文部省告示第148号
聾学校学習指導要領高等部編を次のように定めた。
 昭和41年3月5日

文部大臣 中 村 梅 吉



 
聾学校学習指導要領高等部編

目次

第1章 総則
 第1節 聾学校高等部の教育目標
 第2節 聾学校高等部の学科
 第3節 教育課程の編成
 第4節 道徳教育

第2章 各教科・科目
 第1節 国 語        第8節 家 庭
 第2節 社 会        第9節 農 業
 第3節 数 学        第10節 工 業
 第4節 理 科        第11節 理容・美容
 第5節 保健体育      第12節 クリーニング
 第6節 芸 術        第13節 歯科技工
 第7節 外国語        第14節 美 術

第3章 特別教育活動および学校行事等
 第1節 特別教育活動
 第2節 学校行事等

施行期日


 


第1章 総     則

第1節 聾学校高等部の教育目標

 聾学校は,聾者(強度の難聴者を含む。)に対して,幼稚園,小学校,中学校または高等学校に準ずる教育を施し,あわせてその欠陥を補うために,必要な知識技能を授けることを目的としている(学校教育法第71条)。
 したがって,聾学校の高等部にあっては,中学部における教育の基礎の上に心身の発達に応じて,高等普通教育および専門教育を施し,あわせてその欠陥を補うために,必要な知識技能を授けることを目的とする。
 聾学校高等部における教育については,この目的を実現するために,次の各号に掲げる目標の達成に努めなければならない。

1 中学部における教育の成果をさらに発展拡充させて,国家および社会の有為な形成者として必要な資質を養うこと。
2 社会において果たさなければならない使命の自覚に基づき,個性に応じて将来の進路を決定させ,一般的な教養を高め,専門的な技能に習熟させること。
3 社会について,広く深い理解と健全な批判力を養い,個性の確立に努めること。


 
第2節 聾学校高等部の学科

 聾学校高等部の学科は「盲学校及び聾学校の高等部の学科を定める省令」(昭和41年文部省令第2号)によれば,次のとおりである。

 普通教育を主とする学科……普通科
 専門教育を主とする学科……農業科,園芸科,機械科,窯業科,工芸科,デザイン科,印刷科,塗装科,家政科,被服科,理容科,美容科,クリーニング科,歯科技工科,美術科,その他專門教育を施す学科として適正な規模及び内容があると認められる学科


 
第3節 教育課程の編成

第1款 一 般 方 針

1 聾学校高等部の教育課程は,教科,特別教育活動および学校行事等によって編成するものとすることとなっている(学校教育法施行規則(以下「規則」という。)第73条の9)。
2 各聾学校においては,教育基本法,学校教育法および規則,聾学校学習指導要領高等部編,教育委員会規則等に示すところに従って教育課程を編成するものとする。この場合,各聾学校においては,地域や学校の実態を考慮し,各学科の特色を生かした教育ができるよう配慮して,生徒の能力,適性,進路,障害の状態等に即応するように留意しなければならない。
3 生徒の能力,適性,進路等により,高等学校の教科によって教育課程を編成することが適当と認められる生徒にかかる教育課程については,規則第57条別表第3に定める高等学校の教科および教科に属する科目によって教育課程を編成することができるものとする。この場合は,第1章第3節第2款各教科,科目およびその単位数,同第4款各教科,科目の履修および第2章各教科,科目のうち,必要な部分は,「高等学校学習指導要領」(昭和35年10月15日文部省告示第94号)の,それぞれ対応する部分によって読みかえることができる。

第2款 各教科・科目およびその単位数

 規則別表第5によって各教科と各教科に属する科目(以下「各教科・科目という。)が定められているが,各教科・科目の単位数の標準は,次の表のとおりとする。
 この表の単位については,1単位時間50分,1個学年35単位時間の授業を1単位として計算するものとする。

教 科
 
科  目
 
標 準
単位数
教 科
 
科  目
 
標 準
単位数
国 語
 
現代国語 10〜15 工 業























 
造 形 2〜8
古 典 2〜5 工芸史 2〜4
社 会



 
倫理・社会 工芸計画 2〜6
政治・経済 工芸材料 2〜8
日本史 工芸工作 2〜8
世界史 3〜4 塗 装 4〜25
地 理 3〜4 建築一般 2〜4
数 学 数 学 7〜15 デザイン実習 18〜25
理 科


 
物 理 3〜5 造形・意匠 2〜4
科 学 3〜4 造形美術史 1〜2
生 物 3〜4 デザイン 2〜10
地 学 意匠製図 2〜4
保健体育
 
体 育 7〜9 彫 塑 1〜2
保 健 写真・印刷 2〜4
芸 術


 
音 楽 2〜6 印刷実習 10〜25
美 術 2〜6 製版印刷 6〜16
工 芸 2〜6 写真製版 2〜6
書 道 2〜6 印刷機械・材料 2〜8
外国語 英 語 3〜15 図案・製図 1〜2
家 庭












