養護学校小学部・中学部学習指導要領 精神薄弱教育編(昭和38年)

目 次
第1章 総 則
  第1 教育課程の編成
  第2 指導計画作成および指導の一般方針
  第3 道徳教育
第2章 教育の目標
  第1 教育の一般目標
  第2 小学部・中学部における教育の具体目標
第3章 小学部の各教科
  第1節 国 語
  第2節 社 会
  第3節 算 数
  第4節 理 科
  第5節 音 楽
  第6節 図画工作
  第7節 家 庭
  第8節 体 育
第4章 中学部の各教科
  第1節 国 語
  第2節 社 会
  第3節 数 学
  第4節 理 科
  第5節 音 楽
  第6節 図画工作
  第7節 保健体育
  第8節 職業・家庭
  第9節 選択教科
第5章 小学部・中学部の道徳,特別教育活動および学校行事等
  第1節 道 徳
  第2節 特別教育活動
  第3節 学校行事等

第1章 総則

第1 教育課程の編成

1 一般方針

(1) 学校教育法施行規則(以下「規則」という。)に定められている養護学校の教育課程に関する一般的な規定は,次のとおりである。

ア 「……小学部の教科は,国語,社会,算数,理科,音楽,図画工作,家庭及び体育を基準と……する。」(第73条の7第1項)

イ 「……小学部においては,前項に定めるもののほか,道徳を課するものとする。」(第73条の7第2項)

ウ 「……中学部の教科は,これを必修教科と選択教科に分ける。必修教科は……国語,社会,数学,理科,音楽,図画工作,保健体育及び職業・家庭を……基準とし,選択教科は……外国語及び職業・家庭を……基準とする。」(第73条の8第1項,第2項)

エ 「……中学部においては,前項に定めるもののほか,道徳を課するものとする。」(第73条の8第3項)

(2) 精神薄弱者を教育する養護学校(以下「養護学校」という。)の教育課程を編成するにあたっても上掲の規定によらなければならないことはもちろんであるが,しかし,精神薄弱者は,肢体不自由者や病弱者とは異なり,次に示すような学習指導上の特性をもっているので,規則第73条の10第2項には「精神薄弱者を教育する養護学校(分校を含む。…)の小学部及び中学部の各学年においては,小学部にあっては第73条の7第1項に規定する教科,中学部にあっては第73条の8第2項に規定する教科の全部又は一部について,これらをあわせて授業を行うことができる。」という特別の規定が設けられている。

精神薄弱者の学習指導上の特性

ア 精神の発育が恒久的に遅滞し,そのため学習能力が著しく劣ること。

イ 精神の構造が未分化であり,応用,総合等の能力に欠けているため,知識・技能等の習得が断片的にとどまりやすいこと。

ウ したがって,具体的な生活の場面において,全部または一部の各教科の内容を統合して与えるのでなければ,生活に役だつ生きた知識・技能として,それを習得していくことが困難であること。

エ なお,同じ精神薄弱者であっても,その個人差がきわめて大きいから,それに応じるためにも全部または一部の各教科の内容を統合する必要があること。

(3) 養護学校の教育課程は,小学部にあっては規則第73条の7第1項に規定する教科,中学部にあっては規則第73条の8第2項に規定する教科(以下「各教科」という。小学部の場合も同じ。)ならびに道徳,特別教育活動および学校行事等で編成することを基本とする。

したがって,各養護学校においては,以上のことを基本としながら,必要に応じ全部または一部の各教科をあわせたり,各教科,特別教育活動および学校行事等の内容を統合したりするなどのくふうをして,適切な教育課程を編成するものとする。

(4) 各養護学校において,小学部および中学部の教育課程を編成するにあたっては,教育基本法,学校教育法および同法施行規則,養護学校小学部・中学部学習指導要領精神薄弱教育編,教育委員会規則等に示すところに従い,地域や学校の実態を考慮し,児童または生徒の知能その他の精神的特性,発達段階ならびに経験等に即応するとともに,下記の事項に関しても,特に留意しなければならない。

ア 精神薄弱教育の究極的な目標は,児童・生徒を社会生活に適応させ,自立的な生活を営むようにするところにあること。

イ 精神薄弱教育において必要とする各教科,道徳,特別教育活動および学校行事等の内容は,児童・生徒が自らの力で身辺の生活を処理し,進んで社会生活に参加していく上に必要な最少限の具体的な経験に限られ,また,それは,児童・生徒の理解力とその発達にともなう生活領域の拡大に即応して,段階的に組織・配列しなければならないものであること。

特に,各教科の内容については,児童・生徒の精神の構造が未分化な状態にあればあるほど統合され,しかも,それは,できるだけ身近な生活の場面における具体的な学習活動を通して身につけさせるようくふうされなければならないものであること。

ウ 精神薄弱教育においては,それぞれの段階ごとに,それに応じた指導の重点を適切に定めて行なわなければならないこと。すなわち,一般的に,義務教育該当年令の初期の段階にあっては,基本的な生活の習慣を身につけさせるための指導を,中期の段階にあっては,その上に進んで集団生活に参加し,学級や学校等における社会的な活動を円滑に行なわせるための指導を,後期の段階にあってはさらに,それらの上に,職業や家事等にたずさわっていく場合に必要な知識・技能等を身につけさせるための指導を,特に重視して,重点的にその内容を選択・組織・配列しなければならないこと。

(5) 各養護学校がその教育課程を編成するにあたり,必要に応じて全部または一部の各教科をあわせる等,特別の授業を行なうような場合には,あらかじめその教育課程を当該養護学校の設置者は,市町村の養護学校にあっては都道府県教育委員会に,私立の養護学校にあっては都道府県知事に届け出なければならないことになっている。(規則第73条の10第4項)

また,国立の養護学校にあっては文部大臣に届け出るものとする。

2 授業時数の配当

(1) 養護学校小学部および中学部の各学年における各教科および道徳の年間の授業時数については,次の表に示すものを標準とする。

   ただし,道徳の授業時数については,年間における最低授業時数とする。

  小      学      部
第1年生 第2年生 第3年生 第4年生 第5年生 第6年生
各教科 782(23) 840(24) 910(26) 980(28) 1,050(30) 1,050(30)
道 徳 34(1) 35(1) 35(1) 35(1) 35(1) 35(1)
816(24) 875(25) 945(27) 1,015(29) 1,085(31) 1,085(31)

  中      学      部
第1学年 第2学年 第3学年
各 教 科 1,050(30) 1,050(30) 1,050(30)
道   徳 35(0) 35(1) 35(1)
1,085(31) 1,085(31) 1,085(31)

(2) 上掲の表において,小学部の各学年の授業時数の1単位時間は45分,中学部の各学年の1単位時間は50分とし,かっこ内の授業時数は,年間の授業日数を35週(小学部第1学年については34週)とした場合における週当たりの平均授業時数とする。

ただし,授業の1単位時間には教室を移動したり,休憩したりするに要する時間は含まれていない。

(3) 上掲の表において,小学部および中学部の各学年における各教科のおのおのについての年間の標準的な授業時数ならびに特別教育活動および学校行事等についての年間の標準的な授業時数は,特に示していないが,しかし,これらについては,各養護学校は,小学校学習指導要領(昭和33年文部省告示第80号),中学校学習指導要領(昭和33年文部省告示第81号)の「授業時数の配当」のところに掲げられている各事項のそれぞれの意義を考え,その趣旨を尊重して,適切に定めるものとする。

(4) 各養護学校小学部および中学部における各教科および道徳についての各学年の授業は,年間35週(小学部第1学年については34週)以上にわたって行なうものとする。

(5) 以上のほか,各養護学校が各領域の指導のために,年間・学期・月および週ごとにそれぞれの授業時数を配当するにあたっては,特に季節およびその他の事情を考慮し,児童または生徒の知能その他の精神的特性や発達段階等に即応して,適切に行なうとともに,調和的・能率的な指導を行ないうるよう留意する必要がある。

3 特  例

(1) 私立の養護学校小学部および中学部においては,各教科,道徳,特別教育活動および学校行事等のほか,宗教を加えて教育課程を編成することができ,この場合,宗教をもって道徳に代えることができる。

また,道徳のほかに宗教を加えている小学部および中学部にあっては,宗教の授業時数をもって,道徳の授業時数の一部に代えることができる。

(2) 非常変災,伝染病等により,臨時に授業を行なわない場合で,定められた年間の授業時数を補うことができないような,やむを得ない事情があるときは,その定められた年間の授業時数をくだることができる。

第2 指導計画作成および指導の一般方針

1 各養護学校においては,下記の事項に留意して,全体として調和のとれた指導計画を作成するとともに,その円滑な実施によって,できるかぎり児童・生徒の生活の経験の拡充を図り,その組織化に努めなければならない。

(1) 指導計画の作成にあたっては,第2章以下に示すところに基づき,地域や学校の実態を考慮し,児童または生徒の知能その他の精神的特性,発達段階および経験等に即応して,それぞれの領域の指導の目標を明確にし,実際に指導する事項を選定し,配列して,効果的な指導を行ないうるようくふうすること。

(2) 第2章以下に示す各教科等の内容に関する事項は,知能指数がおおむね50から60の程度の児童・生徒が,将来社会的に自立していくために,最少限身につけなければならないと考えられる経験を,できるだけ具体化し,しかも,その具体化されたさまざまの経験を,教科の名称に従ってまとめるとともに,比較的単純な経験から複雑な経験へと学習し得られるよう,ある程度の系統を考えて,小学部低学年・中学年・高学年および中学部の4段階ごとに例示的に配列したものである。

したがって,各養護学校においては,児童・生徒ひとりひとりの知能の障害の程度やその発達の状態に即応して,特に必要がある場合には,第2章以下に示されていない指導すべき事項を加えたり,また,そこに示されている事項を取り扱うことが困難な場合には,その部分を除いたりして指導していくようにすること。

(3) なお,第2章以下に示す各教科の段階別に掲げる事項は,なるべく系統的になるよう配列してあるが,その順序は,そのまま指導の順序を示しているものではないので,各養護学校においては,各事項のまとめかたや順序をくふうして,弾力的で融通性のある指導ができるようにすること。

(4) 政治および宗教に関する事項を取り扱う場合においては,それぞれ教育基本法第8条および第9条の規定に基づき適切に行なうよう配慮すること。

2 各養護学校において児童または生徒に対する学習の指導を能率的,効果的に行なうためには,下記の事項について留意する必要がある。

(1) 精神薄弱の児童・生徒は,知的能力の障害を主徴候とするものであるが,それは単に知的欠陥のみならず,行動の面でもいろいろなゆがみをもっている。そのなかのあるものは,精神薄弱の原因に付随して生じるものもあるが,家庭その他周囲からの要求や期待に答えきれなかったり,自己の欲求が適切に受け入れられなかったり,また,しかられたり,侮辱などを受けて精神的な安定性を失い,その結果,非社会的,反社会的な行動傾向を示すものも少なくない。その上に,精神薄弱の児童・生徒のなかには,身体の発達が劣るものやその機能に欠陥を有するものが多く,病弱・虚弱であったり,肢(し)体不自由,言語障害,てんかん等の障害や疾患を合わせもっているものもしばしば見受けられる。したがって,その指導の前提として,児童・生徒をとりまく環境やそのひとりひとりの身体の状況,性格・行動の傾向等をよく見きわめて,その身体的,情緒的な側面の調整や安定化を図かっていくように努めること。

(2) 精神薄弱の児童・生徒は,その知的能力の欠陥や類型のいかんにより,その発達や経験のしかたが異なり,その個人差も実にはなはだしい。

したがって,その指導にあたっては,児童・生徒ひとりひとりの発達の程度や経験獲得の状況等をよく理解するとともに,その個人差に留意して,できるかぎりそれに応じた指導を行なうようにすること。

なお,児童・生徒の個性や能力は可能なかぎり伸ばしていくように努めること。

(3) 精神薄弱の児童・生徒は,一般に新しい経験を獲得していくことに対する欲求が乏しく,また,それに対する興味や関心も薄い。さらに,自主的,自律的に物事を処理していく意欲を欠き,何事をするにも他律的で依存的である場合が多い。

したがって,その指導にあたっては,飼育・栽培,音楽・リズム,造形,体育その他生産的作業や職業的訓練などの動的,情意的で具体的な生活場面において,児童・生徒の能力に応じた課題を与えるとともに,学習に対する目標をじゅうぶんはあくさせ,成就による満足感,成功感などを味わわせ,さらにそれにより学習に対する興味や関心を深め,長い目で気長にその自主性や自発性を高めていくようにすること。

(4) 精神薄弱の児童・生徒は,知的能力に欠陥があるばかりでなく,身辺のことがらを処理する能力や社会的適応性にも乏しいのが普通である。

したがって,その指導にあたっては,基本的な生活習慣をしっかり身につけさせるとともに,その所属する学級の一員として,その集団生活に参加し,それぞれの役割を果たしていこうとする意欲を高め,進んで学習活動にはいっていくように配慮することが必要である。

そのためには,学級における好ましい人間関係を育てたり,教室内外の整とんや美化に努めたりするなど,できるかぎりその生活環境を整えていくようにすること。

なお,登校・下校の途中や休憩時その他余暇の時間なども,精神薄弱の児童・生徒を教育していく上にたいせつな場や機会となるから,これらの時間等の指導についても,じゅうぶんに配慮すること。

(5) 精神薄弱の児童・生徒は,知的活動が未分化であり,また,識別,抽象,統合,推理,判断等のはたらきも劣弱である。

したがって,その指導にあたっては,なるべく画一的な一せい指導を避け,具体的で現実的な生活場面における直接的な体験を通して,その生活能力を高めていくことがたいせつである。そのためには,教科書その他の教材・教具等の使用についても絶えず研究し,くふうして,その活用のしかたを誤らないようにすること。

なお,視聴覚教材や学校図書館の資料等についても,児童・生徒の特性や能力等に合ったものを精選して,その活用に努めるようにすること。

(6) 精神薄弱の児童・生徒は,新しく経験したことがらを自ら生きた知識・技能として,日常の生活に役だたせていく能力に乏しいため,ささいなことがらについても常に反復練習をする必要があり,また,その継続的,発展的な指導も強く望まれる。

したがって,その指導にあたっては,その成果について絶えず評価するとともに,その改善についても努めていくようにすること。

第3 道徳教育

学校における道徳教育は,本来,学校の教育活動全体を通じて行なうことを基本とするものである。したがって,道徳の時間はもちろん,各教科,特別教育活動および学校行事等,学校教育のあらゆる機会に,道徳性を高める指導が行なわれなければならない。

道徳教育の目標は,一般に教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神に基づく。すなわち,人間尊重の精神を一貫して失わず,この精神を,家庭,学校その他各自がその一員であるそれぞれの社会の具体的な生活の中に生かし,個性豊かな文化の創造と民主的な国家および社会の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献できる日本人を育成することを目標とするものである。

したがって,各養護学校における道徳教育の目標も,以上の精神にのっとり,また,それに準じて定められなければならない。

道徳の時間においては,あくまで精神薄弱の児童・生徒の特性や能力等に即応した具体的な指導を適切に行なうとともに,各教科,特別教育活動および学校行事等における道徳教育と密接な関連を保ちながら,これを補充し,深化し,統合し,または,これとの交流を図り,児童・生徒の望ましい道徳的習慣,心情,判断力を養い,できるだけ道徳的実践力の向上を図るよう努めることがたいせつである。

第2章 教育の目標

第1 教育の一般目標

養護学校における教育の目標,すなわち各部における教育の目標は,それぞれ幼稚園,小学校,中学校および高等学校における教育の目標とその根本精神を同じくするものである。しかしながら,その目標の高さや深さについては,精神薄弱の児童・生徒が知能に欠陥をもち,社会適応に困難性をもつなどを考慮して決定されなければならない。すなわち,それは,精神薄弱の児童・生徒に対して,その能力に応ずる知識・技能を授けるとともに,その社会的適応性を助長するような具体的で総合的な指導を行ない,もって生活の自立をねらいとした人格の形成に努めるということに,焦点をしぼって定められなければならないであろう。

