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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第73号(平成25年4月号)
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■目次
【新年度を迎えて】
【お知らせ】特総研ジャーナル第2号を刊行しました
【お知らせ】NISE Bulletin第12号を刊行しました
【お知らせ】平成25年度に実施する各種研究協議会について
【トピックス】平成25年度の研究活動について
【連載コーナー】サバン-自閉症の不思議で大きな可能性- 第3回
【研修員だより】
【役員・研究職員の異動について】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】新年度を迎えて
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 いつも本メールマガジンをご愛読いただき、誠にありがとうございます。
 私は、この4月より、独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の理事長
として着任しました宍戸和成と申します。前職は、本研究所の隣に設置され
ています筑波大学附属久里浜特別支援学校の校長を務めておりました。それ
以前は、東京教育大学附属聾学校(現、筑波大学附属聴覚特別支援学校)の
教員をしたり、文部省(文科省)で教科調査官や視学官を務めたりしていま
した。こうした経験をもとに、微力ながら、本研究所の充実・発展に努力し
て参りたいと考えています。
 本研究所は、昭和46年に設置されました。当時は、昭和54年の養護学校義
務制施行を控え、まさに、「特殊教育の充実・発展に寄与すること」が使命
と考えられていました。障害種別の研究部体制で、それぞれの障害の状態に
応じた指導内容・方法の探究が地道に進められていました。
 その後、国連等の国際的な動向も踏まえ、障害のある子どもの教育にも新
たな取組が求められるようになりました。その一つが、発達障害等の子ども
への対応です。それは、小学校等に在学する様々な教育的ニーズのある子ど
もへの適切な指導や必要な支援を求める流れとなり、平成19年度からの特別
支援教育へと発展してきました。
 本研究所には、そうした変化への適切な対応の在り方を模索することとと
もに、様々な教育的ニーズのある子どもたちへの実際的かつ総合的な研究を
実践することなどが求められています。
 本年度は、特に、インクルーシブ教育システムの構築に向けて、学校現場
等に役立つ情報の収集と分析、そして発信に努めることとしています。
 このメールマガジンは、本研究所と特別支援教育等に関わる方々を繋ぐ重
要な役割を果たすツールでもあります。研究所の職員一同、今後一層、メー
ルマガジンの内容等の改善に努力していく所存です。今後とも、ご愛読のほ
ど、よろしくお願い申し上げます。

               平成25年4月
               独立行政法人国立特別支援教育総合研究所
               理事長 宍戸 和成

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【2】お知らせ
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★NEWS★
●特総研ジャーナル第2号を刊行しました
 本研究所における諸活動の成果等をまとめた「国立特別支援教育総合研究
所ジャーナル(特総研ジャーナル)」第2号をこのたび刊行し、研究所Web
サイトに掲載しました。
 特総研ジャーナル第2号では、平成24年度の研究概要、諸外国の状況調査
結果、国際会議・外国調査等の報告、学会等参加報告、セミナー等の事業報
告を紹介しています。

 ○国立特別支援教育総合研究所ジャーナル第2号はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/7,8001,32,133.html

●NISE Bulletin第12号を刊行しました
 本研究所における諸活動の成果等を英文でまとめた「NISE Bulletin」第
12号をこのたび刊行し、研究所Webサイトに掲載しました。
 NISE Bulletin第12号では、平成24年度の研究概要、セミナー等の事業報
告、日本の特別支援教育の政策動向、本研究所研究紀要に掲載された論文等
を英文で紹介しています。

 ○NISE Bulletin第12号はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/393/20130331-103345.pdf

●平成25年度に実施する各種研究協議会について(開催のお知らせ)
 平成25年度に本研究所が実施する下記の各種研究協議会への参加者の推薦
について、都道府県教育委員会等に照会を行っています。

 ◆平成25年度就学相談・支援担当者研究協議会
  期日    平成25年7月17日(水)~18日(木)の2日間
  募集人員  70名
  実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,0,21,114.html

 ◆平成25年度特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会 
  期日    平成25年7月25日(木)~26日(金)の2日間
  募集人員  70名
  実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,7884,21,113.html

 ◆平成25年度発達障害教育指導者研究協議会
  期日    平成25年8月1日(木)~2日(金)の2日間
  募集人員  100名
  実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,7886,21,117.html

 ◆平成25年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会
  期日    平成25年11月21日(木)~22日(金)の2日間
  募集人員  70名
  実施要項等 https://www.nise.go.jp/cms/9,7830,21,112.html

