質に応じた見方・考え方を身に付けることの大切さなどが記されている。
それを読みながら、以前、自分が聾学校で受け持っていた子ども達を思い浮
かべた。小学部の児童だったが、様々な実態の子ども達であった。教科指導
がスムースに行える子どももいれば、先ずは日々の生活で使える言語力を育
てなければならない子どももいた。入学間もない頃、転んで泣いているその
子に「どうしたの?」と訊ねても、「転んだよ。」、「痛いよ。」などと表
現することが難しい子であった。その子に対する深い学びとは何か、そんな
ことを考えていて、ふと思った。深い学びは、自分なりに生きていけるよう
に学んだことを生かす術を身に付けること。結局、学びの質を変えることで
は。だから、各教科等の見方・考え方を身に付けるためのベースとなる言葉
の力を育てることも深い学びの第一歩だと。
 閉講式で研修員に伝えたかったことは、受け売りで分かった気にならず、
子どもに即して、「深い学び」とは、その子がどうすることかを、自ら具体
的に追求して欲しいということ。受け持ちの先生がその子をよく知っている。
それが当たり前のことであることを自覚して欲しいということ。
 私が子どもに関わっていた頃は、生きる力も深い学びも話題に上らない時
代だった。でも、「その子が社会でどのように生きていくか、そのために、
今、何が必要か。」それを一生懸命考えていた。言葉の奥にある“真意”、
“目指すもの”、それは時代を超えて不易なのかもしれないと思う。
 第一期専門研修の半ばに起きた大阪府北部地震、そして終了間際に起こっ
た西日本豪雨。被災された方々や関係者の方々に心からお見舞いするととも
に、亡くなられた方に心からお悔やみ申し上げます。

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【6】研修員だより
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 今号は、平成19年度第一期特別支援教育専門研修を修了された髙野都先生
からお寄せいただきました。

          「源泉掛け流しの湯舟から・・・」
             髙野 都(茨城県北茨城市立中郷第二小学校)

 遥か彼方のその先の群青を天空と分かつ美しい久里浜の水平線…平成19年
度専門研修で、素晴らしい講師陣による研修にどっぷりと浸かり、私たち研
修生は、「星の王子様」よろしくそれぞれに待つ「バラの花」、否、子ども
たちの元へと戻って行った。
 思えばそれが私の学びの源泉だった。現場に復帰してからも、まだ足りぬ
とばかり様々な学会に首を突っ込み、良書を求め、研修会の噂を聞けば馳せ
参じ…。学んだことのどれか一つが、いつかどこかのたった一つの「特別な
バラの花」のお役に立つかもしれないと…。
 特別支援学校、中学校、小学校と渡り歩き、ふと気が付けば久里浜の湯よ
り早や十余年。学びの源泉掛け流しのその効能を管理職として生かす時が巡
ってきた。遅まきながら、MIM導入による授業改善へと加配教員を申請、学
校組織でカリキュラムを整備、算盤をパチパチと弾きながら環境整備をしつ
つ、この夏は校内研修に実践者栗原先生をお迎えし(贅沢!)、県北にも初
めて本家海津先生をお迎えし(なんと贅沢!)、MIMの拡がりを目の当たり
にする…。
 今日も、校舎に小さなバラたちの明るい声が響き渡る。あの子たちも学び
の喜びにどっぷりと浸かっていくに違いないと、遥か久里浜に続く北茨城の
潮風を胸に吸い込んだ。

○茨城県北茨城市立中郷第二小学校のWebサイトはこちら→
 http://academic4.plala.or.jp/nakani/

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=52197&lang=ja

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【8】編集後記
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 西日本を中心に全国各地で発生した記録的な豪雨被害により、犠牲になら
れた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様に謹
んでお悔やみ申し上げます。また、被災された全ての方々に心よりお見舞い
を申し上げます。
 研究所で仕事をしていると、毎年、全国の先生方と研修や研究を通してご
縁ができます。このような被害を耳にする度に、「あの先生は大丈夫かな」、
「あの地域は被害はなかったかな」と心配になります。
 今回、甚大な被害にあった広島県の呉市には私の義理の両親が住んでいま
す。私の第二の故郷が広島であることをご存じの先生方からも、今回多くの
メールをいただきました。子どもの教育の充実を互いの使命につながりあっ
たご縁ですが、こうして私自身のことまでも案じてくださる先生方との出会
いに感謝せずにはいられませんでした。本当にありがとうございました。
 本号でご紹介させていただいた「多層モデルMIM(ミム)」も、研究所の
専門研修を修了された方々が各地でリーダーとなって子どもたちに届けてく
ださっています。研究と実践が手を取り合って子どもたちの笑顔を追求して
いる喜びと心強さを感じます。こうした人と人とのかけがえのない出会いを
これからも大切にしていきたいと思います。
 最後になりましたが,この度被災された方々にとって、一日も早く事態が
収束されますよう心よりお祈り申し上げます。
(第137号編集主幹 海津 亜希子)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第137号(平成30年8月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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いてはこちら→
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