精神薄弱の児童・生徒の特性や能力等から考えて,養護学校における教育の一般目標を端的に示せば,およそ次のようなものになるであろう。

1 健康・安全で自律的な生活を営むために必要な日常の生活習慣を養い,その能力をじゅうぶん発揮させるため,心身諸機能の調和的発達を図ること。

2 学校内外における集団生活に参加させ,人間相互の関係の理解と処理や集団生活に必要な規律等を習得させ,もって社会生活への適応性を養うこと。

3 身辺の生活および社会的事象に対する関心と理解を高め,日常生活に必要な衣・食・住および経済に関する初歩的な知識と基礎的な技能を養うこと。

4 郷土や国に対する理解と愛情をもたせ,また,世界の国々や人々に対して親しむ気持ちや関心をもつ態度を養うこと。

5 日常生活に必要な国語や数量的な関係を理解させ,それらを使用したり,処理したりする能力を養うこと。

6 自然界の物象に対する関心と理解を深め,自然を愛し,生活を豊かにし,合理化する能力を養うこと。

7 生活を明るく楽しくする音楽,造形,演劇,映画等に対する関心を高め,それらに関する基礎的な理解と技能を養うこと。

8 種々な作業および実習等を通して,職業生活に必要な基礎的技能と勤労を重んずる態度および進んで社会生活に参加していく能力を養うこと。

第2 小学部・中学部における教育の具体目標

養護学校における教育の一般目標は,要約すれば,精神薄弱の児童・生徒が,できるかぎり身辺の生活を確立・処理し,進んで集団生活に参加していくとともに,社会生活への理解を深め,しかも,経済生活および職業生活に適応していくための知識・技能を,かれらの知能の程度やその能力に即して身につけさせるということにつきる。

そこで,この三つの観点から,さらに小学部および中学部に一貫する教育の具体目標を考えれば,だいたい次のようなものになるであろう。

1 身辺生活の確立と処理

(1) 健康で明るい生活を送るために必要な基本的な習慣や態度を身につけ,自分や他人の健康を守るようにすること。

(2) 自らの力で,進んで身辺のことがらを処理しようとする意欲や態度をもつようにすること。

(3) 道徳的感情が豊かになり,また,具体的なことがらについて,正邪善悪の区別がつくようにすること。

(4) 日常生活において,相手にわかるように話すことができ,また,相手のいうことも,だいたいまちがいなく聞き取ることがてきるようにすること。

(5) 日常生活にさしつかえない程度の簡単な読み書きができるようにすること。

(6) 日常生活において,簡単なものごとなら数量的に処理したり,数えたり,計算したりすることができるようにすること。

(7) 日常生活において,常に使用したり,しばしば見たり,触れたりするものごとについて,科学的な理解への関心をもたせ,また,それらを合理的に処理することができるようにすること。

(8) 自然の美しさがわかり,自然物をたいせつにするとともに,生物を愛護するようにすること。

(9) 絵をかいたり,歌を歌ったり,物を作ったりすることに喜びをもち,また,これらの活動を通して生活にうるおいをもたせるようにすること。

(10) 余暇を利用して,運動・競技に参加したり,その他の健全な娯楽を行なったりして,心身の健康の増進に努めるようにすること。

2 集団生活への参加と社会生活の理解

(1) 家庭および社会において,お互いの立場を認め尊びあって,楽しく明るい生活を送るようにすること。

(2) 家庭や社会のきまりを知り,進んでそれを守るようにすること。

(3) 生命のたいせつなわけを知り,自分や他人を危害から守るように心がけるとともに,公衆衛生にも注意するようにすること。

(4) 世話になる人々に感謝し,また,同情や親切な心をもって,人のためにも尽くすようにすること。

(5) 礼儀をわきまえ,人と仲良く気持ちよく交わるようにすること。

(6) 近隣や職場などでのよい集団の諸活動にできるだけ参加し,そこでの行動のしかたがわかり,また,協力者となってまじめに働くようにすること。

(7) 公私の区別をわきまえ,また,責任感を高めて,自己の役割を果たしていくようにすること。

(8) 他人の長所やりっぱな行ないをできるだけ認めるように努め,また,他人のよい意見や注意にすなおに従うようにすること。

(9) 身辺に起こるいろいろなできごとなどを通して,社会のしくみやはたらきなどに対する関心や理解を深め,また,必要に応じて公共の施設や機関などを利用できるようにすること。

(10) 社会の大きな事件や身近に起こるいろいろなできごとなどを通して,できるだけ政治や法律に対する関心をもたせ,公民としての責任も果たせるようにすること。

(11) 祝祭日やその他大きな国際的行事などを通して,国に対する愛情を深め,また,外国の人にも親しみをもつようにすること。

3 経済生活および職業生活への適応

(1) 日常生活や職業実習などを通して,生産・流通・消費の関係についてできるだけ理解を深め,生産生活に参加する態度を身につけるようにすること。

(2) 職業や家事についての初歩的な知識や基礎的な技能を身につけ,能率的に仕事ができるようにすること。

(3) 自分の個性や長所をできるだけ伸ばし,また,その能力にあった職業に就くことができるようにすること。

(4) 自分の仕事に誇りをもち,働くことに喜びを見いだして,かげひなたなく働くようにすること。

(5) 日常生活における物品の売買などを通して,経済生活に必要な基礎的な知識と態度を身につけるようにすること。

(6) 金銭や品物をたいせつに取り扱うとともに,これらを合理的に消費し,また,目的をもって貯蓄するようにすること。

以上に掲げた養護学校の小学部・中学部における教育の具体目標は,いうまでもなく,第3章以下における各教科,道徳,特別教育活動および学校行事等のそれぞれの目標や内容等において,さらに具体化されていることに留意する必要がある。

第3章 小学部の各教科

第1節 国 語

第1 低学年

1 目 標

(1) ことばを使う生活を広げて,訴えたいこと,見たり聞いたりしたことなどを,進んでことばに表わすようにする。

(2) 身近な生活で使われていることばがわかり,また,人の話をよく聞くようにする。

(3) 身近な人たちとごく簡単なあいさつや話のやりとりができるようにする。

(4) 絵本,紙しばい,幻燈,放送などを見たり,聞いたりすることに興味をもつようにする。

(5) 日常生活において,しばしば触れる標識などに関心をもつようにする。

2 内 容

(1) 話などを楽しむこと。

ア 動物,乗り物その他,身近な生活のなかの事物を表わした絵本,写真,模型などを楽しんで見る。

イ 友だちといっしょに短い紙しばい,劇,幻燈,放送などをしまいまで見たり聞いたりする。

ウ 紙しばい,劇,幻燈,映画などを見て,おもしろかったことをことばや動作で表わす。

エ 絵本などを見て,その内容について話し合う。

オ 話を聞いたり,絵本などを見て,ごっこ遊びや劇遊びをする。

(2) 聞くこと,話すこと。

ア 担任や友だちなどの話を聞く。

イ 話しかけた人のほうを向いて聞く。

ウ 担任などのさしずを聞いて,できるだけそのとおり行動する。

エ 絵本,紙しばい,幻燈などを見ながら話を聞く。

オ 身近な人に,ごく簡単な日常のあいさつをする。

力 自分の名まえ,学校や担任の名などを言う。

キ 名まえを呼ばれたときには,はっきりと返事をする。

ク 目の前にあるものについて,担任や友だちなどと話す。

ケ 見たこと,聞いたこと,遊んだことを担任や友だちなどと話す。

コ 担任などに簡単な依頼や訴えなどをする。

(3) 読むこと,書くこと。

ア 身近な生活において,しばしば触れる看板,広告,その他の標識などに注意を向ける。

イ 字と絵の違いがわかる。

ウ ひらがなや漢字で書かれた自分の名まえがわかる。

エ 絵合わせや簡単なかるた遊びをする。

オ 自分の名まえをわかる程度に書く。

カ 鉛筆やクレオンなどで簡単な絵日記を書く。

3 指導上の留意事項

(1) この段階においては,全生活にわたっていろいろな経験をさせ,それらの経験を通して語句を豊かにし,児童の話し聞く生活の素地を築くようにする。そのためには,自分のこと,家族,友人,教師のこと,その他見たこと,聞いたことのうち,特に興味のあることを中心にして,聞くこと,話すことのごく基礎的な技能や態度を身につけさせるようにする。

(2) この段階の児童は,いまだ生活が自己中心的で未分化な状態にあるので,その話の内容や筋道なども判然としないものが多い。また,幼児語や方言などを用いるものも少なくないが,しかし,これらの点については,無理な指導をしないようにする必要がある。なお,口をきかない児童や言語障害をもつ児童が多いことにも注意して,できるかぎりその原因の発見に努め,自由なふんい気の中で指導するようにする。

(3) ひらがなの文字や標識などについては,遊びなどの身近な生活の中で,しばしば触れるものにかぎり,それらへの関心が高まる程度に取り扱い,自分の名まえがどうにか読み書きできる程度にし,それ以上の指導については,あまり無理をしないように注意する。

なお,文字がうまく書けるようにするために,図画工作の指導と密接な関連をもたせ,鉛筆やクレオンなどで,いろいろな線や形などをなぞったり,描いたりさせることも望ましいことであろう。

第2 中学年

1 目 標

(1) ことばを使う生活をいっそう広げ,聞いたり,話したりすることにますます慣れるようにする。

(2) 身近な人とのあいさつや話のやりとりや指示の理解などができるようにする。

(3) 絵本,紙しばい,幻燈,映画,放送などを見たり,聞いたりして,その内容がだいたいわかるようにする。

(4) 日常生活において,しばしば触れる標識などに対する関心を深め,しだいにその意味がわかるようにする。

(5) 読むことに興味をもたせ,身近な生活で使われる簡単なことばの読み書きに必要な文字や語句などがわかるようにする。

2 内 容

(1) 聞くこと,話すこと。

ア 担任や友だちなどの話を注意して聞く。

イ 担任などのさしずや説明などを正しく聞き取る。

ウ 簡単な放送や録音などを聞くことに慣れる。

エ 簡単な童話や物語などを皆といっしょに楽しんで聞く。

オ 身近な人に簡単な日常のあいさつをする。

カ 担任などから指示を受けたり,仕事を言いつけられた時には,よく聞いてそのとおり行動する。

キ 自分の親などの名まえや住所,学級や学校や担任の名などを言う。

ク 担任などに簡単な依頼や希望などを言う。

ケ 簡単なことなら,家の人や担任や友だちなどに尋ねたり,答えたりする。

コ 身近な経験について,家の人や担任や友だちなどに話す。

サ 皆の前で簡単な話をする。

シ 聞き手のほうを向いて,なるべく気おくれしないで話す。

ス 担任からの簡単な伝言を家の人などに伝える。

セ 簡単な紙しばい,幻燈,劇,映画,放送などを見たり聞いたりして,おもしろかったことなどを話す。

ソ 友だちといっしょに,簡単なせりふのある劇をする。

タ なるべく正しい話しかたや発音で話す。

チ 身近な生活における簡単なきまりや約束ごとなどについての意味がわかる。

ツ 簡単な買物に必要なことばがわかる。

(2) 読むこと,書くこと。

ア 絵本や簡単な紙しばい,幻澄などを見たり,聞いたりして,その内容のあらましがわかる。

イ ひらがなや簡単な漢字を読む。

ウ 漢字で書かれた家族,友だち,担任などの名まえや学校名がわかる。

エ 日常生活において,しばしば触れる看板,広告,その他の標識などの意味がわかる。

オ 日常生活において,しばしば使われるかたかな書きのことばを読む。

カ かるた遊びや文字遊びなどをする。

キ ひらがなや漢字で自分の名まえを書く。

ク 読めるようになった文字を使って表わしたことばを書写する。

ケ 絵日記を書く。

3 指導上の留意事項

(1) この段階においても,話し聞く生活を深めることに重点をおき,日常生活で経験したことのうち,特に興味のあることを中心に,聞くこと,話すことの基礎的な技能や態度を養うようにする。

(2) 児童が使用する幼児語,方言,話す場合のなまり,くせなどについては,正しいことばや話し方と対比させて,その違いに気づかせる程度にとどめる。

なお,言語障害をもつ児童については,適切な指導をするように心がける。

(3) ひらがなや簡単な漢字などの文字指導は,児童が日常生活においてしばしば触れ,また,使用することばを表わしたものを読むことから始め,書くことについては,興味をもたせる程度にとどめる。

第3 高学年

1 目 標

(1) 日常生活の中で聞くこと話すことの能力を高め,必要な相手や場に応じた話し方,聞き方にしだいに慣れるようにする。

(2) 学校や近隣などで人と話のやりとりができるようにする。

(3) 見たり,聞いたりしたことを説明したり,わからないことを進んで人に尋ねたりするようにする。

(4) 簡単な内容の童話,物語,映画,劇,放送などを見たり,聞いたりして,そのだいたいがわかるようにする。

(5) 身近な生活で用いられる簡単な語句や文を読んだり,書いたりする能力を伸ばす。

2 内 容

(1) 聞くこと,話すこと。

ア 人の話を注意して聞く。

イ 人の話を終わりまで聞く。

ウ 簡単な話なら,聞いてそのあらましがわかる。

エ 簡単な放送や録音などを聞く。

オ 童話や物語などを皆といっしょに楽しんで聞く。

カ 聞きとれない時やわからないときは聞き返す。

キ 担任などのさしずや説明を正しく聞き取って行動する。

ク 簡単な日常のあいさつをする。

ケ 自分の住所,氏名,年令などを正しく言う。

コ わからないことを担任や友だちなどに進んで尋ねる。

サ 人から物事を聞かれたときには,はっきり答える。

ン 人に物事を頼むとき,ことわるとき,あやまるときなどに適切なことばを使う。

ス 来客があった場合に取り次ぎや簡単な応待をする。

セ 簡単な伝言なら正しく伝える。

ソ 簡単な買い物に必要なことばを使う。

タ 家の人や担任,友だちなどに見たり,聞いたりしたことを,できるだけ順序よく話す。

チ 皆の前で自然な態度で話す。

ツ 映画,劇,放送などを見たり,聞いたりして,その内容について話し合う。

テ 見たり,聞いたりした映画,劇,放送などの内容について説明する。

ト 相手のいうことをよく聞いて話し合いをする。

ナ 学級会などで進んで話し合いをする。

ニ 必要な時に方言や乱暴なことばなどを使わないで話す。

ヌ なるべく正しい話し方や発音で,適当な速さや大きさの声で話す。

ネ 皆といっしょに楽しく簡単な劇などをする。

ノ 簡単なことなら電話をかけたり,聞いたりする。

(2) 読むこと,書くこと。

ア やさしい読み物を読むことに興味をもつ。

イ 日常生活において,しばしば触れる看板,広告その他の標識,立て札,掲示などの意味がわかる。

ウ ひらがなや漢字で書かれた語句や短い文を読む。

エ 時間割りや日課表などを読む。

オ 自分の名まえや住所をはっきり書く。

カ 日付けや曜日などを正しく書く。

キ ひらがなや簡単な漢字を書く。

ク 日常生活において,しばしば使われるかたかなで書き表わすことばを書く。

ケ 簡単で短い文などを書写する。

コ 簡単な記録などを書く。

サ はがき程度の簡単な通信文や日記などを書く。

3 指導上の留意事項

(1) この段階においては,児童の話し聞く生活に土台をおきながらも,しだいに読み書く生活に関心をもち,進んで読むこと書くことに興味をもつように導く。

(2) 読むこと,書くことの指導については,できるかぎり児童が日常生活でしばしば触れ,また,きわめて興味のあるものごとを表わした簡単で短い語句や文や文章を中心に進める。

(3) 自他の生命や資財の保全等に関する標識,立て札,掲示などは,記号としてでも理解させ身につくように指導する。

第2節 社 会

第1 低学年

1 目 標

(1) 自分のものと,他人のものを区別して扱うようにする。

(2) 担任の指導により,友だちといっしょに行動することができるようにする。

(3) 学校生活において,自分に直接関係のある人や場所,きまりなどを知る。

(4) 学校や通学の途上における危険な場所や物などを知り,これらに気をつけるようにする。

2 内 容

(1) 自分の席やげた箱,整理戸だななどがわかる。

(2) 自分の鉛筆やノート,かばんなどがわかる。

(3) 自分の帽子や洋服,くつなどがわかる。

(4) 他人の物をだまって持っていかない。

(5) 落とし物を拾ったら届ける。

(6) 担任の指導により,友だちといっしょに鬼遊びや砂遊びをしたり,すべり台をすべったりする遊びなどをする。

(7) 担任の指示に従って,整列,行進,着席などがだいたいできる。

(8) 皆といっしょに簡単なあとかたづけをする。

(9) 担任の先生や自分の組の友だちがわかる。

(10) 自分の学校の校長先生がわかる。

(11) 自分の学級の教室や便所などがわかる。

(12) 上ばきと下ばきを区別したり,ごみをごみ箱に捨てるなどの学級における簡単なきまりを知る。

(13) 帽子やかさ,かっぱ,作業衣などをきめられた場所におく。

(14) 始業や終業,給食などの合い図がだいたいわかる。

(15) プールや階段,マンホール,配電盤,ストーブなどの学校内の危険な場所に気をつける。

(16) 踏切や横断歩道,プラットホーム,川,用水池などの通学途上にある危険な場所に気をつける。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,知的な理解はきわめて困難であるから,具体的な生活実践を通して,社会生活における基本的な行動様式を身につけさせるようにする。

