特別支援教育に関する国際比較 (ドイツ)

国 名 ドイツ連邦共和国 滝坂、笹本、當島
  項  目  
1.  【現状認識】
1−1 障害児の定義 ドイツは16州のからなる連邦国で州によって定義が異なる。ただし、教育的観点からの再定義の作業が各州で進行中である。ノルトラインヴェストファーレン州(以下NRW州)の場合、○視覚障害○聴覚障害○学習障害と発達障害○知的障害○身体障害○最重度障害に分類されている。
1−2 障害児の在籍率  
「特殊学校」 4%(NRW州 2001)
「特殊学級」 特殊学級は基本的にはない
「通常学級」 0.45%(NRW州 2001)
(通級?) 基本的にはない
2.  【基本的な考え方】
2−1 特殊教育(特別支援教育)の基本的な考え方 障害を持つ、および障害を持つおそれのある児童生徒の個人的可能性に適した学校教育の実現である。特殊教育促進は、対象児童生徒にできるだけ高レベルの学校と職業への編入、社会参加、自主的な生活形式を達成するため、対象児童生徒を個別的に支援する。1994年「常設文部大臣会議の決議『ドイツ連邦共和国における学校の特殊教育的対応について』
3.  【取り組み内容】
3−1 個別の教育支援計画(多様なニーズに適切に対応する仕組み) 近年の常設文部大臣決議の勧告により,個別の指導(支援)計画は各州で規定する方向に取り組みつつある。バイエルン州では規定され、MRW州でもその方向で進められている。
3−2 特別支援教育コーディネータ
(教育的支援を行う人・機関を連絡調整するキーパーソン)
イギリスにおけるSENコーディネーターのようなものは置かれていない。(NRW州、バイエルン州等では移動特殊教育教師を配置し,通常学校や特殊学校の教員等のコンサルテーションを行っている。進路指導等を行うためにソーシャルケースワーカーを配置している学校もある。)
3−3 行政レベルの連携組織体制 州法上の規程が特段ないこともあり、教育と福祉行政は分離しており、連携は図られていない。PT,OT,STなどは学校が独自に採用している。福祉器具等は福祉から直接本人へ援助される。
3−4 その他  
4.  【法令上の位置付け】
4−1 一人ひとりのニーズ教育  
4−2 特殊学校 各州の法律に学校と対象児が規定されている
4−3 特殊学級 特殊学級はない。但し、学校実験として行われているところはある。
4−4 通級指導 バイエルン州には言語指導教室がある。
4−5 コーディネータ ない(教育的支援を行う人として、バイエルン州では移動特殊教育教師(MSD)はBayEUGのArt.21に規定されている)
4−6 連携組織体制 ない



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