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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第59号(平成24年2月号)
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東日本大震災で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】連載コーナー
【4】研修員だより
【5】アンケートのお願い
【6】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●平成23年度国立特別支援教育総合研究所セミナーを開催しました(速報)
 本研究所では、平成23年度国立特別支援教育総合研究所セミナーを1月31
日(火)から2月1日(水)の2日間にわたり、国立オリンピック記念青少年
総合センターにおいて開催いたしました。詳細につきましては、次号の中で
紹介する予定です。

●平成23年度第三期特別支援教育専門研修開講
 さる1月11日(水)、平成23年度第三期特別支援教育専門研修を開講しま
した。
 特別支援教育専門研修は、約2ヶ月の間研究所の研修員宿泊棟に宿泊する
完全合宿型の研修形式で、年に三期開催しています。
 今期(平成24年1月11日~3月14日)は視覚障害・聴覚障害教育コースで、
全国から34名の教職員が、それぞれの専修プログラムごとに研修に励んでい
ます。研修の主な内容は、特別支援教育全般と各専修プログラム毎の障害種
別に関わる講義を中心に、演習、研究協議、実地研修などから構成されてい
ます。
 この研修では、知識、技術の習得のみならず全国から集まった教職員同士
のネットワークづくりも魅力となっています。

 ○特別支援教育専門研修の内容等はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/9,0,21,116.html
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【2】NISEトピックス
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★海外情報の紹介★
●ブラッセル日本人学校を訪問して
                小林 倫代(教育相談部 総括研究員)
 文部科学省国際教育課在外教育施設指導係の事業で特別支援巡回指導とし
てベルギーの日本人学校及び補習授業校を訪問してきました。
 ブラッセル日本人学校は、小学部243名、中学部71名、計314名の子どもた
ちが通う学校です。文部科学省からの派遣教員18名、現地採用講師10名、そ
の他7名の計35名の職員で学校を運営しています。週に2時間程度の総合的
な学習の時間には、外国語会話(フランス語会話・英会話)や現地校との交
流学習、地域施設の見学等も行っています。
 この学校は、平成16年に文部科学省の海外子女教育協力校の指定を受け、
「在外教育施設における特別支援教育推進に関する研究」を行っています。
この研究期間中にも、本研究所からスタッフが訪問していますので、研究所
からの訪問は今回で2回目になります。この研究以来、ブラッセル日本人学
校では特別支援教育に対する意識が高く、特別支援学級が設置されていなく
ても、取り出し指導やティーム・ティーチング(T・T)による授業を行って
います。校務分掌として特別支援教育部があり、特別な支援が必要な児童生
徒の把握を行い、必要に応じて該当児童生徒及びその保護者との教育相談も
実施しています。
 ある自閉症の中学生の指導は、「個別学習室」でも行われており、生徒の
実態に応じた国語のプリントを教材にして、文章にかかれている人の気持ち
の読み取りを学習していました。個別指導を担当していた先生は、中学部の
音楽専科の先生で、授業のない空き時間を使用して指導されていました。
 翌日、ブラッセル日本人学校と校舎を共有するブラッセル補習授業校を参
観しました。この補習校は、国語、算数・数学、課外社会科(小5以上の希
望者)を週1回、土曜日に授業を行っています。補習校には、英語系のイン
ターナショナルスクール、フランス語の現地校、フラマン語の現地校、ドイ
ツ語の学校等の様々な言語環境で学んでいる子どもたち224名が通学してき
ています。訪問した日には、音読発表会が行われ、日本語の発音とは少し異
なる部分もありましたが、子どもたちは協力して大きな声で一つの作品の発
表をしていました。
 なお、本研究所では、特別支援教育に関して日本人学校や国外に在住する
子どもの保護者からの教育相談を行っています。

 ○ブラッセル日本人学校のWebサイトはこちら→
  http://www.japanese-school-brussels.be/index-2.html
 ○本研究所の教育相談はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,0,12,121.html

●アメリカ・テキサス州とニューヨーク州での実地調査-発達障害のある子
 どもの学習支援-
                  玉木 宗久(企画部 主任研究員)