また,特に道徳教育との関連において取り扱うことが必要である。

(2) この段階では,自分と他人の区別をだんだんにわからせていくように心がけ,しかも,それによって集団生活への参加の基礎を養うことが必要である。

上掲2の内容に掲げる(1)から(5)までの各事項は,このような観点からも取り扱うようにする。また,(7)から(14)までの各事項の取り扱いは,おもに「きまり」がわかり,これに従うという習慣的な態度を身につけるように努めなければならない。

(3) 集団生活への参加能力は,まだ低い段階にあるので,遊びなどにおいても教師がいちいち指導しなければならないであろうが,しかし,しだいに担任の手をはなれて仲間といっしょに遊べるようにしむけなければならない。

(4) 社会の指導においては,さきにも述べたように道徳の指導との密接な関連を図ることはもちろん,社会以外の各教科の学習,特別教育活動および学校行事等の活動ともじゅうぶんに連係を保って指導するようにすることがたいせつである。ことに特別教育活動および学校行事等における諸活動は,上掲2の内容として掲げる各事項を指導する際のよい機会や場となることに留意する必要がある。

なお,以上のことがらは,この段階だけでなく他の段階にもそのまま適用するものである。

第2 中学年

1 目 標

(1) 他人の物や学級の物などをたいせつに扱うようにする。

(2) 数人の友だちと仲良く遊んだり,仕事をしたりすることができるようにする。

(3) 学級や学校のきまりがわかって,それらを守るようにする。

(4) 通学の途上などで交通の規則を守り,また,他人の迷惑になるようなことをしないようにする。

(5) 自分たちの身近な生活に関係のある公共施設や商店などについて関心を深め,しだいにこれらを利用することができるようにする。

(6) 買い物などを通じて金銭についての理解をもつようにする。

2 内 容

(1) 友だちから借りたクレオンや絵本,道具などをていねいに扱って必ず返す。

(2) 遊び道具や学習用具,そうじ道具,学級文庫の本など,学級の備品をたいせつに取り扱う。

(3) 簡単な遊びなら担任がいなくても自分たちで遊べる。

(4) 簡単な遊びのルールがわかる。

(5) 他人のじゃまをしないで遊んだり仕事をしたりする。

(6) 悪い遊びや危険な遊びをしないようにする。

(7) いっしょになって皆と物を作ったり,ごっこ学習をしたりする。

(8) 給食の簡単な手伝いやへやのそうじなどを皆で分担し合ってする。

(9) いろいろな係りの役割がだいたいわかる。

(10) 遊び道具などを使うときは順番を守るようにする。

(11) 学校の先生や校務員など関係のある人がわかる。

(12) むやみに他の教室や職員室などにはいらないようにする。

(13) 無断で学校の外へ出ないようにする。

(14) きめられた係りの仕事をきちんとする。

(15) 学校の日課にそった行動がだいたいできるようにする。

(16) 簡単な約束なら守るようにする。

(17) 道を歩く,右側を歩く,信号に従うなどの交通規則を守る。

(18) 道で遊んだり,人をつきのけたり,石を投げたり,他人の家や田畑に無断ではいるなど,他人の迷惑になるようなことはしないようにする。

(19) 乗り物の乗り降りは順序を守り,車内で騒いだり,窓から頭や手を出したりしないようにする。

(20) 見学その他の活動を通して,警察署(交番),郵便局,消防署,病院,駅,デパートなどで働いている人々を知る。

(21) 公園や遊園地などでのきまりを守る。

(22) 近所の商店を見学することなどを通して,そこで売られている品物を知る。

(23) きまった額の簡単な品物なら商店に行って買うことができる。

(24) むだ使いをせず,ほしいものがあってもときにはがまんをする。

(25) お金をたいせつに取り扱う。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,数人の集団としての仲間意識が生まれる。そこで学習活動においても,共同学習や係りの分担などを通して,なるべく集団の形成を助長するように心がけることが必要である。

(2) この段階においては,ごっこ的な学習方法を利用するほか,共同の仕事や作業,見学,買い物学習その他現実的で実際的な学習方法を重んじることがたいせつである。

(3) 校外に出て,見学などの学習を行なう場合には,その前後の指導にもよく留意して,全員が参加して共通の経験を深めるとともに,個人差に応じた学習もできるようくふうする必要がある。

第3 高学年

1 目 標

(1) 相手のことを考えて,できるだけ話し合ったり,ゆずり合ったりすることができるようにする。

(2) 学級の一員としての自分の役割を知り,できるだけその任務を果たすようにする。

(3) 共同の作業や遊びなどを通して,進んで集団生活に参加できるようにする。

(4) 日常生活に関係の深い交通規則や公衆道徳を進んで守るようにする。

(5) 日常生活に関係の深い職業や官公署,工場,病院などについて知り、それらのはたらきがわかるようにする。

(6) ごく初歩的な経済生活についての関心や理解をもつようにする。

(7) 社会のできごとなどについて関心をもつようにする。

2 内 容

(1) 友だちの話をよく聞いて,相手の考えを知る。

(2) 自分の言い分を無理に友だちにおしつけないようにする。

(3) 年下のこどもをいたわって仲良く遊ぶ。

(4) 友だちの過失やあやまちをむやみにとがめないようにする。

(5) あやまちをしたらわびるようにする。

(6) 学級での当番や係りの仕事などを進んでする。

(7) 分担した作業などを最後までやりとげる。

(8) 学校の日課にそって,きまりよく行動する。

(9) 机やいす,戸だななどを整とんする。

(10) 皆で使う遊び道具や学習用具,そうじ道具や学級文庫の本などの学級の備品を使ったら,正しくもとの位置にもどす。

(11) ルールを守って皆といっしょに遊ぶ。

(12) 仲間にはいれない友だちもいっしょに遊んでやる。

(13) 学芸会や運動会などの学校行事に進んで参加する。

(14) 誕生会や学芸会,運動会などで使ういろいろな物を協同で作る。

(15) 給食の手伝いや教室内外のそうじなど進んで皆といっしょにする。

(16) 日常生活に関係の深いいろいろな交通標識を知る。

(17) いろいろな交通規則を正しく守る。

(18) 人の迷惑になるような不衛生なことをしないようにする。

(19) 車内や人の集まる場所などで騒いだり,不作法なふるまいをしないようにする。

(20) 公園や遊園地などの公共の施設をたいせつに取り扱う。

(20) 警察や消防署,郵便局,病院,市役所(町・村役場)などのある場所を知り,それらの施設のはたらきなどがだいたいわかる。

(22) 知った場所なら,ひとりで切符を買い,乗り物に乗って行くことができる。

(23) 家族の人の職業などを通して,世のなかにはいろいろな職業があることを知る。

(24) いろいろな商店があることを知り,それらの店で売っている品物がだいたいわかる。

(25) 近くの工場などを見学し,そこで作られている物や働いている人々の活動の様子を知る。

(26) 学用品などの値段がだいたいわかる。

(27) 簡単な買い物をする。

(28) ほしい物や必要な物を買うために貯金をすることを知る。

(29) 遠足や旅行などの機会を通して,その土地の模様や人々の生活の様子に関心をもつ。

(30) 新聞やラジオ,テレビなどを通して社会の大きなできごとなどに関心をもつ。

(31) 地域の祭りやその他の行事などに関心をもつ。

3 指導上の留意事項

(1) 上掲2の内容に掲げる(1)から(5)までの対人関係をおもに表わしている各事項は,現実的な生活の実際場面において,児童ひとりひとりの個人差に留意しながら取り扱っていくことがたいせつであり,ただことばだけで,言ってきかせるような,いわゆる説話式の指導は望ましくない。したがって,これらの指導については,学校におけるあらゆる教育活動の全面において,適切な機会に最っとも望ましい方法をくふうし,しかも,自然にこうした心情や態度がはぐくまれていくようにする必要がある。

(2) この段階においては,グループの組織や係りの役割などを通して,集団生活(おもに学級内での集団生活)に進んで参加していく能力をできるだけ伸ばしていくようにすることが必要である。

(3) この段階における児童は,だんだんその生活空間が拡大してくるから,それに応じた学習の場を設定したり,学習のための素材を選択したりする配慮が望ましい。また,児童たちの興味や関心が深いと思われる偶発的事項も適当に取り入れて,弾力的で融通性のある指導を行なうことが必要である。

第3節 算 数

第1 低学年

1 目 標

(1) 数量に関係あるいろいろな具体的な経験を豊かにさせ,数量生活の素地を養う。

(2) 具体的なことがらの取り扱いを通して,数量生活の基礎となることばを身につけさせる。

2 内 容

(1) 身近にあるいろいろなものを並べたり,比べたり,取りかえっこをしたりする。

(2) 具体的なもので多い,少い,大きい,小さいなどがわかる。

(3) 具体的なことがらの取り扱いを通して,上や下,前や後などがわかる。

(4) 具体的な経験を通して,丸,三角,四角などの図形の区別がわかり,名称が言える。

(5) 具体的なことがらの取り扱いを通して,○,×などの記号の意味がわかる。

(6) 朝,昼,晩がわかる。

(7) 自分の年がわかる。

(8) 買い物には,お金が必要なことがわかる。

(9) おもちゃや道具を種類別に分けてしまったり,もとの位置にもどしたりすることができる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階においては,遊びなどの具体的な生活を通して,楽し豊かな経験を与えることに重点をおき,しいて数への結びつけを考えて指導する必要はない。

第2 中学年

1 目 標

(1) 身近な数量に関係のあることがらについて,数え,読み,書き,測り,比べるなどの初歩的な能力を伸ばす。

(2) 具体的な遊びや学習を通して,生活の中にいろいろな数量的なことがらのあることを知らせ,その処理についての基礎的な技能を養う。

2 内 容

(1) 身近にあるいろいろなものを数えたり,それを数字に書いたりする。

(2) 具体的な経険を通して長い,短い,広い,狭い,軽い,重いなどがわかる。

(3) 具体的なことがらを通して右や左がわかる。

(4) カレンダーなどに親しみ,日付けや曜日がわかる。

(5) 簡単な場合に,時劾がだいたいわかる。

(6) 具体的なことがらのなかで,加える必要のあることがわかる。

(7) 具体的なことがらのなかで,余ったり,足りなかったりすることがわかる。

(8) きまった値段の簡単な買い物ができる。

(9) 丸,三角,四角などがだいたい書ける。

(10) 身近な生活のなかで使われている○,×などの表がわかる。

(11) 道具などをもとの数に合わせたり,もとの位置にかたづけたりすることができる。

(12) 学習の道具や給食の食器などをひとりひとりにまちがいなく配ることができる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,児童に親しみやすいいろいろな経験を,豊かに学習活動のなかに取り入れるとともに,具体的な事物について,直接観察したり,操作したりする活動を通して,数量的な経験をさせていくようにする。したがって,数えたり,比べたり,加えたりするなどの活動を行なわせる場合には,児童がそれらの活動について,必要を感じるような場面の設定や材料の選択に心がけるようにすることがたいせつである。

(2) この段階の児童の数概念の形成には,そうとうに幅の広い個人差がみられるので,上掲2の内容のなかには,特にこの段階で取り扱うべき,数や計算の範囲や程度を具体的には示していない。したがって,これらを取り扱う場合においては,児童ひとりひとりの能力や発達の程度をよく見きわめ,かつ,それに応じたものを取り上げて指導していくことが望ましい。なお,数量概念のような抽象概念は,単に数や計算などを機械的に行なわせることによって身についていくものではないので,その指導にあたっては,この点にも留意して,あくまで具体的な生活場面における,具体的な事物の取り扱いを通して,気長にあせらず,指導していくことがたいせつである。

(3) 上掲2の内容に掲げる各事項は,単に算数の時間に指導するだけでなく,具体的で総合的な学習のあらゆる場面において,他教科の内容に掲げる各事項の指導と密接に関連させて取り扱っていくことが望ましい。

第3 高学年

1 目 標

(1) 数の範囲を広げ,数を数えたり,読んだり,書いたりする能力を高め,加法や減法についての理解と技能を伸ばす。

(2) 具体的な事物について,まとめたり,分けたりすることができるようにする。

(3) 具体的なことがらの取り扱いを通して,長さや重さなどをはかる能力を伸ばす。

(4) 具体的な生活を通して,日時やお金のことをわからせる。

2 内 容

(1) 具体的なことがらの扱いのなかで,やや広い範囲の数を数えたり,読んだり,書いたりする。

(2) 簡単な加法や減法を用いる場合について知り,初歩的な計算ができる。

(3) そろばんのしくみがわかり,数をおいたり,読んだりする。

(4) 具体的なことがらの扱いのなかで,同じ種類のものを集めたり,まとめて数えたり,同じように分けたりする。

(5) 身近にある具体的なものを比べることを通して,長さや重さを表わす単位やそれをはかる道具のあることがわかる。

(6) 具体的な生活と結びつけて,だいたいの時刻や午前・午後の区別がわかる。

(7) 今日は×月×日であるかがわかる。

(8) 定価表が読めて,簡単なおつりのある買い物などができる。

(9) 簡単な生活の処理を,○,×などの表で表わす。

(10) 丸,三角,四角,長四角などがわかり,それらがかける。

3 指導上の留意事項

(1) 中学年のところで述べた「指導上の留意事項」は,原則的にこの段階でも適用する。

(2) この段階の数量指導においても,そのねらいは,単に抽象的な数の処理にあるのではなく,身近な生活における具体的な事物などの数量的処理にあることに留意する必要がある。

第4節 理 科

第1 低学年

1 目 標

(1) ごく身近な自然の事物や現象に関心をもつようにする。

(2) 学校や家庭で育てられている草花や動物に親しみ,その世話の手伝いができるようにする。

(3) おもちゃや身近にある簡単な道具などで遊び,それらの扱いに慣れるようにする。

2 内 容

(1) 花だんや草花などの観察と世話の手伝いをする。

ア 春の校庭をめぐるなの活動を通して,花だんの草花や校庭の草木に親しみをもつ。

イ 花だんの草花や庭木の花には,同じ色や違った色をしたものがあることを知る。

ウ 花だんの草花の簡単な世話をする。

(2) 野山の自然に接し,草花や虫などに関心をもつ。

ア 四季おりおりに野山に出て,草木,虫,鳥などの様子に関心をもつ。

イ 野山で草摘み,花摘み,花束つくりなどをして遊び,いろいろな草花に親しむ。

ウ 木の実や落ち葉を拾って,木の実遊びや葉並べなどをして,実や葉の色・形・大きさなどに関心をもつ。

エ ばった,せみ,かたつむりなどの親しみやすい動物をさがしたり取ったりして,その色や形,運動のしかたなどに気づく。

(3) 飼っている動物をかわいがり,その世話の手伝いをする。

ア うさぎ,にわとり,小鳥などのような親しみやすく,飼いやすい動物に水やえさを与えたりして,これらをかわいがる。

イ きんぎょやめだかなどをガラスの水そうに入れてえさを与え,その食べ方や泳ぎ方に興味をもつ。

(4) 天気や土地の様子に関心をもつ。

ア そのときどきの晴,曇,雨などの天気がわかる。

イ いろいろな機会を通して,土地には山・丘・川・池・海などのあることを知る。

ウ 石ころ拾い,石並べ遊びなどを通して石の色や形などに関心をもつ。

(5) おもちゃや身近にあるごく簡単な道具などで遊び,その扱い方になれる。

ア 風車を風にあてて回して遊び,そのまわり方を観察する。

イ 鏡に文字や絵をうつしたり光をあてたりして遊び,鏡のはたらきに関心をもつ。

ウ 磁石を使った遊びなどをして,磁石のはたらきに関心をもつ。

エ 水道のせんや電燈のスイッチの扱い方,ドアや窓の開け方や締め方がわかる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,天候や天気のよい時などに野山や屋外で遊ばせて,できるだけ自然の事物や現象に触れさせるようにし,そのおりおりの野山の姿や土地の様子などを強く印象づけるようにする。

(2) 学級園や学校園などに,そのおりおりの草花を植えたり,教室の内外に小動物を飼ったりして,できるだけ環境を整え,児童が自らこれらに親しみ,また,関心をもつようにする。

(3) この段階では,主として全体的,直覚的な観察や遊びを通して,自然の事物や現象を直接学ばせるようにし,児童があまり興味や関心を示さないことがらについて,教師が初めから教えこむなどの無理な指導は,絶対に避けるようにする。

