タイトル:

交流教育 徳島県・徳島県立阿南養護学校(平成11・12年度)

都道府県名 徳島県 学校名 徳島県立阿南養護学校 電話番号 0884-22-2010
E-mail ananyo@stannet.nejp
研究主題名 地域で共に生きるための交流のあり方

T 研究主題等

1.研究主題及びその設定理由

(1)研究主題

地域で共に生きるための交流のあり方

(2)主題設定の理由

著しい社会の変動の中で.21世紀を生きる子どもたちの教育のあり方が問われている昨今である。社会の変化に主体的に対応し、自ら学び、自ら考え、心豊かな人間性とたくましく生きていくことのできる力(生きる力)を培う教育が、学校において、家庭において、地域社会において求められている。折しも、本校は文部省の委嘱を受けた徳島県教育委員会より交流教育地域推進事業の研究指定を受け、平成11・12年度の2年間、近隣の学校の児童生徒の皆さんや地域の人々と交流活動に取り組むことになった。

本校は平成8年4月に開校し、5年目を迎えている。徳島県南部に位置する養護学校として徳島市南部から阿南市、小松島市、勝浦郡、那賀郡、海部郡にわたる広大な通学地域を抱える養護学校として、地域住民の障害児教育に対するニーズに応えられるように設立された。地域住民の養護学校に対する理解も徐々に進み、地域に開かれた学校として親しまれてきている。「あかるく、ゆたかに、たくましく」を校訓に、一人ひとりの特性に応じた教育を行い、その可能性を最大限に伸ばし、社会参加や自立につながる児童生徒め育成を図るべく努力している。

本校は主として近隣の学校との交流教育を進めてきている。この度の研究指定を機会に、本校におけるこれまでの交流教育を基盤としながら、組織体制を発展的に再編成し、さらに多くの人々とのふれあい、共に生きることの尊さと喜びを実感できるように多様で継続的な交流の実施に努めたいと考えた。その中で相互のふれあいと理解、経験領域の拡大、社会性の育成、豊かな人間形成等を期待している。また障害のある児童生徒等が地域社会の中で充実した生活がおくれるためには、地域社会の正しい理解と認識が必要である。これまで行つてきた交流教育を深化発展させる中で、障害のある児童生徒等のみならず全ての児童生徒及び各学校の教職員や地域社会の人々にとって有意義なものになるように交流教育の研究に取り組みたい。

2.運営協議会の概要

交流相手校ならびに地域の社会福祉協議会や地域の代表者よりなる運営協議会を組織して,年度当初に会議を持った。交流教育の活動計画について議論し,多方面の数多くの貴重な意見をいただき,実際の交流活動に反映することができた。また,交流教育研究誌発行にあたり,交流教育に関する多方面からの貴重な意見を得た。

平成12年度の運営協議会の委員は次のとおりである。

 美馬 育子  (阿南市大野小学校校長)

 久積 正    (阿南市長生小学校校長)

 島田 和夫  (阿南市吉井小学校校長)

 松田 歳昭  (阿南市阿南第一中学校校長)

 矢部 久    (那賀郡羽ノ浦町羽浦中学校校長)

 岩野 久「*1」子(徳島県立富岡東高等学校羽ノ浦分校教頭)

 國広 美一  (徳島県教育委員会指導班長)

 小松 孝行  (阿南市教育委員会教育研究所所長)

 七條 英夫  (羽ノ浦町教育委員会委員長)

 澤田 穣   (阿南市社会福祉協議会会長)

 河野 真弓  (羽ノ浦町社会福祉協議会局長)

 梛  邦雄  (大野地区社会福祉協議会会長)

 斎  芳宏  (那賀川町社会福祉協議会'書記)

 片山 毅   (阿南商工会議所青年部会長)

 林  政雄  (リバティライオンズクラブ会長)

 新居 克文  (四国電力徳島支店阿南営業所営業開発課長)

 鎌田 真城  (徳島県立阿南養護学校校長)

 三谷 美津子 (徳島県立阿南養護学校PTA会長)

 村瀬 文雄  (徳島県立阿南養護学校教諭)

