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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第74号(平成25年5月号)
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■目次
【トピックス】
【特別支援教育関連情報】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】
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【1】NISEトピックス
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★トピックス★
●世界自閉症啓発デーについて
             柘植 雅義(教育情報部長/上席総括研究員)

 平成19年12月の国連総会において、カタール王国王妃の提案により、毎年
4月2日を世界自閉症啓発デー(World Autism Awareness Day)とし、世界各
国で政府、NPO等が協力して自閉症の啓発を進めることが決議されました。
 これに対応するため、わが国では世界自閉症啓発デー・日本実行委員会が
組織され、国立特別支援教育総合研究所は共催機関としてこれに参加して自
閉症の啓発活動の一翼を担っています。また、毎年4月2日~8日を発達障害
啓発週間とし、各地で発達障害についての理解啓発を進めるよう働きかけて
います。
 世界自閉症啓発デー・日本実行委員会による今年の啓発イベントとして、
4月2日(火)の夕方に、東京タワーのブルーライトアップを実施しました。
ブルーライトアップについては、日本はもとより世界各地で同時にライトア
ップが行われました。また、4月6日(土)に、世界自閉症啓発デー2013シン
ポジウムを、東京・霞が関にある灘尾ホールで開催しました。「共に支え合
う-かけがえのないみんなの生命(いのち)-」をテーマに、シンポジウム
のほか、映画鑑賞、トークショー等が行われました。

 ○ライトアップの詳細はこちら→
  http://happy-autism.com/

 本研究所では、なかなか理解されることの難しい自閉症について、世界自
閉症啓発デーを機会に多くの人たちに知っていただき、それによって支援が
充実されるよう、志を共にする多くの方々と協力して情報普及に努めていき
たいと考えています。

 ○世界自閉症啓発デー公式サイトはこちら→
  http://www.worldautismawarenessday.jp/

 ○本研究所の世界自閉症啓発デー特設サイトはこちら→
  http://www.nise.go.jp/waad/

★海外情報の紹介★
●CSUN 2013(テクノロジーと障害者会議)参加報告
                田中 良広(教育支援部 総括研究員)

 2月27日から3月4日にかけて、科学研究費補助金による研究「弱視児童生
徒の濁音・半濁音文字の視認性の検討と弱視用フォントの開発」の一環とし
てアメリカ合衆国サンディエゴで開催されたCSUN 2013(第28回テクノロジ
ーと障害者会議)に参加してきました。(CSUNについては、メールマガジン
第62号をご参照ください。)
 今回は上記の研究に関わり視覚障害者、特に弱視者のための教育方法や視
覚補助具等に関するセッションに参加してきました。また、関連する機器展
示を見て回り、最新の情報を収集することができました。
 教育方法に関しては、大学等の高等教育機関におけるデジタル教材の活用
に関するセッションが興味深いものでした。そこでは視覚障害に限らず、印
刷物を読むことのできないプリントディスアビリティ(print disability)
への対応として、紙のテキストに代わりデジタル教材を開発し、有効に活用
している実践が報告されていました。そのデジタル教材には、文字の拡大表
示や単純化された図表、ハイライト表示と連動した音声読み上げ、字幕や手
話が付加された動画等の機能が備わっていました。
 また、弱視者用の視覚補助具の一つである拡大読書器についてのセッショ
ンでは、その最新機種の情報を得ることができました。最新の拡大読書器の
トレンドを端的に表すと、小型化と多機能化と言えるでしょう。
 従来の拡大読書器は、表示用モニターに拡大するためのカメラが備わった
比較的大型の機器でした。このため、学級等に持ち込んだ場合に拡大読書器
が設置された席の後方にいる児童生徒には板書等を見る際の妨げになってし
まうことが課題の一つとなっていました。
 この課題を解決するために最新の拡大読書器では、近用弱視レンズのよう
に片手で持って使うことができ、しかも近用レンズよりも高倍率で鮮明な表
示が可能となっています。また、電源を乾電池にすることにより、バッテリ
ーの消耗を気にせず連続して使用することが可能となっています。
 拡大読書器の多機能化については、単に文字等を拡大して映し出すことに
とどまらず、カメラで読み取ったテキストデータを電子ファイルとして保存
することが可能となり、その結果として様々な機能が付加されたことが特徴
としてあげられます。
 例えば、表示するフォントの種類を個人の読みやすさに応じて変更するこ
とができたり、一つの文章を文節単位、単語単位、一文字単位として表示す
ることが可能となっています。また、ハイライト表示と対応させた音声読み
上げが可能となっています。
 これらのことを踏まえると、今後は拡大読書器に限らず、支援機器の多機
能化が進んでいき、それらを障害のカテゴリーで括ることがあまり意味をな
さなくなっていくことが考えられます。
 今後も様々な情報についてメールマガジン等を通して発信していきたいと
思います。