 ○平成25年度国立特別支援教育総合研究所研修計画一覧はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/7502/12ichiran.pdf

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【3】NISEトピックス
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★トピックス★
●平成25年度の研究活動について

                      企画部 総合企画調整担当

 本研究所の研究活動は、第三期中期目標に示された研究活動に係る内容を
踏まえ、(1)国として特別支援教育政策上重要性の高い課題に関する研究、
及び、(2)教育現場等で求められる喫緊の課題に対応した実際的研究に、一
層精選、重点化して実施することとしています。本年度は、平成24年2月に
改訂した研究基本計画に基づき、また、様々な研究ニーズを見極めつつ、以
下の研究活動を年度計画に位置付けて実施します。

1.専門研究A(特定の障害種別によらない総合的課題、障害種別共通の課
題に対応した研究)3課題
(1)特別支援学校及び特別支援学級における教育課程の編成と実施に関する
研究(平成24~25年度)
(2)デジタル教科書・教材の試作を通じたガイドラインの検証-アクセシブ
ルなデジタル教科書の作成を目指して-(平成24~25年度)【※中期特定研
究(特別支援教育におけるICTの活用に関する研究)】
(3)インクルーシブ教育システム構築に向けた取組を支える体制づくりに関
する実際的研究-モデル事業等における学校や地域等の実践を通じて-(平
成25~26年度)【※中期特定研究(インクルーシブ教育システムに関する研
究)】

2.専門研究B(障害種別専門分野の課題に対応した研究)7課題
(1)特別支援学校(視覚障害)における教材・教具の活用及び情報の共有化
に関する研究-ICTの役割を重視しながら-(平成24~25年度)【※中期特
定研究(特別支援教育におけるICTの活用に関する研究)】
(2)特別支援学校(肢体不自由)のAT・ICT活用の促進に関する研究-小・中
学校等への支援を目指して-(平成24~25年度)【※中期特定研究(特別支
援教育におけるICTの活用に関する研究)】
(3)ことばの遅れを主訴とする子どもに対する早期からの指導の充実に関す
る研究-子どもの実態の整理と指導の効果の検討-(平成24~25年度)
(4)自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する自閉症のある児童生徒の算数
科・数学科における学習上の特徴の把握と指導に関する研究(平成24~25年
度)
(5)高等学校における発達障害等の特別な支援を必要とする生徒への指導・
支援に関する研究-授業を中心とした指導・支援の在り方-(平成24~25年
度)
(6)知的障害教育における組織的・体系的な学習評価の推進を促す方策に関
する研究-特別支援学校(知的障害)の実践事例を踏まえた検討を通じて-
(平成25~26年度)
(7)重度・重複障害のある子どもの実態把握、教育目標・内容の設定、及び
評価等に資する情報パッケージ(試案)の開発研究(平成25~26年度)

※専門研究A、専門研究Bのうち、特別支援教育全体に関わる重点的な課題
を総合的に解決するため、中期目標期間を見通して特定の包括的研究テーマ
(領域)を設定し、複数の研究課題から構成された研究を進める「中期特定
研究」として、4課題を位置付けています。

 また、上記の他、「専門研究A、専門研究Bにつなげることを目指して実
施する予備的、準備的研究」として、次の1課題を単年度で実施します。
・聴覚障害教育における教科指導等の充実に資する教材活用に関する研究-
専門性の継承、共有を目指して-

 なお、平成25年度新規に開始する共同研究の課題は、現在検討中です。

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【4】連載コーナー
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●サバン -自閉症の不思議で大きな可能性-
         渥美 義賢(国立特別支援教育総合研究所客員研究員)

 第3回 サバンと自閉症(2) -カレンダー計算-

 サバンの中でも、「◯年◯月◯日は何曜日か?」に瞬時に答えることので
きるカレンダー・サバンが最も多いと報告されています。また、現在のカレ
ンダーであるグレゴリウス暦には規則性がありますが、その規則性を発見し
利用できるようになることで、何万年にもわたる過去もしくは未来の年月日
について曜日を解答できるようになることが分かってきました。この規則性
の発見と活用の過程は、自閉症の人たちが、単に機械的な記憶力や細かな認
知の力を持っているだけでなく、驚くべき創造性を持っていることを示唆し
ています。今回の記事は、このカレンダー・サバンについての話です。カレ
ンダー・サバンは自閉症の人たちの8人に1人の割合でいることが推測され
ます。カレンダー・サバンを通してサバンへの理解が深まり、サバンに気づ
くこと、そしてより良い対応につながることを期待してまとめました。