平成11年度は15名で平成12年度は19名と地域の代表者の参加を増やした。

3.事業実施校及び協力を得た関係機関・団体等

事業実施校 徳島県立阿南養護学校
協力を得た関係機関・団体 阿南市大野小学校
阿南市長生小学校
阿南市吉井小学校
那賀郡羽ノ浦町羽浦小学校
徳島市富田小学校
阿南市阿南第一中学校
那賀郡羽ノ浦町羽浦中学校
阿南市・那賀郡中学校障害児学級
鳴門教育大学附属養護学校
徳島県立富岡東高等学校羽ノ浦分校
筑波大学附属大塚養護学校
沖縄県八重山養護学校
徳島県教育委員会
阿南市教育委員会
羽ノ浦町教育委員会
阿南市社会福祉協議会
羽ノ浦町社会福祉協議会
大野地区社会福祉協議会
那賀川町社会福祉協議会
阿南商工会議所
リバティライオンズクラブ
阿南市青年会議所
四国電力徳島支店
たんぽぽ作業所
大野GG(グランドゴルフ)クラブ

U 第一年次及び第二年次の取り組みの概要

1.第一年次

交流学習 地域交流 理解・啓発活動 会議等
4   バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
      交流教育推進委員会
      交流教育地域推進事業連絡協議会
5 長生小学校第1回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
6 吉井小学校第1回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
7 大野小学校第1回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域進事業推進委員会
鳴門門教育大学付属養護との交涜学習   全国知的障害養護学校長会 交流教育地域推進事業に係る運営協議会
阿南第一中学校第1回交涜学習   七夕飾りコンテスト  
阿南那賀障害児学級との交流学習      
8     中・高校生ふれあい体験学習  
9 運動会での交流 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
阿南第一中学校文化祭見学     交流教育公開研究会(長野養護〕参加
富岡東羽ノ浦分校第1回交流学習      
10 長生小学校第2回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 ひまわり作品展 交流教育地域推進事業推進委員会
羽浦中学校第1回交流学習 ゆうあいピック島根大会 社会参加と自立・就学推進会議  
富岡東羽ノ浦分校第2回交流学習   地域障害児教育センター機能充実事業  
11 大野小学校第2回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 阿南市人権フェスティバル 交流教育地域推進事業推進委員会
大野小学校第3回交流学習   近畿高等学校総合文化祭  
吉井小学校第2回交流学習   地域障害児教育センター機能充実事業  
高校生産業教育フェア参加   全日本特殊教育連盟中国四国地区研究大会  
筑波大学附属大塚養護との交流      
大野小学校オリエンテーリング      
12 大野小学校第4回交流学習 グランドゴルフの練習 ふれあいのまちづくりフェア 交流教育地域推進事業推進委員会
長生小学校第3回交流学習 城山参道の清掃 地域障害児教育センター機能充実事業  
羽浦中学校第2回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 介護等体験実習  
阿甫第一中学校第2回交流学習      
富岡東羽ノ浦分校第3回交流学習      
1 学校祭での交流 学校近くの不法投棄ゴミの清掃 活竹祭 交流教育地域推進事業推進委員会
  バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業  
2   マラソンコースのクリーン作戦 交流教育講演会 交流教育指導者講習会
    たんぽぽ作業所バザー 学校訪問(桃山養護〕
    那賀郡アートフェスティバル 学校訪問(鶴谷養護〕
    地域障害児教育センター機能充実事業 学校訪問(七生養護〕
3 吉井小学校第3回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流校との反省会
    障害者支援2000  
    地域懇談会  