(4) 上掲2の内容に掲げる各事項は,特に算数,図画工作,体育などの指導内容および学校行事等と密接な関連を図って取り扱っていく必要がある。

第2 中学年

1 目 標

(1) 遊びや作業などを通して自然の事物や現象に興味や関心をもつようにする。

(2) 育てやすい草花や身近で興味のある動物の世話をし,それらをかわいがって育てるようにする。

(3) 自分の歯について関心をもち,歯をたいせつにするようにする。

(4) 身近にある道具やおもちゃなどでくふうして遊び,それらの扱いにいっそう慣れるようにする。

2 内 容

(1) 花だんに草花などを植え,その世話をし,その育ち方に関心をもつ。

ア 花だんや植え木ばちなどに作りやすい草花の種子をまいたり,球根を植えたりして,それらの芽ばえや育ち方に関心をもつ。

イ まいたり植えたりした種子や球根がよく育つように世話をする。

ウ 花だんの草花や庭木の花の色,形などを観察し,いろいろなものがあることに気づく。

(2) 野山の自然に接し,草花や虫などを観察する。

ア 四季おりおりに野山に出て,そこの草木・虫・鳥などを観察し,それぞれの季節の自然に親しむ。

イ 野山で草摘み,花摘み,花束つくりなどをして遊び,草や花の種類や様子に気づく。

ウ 木の実や落ち葉などを拾い,それらを使って木の実遊びをくふうしたり,草笛つくりや葉並べなどをして,実・茎・葉の色や形などに気づく。

エ ばった,せみ,かたつむりなどの親しみやすい動物をさがしたり,取ったりして,その住む場所や活動の様子などに関心をもつ。

(3) 飼っている動物をかわいがり,その世話をする。

ア うさぎ,にわとり,小鳥などのような,親しみやすく,飼いやすい動物にえさを与えたり,運動させたりして,かわいがってその世話をする。

イ めだかやふな,げんごろう,水すまし,たにしなどの魚や虫,貝などを水そうなどに飼って,その活動の様子を観察する。

(4) 天気や土地の様子に関心をもつ。

ア 天気には,晴,曇,雨,雪などがあり,また,風の吹く日もあることを知る。

イ 学校の近くの山・丘・川・池などを観察し,土地には高い所や低い所,水のたまっている所や流れている所などがあることを知る。

(5) 自分の歯について関心をもつ。

ア 歯を観察して,その形や大きさを知り,そのはたらきがわかる。

イ むし歯とよい歯の違いなどを知って,歯をたいせつにする。

(6) おもちゃや身近にある簡単な道具で遊び,その扱いに慣れる。

ア 木の実やその他の材料でこまを作り,よく回るようにくふうして遊ぶ。

イ 紙,糸,石ころなどで簡単な落下さんを作って飛ばしたり,ふくらました風船の口を開いて放したりして遊び,その飛び方を調べる。

ウ せっけんを水に溶かしてせっけん水を作り,シヤボン玉を吹いて,その大きさや色に興味をもち,吹き方をくふうする。

エ 棒磁石やU磁石を使って砂鉄を集めたり,くぎなどをつけたりして,磁石のはたらきに関心をもつ。

オ はさみ,小刀,ペンチ,くぎぬき,懐中電燈,吸い上げポンプなどのような身近な生活で使われている簡単な器具や道具のはたらきを知り,その扱いに慣れる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階でも,低学年のところで述べた「指導上の留意事項」に基づいて,低学年からの学習をいっそう徹底させるようにする。

(2) 飼育・栽培など長期間を要するものについては,世話をする係りや当番などの役割や分担をきめて,これに当たらせることが望ましい。

第3 高学年

1 目 標

(1) 身近な自然の事物や現象に触れ,それらに対する興味を広げ,自然に親しむようにする。

(2) 生物の飼育・栽培などにより,生物の生活の様子に関心をもち,それらをかわいがり,よく育つように努めさせる。

(3) 外部からの観察などを通して,人のからだのつくりの大要に気づくようにする。

(4) 遊びや作業などの活動を通して,簡単な道具のはたらきを知り,これらについて正しい見方や扱い方ができるようにする。

2 内 容

(1) 草花などの世話をし,その育ち方に関心をもつ。

ア 花だんに球根を植えたり,水栽培などをして,花が咲くまでの様子を観察し,その育ち方などに興味や関心を深める。

イ 春と秋に,学校園や菜園などにその時期の種子をまき,それがうまく育つように続けて世話をするとともに,その著しい変化に気づく。

(2) 野山の自然の有様を観察し,生物の様子などを調べる。

ア 四季おりおりに野山に出て,野山の草木,虫,鳥などの種類や生活の様子を調べたり,空の色,吹く風の強さなどの違いに気づいたりして,それぞれの季節の自然に親しむ。

イ 田畑の虫を観察したり,採集したりして,住んでいる場所や活動の様子を知り,また,飼ったりして,それらの虫の生活について興味を深める。

ウ 池や小川(海)で魚・虫・貝などのいろいろな動物を観察し,それらが住んでいる場所や活動の様子について興味を深める。

(3) 飼いやすい動物を飼って,うまく育つように世話をし,その育ち方やえさの種類などについて知る。

(4) 天候や気候や土地の様子などについて関心を深める。

ア 1日のうちには,昼と夜,朝と夕方などの変化があることを知る。

イ 季節によって暑さや寒さに違いのあることを知る。

ウ 具体的な状況を通して,天気の変化に関心をもつ。

エ 地上に降った雨水を観察し,水は低いほうに流れ,土を掘ったり,物をおし流したりすることがわかる。

オ 太陽は毎日東から出て西にはいることがわかり,これらをもとにして東西南北の方位を知る。

カ 影踏みなどの遊びを通して,朝・昼・夕で影のできる方向や長さに違いのあることを知る。

(5) 人のからだのおよそのつくりなどを調べる。

ア からだを外部から観察して,筋肉,骨組みなどのおよそのつくりを知る。

イ 胃,腸などのおもな内臓器官のおよその位置を知って,姿勢を正しくするようにする。

(6) 食べ物には,いろいろな種類があることを知る。

(7) 簡単な道具のしくみやはたらきがわかり,その使用に慣れる。

ア ゴムやばねを使ったおもちゃをくふうして作る。

イ 紙でっぽうや水でっぽうを作り,玉や水がよく飛ぶようにくふうする。

ウ 糸電話を作って遊び,音が糸を伝わって聞こえることを知る。

エ 虫めがねでものを見たり,虫めがねに光をあてて黒い紙を焦がしたりして,虫めがねのはたらきを知る。

オ 物には水によく浮くものと沈むものがあることを知る。

カ こんろの火のじょうずな起こし方について知る。

キ せっけんを使って,いろいろな布を洗い,よごれの落ちぐあいなどを調べる。

ク 日常生活に必要な簡単な器具や道具のはたらきを知り,その使用に慣れる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階でも,低・中学年のところで述べた「指導上の留意事項」に対しては,注意する必要がある。

(2) 「野山の自然の有様を観察し,生物の様子などを調べる。」の扱いは,地域の状況により,観察に適当な時期を選ぶようにする。「田畑の虫」では,そのころの作物についても関心をもたせるようにするとともに,作物を荒らさないように注意する。「池や小川(海)の生物」については,海に近い所では,潮干狩りなどの機会を利用することが望ましく,また,このような場合には,危険の予防に心がけるように指導する。

(3) 「虫めがね」を使用させる場合には,特に危険の防止に心がけるよう指導する。

第5節 音 楽

第1 低学年

1 目 標

(1) 音楽に親しませ,楽しく,明るい学校生活がおくれるようにする。

(2) よい音楽に触れさせ,音楽的感覚の芽ばえを伸ばす。

(3) 音楽を聞きながら簡単な動作ができ,また,音による合い図などを聞き,それに応じてあらかじめきめられた簡単な動作ができるようにする。

(4) リズミカルな音楽を聞きながらリズム楽器が打てるようにする。

(5) 歌をうたおうとする意欲を高める。

2 内 容

(1) 聞くこと。(音楽に親しむ。)

ア 自由にからだを動かしながら聞く。

イ よい音楽が流れているなかで遊んだり,休息したりする。

ウ 紙しばいや人形しばいなどを見ながら聞く。

エ 先生の歌や演奏を聞く。

(2) からだを動かす。(からだを動かして楽しむ。)

ア リズミカルな音楽を聞いて手・足を自由に動かす。

イ 音楽を聞いてとぶ,歩く,かけあしする,手を上げるなどの簡単な運動をする。

ウ 拍手をしながら,また,打楽器をたたきながら歩く。

エ 動物,乗り物,風や雨などの動きを表わした音楽を聞いて,それらをからだの動きで表現する。

(3) 楽器で演奏すること。(リズム楽器や笛になじむ。)

ア いろいろなリズム楽器を自由に打ったり,簡単な一音笛を自由に吹いたりする。

イ リズム楽器や笛の名まえを知る。

ウ リズミカルな音楽を聞いたり,歌を歌いながらリズム楽器を打つ。

(4) 歌うこと。(歌おうとする。)

ア 知っている歌を元気に歌う。

イ 先生が歌う簡単な歌曲をまねて歌う。

ウ 皆といっしょに歌ったり,ひとりで歌ったりする。

エ 胸を張って口を大きく開いて歌う。

(5) 音を聞きわけること。

ア 音の強弱や速い,おそいがわかる。

イ 集まれ,立て,すわれなどの音による合い図に合わせて動作をする。

ウ 簡単な楽器などで音あて遊びをする。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,ひとりひとりの児童の行動や心の動きをよく観察して,そのときの児童の心情に最も適当な音楽を選ぶようにする。したがって,児童が精神薄弱であり,また,年少であるからといって,幼児向きの童謡的なものとか,描写的なものばかりに傾くことのないようにし,愉快なもの,静かな眠りを誘うようなもの,荘厳なものなど,いろいろなレコードを用意しておく。鑑賞のための時間は,特に設定する必要はない。

(2) この段階の児童は,未だ未分化な状態にあるので,音楽の時間を設けて指導するよりも,遊戯や体育その他の教科の学習や領域の活動と密接な関連を図るとともに,また,児童の心理的な欲求に応じて音楽を経験させるようにし,できるだけかれらの音楽に対する興味や意欲を高めるようにする。

(3) 歌唱や簡単な楽器を使っての学習,あるいは,からだを動かすことや音を聞きわけることなどの学習においては,じょうず,へたに関係なく,皆の前でひとりで表現したり,発表したりする態度を養うように努める。また,この段階における歌唱では,メロディーのくるいや不正確な発音などをあまりやかましくいわないで,楽しいふんい気のなかで,皆といっしょに歌わせることに重点をおく。なお,からだを動かす場合の音楽は,きわめてリズミカルで,しかも,この段階の児童に最も適したテンポのものを選ぶことがたいせつである。

第2 中学年

1 目 標

(1) 音楽に親しませ,楽しい学校生活がおくれるようにする。

(2) よい音楽にふれさせ,音楽的感覚の発達をはかる。

(3) 音楽に合わせて簡単な動作ができるようにする。

(4) 皆といっしょに歌ったり,音楽に合わせて簡単な楽器を奏することができるようにする。

(5) 好きな歌が正しく歌えるようにする。

(6) 音に敏感に反応したり,簡単なリズム感,拍子感が身につくようにする。

2 内 容

(1) 聞くこと。(よい音楽に親しむ。)

ア 自由に身体反応をしながら聞く。

イ ラジオや蓄音器等のまわりに集まって聞く。

ウ 描写音楽などに興味をもつ。

エ 先生や友だちの歌や演奏をよろこんで聞く。

(2) からだを動かす。(簡単な音楽のリズムに合わせて楽しくからだを動かす。)

ア 簡単な音楽に合わせて,手足を自由に動かす。

イ 手や足を音楽に合わせてリズミカルに動かす。

ウ 音楽に合わせて手と足をいっしょに動かす。

エ 音楽に合わせて模倣遊びをする。

(3) 器楽。(旋律楽器にも親しむ。)

ア ハーモニカ,木琴,オルガンなどに親しみ,初歩的な奏法を知る。

イ 身近にある楽器の名まえを知る。

ウ 簡単な音楽に合わせて,皆といっしょにリズム楽器を打つ。

エ 楽器をていねいに扱う。

(4) 歌うこと。(楽しく歌う。)

ア 習った歌や,好きな歌のリズムや発音をしだいに正しくする。

イ 先生の歌い方や口もとに注意し,それをまねて歌う。

ウ 伴奏に合わせて,皆といっしょに歌ったり,ひとりで歌ったりする。

エ どなったり,小声すぎたりしないように歌う。

(5) 音を聞きわける。

ア 音の強弱や速い,おそいに敏感に反応し,音の高い,低いがわかる。

イ 集まれ,立て,すわれなどの合い図の音にびんしょうに反応する。

ウ 身近にある楽器の音色をだいたい聞きわける。

3 指導上の留意事項

(1) この段階においては,音,リズム,拍子などに対する感覚訓練を行なう場合はもちろんのこと,鑑賞や表現を行なう場合でも,からだを動かすことによって,児童のからだの動きのぎごちなさをなおすように努める。

(2) 器楽を奏したり,歌を歌う場合には,仲間と合わせて表現していくことに関心をもたせ,自分かってな行動を少なくして,しだいに協調していく方向へと導びいていく。歌唱や器楽を使っての学習では,前段階よりいくらか整った歌になったり,また,演奏をしたりするために努めようとする態度や能力を養うようにする。なお,歌唱の指導では,必然的にことばの指導がともなってくるから,特に,国語との関連をじゅうぶんに考えて,指導することが必要である。

(3) 以上のほか,低学年のところで述べた「指導一上の留意事項」は,そのままこの段階でも考慮されなければならない。

第3 高学年

1 目 標

(1) 音楽に親しませ,生活にうるおいをもたせるようにする。

(2) よい音楽を静かに聞こうとする態度を養う。

(3) 音楽に合わせて,簡単な動作ができるようにする。

(4) 皆の前で,ひとりで歌を歌うことやせい唱や合奏に慣れて,簡単な曲目が演奏できるようにする。

(5) 音を聞きわける力を伸ばし,合い図の音にびんしょうに反応できるようにする。

2 内 容

(1) 聞くこと。(よい音楽を楽しむ。)

ア よい音楽を静かに聞く。

イ よい音楽を皆といっしょに聞く。

ウ 描写音楽などを聞いて場面や情景を想像する。

エ 聞きたい音楽をレコードやラジオなどから選んで聞く。

オ 先生や友だちの歌や演奏を静かに聞く。

(2) からだを動かす。(リズムに合わせて,楽しくからだを動かす。)

ア ゆるやかな速さや静かな曲に合わせて,からだを自由に動かす。

イ 音楽に合わせて,やや複雑な手,足の運動をする。

ウ 簡単なフォークダンスをする。

エ 音楽を聞いて,自由な身体表現をする。

(3) 器楽。(簡単な曲の演奏に慣れる。)

ア 木琴やハーモニカ,オルガンなどを使って,簡単な歌曲のさぐりびき,さぐり吹きをする。

イ ピアノやレコードなどの音楽に合わせて,皆といっしょにリズム楽器を演奏する。

ウ 楽器の取り扱いや手入れなどに注意する。

(4) 歌うこと。(正しく歌う。)

ア 知っている歌,好きな歌をはっきりした発音と正しいリズムで歌い,音程もできるだけ整えるようにする。

イ 先生の歌う歌曲を摸倣して正しく歌う。

ウ 簡単な歌の内容を理解して歌う。

エ 皆と声をそろえて歌う。

(5) 音を聞きわける。

ア 和音を聞いてきめられた動作をする。

イ 身近な生活のなかにあるいろいろな音に注意を向ける。

3 指導上の留意事項

(1) 前段階までは,とかく受動的な音楽学習といった形式がとられがちであったが,しかし,この段階からは,徐々に能動的な音楽学習の形式に移行していくことが必要である。そのためには,鑑賞すること,歌うこと,器楽を奏することについて,一定の時間を設けて学習させることが必要になってくるであろう。

(2) 鑑賞においては,精神薄弱の児童も正常の児童に劣らず,音楽を美しく感じる能力をもっているので,いろいろなレコードを豊富にそろえておき,児童が自ら自分の好きなものを選んで,かけられるように指導する。そのためには,児童のひとりひとりに対して,レコードの正しい取り扱い方と電蓄などの正しい操作法を教えて,それに慣れさせておくことがたいせつである。

(3) 皆といっしょに声を合わせて歌ったり,器楽を合わせて奏したりすることに楽しみをもたせ,進んで協調していく態度を養うように導くとともに,また,音楽を余暇利用にも役だてていこうとする態度や能力も身につけるように努める。

(4) 音楽の指導においては,体育や国語などの学習と密接に関連をもたせることはもちろん,特に特別教育活動や学校行事等の活動とのじゅうぶんな関連を図り,それらの活動の場や機会をできるだけ活用していくことが望ましい。