 
家庭一般 写真化学・写真光学 1〜2
被 服 2〜12 工業経営 2〜4
食 物 2〜12 工業概説 2〜4
保 育 2〜6 機械・電気 2〜6
家庭経営
 
2〜6
 
工業に関するその他の科目
 
被服材料 2〜6 理 容・ 美 容









 
衛生法規
被服経理 2〜6 生理解剖・消毒法
意 匠
 
2〜6
 
伝染病・細菌・公衆衛生
 
被服製作 10〜25 皮膚科学
手 芸 3〜15 香粧品化学
家庭に関するその他の科目
 
理美容物理
 

 
農 業


















 
作 物 2〜12 理容理論・実習 18〜25
園 芸 2〜12 美容理論・実習 18〜25
畜 産
 
2〜12
 
理容・美容に関するその他の科目
 
土・肥料 2〜4 クリーニング





 
クリーニング法規
作物保護 2〜4 公衆衛生一般 2〜3
農畜産加工 2〜6 クリーニング理論 8〜10
農業機械
 
2〜6
 
クリーニング機器・装置 2〜3
 
農業土木 2〜4 クリーニング実習 22〜25
農業経営
 
2〜12
 
クリーニングに関するその他の科目
 
野菜園芸 2〜12 歯科技工









 
歯が解剖
果樹園芸 2〜12 有床義歯 11
草花園芸 2〜12 継続架工 11
造 園 2〜12 充てん
農業一般 2〜10 きょう正
総合実習 2〜12 歯科理工
農業に関するその他の科目
 
歯科技工関係法規
 

 
工 業















 
機械実習 10〜25 歯科技工実習 37
機械製図
 
6〜16
 
歯科技工に関するその他の科目
 
機械工作 2〜20 美 術












 
美術理論 3〜9
機械材料 2〜8 美術史 2〜9
窯業実習 10〜25 素 描 4〜15
窯業原料 2〜4 基本造形 4〜12
陶磁器 2〜8 彩 画 4〜12
耐火物 2〜6 版 画 2〜6
ガラス・ほうろう 2〜8 彫 刻 4〜12
セメント 2〜6 デザインA 4〜12
窯炉・燃料 2〜6 デザインB 4〜12
窯業図案 2〜6 製 図 2〜8
工芸実習 10〜25 写 真 2〜4
工芸製図 6〜16 総合実習 2〜4
絵 画
 
2〜10
 
美術に関するその他の科目
 
  その他特に必要な教科・科目

    備 考

1 この表に掲げる「家庭に関するその他の科目」「農業に関するその他の科目」「工業に関するその他の科目」「理容・美容に関するその他の科目」,「クリーニングに関するその他の科目」「歯料技工に関するその他の科目」および「美術に関するその他の科目」は,学科の特質,学校や地城の事情などにより,この表に掲げた科目だけではその学校の教育課程を編成しがたい場合に用いるものとする。この場合において,その科目の名称,目標,内容,単位数等については,その科目の属する教科の目標に基づき,その学校の設置者の定めるところによる。
2 この表に掲げる「その他特に必要な教科・科目」は,農業科,園芸科,機械科,窯業科,工芸科,デザイン科,印刷科,塗装科,家政科,被服科,理容科,美容科.クニーニング科,歯科技工科および美術科以外の学科において,その学科の目標を達成するために必要がある場合に用いるものとする。この場合において,教科・科目の名称,目標,内容,単位数等については,その学校の設置者の定めるところによる。



第3款 特別教育活動およびその授業時数

 特別教育活動においては,主としてホームルーム,生徒会活動およびクラブ活動を実施するものとし,そのうちホームルームに充てる授業時数の標準は,各学年週当たり1単位時間とする。

第4款 各教科・科目の履修

1 全日制の課程(以下この学習指導要領において「本科」という。)のすべての生徒に修得させる教科・科目。

 下記の教科・科目をすべての生徒に修得させるものとする。
(1) 国語の「現代国語」および「古典」
(2) 社会のうち,「倫理・社会」,「政治・経済」,「地理」および「日本史」または「世界史」
(3) 数学の「数学」
(4) 理科のうち2科目
(5) 保健体育の「体育」および「保健」

2 本科における普通科の生徒に履修させる教科・科目およびその単位数
 原則として,下記の教科・科目とそれぞれ下記に示す単位数以上の単位数を含めて教育課程を編成し,すべての生徒に履修させるものとする。

(1) 国 語
ア「現代国語」    10単位
イ「古典」      2単位

(2) 社 会
ア「倫理・社会」   2単位
イ「政治・経済」   2単位
ウ「日本史」     3単位
エ「世界史」     3単位
オ「地理」      3単位

(3) 数 学
 「数学」      7単位

(4) 理 科
ア「物理」      3単位
イ「化学」      3単位
ウ「生物」      3単位
エ「地学」      2単位

(5) 保健体育
ア「体育」      男子9単位,女子7単位
イ「保健」      2単位

(6) 芸 術
 「音楽」,「美術」,「工芸」,「書道」のうちいずれか1科目につき2単位

(7) 家 庭
 女子について「家庭一般」4単位
 ただし,特別の事情がある場合には,2単位まで減ずることができる。

3 本科における専門教育を主とする学科の生徒に履修させる教科,科目およびその単位数
 原則として,下記の教科,科目とそれぞれ下記に示す単位数以上の単位数を含めて教育課程を編成し,すべての生徒に履修させるものとする。

(1) 国  語
ア「現代国語」    10単位
イ「古 典」     2単位

(2) 社 会
ア「倫理・社会」   2単位
イ「政治・経済」   2単位
ウ「日本史」または「世界史」3単位
 ただし,「地理」を3単位以上とするときは,2単位とすることができる。
エ「地理」      3単位
 ただし,「日本史」または「世界史」を3単位以上とするときは,2単位とすることができる。