2.第二年次

交流学習 地域交流 理解・啓発活動 会議等
4   バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育推進委員会
      交流教育地域推進事業推進委員会
5 吉井小学校第1回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 加茂谷鯉まつり 交流教育推進委員会
富田小学校第1回交流学習   地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
6 長生小学校第1回交流学習 バス停周辺のクり一ン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事推進委員会
長生小学校第2回交流学習 エレキッズおもしろ講座 中大野町民祭  
羽浦学校第1回交流学習      
富田小学校第2回交流学習      
羽浦中学運動会見学      
阿南那賀障害児学扱との交流学習      
富岡東羽ノ浦分校第1回交流学習      
7 吉井小学校第2回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 あなんマリンフェスティバル 交流教育地域推進事業推進委員会
鳴門教育大学附属養護との交流学習 グランドゴルフの練習 地域障害児教育センター機能充実事業  
阿南第一中学校第1回交流学習   交流だより  
羽浦中学校第1回交流学習      
8     豊かな心で結ぶ高校生交流事業  
9 円南第一中学校文化祭見学 バス停周辺のクリーン作戦 全国ボランティアフェスティバル 交流教育地域推進事業推進委員会
    大野町全町体育祭  
    地域障害児教育センター機能充実事業  
    運動会のポスター掲示、地域広報誌に案内  
10 運動会での交流 バス停周辺のクリーン作戦 ひまわり作品展 交流教育推進委員会
長生小学校第3回交流学習 グランドゴルフの練習 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
富田小学校第3回交流学習      
羽浦中学校第2回交流学習      
11 富田小学校第4回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 ふれあいのまちづくりフェア 交流教育地域推進事業推進委員会
羽浦小学校第2回交流学習   阿南市人権フェスティバル  
富岡東羽ノ浦分校第2回交流学習   地域障害児教育センター機能充実事業  
全国高校生産業教育フェア参加   介護等体験実習  
大野小学校交流学習      
12 大野小学校交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育地域推進事業推進委員会
吉井小学校第3回交流学習 城山参道清掃 交流だより  
阿南第一中学校第2回交流学習 クリスマス会    
  もちっき大会    
1 学校祭 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流教育推進委員会
羽浦小学校第3回交流学習   那賀郡アートフェスティバル 交流教育地域推進事業推進委員会
    学校祭のボスター掲示、地域広報誌に案内  
2 吉井小学校第4回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 活竹祭 交流教育研究発表会
富田小学校第5回交流学習 マラソンコースのクリーン作戦 たんぽぽ作業所バサー 交流教育地域推進事業推進委員会
羽浦小学校第4回交流学習   地域障害児教育センター機能充実事業  
3 吉井小学校第5回交流学習 バス停周辺のクリーン作戦 地域障害児教育センター機能充実事業 交流校との反省会
羽浦小学校第5回交流学習   交流だより  

V 活動の実際

活動名 グランドゴルフの練習 場所 阿南養護学校運動場
参加校団体等(人数) 阿南養護学校中学部2年生、3年生(12名)教員(6名)
大野GG(グランドゴルフ)クラブ会員(16名)
活動の目標  グランドゴルフの練習をとおして、その楽しさを知るとともに、指導してくれる地域の人々とのふれあい、交流をはかる。
活動内容 運動場集合
開会 校長あいさつ
    大野GGクラブ会長あいさつ
    生徒自己紹介(クラスごと)
    生徒代表あいさつ
グランドゴルフの説明
実技指導
閉会 大野GGクラブ会長あいさつ
    生徒代表お礼のことば
活動の様子 ・本校生徒2名ずつ6チームに分かれて、地域の人々が2〜3名ずつ一緒になって、実際にゲームをしながらグランドゴルフを楽しんだ。
・手取り足取りていねいにスティックの持ち方から正しい打ち方まで教えてくれて、初めての生徒もスムーズに取り組めていた。
・午後の5,6校時をフルに活用して8ホールすべてをまわってプレーできた。大半の生徒はゲームを楽しんでいたが、少し疲れ気味の生徒もいた。
成果・課題 ・大半の生徒が「楽しかった」「おもしろかった」と言う意見で、グランドゴルフの楽しさやおもしろさを感じたようである。
・地域の人たちが本校の生徒を理解し、本当にやさしく受け入れてくれていた。
・このことがきっかけになり、本校の運動場を開放しての阿南市を中心にしたグランドゴルフの大会が昨年、今年と2年続けて行われた。
・継続してこの活動を続けていきたい。

