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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第92号(平成26年11月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・研究所公開のご案内
・特別支援教育教材・支援機器等展示会のご案内
・平成26年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
・平成27度国立特別支援教育総合研究所研修計画について
【NISEトピックス】
・世界自閉症啓発デー2014 in 横須賀のご案内
【海外情報の紹介】
・オランダの小学校におけるインクルーシブ教育の実際についての視察報告
-発達障害を中心に-
【研究紹介】
・専門研究B「ことばの遅れを主訴とする子どもに対する早期からの指導の
充実に関する研究」(平成24~25年度)
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●研究所公開のご案内
 先月号でもご案内したとおり、11月8日(土)、本研究所の一般公開を開
催します。
 今年の1月に我が国も「障害者の権利に関する条約」を批准し、インクル
ーシブ教育システムの構築に向けた特別支援教育の充実が、教育現場の喫緊
の課題になっています。本年度の研究所公開では、「子どもとともに」をテ
ーマとし、学校や生活環境において障害のある子どもと共に学ぶための配慮
や支援の工夫等をわかりやすく紹介します。お誘い合わせの上、お気軽にお
越しください。

◇日時: 平成26年11月8日(土) 10時~14時(13時受付終了)
◇主な内容(予定)
・ミニ講義「発達障害の特性に関する疑似体験」
・障害のある子どもが抱える様々な困難の疑似体験
・障害のある子どものための教育支援機器の展示・実演
・障害のある子どもがくつろげる心地よい環境づくりの体験
・障害のある子どもに対する生活環境面での身近な配慮や工夫の紹介
・図書室の自由見学
・インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)の紹介
・本研究所の最新の研究成果等の紹介

◇参加費: 無料
◇申込方法:本研究所Webサイトより参加申込みをお願いします。

○研究所公開の詳しい内容と参加申込みはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/events/detail.6.9779.html

●特別支援教育教材・支援機器等展示会のご案内
 先月号でもご案内したとおり、本研究所では、支援機器等教材普及促進事
業の活動の一環として、「特別支援教育教材・支援機器等展示会」を開催い
たします。皆様の積極的なご参加をお待ちしています。
 また、同会場では、ATACカンファレンスも同時開催されます。ご関心のあ
る方は、ATACカンファレンスにもご参加(参加申込み(有料)が別途必要)
を頂きまして、当該領域の第一線の専門家による講演を聴講いただければと
思います。

◇期日:平成26年12月6日(土)、7日(日)
◇会場:国立京都国際会館アネックスホール1
◇テーマ:インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育教材・支
援機器等の活用

◇内容(予定)
1日目(12月6日):開会式、オリエンテーション、展示会
2日目(12月7日):開会式、オリエンテーション、本研究所の紹介、展示会

◇参加対象者:障害のある児童生徒のための教育支援機器活用に関わる教職
員及び関係者

◇参加費:無料
◇申込方法:本研究所Webサイトより参加申込をお願いいたします。
※申込期間は11月4日(火)~11月24日(月)です。

○特別支援教育教材・支援機器等展示会に関する情報及び参加申込はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/news/detail.9.9689.html