(3) 数 学
 「数学」      7単位

(4) 理 科
 「物理」3単位,「化学」3単位,「生物」3単位,「地学」2単位のうち,2科目以上について6単位

(5) 保健体育
ア「体 育」     7単位
 男子については,2単位を加えることが望ましい。
イ「保 健」     2単位

(6) 芸 術
 「音楽」,「美術」,「工芸」,「書道」のうちいずれか1科目につき2単位
 ただし,美術に関する学科にあっては,「美術」を除く。
 なお,特別の事情のある場合には,1単位とすることができる。

(7) 家 庭
 女子について「家庭一般」4単位
 ただし,特別の事情がある場合には,2単位まで減ずることができる。

(8) 専門教育に関する教科・科目   35単位
 なお,事情の許す場合には,40単位以上とすることが望ましい。

4 別科における各学科の生徒に履修させる教科,科目およびその単位数
 原則として,国語,社会,数学,理科,保健体育,芸術,外国語および家庭の教科・科目のうち,いずれか3科目以上について,修業年限1年の課程にあっては,10単位以上,修業年限2年の課程にあっては20単位以上,専門とする教科・科目について,修業年限1年の課程にあっては18単位以上,修業年限2年の課程にあっては36単位以上を充てて教育課程を編成し,すべての生徒に履修させるものとする。

5 専攻科における各学年の生徒に履修させる教科・科目およびその単位数
 原則として,国語,社会,数学,理科,保健体育,芸術,外国語および家庭の教科・科目のうち,いずれか3科目以上について,修業年限1年の課程にあっては9単位以上,修業年限2年の課程にあっては15単位以上,専攻する教科・科目について,修業年限1年の課程にあっては20単位以上,修業年限2年の課程にあっては40単位以上を充てて教育課程を編成し,すべての生徒に履修させるものとする。

第5款 特別教育活動および学校行事等

1 特別教育活動
(1) ホームルームについては,各学年において週当たり1単位時間(1単位時間は50分とする。)以上をこれに充てるものとする。
(2) 生徒会活動およびクラブ活動については,学校の実情に即してそれぞれ適当な授業時数を充てるものとする。ただし,別科および専攻科において特別の事情がある場合には,上記(1)の授業時数の一部を生徒会活動やクラブ活動に充てることができる。

2 学校行事等
 学校行事等については,学校の実情に即して適当な授業時数を充てるものとする。

第6款 単位の修得の認定

 学校は,生徒が学校の定める指導計画に従って教科・科目を履修し,その成果が教科・科目の目標からみて満足できると認められる場合は,その教科・科目について,履修した単位を修得したことを認定しなければならない。この場合,1科目を2以上の学年にわたって分割履修したときは,学年ごとにその科目について履修した単位を修得したことを認定するものとする。

第7款 卒業に必要な単位数および授業時数

 学校においては,卒業まで履修させる教科・科目およびその単位数ならびに特別教育活動および学校行事等およびそれらの授業時数に関する事項を定めるものとする。この場合,教科・科目の単位数の計は,本科にあっては,上記第3節第4款の1に掲げる各教科・科目の単位数を含めて85単位以上とし,別科および専攻科にあっては,第3節第4款の4および5に定めるところに従って学校が定める単位数とする。
 校長は,生徒が上記により定められた教科・科目特別教育活動および学校行事等を履修し,その成果が満足であるものと認められる場合は,それぞれ高等部の本科,別科あるいは専攻科の全課程を修了したものと認めるものとする。この場合,教科・科目について修得したものと認定された単位数の計は,本科にあっては,85単位以上でなければならないことになっている(規則73条の13第6項で準用する規則第63条の2)。

第8款 教育課程編成上の留意事項

 教育課程を編成するにあたっては,下記の事項に留意する必要がある。

1 一般的事項
(1) 各教科・科目およびホームルームの授業は,年間35週以上にわたって行なうように計画すること。
(2) 各学年の週当たりの授業時数は,34単位時間を標準とし,原則として,38単位時間をこえないようにすること。
(3) 各教科・科目の授業は,1単位について1個学年35単位時間(1単位時間は50分とする。)に相当する時間を下らないようにすること。

2 普通科における教育課程編成上の留意事項
(1) 生徒の能力,適性,進路,障害の状態等に応じてそれぞれ適切な教育をほどこすため,いくつかの教育課程の類型を設け,そのいずれかの類型を選択して履修させるようにすることが望ましいこと。
 この際,その類型において履修させることになっている教科・科目以外の教科・科目を履修させたり,生徒が自由に選択履修することのできる教科・科目をも設けるように配慮することが望ましいこと。
(2) 生徒の能力,適性,進路,障害の状態に応じて,職業に関する教科・科目を設け,生徒に履修させるように配慮することが望ましいこと。この場合,「被服」,「食物」,「保育」,「家庭経営」,「図案・製図」,「工業経営」,「工業概説」,「機械・電気」,「園芸」,「農業一般」等の科目のほか,第3節第2款の表の備考2に定める「その他特に必要な教科・科目」として,「商業一般」,「商業簿記」,「計算実務」,「レンズ研摩」,「製菓」,「タイプライティング」等に関する教科・科目を設けることも考慮すること。