第6節 図画工作

第1 低学年

1 目 標

(1) 自由な造形的表現を楽しんでするようにする。

(2) 造形的な表現のために,色紙,クレヨン,粘土など身近にある材料や用具を使うことに慣れるようにする。

2 内 容

(1) 身近な材料や用具を使って,思ったまま自由に造形的な表現をする。

(2) 鉛筆,クレヨン,パス類,水絵の具などでかいたり,塗ったりする。

(3) 色や形を考えて,はさみで画用紙や色紙などを切ったり,それをのりではったりする。

(4) 粘土をのばしたり,丸めたり,平らにしたりし,また,ごく簡単な形を作ったりする。

(5) ひもにビーズ類を通す。

(6) 自然物をできるだけじょうずに並べたり,そろえたり,重ねたりする。

(7) いろいろな積み木で自由にものの形を作る。

(8) 造形活動のごく基本となる色や形や用具・材料の名をおぼえる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,材料や用具などをいじることそれ自体を楽しむ傾向にあるので,製作目的の有無や作品のできばえなどにこだわらないで,製作過程そのものに重点をおき,どんなふできな作品でも認めてやり,児童の造形的な表現の意欲をわきたたせ,自由な造形活動をじゅうぶんに楽しませるようにする。

(2) 精神薄弱の児童の造形的な表現能力には,大きなひらきがあり,また,性格や興味・関心の傾向にも片寄りを示すものがあるので,それらのあらわれとみられる造形的な表現は,注意して取り扱うことがたいせつである。そして,児童の作品は,長く保存して,それらを生活の指導上の参考にも資するようにすることが望ましい。

(3) 材料や用具については,手さきの器用さや体力の発達の状態,造形的な表現に対する理解や能力の程度に応じて,児童に親しみ深いもののなかから,適当なものを選び,それらを使いやすいよう平素から分類・整理しておくことが望ましい。なお,この段階では,材料や用具を破損したり,むだにしたりすることが多いが,しかし,これらの点については,あまりやかましくとがめだてしないようにすることが必要である。

(4) この段階では,作業や学習についての基本的な習慣や態度を確立していくことが必要であるので,特に,材料や用具を出したり,配ったり,あとかたづけをしたりするための時間をじゅうぶんに取り,これらの活動を造形活動の一環として,楽しさのなかに習慣づけていくようにすることがたいせつである。

(5) この段階では,手足をよごしたり,ときにはけがをしたりすることがあるので,危険の防止やよごれのあとしまつに注意して指導する必要がある。

(6) この段階では,造形活動のごく基本になる色や形や用具・材料の名称については,児童の知っている程度のものがまちがいなく言える程度の指導にとどめる。

(7) この段階では,ほとんどの学習活動が総合的な形で行なわれることが多いので,他の教科の学習や領域の活動との密接な関連を考慮して,指導する必要がある。

第2 中学年

1 目 標

(1) 自由な造形活動を通して表現の喜びを味わい,さらに,その意欲を高めるようにする。

(2) 造形活動のための基礎的能力を養うようにする。

(3) 造形活動を通して,いろいろな材料や用具の使い方にいっそう慣れるようにする。

(4) 教室や身のまわりなどを美しくすることに関心をもつようにする。

2 内 容

(1) 自由な造形的表現を通して,材料や用具の使用に慣れ,表現の意欲を高める。

(2) 造形活動のための準備やあとかたづけをする。

(3) 鉛筆,クレオン,パス類,水絵の具などで,ていねいにかいたり,ぬったりする。

(4) はさみを使って,画用紙や色紙などで簡単な形を切り抜いたり,それをのりで美しくはったりする。

(5) 色紙などを使って,簡単な折り紙,はり絵,ちぎり絵などをする。

(6) 粘土で球などの簡単な形を作ったりする。

(7) ビーズ通しなどで,色を交互に通す。

(8) 自然物や糸・布などで,簡単な模様や飾りを作ったりする。

(9) 画用紙などで紙版画を作って刷る。

(10) 木片などに金づちでくぎを打ちこむ。

(11) 造形活動を通して,基本になる色や形や用具や材料の名をおぼえる。

(12) 自分たちの作ったもので教室を飾る。

(13) 持ち物の模様や色などに関心をもつ。

3 指導上の留意事項

(1) 低学年のところで述べた「指導上の留意事項」は,この段階でも考慮する必要がある。

(2) この段階では,少しずつ目的的な造形的表現をするようになってくるから,児童が造形活動をする場合には,目的に応じた材料や用具の選び方や造形的な基礎的技術についての指導を加えていく必要がある。

(3) この段階では,児童の造形的な活動がだんだん活発になり,それにつれて多量の材料を使うようになってくるので,材料をむだにしないように指導することが必要である。また,経済的な観点から,家庭や学校などから出る不用品や廃物品を,必要に応じて,活用することもたいせつである。

(4) この段階では,日常生活のなかで,どこでも見られる材料や用具の名称,造形的な活動のなかでよく使われる用語などについて,正確に指導する必要がある。

第3 高学年

1 目 標

(1) 造形的な表現を通して,作品完成の喜びを味わせ,表現についての自信を高めていくようにする。

(2) 造形活動を通して造形的な表現の基礎的能力を身につけさせる。

(3) 造形活動を通して,いろいろな材料や用具の特色に応じた使い方に慣れさせる。

(4) 美しい風景や作品などに触れさせて,美に対する関心を高め,環境の美化に役だたせる。

(5) 共同製作などを通して,人と協力したり,分担した役割などを責任をもって果たせるようにする。

2 内 容

(1) 造形活動によって自分の意図したものが表現できる喜びを味わう。

(2) 鉛筆,クレヨン,パス類,水絵の具などを必要に応じて使い,自分の意図した表現をする。

(3) 画用紙,厚紙,または,糸,布などで簡単なものを作る。

(4) 粘土で動物などの形を作り,色をぬったり,焼いたりする。

(5) ゴム板,リノリゥム板などを彫刻刀で彫り,それを使って版画を刷る。

(6) ビーズなどでごく簡単なものを作る。

(7) のこぎりやきりなどを使って,ごく簡単な木工品を作る。

(8) 針金,板金などを使って,ごく簡単なものを作る。

(9) 造形活動に必要な用具や材料の名をおぼえ,その使い方に慣れる。

(10) 美しい風景や作品に触れる。

(11) 教室の掲示物や飾りなどの配置や配色に関心をもち,教室を美しくしようとする。

(12) 共同製作などで相手と協力する。

(13) 自分の作品とともに他人の作品もたいせつにする。

3 指導上の留意事項

(1) 中学年のところで述べた「指導上の留意事項」は,この段階でも考慮する必要がある。

(2) この段階では,からだや手さきの機能の発達もだいぶ進んでくるので,造形的な表現のための基礎的な技術指導を考慮する必要がある。

(3) この段階では,使用する材料・用具の整理,整とんや管理・手入れなどを,なるべく進んでするよう特に指導する。

(4) 上掲2の内容に掲げる各事項は,これらのすべてをまんべんなく機械的に指導することを意味していない。精神薄弱の児童の特性にかんがみ,ある種の活動を長期にわたって継統的に指導したり,または,共同製作を取り上げて,これに参加させたりするなどの考慮を払うことが必要である。

第7節 家 庭

第1 低学年

1 目 標

(1) 基本的生活習慣をできるだけ身につけるようにする。

(2) 家庭生活の簡単なきまりを守るようにする。

(3) 家族の仕事のじゃまをしないようにする。

2 内 容

(1) 洋服,ねまき,ンヤツなどの,簡単な衣服の着脱をする。

(2) 脱いだものをだいたいたたむ。

(3) 上着と下着の区別をする。

(4) はきものがはける。

(5) よくかんで食べる。

(6) なるべくこぼさないようにして食べる。

(7) なるべく好ききらいをしないようにする。

(8) 食前に手を洗う。

(9) さじ,はしなどがだいたい使える。

(10) 食事の途中で遊ばないようにする。

(11) 用便を告げ,便所へ行く。

(12) 排便のしまつがだいたいできる。

(13) できるだけ便所をよごさない。

(14) 戸を締めて用便をする。

(15) 用便後,手を洗う。

(16) 早寝・早起きをする。

(17) ひとりで寝る。

(18) 寝まきをきかえて寝る。

(19) 寝床にはいったら騒がないようにする。

(20) 寝る前に便所へ行く。

(21) 朝晩,歯をみがく。

(22) 顔を洗う。

(23) 手足がよごれたら洗い,ぬれたらふくようにする。

(24) 鼻じるが出たらかむ。

(25) 家庭の言いつけをできるだけ守る。

(26) できるだけ,はきものをそろえるようにする。

(27) できるだけ,使ったもののあとかたづけをする。

(28) 電気器具,ガスのせん,マッチ,刃ものなどの危険物にさわらないようにする。

(29) 家庭でたいせつにしている物や金銭など,かってに触れないようにする。

(30) ふすまや障子などを破らないようにする。

(31) 家の内外の危険な場所で遊ばないようにする。

(32) だまって遊びにいかないようにする。

(33) 家族の人が仕事をしているときは,じゃまをしない。

3 指導上の留意事項

(1) この段階から家庭の目標や内容を掲げた理由は,精神薄弱の児童・生徒を教育していく場合,特に基本的な生活習慣を身につけさせるための指導が重要であり,また,その指導は,幼少のころから適切に行なわれなければならないからである。すなわち,基本的な生活の習慣や態度を養うということは,あらゆる教育指導の土台となるものであり,また,その成果を真に決定づけるかぎともなるからである。

したがって,以上の点をよく理解して,この段階から適切な指導を行ないうるよう,あらかじめ計画をたてるようにしなければならない。

なお,家庭の内容は,特に個人的,家庭的な生活の指導すべき事項に限り,これと社会における集団的,社会的な生活の指導すべき事項とあいまって,身辺生活の処理能力と社会的適応能力の向上を図っていくよう考慮されていることにも留意する必要がある。

(2) 家族や周囲のものたちは,とかく精神薄弱の児童を保護しすぎたり,あるいは,放任的でありすぎたりしやすいものであるから,その指導にあたっては,特に,家庭との密接な連絡を図る必要がある。そして,親や兄姉などに対しても,その指導方法をじゅうぶん理解させるように努め,その協力を得ることがたいせつである。

(3) この段階では,手さきの器用さもまだじゅうぶんてない場合が多いので,衣服やくつなどは,できるだけ着脱の容易なものを選んで使用させることが望ましい。

また,基本的な生活習慣を身につけさせるための指導においては,一度にあまり多くのことがらを取り扱うようなことは避け,少しずつ順序をおって,折り目正しく行なっていくことが必要である。また,反復練習を行なわせて,あせらず長い目で指導していくことがたいせつである。

(4) 基本的な生活の習慣や態度を身につけさせるためには,特に,学校行事等のなかの保健体育的行事の「宿泊訓練」の機会や「寄宿舎生活」の場などを利用することがきわめて効果的であるから,綿密な計画のもとに,これらの場や機会を有効に利用して,適切な指導を行なうようにすることが望ましい。

(5) 「家庭」の指導においては,他教科,ことに社会,図画工作,体育および道徳の指導との密接な関連に留意する。

このことは,中・高学年の場合においても考慮されなければならない。

第2 中学年

1 目 標

(1) 基本的な生活習慣をだいたい身につけるようにする。

(2) 家庭の簡単なきまりがわかり,それを守るようにする。

(3) 身近な人と親しみ,家族や近隣の人などにできるだけ迷惑をかけないようにする。

2 内 容

(1) 衣服の着脱をする。

(2) 脱いだものをたたむ。

(3) 上着,下着の前後,表裏の区別をする。

(4) くつの左右を区別し,かがとを踏まないではく。

(5) よくかんで,こぼさないように食べる。

(6) なるべく好ききらいをしない。

(7) 食前には必ず手を洗う。

(8) さじ,はしなどが使える。

(9) 行儀よく食べる。

(10) 便所へはいるとき,ノックをして戸をあけ,きちんと締める。

(11) 用便後必ず手を洗う。

(12) 早寝・早起き,ひとり寝などができる。

(13) なるべく自分で寝まきやふとんなどのしまつをする。

(14) 寝る前や夜中にひとりで便所へ行く。

(15) 朝,晩の歯みがき,洗面を必ずする。

(16) 手足がよごれたら洗い,ぬれたらふく。

(17) 真じるが出たらすぐかむ。

(18) いつもハンカチ,はな紙などを忘れないようにする。

(19) 髪をといたり,洗ったりする。

(20) 家族の言いつけを守る。

(21) はきものをそろえてあがる。

(22) できるだけ戸のあけ締めに気をつける。

(23) 使ったもののあとかたづけをする。

(24) 電気器具,ガスのせん,マッチ,刃ものなどの取り扱いの危険なことがわかり,かってに触れないようにする。

(25) 家族のたいせつにしている物や金銭などに,かってに触れない。

(26) 家の内外の危険な場所がわかり,また,それに気をつけるようにする。

(27) 遊びにいくときは家の人に告げる。

(28) ラジオ,テレビなどを家族の人たちといっしょに楽しむ。

(29) 人の来訪が告げられる。

(30) はたき,ほうき,ぞうきんなどを使ってよごれたところをきれいにする。

(31) その他,簡単な手伝いやお使いをする。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,知的活動をともなう学習にもまして,基本的な生活習慣や態度を確立していく上に,重要な時期であることに留意し,その指導をいっそう徹底させるようにする。また,この段階では,その内容をひととおり身につけさせるようにし,能力に応じた手伝いやお使いなどの活動を通して,家族の一員としての位置づけや働く習慣の素地もつくっていくようにする。

(2) この段階は,すでにある程度身についた生活習慣や態度がくずれやすくなるときでもあるので,それを防ぐためにも,家庭連絡簿や日課表を作成し,利用するなど,効果的な指導方法をくふうすることが望ましい。このことは,高学年の場合にも適用する。

第3 高学年

1 目 標

(1) 基本的な生活習慣を,しっかり身につけるようにする。

(2) 家庭生活での家族の役割がだいたいわかり,自分の役割をできるだけ果たすようにする。

(3) 家族や近隣の人などと親しみ,家庭生活をできるだけ楽しくするようにする。

(4) 家庭生活における基礎的な技能を養い,簡単な手伝いなどをするようにする。

2 内 容

(1) 衣服の着脱をきちんとする。

(2) 下着のとりかえや,自分の衣服のしまつをする。

(3) ほころびやよごれに注意する。

(4) はきものをきちんとはく。

(5) 運動や作業にふさわしい服装をする。

(6) 作法を守って楽しく食事をする。

(7) きまった時間以外に間食をしないようにする。

(8) 便所の使い方を守って用便をする。

(9) 寝まきを着がえ,衣服のしまつをして静かに寝る。

(10) 自分でふとんのあげおろしをする。

(11) ていねいに歯みがきや洗面をする。

(12) 手足をきれいに洗ったりふいたりする。

(13) 鼻じるが出たら,すぐきれいにかむ。

(14) ハンカチ,はな紙などを忘れないようにする。

(15) 自分で散髪にいったり,髪の手入れをしたりする。

(16) つめをのばしたり,耳あかをためたりしないようにする。

(17) ふろでからだを洗ったり,ふいたりする。

(18) 家庭内のきまりを守る。

(19) 戸のあけ締めや戸締まりに気をつける。

(20) 自分の持ち物をできるだけ整とんする。

(21) 家庭内にあるいろいろな危険物の取り扱いに注意し,危険な場合は家族に知らせる。

(22) 家族のたいせつにしている物や金銭の取り扱いに気をつける。

(23) 外出する時は,家の人に行きさきを告げる。

(24) 家族のだんらんに参加する。

(25) ハンカチ,くつ下などの洗たくや,簡単なボタンつけをする。

(26) はたき,ほうき,ぞうきんなどを使って,そうじをする。

(27) 食事の準備,あとかたづけなどの手伝いをする。

(28) その他,簡単な手伝いやお使いをする。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,基本的な生活習慣が確実に身につくようになるまで指導する。

(2) 洗たく,そうじ,手伝いなどの生活技術は,学校である程度やれる自信をつけさせ,さらに,それが家庭で生かせるような場面を積極的に設けるよう,保護者との連絡を,じゅうぶんに保つようにすることがたいせつである。

(3) この段階では,基本的な生活習慣のそれぞれの意味や,家庭における家族のそれぞれの仕事や役割などを,できるだけ理解して,規律のある生活が送れるように指導することが望ましい。

第8節 体 育

第1 低学年

1 目 標

(1) いろいろな運動や遊びを喜んでするようにする。

(2) 皆といっしょに仲良く遊んだり,運動したりすることができるようにする。

(3) あぶない遊びなどを避けて,安全に運動ができるよう気をつける態度を養う。

(4) 食べ物に気をつけたり,からだをできるだけ清潔にする習慣を養う。

2 内 容

(体育)