 平成23年10月20~29日に、重点推進研究「発達障害のある子どもへの学校
教育における支援の在り方に関する実際的研究」で、アメリカのテキサス州
とニューヨーク州を訪問しました。主な目的は、発達障害のある子どもの学
習支援の動向を探ることです。
 今回、特に学んだことは、通常の学級の中で、日本ではあまり見られない
多様性に富んだ支援が行われていたということです。例えば、訪問した三つ
の学校はいずれも、一斉指導を中心とするのではなく、グループ学習や個別
学習の時間を積極的に取り入れていました。また、学習教材が豊富で、子ど
もが自分の能力に合わせて選べることにも驚きました。さらに、一つの学校
では、障害のある子ども(自閉症)とない子どもが一緒に授業を受けてお
り、インクルーシブ教育システムの一つの形態として参考となる斬新な取組
も行われていました。
 このような実践の背景にあるアコモデーション(accommodation:通常の
学級のカリキュラムへのアクセスを可能にするような支援)やモディフィ
ケーション(modification:通常の学級のカリキュラムの内容や評価の基準
を変更するような支援)、また、最近、アメリカで広まりつつあるRTI
(Response to intervention/instruction:教育的介入の反応に基づく支
援、及びLDの新しい判定の方法)などの理論的な枠組みについても多くの情
報を得ることができました。
 テキサス大学の特別支援教育のスタッフとのディスカッションでは、「通
常の学級の支援の広がりに伴って、最近、リソースルームの数が減ってい
る」ということが話題になっていました。通常の学級における多様性のある
支援の在り方やそれがもたらす影響について、日本においても、もっと目を
向けていく必要性を感じました。

 ○重点推進研究「発達障害のある子どもへの学校教育における支援の在り
  方に関する実際的研究」の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/8,127,18,106.html

 ○テキサス大学のWebサイトはこちら→
  http://www.utexas.edu/

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【3】連載コーナー
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●「発達障害教育情報センター」Webサイトをご存じですか???
                大城 政之(教育情報部 総括研究員)

 第6回 国の施策や法令等が知りたい!

 本連載(全7回)では、「発達障害教育情報センター」Webサイトについ
てご紹介しています。
 今回は、「国の施策や法令等が知りたい!」についてです。
 発達障害のある子どもたちへの教育を考える時、充実した教育を推進して
いくために我が国の教育的施策や法令等についての情報を知ることは大切な
ことだと思います。
 そこで、当センターWebサイトでは、「施策法令」のページを設け、文部
科学省や厚生労働省等の関係省庁で発信されている発達障害に関する法令等
の最新情報やこれまでの施策法令、通知等についての情報を整理し、発信し
ています。

 ・・・・・・続きはこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,5800,13,257.html
 ・・・・・・全7回の連載内容(予定)はこちらのリンクへ→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,5080,13,257.html

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【4】研修員だより
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 今号は、平成21年度特別支援教育研究研修員修了の柴田琢磨先生からお寄
せ頂きました。

「今の自分の財産」
                  柴田 琢磨(北海道星置養護学校)

 早いものであれから二年の月日が経ちました。この原稿執筆のために、当
時、毎日記録していた報告書を読み返し、とても懐かしく感じると同時に何
物にも代えがたい体験をさせていただいたと改めて実感しています。
 私は、平成21年度特別支援教育研究研修員として、知的障害教育における
キャリア教育の在り方に関する研究に参画させていただきました。所属校で
もがき苦しんでいた私は、とにかくなんでも吸収しようと事あるごとに質問
していました。初歩的な質問ばかりだったにもかかわらず、担当の先生は嫌
な顔ひとつせず、スタッフの一人として懇切丁寧に対応してくださいまし
た。研究の手法はもちろんですが、チームとして機能するために、「認め、
つながる」大切さを教えていただきました。そのような恵まれた環境の下、
チームとして一つのものを作り上げていく過程を間近で体験できたことは今
の自分の財産になっています。
 一年の研修から所属校に戻ると、分掌や学年を取りまとめる立場になりま
した。しかしチームとしてうまく機能しないこともあり、まだまだ自分が周
りの人と認め、つながっていないと反省しています。そんな時は、研究所で
過ごした一年の経験を思い出し、それを目標に自分のスタイルを確立してい
きたいと思っています。

 ○北海道星置養護学校のWebサイトはこちら→
  http://www.hoshiokiyougo.hokkaido-c.ed.jp/

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【5】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga59
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【7】編集後記
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 今年度も残すところあと二ヶ月となりました。NISEメルマガ読者の皆様に
おかれましては、今年度の評価やまとめ、そして次年度に向けた諸計画の作
成等でお忙しいことと思います。本研究所においても、今年度で終了する各
研究課題の報告書作成と次年度からスタートする研究課題の計画立案等が同
時並行的に進められているところです。
 筆者の研究領域であるキャリア教育においては、経験したことに対する本
人の「意味付け」「価値付け」「方向付け」や、「どうありたいか」「どう
なりたいか」という「本人の願い」が重視されます。すなわち、「いま」と
いう時間にいる本人が「過去」と「将来」を視野に入れるための環境の設定
や支援の工夫が指導する側に求められます。
 学校現場において年度末は、子どもたちを中心とした教育のより充実を図
るための「振り返り」と「将来設計」の機会になるかと思います。また、引
き継ぎなどをとおして指導・支援を「つなぐ」ための機会でもあるため、年
度末という「節目」は、一年の中でも特に重要な意味を持つと言えます。全
ての子どもたち、そして先生方にとってのよりよい「節目」となることを
願っております。
                    (第59号編集主幹 菊地一文)

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次号も是非ご覧ください。
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発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
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