独立行政法人国立特殊教育総合研究所
The National Institute of Special Education

特殊研D−190

財団法人電気通信普及財団平成14年度研究調査助成
視覚障害者のWindowsパソコン及びインターネット利用・学習状況

研究代表者:渡辺 哲也
独立行政法人国立特殊教育総合研究所
情報教育研究部 研究員



まえがき

 本報告書は,視覚障害者のWindowsパソコン及びインターネットの利用状況について,メーリングリストを通じて調査した結果をまとめたものです。回答された視覚障害者の方々が,職場,あるいは自宅で,パソコン上でどのようなソフトウェアを使っているのか,インターネットを使ってどのような情報検索をしているかなどを具体的に記しています。
 回答者はメーリングリスト参加者ですから,ある程度以上の技量をもってパソコンを使っている人たちのデータと言えます。これからパソコンを始めてみようという方々,あるいは,現在利用しているがもっと便利に使いたいと考えている方々には,ソフトウェアの製品名などが参考になるでしょう。
 盲学校におけるパソコンとスクリーンリーダの活用は,児童・生徒が視覚障害による困難を補って学習に取り組むための重要な手段となっています。本報告書が,盲学校におけるパソコン環境の整備に役立つことを期待します。 職場でのパソコン利用状況も掲載しています。就職あるいは雇用継続を考えている視覚障害者,職業リハビリテーション関係者,及び事業主の方々にとっても有用な情報になるかと思います。
 現在のパソコン利用・学習上の問題点も集計しました。これらのデータは,パソコンメーカー,パソコンの基本ソフトメーカー,アプリケーションメーカー,そして研究者など,障害者支援技術に携わる方々に,今後の研究・開発ニーズの参考としていただけると期待しています。
 これらの結果として,視覚障害児・者の教育と福祉の向上につながれば望外の喜びであります。


謝辞 本調査研究は,財団法人電気通信普及財団平成14年度研究調査助成金により実施したものです。調査内容の検討は,指田忠司氏(障害者職業総合センター),長岡英司氏(筑波技術短期大学),岡田伸一氏(障害者職業総合センター)の3名と共同で行いました。調査の実施にあたっては,小田浩一氏(東京女子大学),篠島永一氏(日本盲人職能開発センター),有本圭希氏(全国視覚障害教師の会),園順一氏(京都福祉情報ネットワーク)の御協力を賜りました。回答の集計・整理作業にあたっては,鹿倉元輝氏(国立身体障害者リハビリテーションセンター学院視覚障害学科学院生,以下同じ),三上奈美恵氏,吉川郷子氏,浅井紗和氏,笠原弘恵氏に手伝っていただきました。三輪つゆ美氏(日本盲人会連合)には,同連合の「視覚障害者と情報に関するアンケート」集計結果の冊子を御提供いただきました。感謝をもってここに記し,謝意を表します。  最後に,本アンケート調査に御回答いただいた視覚障害の方々に厚く御礼申し上げます。

平成15年2月

独立行政法人国立特殊教育総合研究所
情報教育研究部 研究員 渡辺 哲也




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