活動名 エレキッズおもしろ講座 場所 阿南養護学校体育館
参加校団体等(人数) 阿南養護学校全児童生徒(約80名) 教員(約40名)
           保護者(10名)
四国電力徳島支店総務部(5名)
活動の目標 ・交流教育の一環として、地元企業の協力を得て科学実験を体験する。
・おもしろ科学実験をとおして、科学的な興味や関心を広げる。
・日常生活で使う電気やエネルギーに関する知識や理解を広げる。
活動内容 開会式
 校長あいさつ
 四国電力徳島支店総務部広報あいさつ
影絵「おおかみたろう発電所」
低温実験
電気でパンをつくろう
閉会式
 生徒代表お礼のことば
活動の様子 ・影絵はわかりやすい内容で、小学部の生徒も熱心に見たり聞いたりできた。
・低温実験では希望者が次々と前に出ていって、実際にバナナやボール、風船、バラの花などを凍らせる実験を一緒にした。
・電気パンの実験ではたくさんの生徒たちや保護者が出て行って力を入れてパンの生地をかき混ぜた。
・実際に実験を体験できたことたいへん興味を持って活動に取り組めた。
・パンは帰りのホームルームで試食した。
成果・課題 ・ふだん直接経験するのが難しいいろいろな楽しい実験を体験できたことはたいへん有意義であった。
・参加した児童生徒、教員、保護者の大部分が「おもしろかった」「すばらしい体験ができた」と満足していた。
・科学実験の楽しい様子が新聞等でも取り上げられた。
・地元企業がたいへん協力的であった。発電所の見学や交流プラザでの生徒作品の展示などに発展していきたい。

V 

活動名 阿南人権フェスティバル、阿南市社会福祉大会、ふれあいのまちづくりフェア 場所 阿南市民会館他
参加校団体等(人数) 阿南養護学校生徒(11名)教員(10名)
阿南市小・中学校障害児学級、淡島学園、聾唖者協会、身体障害者連合会、若草作業所、ミント作業所、たんぽぽ作業所、あすなろ作業所、西室苑、メンタルヘルスボランティア、阿南市女性協議会、主任児童委員、阿南市役所職員、一般市民他多数
活動の目標 ・明るく楽しい雰囲気の中で、大切な人権や福祉にふれあう。
・阿南市「障害者の日」のイベントとして、広く一般市民と障害のある子どもたちや障害のある方々とのふれあいと理解を深める。
活動内容 作品展
 同和啓発ポスター・標語、識字学級作品
 阿南市小・中学校障害児学級、阿南養護学校、淡島学園、聾唖者協会、身体障害者連合会、協同作業所
展示相談
 女性政策コーナー、人権メッセージ、環境コーナー、福祉機器、障害者用自動車
飲食物バザー
 うどん、わたがし、不用品バザー、チャリティーバザー(阿南養護学校、協同作業所他)
オープニングセレモニー
 同和啓発ポスター、標語表彰式
アトラクション
 おどり(西室苑)、和太鼓(阿南養護学校)、生バンド演奏、人権○×クイズ
 社会福祉事業功労者表彰式、手話コーラス、アグネス・チャン記念講演
活動の様子 ・オープニングセレモニーのアトラクションで本校の和太鼓チームが「祭り」という曲を演奏した。
・小学部、中学部、高等部の児童生徒作品をひまわり会館ロビーに大々的に展示した。
・木工、陶芸、園芸での生徒作品や収穫物を販売した。
・保護者と一緒にたくさんの児童生徒がフェスティバルに参加していた。卒業生の参加も多かった。
成果・課題 ・作品の展示や販売は毎年行っており、定着してきている。
・児童生徒作品に対する評価が上がってきて、いろいろと注文をつけられるようになってきた。
・今回初めて本校の和太鼓チームが参加してその力強い演奏を披露した。たいへん好評であった。
・今回は多数の生徒、教員が参加できた。
・今後も継続してこの活動に参加していきたい。

W 成果と今後の課題

1.研究の成果

(1)交流学習については各学部ともたいへん熱心に取り組んでおり、十分な対応がなされ定着してきている。

小学部は長生小学校5年生との交流が人権教育の位置づけの中で定着してきており、担当者との打ち合わせや事前指導も十分行い、授業交流、運動会や学校祭での協力がなされている。大野小学校との交流は質・量ともすごいものがある。