 ○カリフォルニア州立大学障害研究センターのWebサイトはこちら→
  http://www.csun.edu/cod/conference/index.php

 ○CSUN 2013のWebサイトはこちら→
  http://www.csun.edu/cod/conference/2013/sessions/index.php/public/website_pages/view/1

 ○メールマガジン第62号はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/6,6723,13,260.html

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【2】特別支援教育関連情報
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●病気療養児に対する教育の充実について(通知)
 平成25年3月、文部科学省特別支援教育課長から「病気療養児に対する教
育の充実について(通知)」が出されましたので、お知らせいたします。

 ○文部科学省初等中等教育局特別支援教育課長通知の内容はこちら→
  http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1332049.htm

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【3】研修員だより
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 今号は、平成20年度第二期特別支援教育専門研修修了の柳川公三子先生か
らお寄せいただきました。

「best」を探る
       柳川 公三子(富山大学人間発達科学部附属特別支援学校)

 私は、「自分の未熟さからの葛藤や焦りを解消したい」、「様々な知識や
技能を身に付け、『自己肯定感』を高めたい」という思いで、40歳という節
目の年に専門研修に参加しました。個人の研究課題はもちろんですが、グル
ープ別の研究協議においても、とにかく「best」を尽くそうと熱い思いで班
長にも自ら進んで立候補しました。しかし、自分の熱い思いだけで一生懸命
にやることが必ずしも「best」ではない、仲間の思いをしっかり受け止め、
確認し、互いに意見をぶつけ合ったり、譲り合ったりしながら、仲間と共有
できる「best」を探り、進めることの大切さを改めて実感した研修でした。
 あれから4年が経ちました。今でも、仲間と共に進める研究や授業のあり
方について、仲間と共有できる「best」を探る日々です。人と人とのつなが
りの大切さに改めて気づかせてくれた研修の仲間や温かく見守り、背中を押
してくださった研究所の先生方への感謝を忘れず、これからも「best」を探
り続けて・・・。

 ○富山大学人間発達科学部附属特別支援学校のWebサイトはこちら→
  http://www.fzks.fuzoku.u-toyama.ac.jp/

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【4】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=42336&lang=ja

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【5】編集後記
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 新年度がはじまり、約1ヶ月が過ぎました。皆様、この1ヶ月はいかがで
したか。近所に新しい方が転居してきたり、学校や職場では新しい人が入っ
てきたり、家族が新しい生活をはじめたりとわくわくドキドキの慌ただしい
1ヶ月ではなかったでしょうか。そしてあっという間に5月になりました。
 5月といえば、ゴールデンウィーク(黄金週間)。この1ヶ月間、慌ただ
しい生活を送ってきた方は、ゴールデンウィークや週末を利用してちょっと
気分をリフレッシュしてみませんか。ゆっくりお家で休息するのもよし、五
月晴れを利用して郊外に旅行してみるのもよし、こどもの日や母の日にあら
ためて家族に感謝するのもよし。旅といえば、「夏も近づく八十八夜~」の
歌ではないですが、そろそろ夏の気配が感じられる地域もあれば、私の故郷
の北海道のようにこれから桜が満開になる地域もあります。それぞれの人が
それぞれの方法でリフレッシュして、また次からがんばっていけたら良いで
すね。皆様にとって、良いゴールデンウィークになりますように。
                    (第74号編集主幹 大崎博史)

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連載「サバン-自閉症の不思議で大きな可能性-」は、今号はお休みとさせ
ていただきます。

次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第74号(平成25年5月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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     http://www.nise.go.jp/cms/6,3646,13.html

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