3 専門教育を主とする学科における教育課程編成上の留意事項
(1) 専門教育を主とする学科のうちのおもなものの目標は次のとおりであるから,それぞれの目標を達成するように教育課程を編成することが必要であること。
ア 農業科
 作物の栽培,家畜の飼育および農業経営に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
イ 園芸科
 園芸作物の栽培に関する知識と技術を習得させ,園芸に関する業務に従事する技術者を養成する。
ウ 機械科
 機械工業に関し,主として,機械工作,板金,鋳造,鍛造,溶接,仕上,組立等に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
エ 窯業科
 窯業に関し,陶磁器,ガラス製品等の製造に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
オ 工芸科
 木材,竹材,とう,金属,プラスチック,ガラス等を材料とする工芸に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
カ デザイン科
 デザインに関する知識と技術を習得させ,各種産業界および社会各般における造形デザインの分野において技術的業務に従事するデザイナーを養成する。
キ 印刷科
 とつ版,平版,おう版等による印刷に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
ク 塗装科
 木材,金属等の塗装に関する知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
ケ 家政科
 家庭経営の立場から家庭生活に関する知識と技術を総合的に習得させ,家庭生活に関する各種の仕事に従事することのできる能力を有する者を養成する。
コ 被服科
 和服,紳士服,婦人こども服等の製作に関する高度の知識と技術を習得させ,これらに関する業務に従事する技術者を養成する。
サ 理容科
 理容に関する知識と技術を習得させ,理容師として理容に関する業務に従事する技術者を養成する。
シ 美容科
 美容に関する知識と技術を習得させ,美容師として美容に関する業務に従事する技術者を養成する。
ス クリーニング科
 クリーニングに関する科学的な処理についての知識と技術を習得させ,クリーニング師として,クリーニング業に従事する技術者を養成する。
セ 歯科技工科
 歯科技工に関する知識と技術を習得させ,歯科技工士として,歯科医療の用に供する補てつ物,充てん物,きよう正装置等の作成,修理,加工に従事する技術者を養成する。
ソ 美術科
 日本画,西洋画,版画,彫刻,デザイン等に関する知識と技術を習得させ,これらに関する制作,教授等の業務に従事する者を養成する。

(2) 専門教育を主とする学科のうち,理容科,美容科,クリーニング科および歯科技工科の教育課程を編成する場合には,それぞれ「理容師法」(昭和22年法律第234号),「美容師法」(昭和32年法律第163号),「クリーニング業法」(昭和25年法律第207号)および「歯科技工法」(昭和30年法律第168号)ならびにそれぞれの関係法令等に示すところに従わなければならないこと。

 *この場合,理容科および美容科料にあっては「理容師法施行令」および「美容師法施行令」に示す「社会」は,社会の「倫理・社会」,「政治・経済」において,「理・美容物理」および「香粧品化学」は,それぞれ理科の「物理」および「化学」において,「公衆衛生」および「生理解剖」は,それぞれ保健体育の「保健」および理科の「生物」において指導することができること。
 また,歯科技工科にあっては,「歯科技工法施行令」に示す「歯科理工」は,理科の「物理」および「化学」において指導することもできること。

第9款 指導計画作成および指導の一般方針

1 学校においては,下記の事項に留意して,各教科・科目,特別教育活動および学校行事等について,相互の関連を図り,全体として調和のとれた指導計画を作成するとともに,発展的,系統的な指導を行なうことができるようにしなければならない。

(1) 各教科・科目,特別教育活動および学校行事等について,第2章以下に示すところに基づき,地域や学校の実態を考慮し,生徒の経験に即応して,具体的な指導の目標を明確にし,実際に指導する事項を選定し,配列して,効果的な指導を行なうようにすること。
(2) 第2章に示す各教科・科目の内容は,標準単位数に基づいて示したものであるが,学校においてこの単位数をこえて単位数を配当する場合には,第2章に示した事項に習熟させることをたてまえとすること。
(3) 学校においては,第2章に示していない事項を加えて指導することをさまたげるものではないが,いたずらに指導する事項を多くしたり,程度の高い事項を取り扱ったりして,教科・科目の目標や内容の趣旨を逸脱し,または生徒の負担過重にならないように慎重に配慮すること。
(4) 第2章において,各教科・科目のうちには特定の学年において履修させることを前提として内容を示したものがあるが,学校において,学科の必要などの事情により,示された学年以外の学年において指導する場合には,生徒の発達段階および経験に即応して必要な配慮を行なうようにすること。
(5) 第2章に示す各教科・科目の内容に掲げる事項の順序は,そのまま指導の順序を示すものではない。学校においては,各事項のまとめ方や順序をくふうして指導するようにすること。
(6) 政治および宗教に関する事項の取り扱いについては,それぞれ教育基本法第8条および第9条の規定に基づき,適切に行なうように配慮しなければならないこと。
(7) 生徒が心身の状況によって履修することが困難な各教科は,その生徒の心身の状況に適合するように課さなければならないこととなっている(規則第73条の第2項で準用する第26条)。
 各学校においては,このような生徒については特別な配慮をしなければならない。特に,聴覚障害以外の他の障害を併せ有している生徒に対しては,各教科の内容を軽減したり,指導方法にくふうを加えたりして,無理なく履修できるよう配慮をすること。
(8) 実習をともなう各教科・科目の指導にあたっては,特に安全と保健に留意すること。
(9) 家庭実習(ホームプロジェクト)ならびに学校家庭クラブや学校農業クラブの活動を活用して,学習の効果をあげるようにすることが望ましい。この場合,家庭実習については,その科目の授業時数の2/10以内にこれを充てることができること。
(10) 専門教育を主とする学科においては,特に必要がある場合は,現場実習をもって実習にかえることができること。この場合,現場実習は,学校において,その学科の教育課程の内容に直接関係があり,かつその一部としてあらかじめ計画されたものであり,教師の指導のもとに行なわれ,その成果が教育的に評価できるものであることを要し,その時間数は実習の総時間の7/10以内とすること。