○ATACカンファレンスに関する情報はこちら→
 http://www.e-at.org/atac/index.html

●平成26年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
 国立特別支援教育総合研究所では、研究活動等の成果普及や質の向上、教
育関係者や関係機関との情報共有を図るため、毎年、「国立特別支援教育総
合研究所セミナー」を開催しています。
 平成19年の4月に特別支援教育が学校教育法に位置づけられて、今年度で
8年目を迎えます。この間、特別支援教育は、関係者のご尽力により、その
ねらいの達成に向けて、着実に進展しているところです。
 平成26年の1月には、長年の懸案であった障害者の権利に関する条約が、
我が国においても批准され、新たな歩みが期待されています。本研究所にお
いては、平成25年11月に「インクルーシブ教育システム構築支援データベー
ス(インクルDB)」を開設し、翌年の7月には、文部科学省の支援を得なが
ら、新たなコンテンツとして「『合理的配慮』実践事例データベース」を開
設したところです。
 平成26年度研究所セミナーでは、1日目に、文部科学省からの行政説明を
予定し、最新の情報を参加者に提供していただくとともに、インクルーシブ
教育システム構築に向けて、「学校・地域において子どもを支えるために」
と題して、基調講演やシンポジウムを行います。次いで2日目には、セッショ
ン2として、本研究所が取り組んでいる調査や事業に関するトピック紹介を
行うとともに、ポスター発表等を通じて、既に終了した研究課題の成果を紹
介させていただきます。加えて、セッション3では、本年度終了予定の研究
課題について、分科会形式での成果報告を行います。
 特別支援教育は、多くの関係者が力を合わせて、一歩ずつ形作っていくも
のです。本セミナーをとおして、参加者から、研究所の研究等に関するご意
見やご要望を賜り、それらを今後の特別支援教育の進展に役立てていければ
と考えています。
 参加申込等の詳細は、11月初旬に研究所Webサイトに掲載するなど、周知
を図る予定です。多数のご参加をお待ちしています。

◇日時:平成27年1月29日(木)、30日(金)
◇会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
   (東京都渋谷区代々木神園町3-1)
◇定員:700名
◇申込期間:平成26年12月1日(月)~平成27年1月9日(金)

○これまでの国立特別支援教育総合研究所セミナーはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,0,22.html

●平成27度国立特別支援教育総合研究所研修計画について
 平成27年度に本研究所が実施する研修事業計画については、すでに各都道
府県教育委員会等にご案内しているところです。
 平成27年度計画は、平成26年度計画を踏襲した内容としておりますが、特
別支援教育専門研修は、開催時期の偏りを無くし、多くの方にご参加いただ
けるように各期のコースを入れ替えております。また、平成26年度より新た
な研修として実施しました「特別支援教育教材・支援機器等活用協議会」を
研修計画一覧に掲載しました。
 各研修とも、特別支援教育に関し各地域における指導的立場にある教職員
の専門性向上研修と位置づけ、インクルーシブ教育システム構築に向けた最
新の情報を含む研修としています。関係教職員の積極的なご参加と教育委員
会等から多数のご推薦をお待ちしています。
 参加者の募集については、研修ごとに実施要項を策定した後、各都道府県
教育委員会等へ以下の時期に照会いたします。

◇特別支援教育専門研修は、平成26年11月中旬
◇各種研究協議会(「特別支援教育教材・支援機器等活用協議会」を除く)
は、平成27年2月上旬
◇特別支援教育教材・支援機器等活用協議会は、平成27年4月中旬

○平成27年度国立特別支援教育総合研究所研修計画はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,0,21.html

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【2】NISEトピックス
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●世界自閉症啓発デー2014 in 横須賀のご案内
                 佐藤 肇(教育情報部 総括研究員)

 国立特別支援教育総合研究所では、筑波大学附属久里浜特別支援学校と共
同主催で「世界自閉症啓発デー2014in横須賀」を開催いたします。
 本イベントは、障害者週間キャンペーンYOKOSUKAの一環として開催されま
す。今年度のテーマは、「自閉症の世界を知ろうよ ~ちいさな つながり
を  ひろげよう~」です。自閉症の方とその家族への支援、地域のつなが
りについて考えます。皆様、どうぞふるってご参加ください。

◇日時:平成26年12月6日(土)13:00~16:30
◇会場:横須賀市総合福祉会館 5階ホール

◇主催:国立特別支援教育総合研究所
    筑波大学附属久里浜特別支援学校
◇共催:横須賀地区自閉症児・者親の会「たんぽぽの会」
    筑波大学附属久里浜特別支援学校PTA
◇後援:横須賀市、横須賀市教育委員会

◇主なプログラム
・映画「星の国から孫ふたり~『自閉症』児の贈りもの~」上映
 (字幕あり)
・自閉症についてのミニ講義
・自閉症のある方からのメッセージ

◇申し込み方法
 氏名、職種、連絡先等を明記のうえ、FAXにてお申し込みください。下記
Webサイトからの申込みも可能です。

○申込FAX番号はこちら→ 046-839-6938(教育情報部内)
○申込Webサイトはこちら→ https://www.nise.go.jp/waad/
 ※お申し込みの受付は11月4日(火)から開始します。