 ・・・続きはこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,8093,13,257.html

 ・・・全6回の連載内容はこちらのリンクへ→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,7827,13,257.html

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【5】研修員だより
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 今号は、平成21年度第一期特別支援教育専門研修修了の今井信乃先生から
お寄せいただきました。

「私が学んだこと」

         埼玉県立川島ひばりが丘特別支援学校  今井 信乃

 4年前、肢体不自由の特別支援学校での授業づくりに悩んでいた私にとっ
て、2ヶ月間の特別支援教育専門研修はとても有意義な日々でした。講義や
演習はもちろん、学習室で深夜まで研修員同士で熱く語り合ったことで、本
当にたくさんのことを吸収することができました。 
 講義や研究協議等を通して、特に強く実感したことは、「連携」「協働」
の大切さ、必要性です。研究協議班では、「授業づくりに活かす連携の在り
方」をテーマに協議を行いました。どこに向かっているのか分からなくなっ
たり、暗礁に乗り上げたりしながら、先生のアドバイスを受け、「なぜ連携
なのか」「連携に大切なことは何か」など班の仲間と協議した過程は、とて
も充実していました。そして、子どもたち一人一人の将来を見すえて、子ど
もたちを取り巻く校内外の様々な人のコーディネート役となることが私たち
授業者の専門性の一つではないかとのまとめにたどりつきました。
 私は、現在は教務主任を務めています。授業づくりに直接はかかわってい
ませんが、管理職、教職員や保護者の方々の連携、協働を橋渡しする役とし
て、授業づくりにかかわれていると思っています。これからも子どもたちに
寄り添い、子どもにかかわる方々みんなの連携、協働を大切にして授業をつ
くっていきたいです。そして、悩んだ時には研究所の先生方や研修仲間に相
談し、今後もつながっていきたいと思っています!

 ○埼玉県立川島ひばりが丘特別支援学校のWebサイトはこちら→
  http://www.hibari-sh.spec.ed.jp/

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【6】役員・研究職員の異動について
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 3月で研究所を去られた、及び4月1日付けで研究所に着任した役員・研究
職員を紹介します。

●3月で研究所を去られた役員・研究職員
・小田 豊   理事長
・西尾 典眞  理事
・西牧 謙吾  企画部 上席総括研究員
・大内 進   教育支援部長/上席総括研究員
・滝川 国芳  教育支援部 総括研究員
・植木田 潤  教育支援部 研究員
・松村 勘由  教育研修・事業部長/上席総括研究員
・工藤 傑史  教育研修・事業部 総括研究員
・廣瀬 由美子 教育情報部 上席総括研究員
        発達障害教育情報センター長
・菊地 一文  教育情報部 主任研究員
 なお、大内進先生は、平成25年4月1日から平成26年3月31日まで、本研究
所客員研究員をされています。

●4月1日付けで研究所に着任した役員・研究職員
・宍戸 和成  理事長
・新谷 喜之  理事
・新平 鎮博  企画部 上席総括研究員
・日下 奈緒美 教育支援部 主任研究員
・武富 博文  教育支援部 主任研究員
・松見 和樹  教育研修・事業部 主任研究員
・佐藤 肇   教育情報部 総括研究員
・石坂 務   教育情報部 研究員
・森山 貴史  教育情報部 研究員

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=27833&lang=ja

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【8】編集後記
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 新年度がはじまりました。今年は「桜前線」のスタートが早かったため、
北国でも、入学式の時に「今年は桜の花の下で記念写真が撮れる」所もある
のでしょうね。桜の開花状況は地域による差はありますが、日本全国共通で
「はじめまして」、「よろしくお願いします」という言葉があふれる「出会
いの季節」です。新たな環境に飛び込む人、新しい人を迎える人と様々です
が、子どもにとっても大人にとっても、この出会いの緊張と期待をプラスの
エネルギーに転換させていきたいものです。そのためには、話題(情報)の
共有がとても有効です。手前味噌で恐縮ですが、このメールマガジンもそう
した「話題(情報)」のひとつとしてご活用いただければ幸いです。
 今年度も、多忙な中でご愛読していただく方々にとって価値ある情報提供
ができるよう、メールマガジンの充実に努めてまいります。今後とも、よろ
しくお願い申し上げます
                    (第73号編集主幹 長沼俊夫)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第73号(平成25年4月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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     https://www.nise.go.jp/cms/6,3646,13.html

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