2 各教科・科目,特別教育活動および学校行事等の指導を能率的,効果的にするためには,下記の事項に留意する必要がある。

(1) 生徒の聴覚の障害の状態,失聴等の時間,生育歴,発達段階および経験ならびに家庭および寄宿舎等における生活環境をよく理解すること。
(2) 学習の目標を生徒にじゆうぶんはあくさせること。
(3) 生徒の生活経験の不足を補い,これを拡充するように努めること。
(4) 生徒の興味や関心を重んじ,自主的,自発的な学習をするように導くこと。
(5) 生徒の個人差に特に留意して指導し,それぞれの生徒の個性や能力をできるだけ伸ばすようにすること。
(6) ホームルームや学級などにおける好ましい人間関係を育て,教室内外の整とんや美化に努めるなど学習環境を整えるようにすること。
(7) 教科書その他の教材,教具などについて常に研究し,その活用に努めること。また,学校図書館の資料や視聴覚教材等については,これを精選して活用するようにすること。
(8) 学校医との連絡を密にし,教育活動全体を通じて,医学的配慮を加えるようにすること。
(9) 言語指導および聴覚利用については,中学部の基礎の上に,教育活動全体を通じて,いっそうの充実を図るよう配慮すること。
(10) 指導の成果を絶えず評価し,指導の改善に努めること。

  第4節 道 徳 教 育

 学校における道徳教育は,本来,学校の教育活動全体を通じて行なうことを基本とする。したがって,各教科・科目,特別教育活動および学校行事等の学校教育のあらゆる機会に,下記の目標に従って,道徳性を高める指導が行なわれなければならない。
 道徳教育は,教育基本法および学校教育法に定められた教育の根本精神に基づく。すなわち,人間尊重の精神を一貫して失わず,その精神を家庭,学校その他各自がその一員であるそれぞれの社会の具体的な生活の中に生かし,個性豊かな文化の創造,民主的な国家および社会の発展に努め,進んで平和的な国際社会に貢献できる日本人を育成することを目標とする。


 
第2章 各教科・科目

第1節 国    語

第1款 目   標

1 生活に必要な国語の能力を高め,言語文化に対する理解を深め思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにして,言語生活の向上を図る。
2 経験を広め,知識を求め,教養を高めるために,また,思想や感情を人に伝えるために,目的や場に応じて正しく理解し表現する態度や技能を養う。
3 ことばのはたらきを理解させ,国語に関する知識を高め,国語に対する関心や自覚を深めて,国語を尊重する態度や習慣を身につけさせる。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって,全体として「国語」の目標をなすものであり,「国語」の各項目の目標のもとになる。指導にあたっては,各科目の目標とともに教科の目標の達成に努めなければならない。
 なお,聴覚の障害の状態に応じ,聴覚その他の感覚を利用して,国語の能力の発達をじゅうぶん図るように努めなければならない。

第2款 各 科 目

第1 現代国語
 1 目 標
(1) 生活に必要な国語の能力を高め,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにして,現代の言語生活に適応できるような態度や習慣を養う。
(2) 明確に思考し,誠実で民主的な態度で,生活のいろいろな場に適応して,読話したり,話したりできるようにする。
(3) 目的や形態に応じて読むことの能力を身につけ,文章の主題や要旨を正しく読み取り,ものの見方,感じ方,考え方を深めるようにする。
(4) 目的や場に応じて,思想や感情を正しく文章に書き表わすことができるようにする。
(5) ことばのはたらきを理解し,国語に関する知識を身につけるとともに,国語への関心や自覚を深めて,国語を尊重する態度や習慣を養う。

 2 内 容
 以下に示す「現代国語」の内容は,10単位を標準とし,毎学年継続して履習させることを前提として作成したものである。

A 読話すること,話すこと,読むこと,書くこと。
(読話すること,話すこと)
(1) 次の事項について指導する。
ア 生活におけるいろいろな話の場に慣れ,正しく読話したり,話したりする態度を養うこと。
イ 正しく思考する能力を身につけ,事実と意見とをはっきり区別して読話し,また,発表する態度を養うこと。
ウ 会議,討議に参加して,話を整理して読話し,また適切に発言すること。
エ 話の目的や種類に応じて,正しく読話する態度や技能を養うこと。
オ 話の中心の部分と付加的な部分とに注意して,全体の主題を確実に読話すること。
カ 話の目的や聞き手に応じて,適切な話題を選ぶこと。
キ 場にふさわしい話題を選び,適切な材料で裏づけて話すこと。
ク 話の主題を明確にし,筋道をたてて話すこと。
ケ 語句を豊かにし,発音に注意し,正しく適切な表現をくふうして話すこと。