◇その他
・参加費は無料です。
・定員は400名です。お申込みの締切りは、11月28日(金)17時です。その
前でも定員になり次第、締め切らせていただきます。
・会場に駐車場はございません。公共の交通機関をご利用ください。

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【3】海外情報の紹介
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●オランダの小学校におけるインクルーシブ教育の実際についての視察報告
-発達障害を中心に-
                 涌井 恵(教育情報部 主任研究員)

 本研究所の平成26年度国際調査事業にかかり、9月下旬にオランダの特別
支援教育に関わる学校・機関について、インクルーシブ教育環境における発
達障害のある児童への対応を中心に視察をして参りました。
 文化的背景や能力、障害等が多様である子ども達の学級集団において、先
進的な取り組みを行っているイエナプラン教育の考えに基づく小学校では、
2~3学年の幅の異年齢集団の学級が編成され、一人ひとり異なる各自の学
習課題に取り組む自立学習の時間が設定されており、障害の有無にかかわら
ず、子ども一人ひとりの教育的なニーズに合わせた「個別教育」(リヒテル
ズ,2006)が実践されていました。
自立学習の時間では、一人で勉強している子どももいれば、グループで机を
つきあわせて子ども同士で質問し合いながら学んでいる子どももいたり、小
グループに子どもを集めて先生が学習課題の説明をしていたり、また廊下に
あるPCコーナーで友だちと課題に取り組んでいる子どもがいたり、と多様な
学習形態が一つの学級集団の中で繰り広げられていました。イエナプラン教
育の形態は、一人ひとりの個人差や多様性に対応するインクルーシブな教育
形態の一つであるとの示唆を得ることができました。
 この他、小中学校における特別支援教育の第一人者のルック・スティーヴ
ンス氏(元ユトレヒト大学教授)にお話しを伺うことができました。インク
ルーシブ教育が広がるために重要なことについて尋ねたところ、通常教育の
教育課程や指導形態等に柔軟性があることを挙げられました。この話と見学
先の学校の様子とがぴったり合致し、とても納得できました。
 なお、オランダの特別支援教育のシステムにおいては、特別支援学級は存
在しません。また特別支援学校に通う子どもの比率は、初等教育段階(4-
12歳)において、2013年は2.1%(オランダ教育・文化・科学省,2014)と
なっています。データの年齢段階が異なるので単純比較はできませんが、日
本では同じ2013年時点で義務教育段階(6-15歳)において0.65%(文部
科学省,2014)となっています。発達障害のある子どもは、小中学校の通常
の学級において、治療教師またはセラピスト等からの取り出し指導等を併用
しながら通常の授業も受けるか、あるいは、行動上の困難が大きく、通常の
学校ではその子どもの能力を伸ばすことは難しいと判断された場合は、行動
障害のための特別支援学校へ通います。ロッテルダム市の特別支援教育担当
者や上述のルック・スティーヴンス氏によると、今後は、特別支援学級を設
置していくような動きになるだろうとのことでした。
 日本と諸外国では文化やこれまでの歴史的背景、社会的な体制の違いが有
り、インクルーシブ教育システム体制を単純には比較できませんが、今回の
視察により、特別支援学校と通常の学級の中間的存在である特別支援学級の
充実の重要性を強く感じました。特別支援学級では、特別支援学校のように
子どもの障害特性や教育的ニーズにあった指導を受けつつ、日常的に通常の
学級にいる典型発達の子どもたちと交流が可能であるからです。
 視察ではこの他、(a)行動障害のある子どもが通う特別支援学校、(b)
保育園と学童保育所、重複障害のある児童のための福祉施設、イエナプラン
教育を実施している私立小学校、公立小学校の5つの施設が一つの同じ建物
に入った「ワイドスクール」等々を見学しました。これらについて、特総研
ジャーナルへさらに詳しいレポートをまとめて掲載する予定です。今年度末
の発行にはなりますが、こちらも合わせてご一読いただければ幸いです。
文献
1)オランダ教育・文化・科学省(2014)Key Figures 2009-2013 : Educ
ation, Culture and Science.
http://www.government.nl/documents-and-publications/reports/2014/08/12/key-figures-2009-2013-ministry-of-education-culture-and-science.html
2)文部科学省(2014)特別支援教育資料(平成25年度)
3)リヒテルズ直子(2006)オランダの個別教育はなぜ成功したのか-イエ
ナプラン教育に学ぶ-.平凡社.