担当者間の打ち合わせは事前事後の打ち合わせはもちろん、両校全職員の顔合わせと意見交換会を実施している。学年別の交流を中心に実施している。

オリエンテーリングや運動会、学校祭でも協力がなされている。

中学部は近隣の学校として、阿南第一中学校、羽浦中学校とそれぞれ、お互いの学校を訪問しての交流を1回ずつ実施している。今年度から各交流の担当者を決めて中学部全教員が取り組むようにしている。

阿南第一中学校との交流で、本校中学部の全生徒が中学校のそれぞれの授業に参加する形態はたいへん進んだ交流と思われる。

その他、鳴門教育大学附属養護学校中学部、阿南・那賀障害児学級との交流も定着して、継続的な交流がなされている。

高等部は近隣の富岡東高校羽ノ浦分校との交流を昨年度から実施しており、お互いの交流が定着してきた。運動会、学校祭を通しての交流、授業交流が行われた。インターネットを通しての交流も情報処理の授業等で継続的になされている。また、産業教育フェアや和太鼓の取り組みなどでも、すばらしい交流がなされた。

1回だけの交流でなく、継続的で息の長い交流を続けている。そういう中で、本校の児童生徒に接する態度は同じ仲間として、たいへんうちとけて授業に参加できていた。

また、本校の児童生徒も交流校に出かけての授業や集団でのゲームに参加する中で、尻込みしたり、パニックになることがほとんどなく、自然とスムーズに参加できていた。

本校児童生徒の生活体験の場が広がり、大きな集団の中でも相手とうまく対応できていた。また、交流相手校の児童生徒の理解も高まり、障害に対して偏見や差別感を持たずに、素直に本校の生徒の持つ「純粋さ」や「よさ」を理解し、うちとけて仲良くなることができた。

(2)交流学習については各学部ともたいへん熱心に取り組んでおり、十分な対応がなされ定着してきている。

小学部は長生小学校5年生との交流が人権教育の位置づけの中で定着してきており、担当者との打ち合わせや事前指導も十分行い、授業交流、運動会や学校祭での協力がなされている。大野小学校との交流は質・量ともすごいものがある。

担当者間の打ち合わせは事前事後の打ち合わせはもちろん、両校全職員の顔合わせと意見交換会を実施している。学年別の交流を中心に実施している。

オリエンテーリングや運動会、学校祭でも協力がなされている。

中学部は近隣の学校として、阿南第一中学校、羽浦中学校とそれぞれ、お互いの学校を訪問しての交流を1回ずつ実施している。今年度から各交流の担当者を決めて中学部全教員が取り組むようにしている。阿南第一中学校との交流で、本校中学部の全生徒が中学校のそれぞれの授業に参加する形態はたいへん進んだ交流と思われる。その他、鳴門教育大学附属養護学校中学部、阿南・那賀障害児学級との交流も定着して、継続的な交流がなされている。

高等部は近隣の富岡東高校羽ノ浦分校との交流を昨年度から実施しており、お互いの交流が定着してきた。運動会、学校祭を通しての交流、授業交流が行われた。

インターネットを通しての交流も情報処理の授業等で継続的になされている。また、産業教育フエアや和太鼓の取り組みなどでも、すばらしい交流がなされた。

1回だけの交流でなく、継続的で息の長い交流を続けている。そういう中で、本校の児童生徒に接する態度は同じ仲間として、たいへんうちとけて授業に参加できていた。

また、本校の児童生徒も交流校に出かけての授業や集団でのゲームに参加する中で、尻込みしたり、パニックになることがほとんどなく、自然とスムーズに参加できていた。

本校児童生徒の生活体験の場が広がり、大きな集団の中でも相手とうまく対応できていた。

また、交流相手校の児童生徒の理解も高まり、障害に対して偏見や差別感を持たずに、素直に本校の生徒の持つ「純粋さ」や「よさ」を理解し、うちとけて仲良くなることができた。