(1) 担任の指示によって1列に並ぶ。

(2) 1列に並んで歩く。

(3) 次のようなごく簡単な徒手体操をする。

ア しゃがんだり,立ったりする。

イ 足を前後,左右に開く。

ウ 両足をそろえてとんだり,片足で立ったりとんだりする。

エ 腕を振ったり振り回したりする。

オ 片手をすりあげながら,からだを左右に曲げる。

カ しゃがんで歩いたり,いざって歩いたりする。

キ 息を大きく吸ったり,吐いたりする。

(4) ぶらんこに乗ったり,すべり台ですべったりする。

(5) マット遊びでゆりかごなどをする。

(6) 低鉄棒などにぶらさがって遊ぶ。

(7) コースにそってかける。

(8) かけっこをする。……(約30m)

(9) 同じ調子でかけ足をする。……(約1分間)

(10) ボールをころがしたり,投げたりする。

(11) リズミカルな音楽にできるだけ合わせて歩く。

(12) 動物や乗り物などのごく簡単な模倣遊びをする。

(13) 簡単な鬼遊びをする。

(14) すもう遊びをする。

(15) 水遊びをする。

(保健)

(16) からだのよごれに気をつけ,手足や顔などを清潔に保つようにする。

(17) 病気になったときは,親や先生などの言うことを聞く。

(18) いちどにたくさん食べすぎないようにする。

(19) よくかんで食べることに慣れる。

(20) かびのはえたものや,腐ったものを食べたりしないようにする。

(21) 健康診断や予防接種をいやがらずに受けるようにする。

(22) 小石やガラス玉,硬貨などを口や耳に入れないようにする。

(23) 遊びや運動のとき,おしたり,ついたり,わるふざけをしないようにする。

(24) マッチや刃物など身近にある危険なものなどがわかる。

3 指導上の留意事項

(1) この段階の児童は,遊びを中心とした指導により,抑圧された気持ちを除去するように努め,簡単なゲーム等により,集団活動に参加しようとする意欲を育て,その素地を養うようにする。

(2) 精神薄弱の児童は,肢体不自由,病弱・虚弱,てんかん等をあわせもっているものが少なくないことに注意し,医師と密接な連絡を保って,その治療や機能の訓練に努めさせるようにする。

(3) 精神薄弱の児童は,一般的に身体に柔軟性がなく,動作が綬慢で,また,運動機能にも劣るものが少なくないので,その指導にあたっては,あらかじめ個々の児童の身体的特徴をじゅうぶんはあくするようにすることがたいせつである。

(4) この段階では,わるふざけや不注意などによって起こる事故の発生防止に特に注意する必要がある。

(5) 上掲2の内容に掲げる(3)の各事項は,徒手体操の範囲や程度の例を示したものである。したがって,その指導にあたっては,この例を参考とし,各種の方法をくふうして行なうようにする。このことは,中・高学年の指導の場合においてもそのまま適用する。

第2 中学年

1 目 標

(1) いろいろの簡単な運動を行なわせることによって,基礎的な運動能力を養う。

(2) きまりを守ってみんなと仲よく運動する態度を養う。

(3) 運動と関連した健康・安全についてのきまりを守る態度や習慣を養う。

(4) 食べものに気をつけたり,からだを清潔にする習慣を養う。

2 内 容

(体育)

(1) 1列にまっすぐ並んだり,2列に並んだりする。

(2) 1列や2列に並んで歩く。

(3) 次のような簡単な徒手体操をする。

ア しゃがんだり,背伸びしたりする。

イ 足を前後,左右に大きく開く。

ウ 両足または片足で,その場でとんだり,とんで移動する。

エ 腕を前後・左右に振ったり,回したりする。

オ 腕を前や横や上に,あげたりさげたりする。

カ 片手をすりあげながらからだを左右に曲げる。

キ 腕を左右に振って首やからだを回す。

ク いざって歩るくとき,腕の力だけで前進する。

ケ 息を大きく吸ったり,吐いたりする。

(4) ぶらんこに乗ってひとりでこぐ。

(5) マット遊びで横回りや前回りをする。

(6) 低鉄棒で足をかけて振ったりする。

(7) 平均台を渡ったり,平均台の上で簡単な動作をする。

(8) 雲ていやはんと棒を使って遊ぶ。

(9) とび箱遊びをする。

(10) かけっこをする。……(約50m〜80m)

(11) 同じ調子でかけあしをする。……(約3分間)

(12) 両足をそろえて立ち幅とびをする。

(13) 片足ふみきりで幅とびをする。

(14) ボールを投げたり,ついたりする。

(15) 音楽に合わせて歩いたり,走ったりする。

(16) かごめかごめなどの簡単な歌を伴う遊びをする。

(17) 動物や乗り物などの模倣遊びをする。

(18) こども用の自転車に乗る。

(19) 助けられて,初歩の水泳をする。

(20) 鬼遊びをする。

(21) 片足ずもうなどをする。

(22) ころがしドッチボールをする。

(23) 綱引きや球入れなどをする。

(保健)

(24) からだのよごれに気をつけ,手足や顔などを清潔に保つ。

(25) 健康診断に関心をもつようにする。

(26) けがや病気のとき,すぐ手当を受けるようにする。

(27) 好ききらいをしないで何でも食べるようにする。

(28) 外出から帰ったときなどにうがいをする。

(29) 予防接種をいやがらずに受けるようにする。

(30) 遊びや運動のとき,おしたり,ついたり,わるふざけをしないようにする。

(31) 遊びや運動する場所の小石や危険物を取り除くようにする。

3 指導上の留意事項

(1) 低学年のところで述べた「指導上の留意事項」は,この段階においてもそのまま適用する。

(2) この段階では,意思の交換ができる能力や自他の関係を理解する力などを伸ばすために,特に,集団的に行なう活動を重視し,できるだけ望ましい人間関係の育成に努めるようにする。

第3 高学年

1 目 標

(1) 能力に応じた運動を行なわせることにより,身体の諸機能の調和的な発達を図るようにする。

(2) 簡単な競技やゲームを行なわせ,ルールを守り,互いに助け合う態度を養う。

(3) 運動やゲームなどにおいて,最後まで努力する態度や持久力を養う。

(4) 健康,安全に注意する態度や習慣を養い,保健に関する初歩的知識をもたせるようにする。

2 内 容

(体育)

(1) 1列に正しく並んだり,2列にまっすぐ並んだりする。

(2) 1列や2列に並んで,正しい姿勢で歩く。

(3) 次のような徒手体操をする。

ア ひざを浅く深く曲げたり,伸ばしたりする。足を左右に開閉してとぶ。

イ 腕を前・横・上にあげたり,下げたりする。うちそとおよび前とうしろに回旋する。

ウ 首を前後左右に曲げる。左右に回す。

エ 体を前後,左右に曲げる。左右に回す。腕立てふくがをする。

オ 大きく息を吸ったり,吐いたりする。

(4) マット運動で連続して横回り,前回りをする。

(5) 平均台運動で,片足で立ったり,簡単な動作をする。

(6) 低鉄棒を使って簡単な運動をする。

(7) 懸垂腕まげを少しする。

(8) ごく簡単なとび箱運動をする。

(9) かけっこをする。……(約80m〜100m)

(10) 皆でそろってかけ足をする。……(約5分間)

(11) 約1時間歩く。

(12) 助走をつけて幅とびをする。

(13) 高とびをする。

(14) スキップ歩きをする。

(15) なわとびをする。

(16) ボールを投げたり,受けたりする。

(17) 初歩の水泳をする。

(18) こども用の自転車に乗る。

(19) 簡易化したベースボールやドッチボールなどをする。

(20) 簡単なリレーをする。

(21) 簡単なフォークダンスをする。

(22) 綱引きや球入れなどをする。

(保健)

(23) 身体や身の回りの清潔に気をつけるようにする。

(24) 暑さ寒さに気をつけるようにする。

(25) 疲れたときなどには適当な休養をとるようにする。

(26) 健康診断のたいせつなことを知り,病気があったら治療を受けるようにする。

(27) 発熱,吐きけ,頭痛など,からだの調子の悪いときには,すぐ親や先生に話すようにする。

(28) 食べすぎや寝冷えなどをしないように気をつける。

(29) うつる病気とうつらない病気のあることを知り,進んで予防接種を受けるようにする。

(30) あぶない遊びや人に危害を加えるようなことをしないようにする。

(31) 運動用具の破損に注意し,危険が起こらないようにする。

3 指導上の留意事項

(1) この段階では,身体の発育や運動機能などに差異が目だってくるので,それらの差異に留意して指導する。

(2) この段階では,特に運動競技やゲームなどにより,集団活動をますます活発にしていくようにする。

(3) 女子は,この段階のころから,しだいにその特性が顕著に現われてくるので,それに応じた指導を考慮するようにする。

第4章 中学部の各教科

第1節 国 語

第1 目 標

1 いろいろな相手や場に応じて,聞いたり話したりする能力をさらに高め,しだいにことばを通して社会生活に参加できるようにする。

2 簡単な話の要点を正しく聞き取ったり,身近な経験を聞き手によくわかるように話すことができるようにする。

3 日常生活においてよく用いられる語句や文などを読んだり,書いたりする能力を,できるだけ伸ばすようにする。

4 将来の職業生活に必要と思われることばに慣れるようにする。

5 ことばを使う能力をさらに高めて,言語生活を向上させ,できるだけ生活にうるおいをもたせ楽しく過ごすようにする。

第2 内 容

1 聞くこと,話すこと。

(1) 人の話を注意して終わりまで聞く。

(2) 簡単な話の要点を聞き取る。

(3) 簡単な放送や録音の要点を聞き取る。

(4) 指示や説用などを正しく聞き取り,それに従って行動する。

(5) 物語などを聞いて,喜びや悲しみなどを感じる。

(6) 相手や場に応じたあいさつをする。

(7) 相手や場に応じた話し方をする。

(8) 相手のいうことをよく聞いた上で話す。

(9) 知りたいことやわからないことは進んで尋ねる。

(10) 人に聞かれた場合,はっきりと応答する。

(11) 伝言を相手に正しく伝え,まちがいなく取り次ぎをする。

(12) 経験したことについて説明する。

(13) 見たり,聞いたりしたことの要点を話す。

(14) 学級会,生徒会などで自分の意見を人にわかるように話す。

(15) 実習の時などにおいて,作業に必要なことばの聞き取りや使用に慣れる。

(16) 話し合いのきまりを守って,有効に話し合う。

(17) 映画・劇・物語・放送など,見たり聞いたりして楽しむ。

(18) 教師や目上の人にはなるべく敬語を使って話す。

(19) 必要なときには全国に通用することばを使って話す。

(20) 皆といっしょに劇のせりふのやりとりをして楽しむ。

(21) 電話でのやりとりを確実にする。

2 読むこと,書くこと。

(1) やさしい読み物を読む。

(2) 日常生活に必要な看板,広告,その他の標識,立て札,掲示などをできるだけ正しく読む。

(3) 職業生活や経済生活に必要な伝票,領収書,説明書などがわかる。

(4) テレビ,ラジオなどの番組や列車,バスなどの時刻表がわかる。

(5) 新聞や雑誌などを,見たり,読んだりすることに関心をもつ。

(6) 自分の履歴書を正しく写し書きする。

(7) 簡単な手紙や日記などを書く。

(8) 簡単なメモや作業日誌などをつける。

(9) ひらがなやかたかなや漢字まじりの文を書く。

(10) 適当な大きさの文字で「,」(てん),「。」(まる)などに注意しながら文を書く。

(11) 日常生活においてしばしば触れるローマ字などに関心をもつ。

第3 指導上の留意事項

(1) 中学部においては,日常生活,ことに職業生活や経済生活に適応していくために必要な言語指導に重点をおき,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことのすべてにわたって,指導に一応のまとまりをつけるようにする。

(2) いろいろな実習などの具体的な場面において,相手の意図をできるだけまちがいなく聞き取ったり,読み取ったりすることと,自分の思うことの主旨をできるだけ相手にわかるよう話したり,書いたりするよう指導することが望ましい。

第2節 社 会

第1 目 標

1 学級におけるいろいろな活動を通して,自分の意見を述べたり,人の立場を理解して,互いに協力しあう態度を身につけるようにする。

2 自分も社会の一員であることを知り,年令や性別などにふさわしい行動や態度をとることができるようにする。

3 学校や地域社会などにおけるきまりやしきたりなどを知り,それらに適応できるようにする。

4 公共の施設やその他の機関などについて,そのはたらきを知り,必要に応じてこれらを利用できるようにする。

5 身近な生活を通して生産,流通,消費などに関する基礎的な事がらを理解させ,これらに関する諸施設を利用できるようにする。

6 社会における大きなできごとや行事などを通して,国にはいろいろな法律が定められていることを知り,これらを守らなければならないことがわかるようにする。

7 遠足や旅行,視聴覚教材などを通して,見聞を広め,社会生活に対する経験をいっそう豊かにするようにする。

第2 内 容

1 学級会や生徒会などで次のような活動をする。

(1) 自分の意見をはっきり述べる。

(2) 他人の意見をよく聞き,相手の立場を理解する。

(3) 話し合いでものごとを決める。

2 家庭,近隣などの学校以外のいろいろな行事や集団生活に,できるだけ参加するようにする。

3 悪い遊びをしたり,よくない仲間にはいらないようにする。

4 目上の人や来客などに,ていねいなことばや態度で応待する。

5 男子と女子の役割に違いのあることを知り,それぞれにふさわしい行動や態度をとる。

6 学校のきまりを守り,また,学級会や生徒会などで,自分たちの生活に必要なきまりを話し合って決める。

7 地域社会のしきたりなどを知り,それに従う。

8 交通規則や公衆道徳などを守る。

9 切手やはがきを買ったり,速達や電報を頼んだりする活動などを通して,郵便局のはたらきを理解し,それを活用する。

10 電話のはたらきがわかり,必要に応じてこれを利用する。

11 簡単な外傷や病気ならひとりで診療所や病院などに行くことができる。

12 危険なものごとを発見したとき,警察や消防署に知らせるなど,適当な処置をとる。

13 必要に応じて,乗り物の時刻表や料金表がだいたいわかる。

14 簡単な地図をたよりにして,目的地に行く。

15 乗り換えがあっても,交通機関を利用して目的地に行く。

16 地域のデパート,劇場,公園などのおもな建物や施設を知る。

17 いろいろな商店で売っている品物の種類と値段がだいたいわかり,ひとりで買い物をする。

18 工場の見学などを通して,物がつくられていく過程や様子を知る。

19 身近な生活を通しておもな職業の種類とそれらのはたらきを知る。

20 収入によって計画的に生活をたてることと貯蓄の必要を知る。

21 勤労に対して報酬が得られることを知る。

22 祝祭日の意味がだいたいわかる。

23 選挙の意味がだいたいわかり,学級会や生徒会などの役員の選挙などに参加する。

24 税金の意味がだいたいわかる。

25 未成年者に禁じられていることがわかり,それらを守る。

26 ごく身近な具体的なことがらを通して,法律の意味がわかる。

27 遠足や旅行などの機会を通して,おのおのの土地の模様や人々の生活の様子などについて,関心や理解をもつ。

28 新聞,ラジオ,テレビ,映画,雑誌などを通して,日本や世界の大きなできごとなどに対する見聞を広げ,また,それらに対する関心を深める。

第3 指導上の留意事項

1 この段階では,現実の社会生活や職業生活に関連した指導すべき事項がきわめて多いから,これらの事項の指導にあたっては,個々の生徒の能力に応じて,実際的な問題の解決や処理ができるようにすることが必要である。

2 生徒個々の能力に応じて,それぞれに対し自分自身の考え方や判断力を高め,それ相応の自己反省ができるよう指導していくとともに,社会人としての自覚と自信をもって,卒業後の生活を営みうるような態度や能力を養うように努める。

3 能力の低い生徒に対しても,卒業後の社会生活において,かれらが最少限必要とするであろうと思われる事項に関しては,できるだけ生きた知識や技能・態度として,しっかり身につけさせるように指導することがたいせつである。

4 なお,上掲第2の内容に掲げる各事項は,他教科および道徳の指導すべき事項との密接な関連を図かって取り扱っていくとともに,また,特別教育活動および学校行事等における,さまざまな活動の行なわれる場や機会を適切にとらえて,有効な指導形態のもとで指導するようにするなど,いろいろとくふうする必要がある。