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【4】研究紹介
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●専門研究B「ことばの遅れを主訴とする子どもに対する早期からの指導の
充実に関する研究-子どもの実態の整理と指導の効果の検討-」(平成24~
25年度)
           研究代表者 久保山 茂樹(企画部 総括研究員)

 「ことばの教室」(言語障害通級指導教室及び特別支援学級)で指導を受
けている子どもの約3割が「ことばの遅れ」を主訴とする子どもです。こと
ばの遅れを主訴とする子どもの実態は多様であり、担当者は指導に苦慮して
いると言われています。また、ことばの遅れに対しては早期からの支援の重
要性が指摘されています。
 そこで本研究では、(1)ことばの遅れを主訴とする子どもの実態を明らか
にする、(2)指導内容・方法を明らかにする、(3)早期からの支援の場である
幼児ことばの教室等の役割を明らかにする、の3点を目的とし、ことばの遅
れを主訴とする子ども7名の事例研究、ことばの教室担当者91名によるワー
クショップでの資料収集、幼児ことばの教室等8か所の実地調査を行いまし
た。
 その結果、子どもの実態については7項目の背景要因が抽出でき、子ども
の実態を整理する視点を得ることができました。また、具体的な指導内容を
整理するとともに、指導の要点を8項目抽出することができました。幼児こ
とばの教室等については、地域の保健、医療、福祉と連携し就学までを一貫
して支援する役割を明らかにすることができました。
 これらの成果を研究成果報告書にまとめ、Webサイトに掲載しています。

○本研究の研究成果報告書はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/7,9722,32,142.html

○本研究の研究成果サマリーはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/resources/content/9722/summary_H25-B-05.pdf

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【5】NISEダイアリー
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             「立場の理解」

 聾学校にいたころ、よく次のような言葉を耳にした。
 「聴覚に障害のある子どもに、『立場の理解』を促すことは、なかなか容
易なことではないよ。」と。確かに、学校現場ではいろいろなことを経験し
た。

 「A君がぼくを叩いた。」と、B君が訴えてくる。そこで、A君に尋ねて
みる。「B君を叩いたの?」、「B君が『叩かれた』と言っているよ。」 
どうもぴんとこないようなので、黒板に絵を描いて考えさせる。最後には、
「(呼ぶために)肩に触った。」という答えも。能動・受動の区別から別の
話題に。

 それから、廊下に紙くずが落ちていたので、一緒にいたC君に「拾って捨
てて。」とお願いしたら、「ぼくが落としたのではありません。」という返
事が。確かにそうかもしれないが、上級生として、拾って捨ててあげるとい
う行動を期待したのに、現実的な答え。

 生活の中で、相手の立場を理解する機会はたくさんあるが、聞こえにくい
とそれを考える機会として生かせないことから、相手の気持ちを推測するこ
とが難しくなるのだろうか。

 そんな子どもたちに、小四で出てくる「ごんぎつね」をどんなふうに扱え
ばいいのだろう。ごんの立場になって気持ちを考えることや兵十の身になっ
て気持ちを想像することが、読み取りの主題になる。一筋縄ではいかない教
材だ。

 聾学校での経験をもとに、立場の理解を考えたが、久里浜特別支援学校で
も、また違う言葉としてそれを考える機会があった。「心の理論」である。
自閉症の子どもの特性を理解する際によく耳にする言葉である。正確に言え
ば、異なることなのかもしれないが、私には、立場の理解と同じように思え
た。
 ある場面の中の登場人物の行動を時間の経過とともに理解し、対象となる
物がどこにあるかを類推する課題として取り上げられていた。人の心の中を
理解するためには、登場人物の行動とともに、それを見ていない人がどう思
うかなどを類推することが必要になるという。聾学校の経験とは異なる視点
でのアプローチだが、人の心の有り様を類推するという意味では似ている。
 結局、聴覚障害の子どもにおいても、自閉症の子どもにおいても、第三者
の心の内を理解することは、容易なことではないようだ。