(2) 次の各項目に掲げる活動を通して,上記の事項を指導する。
ア 会議,討議などに参加する。また,司会などをする。
イ 経験したこと,読書したこと,観察したこと,調査したことなどを報告したり,読話したりする。
ウ 考えたこと,研究したことなどを発表したり,説明したり,それらを読話したりする。

(3) 指導にあたっては,次の点を考慮する。
ア 読話すること,話すことの学習の際,読話すること,話すことの評価のしかたを理解させることがたいせつであり,それを生活の場に役だたせるようにする。
イ 読むこと,書くことの指導で行なう対話,問答,会話,討論などの機会をも適宜利用するようにくふうする。
ウ 共通語とともに方言についても,学習指導全般の中で指導するようにする。
エ 応接,面接,談話,講演などの機会や劇,テレビによる校内放送,またはテレビ放送などを適宜利用するようにする。

(読むこと)
(1) 次の事項について指導する。
ア 自己の向上のために,適当なものを選んで読む態度を身につけること。
イ 辞書,参考書,新聞,雑誌など,いろいろな資料を適切に利用する態度を身につけること。
ウ すぐれた作品を読み,人生や社会の問題を考えていく態度を身につけること。
エ 作者の意図が表現の上にどのように生かされているかを読みとること。
オ いろいろな文体の特徴に注意して読むこと。
カ 文章の論理的な構成がわかること。
キ 文学作品などを読んで,鑑賞し,まとまった感想をもつこと。
ク 作品中の人物の性格,心理,思想などを読みとり,それらについて意見をもつこと。
ケ 当用漢字別表以外の当用漢字に読み慣れること。

(2) 次の各項目に掲げる活動を通して,上記の事項を指導する。
ア 記録,報告などを読む。
イ 説明,論説,評論などを読む。
ウ 詩歌,随筆,物語,伝記,小説,脚本などを読む。

(3) 指導にあたっては,次の点を考慮する。
 教材は,明治以降のものとし,生徒の理解や興味,関心や,現在および将来においての必要などを考慮して,実用的な各種の文章にふれて,これらを読みとるようにさせることを考慮する。また,社会や科学などに関して書いた文章,意見や主張を述べた文章,人生に対する希望やはげましなどを与える作品,自然や人生について書いた作品,翻訳作品,現代語訳や注釈などをつけたり,書きおろしたりして,理解しやすくした古典などを用いることを考慮し,なお,わが国のことばや文学について考えさせる文章にも触れさせることを考慮する。

(書くこと)
(1) 次の事項について指導する。
ア 観察力,判断力,感受力,および想像力など,書くことの基礎となる能力を高めること。
イ 豊富な題材を用意すること。
ウ 論旨をいくつかの論点に分け,適切な構成によって文章を書くこと。
エ 必要に応じて,それにふさわしい形態で文章を書くこと。
オ 主題や要旨がはっきり表わされるように,全体を論理的に構成して書くこと。
カ 適切な語句を選んで,意味の明らかな文で書くこと。
キ 事実と意見との区別を明らかにして書くこと。
ク 生活に必要な各種の文書を,目的や場に応じた形式に従って書くこと。
ケ 当用漢字別表の漢字の使い方を身につけるとともに,その他の当用漢字の中のおもな漢字が書けるように努めること。

(2) 次の各項目に掲げる活動を通して,上記の事項を指導する。
ア 通信,記録などを書く。
イ 説明,報告などを書く。
ウ 感想,意見,感動などを文章に書き表わす。

(3) 指導にあたっては,次の点を考慮する。
 用件や考えたことなどのメモ,手紙,その他の実用的な文章,新聞(学校新聞などを含む。)または,生徒会活動やクラブ活動や学級活動などの記録,報告などを利用するとともに,自然や身辺のできごと,社会のできごとを適宜取り上げて,文章を書くように導くことを考慮する。また,書写については,必要に応じて,美しく,読みやすく,速く書くようにさせるとともに,書写された文字の表現やその美に対する感覚を養うように考慮する。

B 以上の読話すること,話すこと,読むこと,書くことの学習を通して,ことばに関する次のような指導を行なう。
(1) 次の事項について指導する。
ア 中学部における発音の指導の基礎の上に,いっそうめいりょうで,さらに正しい語調で話すことができるようにすること。
イ ことばのきまりをよりどころにして,的確に理解し表現するくふうをすること。
ウ 聴覚の障害の状態に応じて,中学部の基礎の上にさらに確実に聴覚利用の能力と態度を養い,補聴器などを生活に役だてるように努めること。
エ 語句を豊かにし,その意味と用法を身につけるとともに,国語の表記のしかたについて理解すること。
オ 話しことばと書きことばとの関連を考えること。
カ 地域,社会,男女などによることばの違いや使い分けについて考えること。

(2) 指導にあたっては,次の点を考慮する。
ア ことばに関する事項は,機械的な暗記に陥らないようにし,理解と表現に役立つように指導する。
イ ことばのきまりの指導は,中学部で習得したことがらをさらに深めることとし,特に文章や文の組み立てを確実に理解し,表現できることに重点をおいて指導する。