第3節 数 学

第1 目 標

1 いろいろな生活の場面には,数量的な事がらのあることを理解させ,日常生活の数量的処理に必要な簡単な計算やその他の技能を身につけさせる。

2 職業生活に参加し,消費生活を合理的に行なうために必要な数量的処理の態度や技能を身につけさせる。

第2 内 容

1 数の範囲を広げ,数えたり,読んだり,書いたり,加法・減法の計算を正しくしたりするようにする。

2 そろばんを使って,簡単な加法や減法ができる。

3 具体的な事がらの扱いを通して,簡単な乗法・除法の意味とそれを用いる場合について理解する。

4 具体的な事がらの扱いのなかで,長さや重さや容積などをはかる単位を知り,いろいろな測定の用具の使い方に慣れる。

5 具体的な生活を通して,時計で時刻や時間がわかる。

6 具体的な生活のなかで,暦がつかえる。

 年号。1月=30日,31日。 1年=12月。 1週=7日。

7 具体的な生活のなかで,温度計(寒暖計・体温計)の使い方がわかる。

8 三角定木やコンパスを使って,簡単な図形がかける。

9 身切かな生活に必要な範囲の金銭の処理ができる。

10 簡単なこづかい帳をつけたり,郵便局などで,貯金の出し入れができる。

11 簡単な伝票・請求書・領収書などの意味がわかり,それに使われる漢数字などが読める。

12 物のねだんや割引・損得などの意味がだいたいわかる。

13 乗り物などの時刻表が読める。

14 簡単な棒グラフなどを読んだり,書いたりすることができる。

第3 指導上の留意事項

1 上掲第2の内容に掲げる各事項は,単に数学の時間に指導するばかりでなく,職業・家庭その他の教科の学習と密接に関連させ,また,実際生活のあらゆる場面で数量的処理の能力や態度を身につけていくように考慮して指導する。

2 この段階においても,取り扱うべき数の範囲や四則計算における程度などについては,具体的に示されていないが,しかし,それらを取り扱うにあたっては,生徒ひとりひとりの能力や発達の程度をじゅうぶんに考慮し,それに応じて,指導していくようにする。

第4節 理 科

第1 目 標

1 身近な自然の事物や現象に関心を深め,人間生活との関係について知るようにする。

2 身近な生物の飼育・裁培や野外観察などにより,いろいろな生物の生活の様子を知り,広く生物をかわいがるようにする。

3 からだのおもなしくみやはたらきに関心をもち,健康や安全に心がける。

4 身近な生活の中で,できるだけ合理的にものごとを処理する態度を養う。

5 衣・食・住に関する初歩的な知識を習得し,日常の処理に役だてるようにする。

第2 内 容

1 草花などを栽培し,それらがよく育つように手入れや世話などをする。

(1) 学校園や茶園などに春と秋にその時期の種子をまいたり,球根を植えたりして,育ち方が種類によって違うこと,よく育てるためには日がよく当たるようにすること,ときどき水をやらなければならないことなどに気づき,手入れや世話を続けてする。

(2) 種子を取ったり,球根を掘ったりして,一つの種子や球根から多くの種子や球根ができることを知る。

(3) 草木で,さし木や株分けなどを行ない,植物はさし木や株分けなどで,ふやすことができることを知る。

2 家畜や小動物などを飼い,続けてその世話をするとともに,その育ちかたや著しい習性などに気づく。

3 虫を飼ったり観察したりして,その一生の変化などに気づく。

4 観察などを通して身近な生物の冬越しのしかたなどについて知る。

5 四季の天気や気候,土地の様子や方位などを調べる。

(1) 観察などを通して,梅雨,雷,夕立,台風,霜,雪など,季節によって特徴のある気象や現象に関心をもつ。

(2) 太陽,月,星などについて関心を深める。

(3) 温度計を正しく操作して,気温を測ることができる。

(4) 気温を測り,それが1日のうちでも,また,季節によっても変化することに気づく。

(5) 川の水の流れ方などを調べ,川(海)の水のはたらきなどについて知る。

(6) 磁石を使って東西南北などの方位がわかる。

6 自分のからだの発育やからだのおよそのはたらきなどを調べ,健康や安全に心がける。

(1) 健康診断などを通して,体重・身長など自分のからだの成長に気づく。

(2) 鼓動・体温・呼吸などが,運動したときや病気したときには,正常時と違うことを知る。

(3) 栄養不足や過労,不節生などのため,からだが弱っているときには,病気にかかりやすいことを知る。

(4) 回虫や十二指腸虫などの寄生虫を知り,検便の必要やこれらの駆虫法や予防のしかたなどがわかる。

(5) 伝染病は病原体によって伝染すること,病原体は,日光・熱・薬品などによって殺すことができることなどを知り,これを実行するよう努める。

7 日常の食物には,発育と活動に必要な栄養素が含まれていることを知り,一つの種類だけでは,栄養を完全にとることがてきないことがわかる。

8 身近にある毛織物,絹織物,綿製品,ナイロン製品などに使われている繊維の性質に関心をもつ。

9 日常用いられている塗料,防腐剤,防虫剤などのはたらきや使用法などを知る。

10 石油,アルコールその他油の性質や用途について知る。

11 家庭の電気の配線や電熱器具の安全な扱い方がわかる。

(1) スイッチ,コード,ソケットなどのしくみやはたらきを知り,それらを回路に正しくつなぐことができる。

(2) 屋内配線のしかたを知り,安全器,ヒェーズなどのはたらきがわかる。

(3) 家庭の電気器具を安全に扱えるようになる。

12 日常生活で使われるいる簡単な道具のはたらきに関心をもち,その使い方がわかる。

(1) 滑車や歯車などを使っている簡単なおもちゃや道具のはたらきに関心をもち,その使い方がわかる。

(2) てこ,ころ,サイホンなどのはたらきとそれらが使われている場合を知り,それらの使い方がわかる。

(3) 乾電池の両極と豆電球を導線でつなぐと点燈することを知り,これらを使って簡単な道具をくふうして作ろうとする。

13 鉄,鋼,アルミニュウムなど,日常多く使われる金属のおもな性質を知り,その性質に応じた使い方がわかる。

第3 指導上の留意事項

1 上掲第2の内容に掲げる各事項は,生徒が日常生活や実習などの場で,常に使用したり,しばしば見たり,ふれたりするものごとについて,科学的な理解を深め,また,それらを合理的に処理し,さらに日常生活や将来の職業生活に役だて,健康で安全な生活を送ることを最終目標とし,しかも,その目標の達成を図るという観点から選ばれたものである。

また,これらの事項は,いろいろな学習の場面や機会に,比較的容易に観察や実験・観測などができ,あるいは,また,飼育・栽培や製作などが行なえるもののうちから,そのおもなものについて掲げたものである。

したがって,これらの事項を取り扱うにあたっては,それらが確実に身につくように指導していくことが望ましい。

ただし,これらの事項については,必ずしもそれらのすべてにわたり,単独に取り出して指導していく必要はない。

2 上掲第2の内容に掲げる各事項は,特に,職業・家庭,図画工作,保健体育などの学習と密接な関係を有するものであるから,これらの学習との関連をじゅうぶんに考慮する必要がある。また,これらの事項のあるものについては、特別教育活動や学校行事等の実施の機会をとらえて,指導することも望ましいことである。

第5節 音 楽

第1 目 標

1 音楽に親しませ,生活にうるおいをもたせるとともに,余暇利用にも役だてるようにする。

2 よい音楽を進んで聞き,楽しむようにする。

3 せい唱や合奏にいっそうなれさせ,皆と協調する態度を養う。

4 歌う技術を高め,平易な輪唱や合唱にも親しむようにする。

5 生活や作業のなかで音を聞きわける力をいっそう伸ばし,実際生活に役だたせるようにする。

第2 内 容

1 聞くこと。(進んで音楽を楽しむ。)

(1) よい音楽を静かに聞いて楽しむ。

(2) いろいろな種類の音楽を鑑賞する。

(3) よい音楽映画を見たり,音楽会へ行く。

(4) 皆といっしょに学芸会などで音楽を楽しむ。

2 からだを動かす。(リズミカルにからだを動かす。)

(1) いろいろなリズムに合わせてからだを動かす。

(2) 音楽に合わせて,いろいろな運動をする。

(3) 音楽に合わせて,フォークダンスやスクェアーダンスなどをする。

(4) 音楽を聞いて感じたことを創造的にからだの動きで表現する。

3 器楽。(多くの楽器を合わせて奏する。)

(1) 木琴,ハーモニカ,たて笛,オルガンなどを奏する。

(2) リズム楽器や旋律楽器を使って合奏することを楽しむ。

(3) 楽器の取り扱いに注意し,手入れを確実にする。

4 歌うこと。(やや,音楽的な歌い方になれる。)

(1) 音の強弱,音程,リズム,発音などに気をつけ,できるだけ正しく歌う。

(2) 伴奏を聞きながら,声を合わせて,できるだけきれいにせい唱する。

(3) 簡単な輪唱や合唱をする。

5 音を聞きわける。

(1) いろいろな楽器の音色を聞きわける。

(2) 日常生活のなかにあるいろいろな音やリズムに関心と注意を向け,その聞きわけができる。

(3) 種々の音楽的経験によって得た聴感覚を,いろいろな作業の上に役だてる。

第3 指導上の留意事項

1 この段階では,音楽的経験の場を,単に学校生活のなかだけに求めず,家庭や社会における,いろいろな場での,いろいろな音楽にも親しませ,生徒の音楽的経験をできるだけ豊かにするように指導する。なお,音楽の学習で身についたことがらを余暇利用に役だて,できるだけ生活にうるおいをもたせるように指導していくことが必要である。

2 この段階の合唱やその他の歌唱の教材は,ちょうど生徒が変声期にあることを考慮して,選択する必要がある。なお,この段階の生徒は,一般に青年前期の特性として感受性が高まってくるから,精神年令に即した指導よりも,むしろ生活年令に即応した指導に重きをおき,成人向きの音楽も必要に応じて取り入れるように考慮する。

3 この段階においては,音楽のなかにあるいろいろなきまりや約束ごとを,かれらの理解力に即して習得させるようにし,しかも,それにより,できるだけ楽しい音楽的表現ができるように指導する。

4 この段階における音楽の指導においては,できるだけ他教科や道徳の学習との密接な関連を図るように心がけることはもちろん,特に,職業・家庭の分野においては,音楽の学習で得た力を役だてていくようにする。たとえば,作業場などでミシンやモーターその他の機械の音の調子を聞きわけ,作業の能率と安全に役だてていくことなどである。

なお,特別教育活動や学校行事等の活動との関連もじゅうぶんに考慮する必要がある。

第6節 図画工作

第1 目 標

1 造形活動を通して,造形的な表現意欲を高め,創作の喜びを味わわせる。

2 造形的な表現のための材料,用具や技法の範囲をいっそう広げ,造形的な表現能力を養う。

3 造形的技能を簡単な修理や美化などに役だたせるようにする。

4 余暇を有効に使うために,造形的な能力を活用するようにする。

5 造形活動を通して,職業生活に役だつ造形的な能力や態度を養う。

第2 内 容

1 造形的な活動によって,自分の意図したものを表現することに喜びと自信をもつ。

2 製作題材や材料の扱い方や用具の使用法がやや困難な場合にも進んで製作をやり通す。

3 できるだけ合理的に材料や用具を使う。

4 木材や石材,コンクリートや金属などの材料を使ってものを作る。

5 のこぎり・かんな・のみ・なたなどの工具の使い方に慣れる。

6 ペンチ・ねじまわし・ハンドドリル・グライダー・いとのこ機・ミシン・簡単な織機・編み機などの使用に慣れる。

7 塗料や接着剤などの利用に慣れる。

8 身近な器具や用具などの修理ができる。

9 絵画・版画・手芸品・工芸品などを見たり,作ったりして,余暇を楽しむ。

10 共同製作などで相手と協力する。

11 自分の作品とともに他人の作品もたいせつにする。

12 自他の作品のできばえに関心をもつ。

13 自分のへやや教室などの配置・配合や装飾をくふうする。

14 造形的な能力を将来の職業生活に活用するための基礎的な扱いもする。

15 けがをしないように注意する。

第3 指導上の留意事項

1 この段階では,生徒の体力や手さきの器用さがいっそう発達してくるので,小学部の造形活動において,身についた造形的な能力を,いっそう伸ばしていくようにする。

2 この段階における造形活動においては,色や形や質,あるいは種類や用途などの,違ったさまざまな材料や用具を使ったり,また,比較的その取り扱いが困難で,複雑な,工具や機械を使用したりする必要が生じてくる。したがって,それに応ずるため,できるだけ特別教室などの施設や必要な設備,備品などを整えていくようにするとともに,その活動にあたっては,材料や用具,その他工具・機械などの出し入れ,使用後の保管・手入れなどを確実にするよう指導し,また,危険防止に心がけさせるようにすることがたいせつである。なお,材料や用具などの購入・保管・手入れ,あるいは,製作品などの整理や処理などについては,できるだけ生徒の参加を計画していくことが望ましい。

3 この段階における造形活動は,余暇利用の分野における活動(楽しみのために絵をかくこと,版画や彫塑を作ること,デザインをすること,模型を作ること,作品を鑑賞することなど。)

日常生活的な分野における活動(学習によって得た力を,たとえば学校園や校庭の整備,教室や学校行事が行なわれる会場などの整備や装飾,自分の持ち物や家庭用品,学校備品などの修理などに役だて,また,それらの活動を通して,さらに造形能力を伸ばしていくこと。)

職業技術的な分野における活動(おもに生産的に実用品・装飾品・模型・おもちゃなどを製作すること。)

などに,しだいに分化して指導していくことが必要である。しかしながら,それらのうち,いずれの分野の活動を重視するかは,それぞれ個々の生徒の興味や能力,地域や学校の実態,他の教科や領域の学習や活動との関連をじゅうぶんに考慮して,決定することが望ましい。なお,職業技術的な分野における活動をおもに行わせる場合においては,特に,地域の産業との関係を考慮して,造形活動の趣旨にそった種目や題材・材料を取り上げる必要がある。

4 造形活動を指導していく過程において,しばしば生徒の職業適性を発見しうることがあるから,これらの点についても配慮することが必要である。

第7節 保健体育

第1 目 標

1 健康の保持・増進に必要な知識を与え,自分の健康に注意する態度を養う。

2 各種の運動やゲームを通して,身体諸機能の調和的発達を図り,特に行動のびんしょう性,柔軟性,律動性および耐久力などを養う。

3 ゲームや競技を行なう際のきまりや役割を理解させ,目標に向かって協力して,全力を尽くす態度を養う。

4 健全なスポーツや遠足などに対する興味をもたせ,余暇を利用し生活を豊かにしていく態度を育てる。

第2 内 容

1 体育

(1) 2列に正しく並んだり,4列に並んだりする。

(2) 2列に並んで足なみをそろえて歩く。

(3) 次のような徒手体操がひととおりできるようにする。

ア ひざを浅く,深く,曲げたりする。足を左右に開閉してとぶ。

イ 腕を前・横・上にあげたり振ったり,屈伸したりする。前後,内外に回旋する。

ウ 首を前後,左右に曲げる。左右に回す。回旋する。

エ 体を前後,左右に曲げる。左右に回す。回旋する。腕立て伏がをする。

オ 息を大きく吸ったり,吐いたりする。

(4) マット運動をひととおりする。

(5) 平均台を自由に渡る。

(6) 鉄棒運動でさかあがり,足かけあがりをする。

(7) 懸垂腕まげをする。

(8) 簡単なとび箱運動をする。

(9) 全力で走る。……(約100m)

(10) 皆でそろってかけ足をする。……(約10分間)

(11) 約2時間歩く。

(12) 走り幅とびをする。

(13) 走り高とびをする。

(14) なわとびをする。

(15) 自転車に乗る。

(16) 水泳をする。

(17) いろいろのポール運動をする。

(18) ピンポン,バトミントンなどをする。

(19) いろいろなリレーをする。

(20) すもうをする。

(21) 簡易化した野球をする。

(22) フォークダンスをする。

2 保健

(1) 進んで身体および身辺の清潔に気をつける。

(2) 暑さ寒さに気をつけ,簡単な処置をとる。

(3) 疲れたときなどには,適当に休養をとる。

(4) 健康診断のたいせつなことを知り,悪いところは進んで治療を受けるようにする。

(5) 発熱や吐きけ,頭痛などの調子の悪いときは,様子を正しく訴える。

(6) 簡単なけがや生理の処置を自分でする。

(7) 病気にならないように食べ物や過労などに気をつける。

(8) 予防接種の意義を知り,進んで予防接種を受ける。

(9) 運動器具の使い方や遊び方を知り,けがのない安全な生活を送る。

第3 指導上の留意事項

1 この段階では,身長,体重の急速な発達に心臓の発達が伴わないことがあり,身体の発育が顕著であり,その発育には調和に欠けるところもある。また,第二次性徴も現われてくるので,これらの特性をじゅうぶんに考慮して指導するようにする。