 こんなふうに考えてくると、立場(相手の気持ち)の理解は、子どもだけ
の課題ではないように思える。現代の忙しい大人達にも、相手の立場で考え
るという余裕や思いやりが求められそうだと。でも、大人の場合は、相手の
立場になって考える習性を、自ら身に付けようと努力すれば、課題解決に近
づけそうだ。こうしたことは、研究所の職員にも関わりがある。あちらこち
らで話をしたり、相談に乗ったりする機会が多い。そんなときに大切なこと
は何か?相手の立場になって考えることである。「このような説明で、聞き
手は分かってくれるだろうか?」、「こんなことを言ったら、相手はどう思
うだろうか?」こうした当たり前のことを、いつも肝に銘じて、我が身(言
葉)を振り返りたい。
 立場の理解は子どもだけの課題ではない。大人にとっても重要なことだ。
子どもに言う前に、自らを振り返りたいものだと思う。

           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

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【6】研修員だより
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 今号は、平成24年度第三期特別支援教育専門研修を修了された武田豊己先
生からお寄せいただきました。

ブルースカイと青い空
               武田 豊己(山形大学附属特別支援学校)

 研究所での短期研修が始まる朝。前泊した横浜から久里浜に向かうため、
大きなバッグと期待と不安をもち、京浜急行横浜駅に立っていました。ホー
ムに入ってきたのは、青い京急とも呼ばれる「ブルースカイ」。まるで「が
んばれよ。」と励まされているように感じたことを懐かしく思い出します。
 毎日の充実した講義では、障害理解のことから、その指導法、教育行政、
諸外国の教育、今後大切になるであろう愛着障害のことまで、専門性の高い
最先端の情報を第一人者からお聞きでき、贅沢で貴重な2ヶ月半でした。
講義の後には研修仲間との情報交換の時間が待っています。毎日のように集
まっては、教育に関する話はもちろん、全国各地の飲み物や食べ物の話、趣
味の話などを熱心に語り合い、夜もあっという間に過ぎていきました。
 あれから1年半が過ぎましたが、今でもやり取りを続けている大切な仲間
がいます。学会のときには、集まって懐かしい話をすることもあります。研
修に行くことは、所属する学校や子供たちに負担を掛けることにも繋がりま
す。今後は研究所や素晴らしい仲間から学んだたくさんのことを、子供たち
や周囲の先生方にできるだけ還元していきたいです。久里浜の青い空を思い
出しながら。

○山形大学附属特別支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.yamagata-u.ac.jp/shien/

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=48555&lang=ja

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【8】編集後記
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 9月末、御嶽山の噴火に驚き、心を痛めた方も多くいらっしゃったかと思
います。その後も二週に渡り大きな台風が日本を襲い、電車や飛行機の運休
に予定の変更を余儀なくされた方もいらっしゃったかもしれません。思いも
よらない事態に遭遇すると、朝、家を出て行った家族が家に帰ってくること、
予定していた電車に乗れることなど、普段何気なく過ごしていることがとて
もありがたいものだと感じます。
 同時に、私たちが取り組んでいる特別支援教育は、子どもたちにとって勉
強が分かること、友だちと楽しく遊べることなど充実した学校生活が送れる
ことが日常となるにはどうしたらよいかを考えていく、とても大切な仕事で
あることを改めて考えさせられました。
 今月のメールマガジンはいかがだったでしょうか。これからも、本研究所
では特別支援教育に関する最新の話題をお届けし、読者の皆様のお役に立て
るよう努めて参りたいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたしま
す。
                   (第92号編集主幹 伊藤 由美)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第92号(平成26年11月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につい
てはこちら→
     https://www.nise.go.jp/cms/6,3646,13.html

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