(3)地域交流については、平成11年度は学校がたいへん忙しく、学校全体としてはあまり積極的に参加できていなかったが、各種の地域行事に児童生徒作品の展示、販売をとおして徐々に本校の活動の様子が理解されてきた。

阿南市、羽ノ浦町、那賀川町の福祉担当者からの協力の要請があったり、商工会議所や老人会、ゲートボール協会などの協力が得られた。また、地元の人々の学校に対する意識がたいへん変わってきている。

近所のミカン農家の方からミカンをたくさんいただいたり、運動会や学校祭の行事にたくさんの人々が参加してくれていた。

地元に開かれた学校として定着してきている。10数年来放置されていたゴミも近所の学校を支えていこうとするボランティアの方他の力でたいへんきれいに撤去された。

平成12年度は、阿南市を中心とした地域の行事への参加という形で交流が定着してきた。

行政の担当者や地域の人々とのつながりも密になり、行事への参加がたいへんスムーズに行われ、なによりも本校の存在をすごく関心を持って知っでくれるようになってきた。

児童生徒作品の展示や販売を通しても、感心とともにいろいろとあたたかい注文をつけてくれるようになった。また、少しずっではあるが、児童生徒の地域行事への参加も増えてきており、直接地域住民とふれあう機会が増えてきた。

グランドゴルフの練習では、はじめは放課後の時間帯で実施していたが、授業の中で実施することで、時間的な余裕ときめ細かな準備ができ、より深い交流が実施できたと思う。また、地域の行事は休日に行われることが多いが、それらの行事に積極的に参加したことが地域の方々や関係者との関係が深められた。

(4)理解・啓発活動については交流教育全般の中で進められるものであるが、地域の福祉活動やボランティア活動に理解のある方々との連携や協力で、学校から頼んでいってしてもらうのでなく、逆に向こうからの働きかけで話が進んでいったこともあった。

地域の老人会やライオンズクラブの協力や援助を得たり、交流会を持つことができた。生徒作品の販売を通して、そのできばえに感心して、道の駅に「生徒作品を販売用に置かせてほしい」という話が持ち上がってきている。

また、地域の人的、物的資源の活用について、必要ならいつでも活用してほしいという声も聞かれる。たとえば、スーパーのバックヤードの見学とか、農業者に牛を見せてもらうとか、漁業者に魚の話をしてもらうとか、いろいろなことが考えられる。

和太鼓の活動も昨年度は近畿高等学校総合文化祭に、今年度は全国高等学校総合文化祭に出演するなどの大活躍をして、生徒自身の経験や体験を大いに広め、自信を持つことができた。

また、藍染めの衣装と力強い演奏に多くの観衆からあたたかい感激の拍手をいただき、本校の生徒のすばらしい活動を知ってもらうことができた。

職場実習や職場開拓ではなかなか厳しい意見や見方が多く、苦労することも多いが、あたたかく快く引き受けてくれて、就職にも結びっき、その後も激励され、引き続き就労している場合が増えてきている。

事業所の経営者や現場責任者の理解が進んで、受け入れ先が少しずつではあるが広がってきている。

(5)個別の指導計画については全校あげて熱心に取り組んでおり、余暇活動や将来の進路を含めて、学校と家庭や地域社会との交流の必要性が認識されてきている。個人の目標やそのための方法を決めて、年間計画や短期の計画に基づくきめ細かな指導が大切である。

交流教育においても交流の時期が重ならないとか、しっかりとした年間の計画をたてる必要がある。カリキユラムの中に交流教育を取り入れていくことを検討していく必要がある。

(6)インターネットの利用について本校はわりとよく行われている。高等部では情報処理の授業の中で定期的に電子メールの交換を行い、それがもとで、修学旅行で相手校との交流会をもつなどすばらしい交流がなされた。

中学部でも課題別の学習の時間などに電子メールによる交流がなされている。そのことが新聞でも報道された。インターネット活用研究会を組織して定期的にホームページの更新等を行っている。