 3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1) 読話すること,話すこと,読むこと,書くこと,およびことばに関する事項の指導は,すべて中学部で指導する事項の上に立って行なうものとする。したがって,中学部との重複を避けて掲げなかった事項については,適宜これを補って指導するようにする。
(2) 「現代国語に10単位を充てる場合には,第1学年においては,4単位,第2学年においては3単位,第3学年においては3単位を配当することを標準とする。
(3) 指導にあたっては,古典との関連を図り,国語科全体としての調和を考えること。
(4) 読話すること,話すこと,読むこと,書くことの学習は,相互に関連させて,有機的に指導し,片寄りのないようにすることが必要である。
(5) 作文を主とする学習,および読話すること,話すことを主とする学習は,計画的に指導するようにする。
 この際,作文を主とする学習および読話すること,話すことを主とする学習には,各学年とも年間授業時数の2/10程度を充てることが望ましい。

第2 古  典
 1 目 標
(1) 文化の享受や創造に資するために,古典の意義を理解させて,古典に親しむ態度を養う。
(2) 古典としての古文や漢文について,初歩的な理解を得させ,読解する能力を養い,思考力・批判力を伸ばし,心情を豊かにする。

 2 内 容
 以下に示す「古典」の内容は,2単位を標準として作成したものである。
(1) 次の事項について指導する。
ア 文化遺産としての古典に親しむ態度を養うこと。
イ 文脈や段落を考えて,主題や要旨や大意をつかむこと。
ウ 基本的な文や語句について,その意味,用法,構造を理解すること。
エ 古典を読んで,ものの見方,感じ方,考え方を深めるように努めること。
オ 古典の読解に必要な辞書,参考書,図表などを利用すること。
カ 古典に親しんで,国語に対する愛情を育て,言語感覚をみがくように努めること。
キ 詩や文章の表現上の特色を理解すること。
ク 漢字,漢語に対する知識を高め,国語の理解や表現に役だたせること。

(2) 次の各項目に掲げる活動を通して,上記の事項を指導する。
ア 歌謡,和歌,俳句などを読む。
イ 物語,小説,説話などを読む。
ウ 日記,紀行,随筆,評論などを読む。
エ 謡曲,狂言,戯曲などを読む。
オ 経子類などを読む。
カ 史伝類などを読む。
キ 詩文類などを読む。

〔備考〕 上記アからキまでの7項目にわたって指導することが望ましいが,それぞれの項目に示された形態のすべてにわたる必要はない。

(3) 指導にあたっては,次の点を考慮する。
ア 教材を選ぶには,古典としての価値が高く,それとともに,生徒の必要や発達段階に即応した親しみやすい平易なものを取り上げる。
イ 古典の文章は,その表記を読みやすいようにくふしたものを取り上げ,現代語訳や注釈や解説などを適切に用いて,理解しやすいようにする。
ウ 古文の教材は,原則として,江戸時代までのものとする。
エ 古文の読解に必要な文語のきまり(かなづかいや文語文法など)にふれさせる。
オ 漢文の学習については,わが国の言語,文学,思想との関係にもふれさせる。
カ 漢文の学習については,訓点をつけたやさしい漢文を取り扱うとともに,書き下し文などを活用して,内容を豊富に学習させる。

 3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1) 指導計画を立てるにあたっては,中学部の学習の基礎の上に,古典としての古文や漢文について平易に学習させ,古典に対する初歩的な理解を得させるようにする。
(2) 「古典」における古文と漢文との学習は,一方だけに片寄らないようにすることが望ましいが,生徒の能力に応して古文に重点をおき,漢文については,軽く扱うなどの配慮をしてもよい。
(3) 教材は生徒の能力や必要や進路などに留意して,適切なものを選ぶものとする。


 
第2節 社  会

第1款 目  標

1 自他の人格や個性を尊重して,基本的人権や公共の福祉を重んずることが,社会生活の基本であることについての認識を深め,民主主義の諸原則を人間生活に実現しようとする態度とそれに必異な能力を養う。
2 人間の存在や価値についての思索を通して,人間としての自覚を深め,人間生活の向上を図ろうとする自主的な態度を養う。
3 社会生活の歴史的発展過程や地理的条件に関する理解を深めるとともに,政治,経済,社会の機構や機能を理解させて,社会生活の諸問題を正しく判断する能力を育て,健全な批判力をもってこれらに対処しようとする態度を養う。
4 国際関係と世界におけるわが国の地位を理解させ,国民としての自覚を高め,民主的で文化的な国家を建設して,世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする態度を養う。
5 社会に関する問題について,科学的,合理的に研究して自主的に解決していこうとする態度とそれに必要な能力を養う。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって全体として「社会」の目標をなすものであり,「社会」の各科目の目標のもととなるものである。指導にあたっては,各科目の目標とともに教科の目標の達成に努めなければならない。

第2款 各 科 目

第1 倫 理・社 会
 1 目 標
(1) 人間尊重の精神に基づいて,人間や社会のあり方について考えさせ,自主的な人格の確立を目ざし,民主的で平和的な国家や社会の形成者としての資質を養う。
(2) 人間の心理や行動を社会や文化との関連において理解させるとともに,青年期における身近な問題を通して,人間としての自覚をもたせる。
(3) 人生観,世界観を形成させるために,先哲の人間や社会に対する基本的な考え方のあらましを理解させ,これをみずからの問題に結びつけて考察する能力と態度を養う。
(4) 現代社会について科学的,合理的に理解させるとともに,そこにおける人間関係のあり方について考えさせ,人間や社会や文化の問題について,これを建設的に解決していこうとする態度とそれに必要な能力を養う。