2 上掲第2の内容に掲げる(3)の各事項は,運動の範囲や程度の例を示したものである。

 したがって,その指導にあたっては,この例を参考として,各種の方法をくふうして行なうようにする。

3 この段階では,特に運動・競技やゲームなどを通して,集団活動をますます活発に育成するように努める。

4 肢体の欠陥,病弱・虚弱,てんかん等をあわせもつものが少なくないことに留意し,医師と密接な連絡を保って,その治療や機能の訓練に努めるようにする。

5 保健・安全の指導については,社会,理科,職業・家庭などの教科と密接な関連を図り,学習活動を効果的に行なうように努める。

第8節 職業・家庭

第1 目 標

1 社会の一員となるためには,それぞれの能力に応じた仕事をし,人の役にたつ働きをしなければならないことを知る。

2 職業生活に必要な初歩的な知識や基礎的な技能を習得させ,働くことの喜びを味わい,自信をもつようにする。

3 作業や実習を通して,その仕事における自分の役割を知り,協同と責任を重んずる態度を養う。

4 作業や実習の場所で,健康や安全を守る態度を養い,それに必要な知識や習慣を身につけるようにする。

5 身のまわりのことがらについて,他人の世話にならずに自分で処理することができるようにする。

6 家族のものがそれぞれの役割を果たしていることを知り,互いに協力して家庭生活を楽しくしようとする態度を養う。

7 衣・食・住に関する初歩的な知識や基礎的な技能を身につけ,日常生活の処理に役だてるようにする。

8 時間や物資や金銭などをむだに使わないで,できるだけきまりのある生活をするようにする。

9 余暇をできるだけ有効に過ごし,生活にうるおいをもたせるようにする。

第2 内 容

1 個人や共同の作業や実習を通し,次のような内容について指導する。

(1) 働くことに関心を持ち,進んで仕事に参加する。

(2) 物を作ったり,作業を完成したりすることの喜びを味わい,仕事への自信を高める。

(3) 自分が働くことが人の役にたつことを知る。

(4) 仕事の内容と自分の分担する役割がわかる。

(5) 人の仕事にむやみに手だしや口だしをしないようにする。

(6) リーダーの指示や仕事のきまりなどをよく守る。

(7) 仲間とよく協力する。

(8) むやみに他人の失敗や過失をとがめないようにする。

(9) 仕事をかってに始めたり,無断で作業場を離れたりしないようにする。

(10) 根気よく仕事を終わりまでやる。

(11) ふざけたり,むだ話をしないようにする。

(12) 失敗や過失などはかくさずにすぐ報告する。

(13) わからないことはよく聞きただす。

(14) 失敗や過失はくり返さないように気をつける。

(15) ことばや動作,服装などに気をつける。

(16) 作業場に無断ではいったり,使い方のわからない道具や機械,材料などをかってにいじったりしないようにする。

(17) 危険な場所や物などに注意する。

(18) 故障や危険な状態を発見したらすぐ報告する。

(19) 常にからだの調子に注意する。

(20) 休み時間の意味を知り,有効に使う。

2 地域や学校の実情,生徒の実態等に応じて,次の第1項に述べるような作業のうちから,最も適当と考える種目を選び,実習を中心にして,単なる技能の習熟にかたよらないよう留意し,特に下記の第2項に掲げる事項について指導する。

  (第1項)

(1) 飼育・栽培 (2) 農林・水産加工 (3) わら加工 (4) 紙加工 (5) 木・竹材加工 (6) 金属加工 (7) 石材加工 (8) 粘土・セメント加工 (9) 印刷・製本 (10) 家事手伝い (11) 調理 (12) 手芸・裁縫 (13) その他

  (第2項)

(1) 作業の準備,あと始末,計画など。

(2) 道具・機械・材料等の正しい使い方(手入れ,管理,修理などを含む。)

(3) 道具・機械・材料等の名称や種類など。

(4) 作業に関連する通信・伝達・運搬・売買・記帳・計算・諸届けなどの実務。

(5) 作業に関連する諸施設の利用。

(6) 勤労,賃金,生計などについての基礎的知識。

(7) 作業に関連する用語。

(8) 実習する場合の心得など。

(9) その他

3 「家庭」の分野においては,次の事項を指導する。

(1) 自分で服装を整え,衣服のしまつをする。

(2) いつも清潔な下着をきるようにする。

(3) 暑さ,寒さ,外出などに応じて衣服をかえる。

(4) 作法を守って楽しく食事をする。

(5) 生理のしまつや排せつについてのよい習慣や,便所を使用する場合の作法を身につける。

(6) 就寝,起床時のよい習慣と作法を身につける。

(7) からだを清潔にする習慣を身につける。

(8) 家庭内の整理,整とんに協力する。

(9) 家庭内のきまりを進んで守る。

(10) 家庭内にあるいろいろな危険物を注意して取り扱い,危険な場合には適当な処置をとるようにする。

(11) 外出する時は行く先を告げ,帰宅する時間を守る。

(12) 日常のあいさつがひととおりできる。

(13) 家庭のだんらんに進んで参加する。

(14) 進んでそうじやお使いをする。

(15) 洗たくや簡単な衣類のつくろい,整理などをする。

(16) 食べ物の名称や種類,栄養などのことを知って,簡単な調理をする。

(17) 簡単な器具などの製作や修理をする。

(18) 物や金銭をだいじに使い,目的に応じて貯金する。

(19) 簡単なこづかい帳がつけられる。

(20) 1日の生活のだいたいの予定がたてられる。

(21) 余暇の意味を知り,休日などなるべく楽しく過すようにする。

第3 指導上の留意事項

1 職業・家庭は,精神薄弱の生徒が,将来,家庭生活や職業生活,その他の社会生活を営むために必要な,知識・技能・態度を養う上にきわめて重要な役割を果たすものであるから,他の教科や領域の学習や活動との密接な関連を考慮しながら,特に重視してじゅうぶんに指導していくようにする。

2 作業や実習の選択にあたっては,卒業後の就職のこと,地域や学校の実態,生徒ひとりひとりの特性や能力などをじゅうぶんに考慮し,また,それに即応したものを選ぶようにする。なお,作業量や作業形態,実習期間などについても,適切な配慮をめぐらせ,しかも,それらの作業や実習がきわめて意義深い実践的な活動として,あらゆる教育活動の中核となって,その真価をじゅうぶんに発揮するように努める。

3 職業・家庭においては,男子,女子おのおのの特性を考慮し,しかも,その特性に応じた計画のもとで,適切な指導を行なうようにすることがたいせつである。

4 作業や実習の場においては,それぞれ青年期の特性をじゅうぶん考慮し,反社会的または非社会的な行動におちいることがないように注意するとともに,危害の発生予防にも心がけ,すでに習得したよい習慣や態度,技能が確保され,また,その習熟に努めるように指導することがたいせつである。

第9節 選択教科

養護学校中学部の選択教科は,規則等73条の8第2項の規定により,外国語と職業・家庭を基準とすることになっている。また,中学部において,これらの選択教科を設けることの本来の目的は,生徒ひとりひとりの進路・特性に応じ,さらにその能力を豊かに伸ばしていくところにある。

しかしながら,外国語は,精神薄弱の生徒の場合,これを選択させてもその目標を達成することがきわめて困難であるから,特にこの学習を必要とする生徒を除き,一般に職業・家庭を選択するよう指導することが望ましい。したがって,以上のことと関連して,選択教科としての職業・家庭は,必須教科としての職業・家庭と,必ずしも区別して取り扱う必要はなく,むしろこれらをあわせて授業を行なうよう,あらかじめ計画することがたいせつである。

なお,精神薄弱の生徒に必要な外国語の内容は,きわめてその範囲の限られたものであり,しかもそれは,生徒の社会的自立の達成に役だつ最少限の具体的経験によって占められるべきものであろう。したがって,その内容は,一つの教科としてよりも,国語,社会,職業・家庭等の内容とあわせて授業を行なうほうが効果的な場合が多い。

そのため,養護学校中学部において外国語を取り扱う場合には,以上の点をじゅうぶん考慮することが必要である。

第5章 小学部・中学部の道徳,特別教育活動および学校行事等

第1節 道 徳

第1 目 標

小学校学習指導要領(昭和33年文部省告示第80号)および中学校学習指導要領(昭和33年文部省告示第81号)のそれぞれの「第3章第1節道徳」の目標に準ずるものとする。

第2 内 容

上記の各学習指導要領の道徳の内容に準ずるものとする。(ただし,児童・生徒の知能その他の精神的特性や発達段階等に即応して,適切に指導の重点を定め,また,それをできるだけ具体化するものとする。)

第3 指導計画作成および指導上の留意事項

1 道徳教育の目標は,教育基本法および学校教育法に定められている教育の根本精神に基づくものであるから,小学部や中学部の道徳教育の目標や内容も,小学校や中学校の道徳教育の目標や内容と,基本的にはなんら異なるところがない。 したがって,各教師は,これらの目標や内容に掲げられている各項目の精神にのっとり,また,そのねらいとするところをできるだけ達成するために,上掲第2の内容に掲げられているかっこ内のただし書きに基づいて,適切に道徳教育を行なうものとする。

2 指導計画は,学校の教育活動全体を通して行なう道徳教育の計画の一環として,各教科,特別教育活動および学校行事等における道徳教育を補充し,深化し,統合し,また,これと相互に交流しうるよう組織的,発展的なものでなければならない。

3 指導計画は,固定的なものであったり,融通性がないものであってはならない。学習時はもちろん,登校・下校の時間,学校行事等の実施中などに起こった問題や,身近な生活で起こった時事的な問題等も適宜取り入れ,修正を加えうるよう,弾力性をもたせることがたいせつである。

4 道徳の時間は,児童・生徒の心身の状況に応じ,小学部にあっては1単位時間を数回に,中学部にあっては1単位時間を2,3回に分けて指導することもさしつかえない。

5 児童・生徒の性格・行動の傾向やその道徳性形成に関係のある家庭環境,生育歴,地域の特性や交友関係などに関する資料は,指導計画作成のためにも,指導の効果をあげるためにも,できるだけ多く収集・整理しておき,これを活用することが必要である。

6 指導の効果をあげるためには,家庭や地域の人々との連絡を密接にするとともに,よい学級のふんい気を作るようにすることが望ましい。

なお,児童・生徒のなかには,いろいろな原因から情緒不安におちいるものや自己統制,協調性などに欠けているものが少くないので,特にこの点についてのじゅうぶんな配慮も必要である。

7 教師は,簡単なことがらについても,すべて先頭にたって示範し,また,手をとってわかりやすく指導する懇切さを必要とする。しかし,発達段階が高まるにつれて,徐々に児童・生徒みずからが考え,話し合い,行動し,反省していくように方向づけることがたいせつである。そのためには,あせらず長い目で根気よく指導していくよう努力する必要がある。

8 指導は,広い角度からいろいろな場面,機会,教材等を適切に利用し有効に行なわなければならない。そのためには,具体的で簡単なことがらや問題について話し合いをさせること,教師がわかりやすく,また,納得がいくように説明すること,やさしい読み物を楽しんで読んで聞かせること,紙しばい・幻燈・放送その他の視聴覚教材を利用すること,劇化に訴えること,実践的な活動をさせることなどの諸方法を,適切に組み合わせて用いることが必要である。

なお,児童・生徒の道徳性を高めるための指導においては,教師の一方的な教授や単なる徳目の解説に終わるようなことは,絶対に避けなければならない。

第2節 特別教育活動

第1 目 標

1 児童・生徒の自発的,自治的な活動をできるだけ助長して,自主的な生活態度を養い,社会性の育成を図るようにする。

2 所属する集団の運営に加わり,その向上に役だつことができるようにする。

3 実践活動を通して積極性を養い,個性をできるだけ伸ばし,心身ともに健康な生活が送れるようにする。

第2 内 容

特別教育活動においては,児童・生徒の知能その他の精神的特性や発達段階等に即応して,適宜,学級会活動または学級活動,児童会活動または生徒会活動およびクラブ活動などを行なうものとする。

第3 指導計画作成および指導上の留意事項

1 精神薄弱の児童・生徒は,自主性に乏しいなどの特性があるから,自治的,自発的な活動を積極的に行なわせることは,はなはだ困難である。したがって,上掲の目標を達成するためには,各教科,道徳および学校行事等の学習や活動と密接な関連を図かり,また,それらのあらゆる学習や活動の場や機会に,具体的なことがらについて話し合いができる能力や,互いに協力して仕事や作業をしたり,あるいは,自分に割り当てられた仕事を果たしたりする習慣や態度を身につけるように心がけることがたいせつである。ことに小学部低・中学年の段階においては,教師の直接的な指導のもとで,上記のことがらを身につけるようにし,発達段階が進むにつれて,しだいに教師の直接的な指導がなくても,ある程度の自治的,自発的な活動が行なえるように,できるだけその素地を豊かに築いていくことが必要である。

2 特別教育活動は,児童・生徒の自主的活動を基本とするものであるから,その指導計画作成と実施にあたっては,児童・生徒の自発的な要求を可能なかぎり受け入れるようにし,取り上げるべき種類,時間,方法などについても,かれらの特性や発達の程度に即するよう慎重に考慮する必要がある。また,その計画は,固定的なものであってはならない。特に中学部の段階においては,できるだけ生徒とともにいっそう具体的な実施計画を立てることができるような弾力性・融通性に富むものであることが望ましい。

3 小学部低学年における学級会は,始業開始時における相談や終業時におけるその日の反省など,担任の指導による話し合い程度にとどまるであろうが,中学年の段階では,徐々に学級会に所属するいくつかの簡単な係りの活動を加えて行なわせるようにし,高学年以上の段階では,中学年における係りの活動をさらに高めるとともに,できるだけ自分たちの力で学級内の問題を解決したり,また,児童会や生徒会へ問題を提起したりするような実践的な活動となるように指導する。

4 児童会または生徒会は,あくまで児童または生徒による実践的な活動を基本とするものであるから,その活動が具体的な生活の場面で実際に生かされるものでなければならない。

児童会は,全校の児童で構成されるものであるが,その運営は,おもに高学年の児童によって行なわせ,その活動は,学校生活全体の向上に関係する奉仕活動に重点をおくことが望ましい。

生徒会に所属するいくつかの部(またはこれに類するもの)の種別や数は,できるだけ生徒の希望を入れ,また学校の事情などを考慮し,さらに各部の活動が有機的な関連をもって,学校生活全体を向上しうるような配慮のもとに,決められなければならない。

必要に応じては,中学部の全生徒が集まって生徒会を開くことがあり,また,地域社会との関係において,校外における奉仕活動が行なわれる場合にも考えられるが,それらの際には,学枚行事等との関連に留意するとともに,その教育的価値と限界について配慮する必要がある。

小学部の児童会と中学部の生徒会の関連についてもじゅうぶんに考慮する必要がある。また,可能であれば,ときに児童会と生徒会とが合同で集会をもつことも一つの試みであろう。

5 クラブの種別,数の決定には,児童・生徒の希望,学校の実情,地域社会の特性などをじゅうぶん考慮しなければならない。

どのクラブに参加するかは,児童・生徒の自発性にまつものであるが,その際にも教師の適切な指導が特に必要である。

第3節 学校行事等

第1 目 標

学校行事等は,各教科,道徳および特別教育活動のほかに,これらとあいまって養護学校における教育の目標を達成するために学校が計画し実施する教育活動とし,児童・生徒の心身の健全な発達を図り,あわせて学校生活の充実と発展に資する。

第2 内 容

学校行事等においては,儀式,学芸的行事,保健体育的行事,職業指導的行事,遠足,学校給食その他上記の目標を達成する教育活動を適宜行なうものとする。

第3 指導計画作成および指導上の留意事項

1 精神薄弱の児童・生徒の教育は,具体的,総合的な経験を通して行なうことが必要である。学校行事等は,この必要を満たす上に最も効果的な教育の場や機会とすることができる。したがって,指導計画作成およびその実施にあたっては,各教科,道徳および特別教育活動との関係を考え,それらと密接に関連させて,具体的,総合的に取り扱えるように考慮することがたいせつである。

2 学校行事等の指導計画は,児童・生徒の心身の特性を考慮し,教育的見地から取り上げるべき種類ならびに実施の時期,時間,回数,方法などを決めることが必要である。なお,その計画や実施にあたっては,児童・生徒の負担過重にならないよう留意し,その健康や安全に努めなければならない。

3 地域社会の要請と関連して,学校行事等の計画を作成し実施する場合には,その教育的価値をじゅうぶん検討し,学校全体の教育計画を乱すことのないよう,特に留意する必要がある。

4 学校行事等の計画や実施にあたっては,学校生活に変化を与え児童・生徒の生活を楽しく,豊かなものにするとともに,節度ある態度を育てることなどにじゅうぶん配慮する必要がある。

5 国民の祝日などにおいて儀式などを行なう場合には,児童・生徒に対して,これらの祝日などの意義をできるだけ理解させるようにするとともに,国旗を掲揚し,国歌をせい唱させることが望ましい。

6 学校給食を実施する場合には,給食時において,関係の教科,道徳および特別教育活動との関連を特に考慮して,適切な指導を行なうようにしなければならない。