コンピュータについては数多く導入され、それを構内のLANで結び、成績処理もコンピュータで行っている。

2.今後の課題

(1)学校問の交流については今後も増加するものと思われる。そういう中で行事等に追われて、十分な理解や協力が得られず実施されたのではあまり意味がない。また、事前事後の指導について十分な検討をしていく必要がある。

また、「交流の時間が多い」、「交流の時期が重なる」、「こう交流が次々あると、生徒に対する事前事後の指導が十分できない」という意見があちこちから聞かれる。

生徒にとつても教師にとつても交流、交流で負担になるようでは交流の意義が薄れてします。

交流教育は養護学校にとつては非常に重要な教育活動である。今後は逆に通常の学校からどんどん交流をしてくれという状態になるかもしれない。この追い風を活かし、普段の教育活動を肩を張らずに交流活動に取り入れていけるようにしたい。普段着の交流が進むことを期待している。

そのためには、普段からの教員間のっきあいや情報交換の機会が大事である。できれば本校の教員と交流校の教員同士の交流学習以外での交流の場、たとえばバレーボールとかソフトボールを通しての交歓会などが実施できればと考えている。

また、交流校の教員の中には本校の設備を利用して陶芸を習いたいとかの希望があると聞いている。そういうことが自然に進むことを期待している。

(2)居住地交流については、小学部では昨年度は1名の児童に年間で3回、今年度は3名の児童についてトータルで年間15回実施された。保護者の理解と協力、相手校の理解と協力が得られ、わりと定着してきている。

保護者の意識がしっかりしており、居住地交流に前向きである。

兄弟が地元の学校に行っている場合が多く、その学校の行事や地域の行事にも積極的に参加している。そこで居住地交流をさらに定着させ、その内容を充実させていくことが期待されている。

中学部でも居住地交流に対する保護者のアンケ一トから、保護者の関心や期待が強く、今後はより前向きに検討する必要がある。

行事を通しての交流から本格的な授業への参加等がなされていくことが期待される。次から次にしたいという希望が増える可能性がある。

そうなると、人的な問題、時間的な問題、経費の問題等が出てくる。居住地交流の実施方法についてのルールを決めて・それに則り実施していくことが大事になる。

(3)地域行事への参加については日曜日などの休みの日に行われる場合が多いので、児童生徒の参加はもちろん教員の参加が難しい。生徒も教員もできるだけ多く参加できる体制づくりが必要である。

保護者はPTAや保護者会、作業所の活動等たいへん熱心に取り組んでおり、それをバックアップするための教員側の協力体制が整うことを期待したい。

(4)個別の指導計画は軌道に乗りだしているが、今後もう少し深めていく必要があり、その中で、交流教育との関連もしっかりとおさえていきたい。

(5)ホームページを定期的に更新し、本校の活動の様子を広く一般に知らせ、障害児教育に対する理解啓発を進めたい。インターネット活用研究会を定期的に持ち、より有効な利用ができるように活動していきたい。

そのために、コンピュータに関心のある若い教員、意欲のある教員の積極的な参加を期待している。

(6)新しい指導要領の趣旨をふまえて、学校教育全般の中で、様々な幅広い立場で交流活動をとらえていく必要がある。

そのために全教育活動の中で、各課の協力を得て、幅広く交流教育をとらえていくことが大切である。

児童生徒の社会参加と自立、共に生きることをねらいとする交流教育の主旨をふまえて今後もより広い積極的な交流教育を推進していきたい。

(7)本校の交流教育は交流活動の主体が主として交流相手校の通常学級の児童生徒が中心で、地域の大人の人々への働きかけがまだ十分とは言えない。

グランドゴルフでの交流やライオンズクラブの協力によるもちき大会は行われているが、もう少し地域の住民との交流を、教員自身の地域住民との交流を含めて、質・量とも積極的な交流教育の実践を期待したい。

(8)予算の執行にういては、諸謝金が十分に活用できずに余らせてしまった。

教育研修費については、2年間の交流活動の中でいろいろなことにたいへん有効に使えた。

2年次は研究誌発行代に多くを費やした。

来年度以降は予算がないわけであるが、お金をかけなくても実施できる交流を今後も継続的に実施していきたい。



*1=「女尾」を一文字にした漢字が入ります。