 2 内 容
 以下に示す「倫理・社会」の内容は,第2学年において履修させることを前提として作成したものである。

(1) 人間性の理解
 人間のあり方についての理解と自覚を得させるための基礎として,人間性と青年期に関する諸問題を取り扱い,人生観・世界観への関心をもたせる。
人間と文化
 人間と生活や行動の様式としての文化との関係を基礎として,人間存在について考えさせる。
人間形成の条件
 行動の機制にもふれ,人格の発達について主として社会的・心理的な観点から考えさせる。
青年期の問題
 自我の発達を中心として,青年期における心理的,社会的諸問題を取り扱い,人生における青年期の意義について考えさせる。

(2) 人生観・世界観
 先哲の考え方について,その時代的背景との結びつきにもふれながらこれを取り扱い,また,現代思想のおもなものについて考えさせ,どのように現代社会に生きるべきかを自主的に考えていこうとする意欲を育てる。
西洋の考え方
 西洋思想の源流(ギリシアの思想,キリスト教の考え力などを取り扱う。)
 近代の思想(人間の尊重,合理的・実証的精神・市民社会の倫理などの観点から取り上げる。)
東洋の考え方
 東洋思想(たとえば,仏教,儒学など)の基本的な考え方を取り扱う。
日本の考え方
 日本の古来の考え方や,外来思想を受容し発展させたものを取り上げて,日本的なものの考え方について考えさせる。
現代の思想
 上記の三つの考え方と関連させながら,現代の思想のおもないくつかを取り扱い,自主的,批判的な思考力を養う。
 なお,「(2)人生観・世界観」の場合,たとえば幸福,人間の尊重,個と全体,自由と平等,正義と平和など,適当な主題を取り上げて,上記の事項を学習させることも考えられる。

(3) 現代社会と人間関係
 現代社会を客観的に理解させるとともに,そこにおける人間関係のあり方について考えさせ,民主主義の倫理をおのおのの集団生活において具体的に実践することが,われわれの課題であることを理解させる。
現代社会と文化
 社会集団の構造と機能(社会集団の類型や社会規範を含めて取り扱う。)
 現代社会の特質と文化(中間層の拡大,組織の巨大化マスコミュニケーションなど,大衆社会の諸問題を含めて取り扱う。)
社会集団における人間関係
 家族(家族法にもふれ,家族関係のあり方を考えさせる。)
 地域社会・職域社会(人間関係の改善や職業の倫理を含めて取り扱う。)
 国家と国際社会(国民としての自覚や人類愛の精神を含めて取り扱う。)
民主社会と民主主義の倫理
 民主社会をささえている精神(たとえば,人格の尊厳と個性の尊重,自由と平等,社会的連帯性,公共の福祉など)を理解させるとともに,倫理と政治や経済との密接な関連にもふれる。

 3 指導計画作成および指導上の留意事項
(1) 中学部「社会」および「道徳」の指導の成果を活用するとともに,高等部「社会」の他の科目との関連にじゅうぶん留意する。また,高等部の他の教科・科目などとの関連にも留意する。
 さらに高等部ホームルームにおける指導とも関連させて,自己形成の必要なことを認識させ倫理的関心を高める。
 「倫理・社会」の学習は,「政治・経済」の学習と密接な関連をもつことによって,より具体化されるものであることに留意して指導する。
(2) 指導計画の作成や学習指導にあたっては,生徒の能力,経験と関連づけて指導するようくふうするとともに,難解な思想や論理については,これを平明に解説したりして,理解を容易にさせるよう配慮しなければならない。
(3) 内容に掲げた事項の組織・配列は,そのまま指導の順序やまとまりを示すものではない。各学校においては,教科および科目の目標に基づいて,各事項のまとめ方や順序をくふうし,適切な指導計画を作成することが望ましい。
(4) 各事項の指導にあたっては,社会や文化や人間の見方には異なったものがあることを考慮するとともに,広い視野に立って,人間のあり方についての総合的理解を得させるとともにそれらが民主主義の倫理についての理解と実践につらなるものであることに留意する。
(5) 「(2)人生観・世界観」の指導においては,東西の先哲の伝記・著作や言行の一部などを取り上げることも考えながら,具体的に理解させるように指導する。
(6) 「西洋の考え方」の指導においては,西洋の先哲の思想を適宜選んで,その基本的な考え方を理解させる。なお,「キリスト教の考え方」では,たとえば聖書によって,その基本的な考え方を理解させるとともに,近代の思想との関連にも気づかせる。
 「東洋の考え方」の指導においては,東洋の先哲の思想を適宜選んで,その基本的な考え方を理解させる。
 「日本の考え方」の指導においては,日本の代表的な宗教思想家や学者などを選んで,その基本的な考え方を理解させる。
(7) 「現代の思想」のうち,社会主義には考え方や立場の異なったものがあるので,指導にあたっては,これらの相違にもふれるように留意する。
(8) 「(3)現代社会と人間関係」の指導にあたっては,できれば,その内容に即して,社会科学の研究方法(たとえば,数量的取り扱いなど)にもふれさせることが望ましい。
(9) 政治および宗教に関する事項の取り扱いについては,教育基本法第8条および第9条の規定に基づき,適切に行なうよう特に慎重な配慮をしなければならない。
(10) 生徒の手記や作文などの利用,年鑑,新聞などの資料や統計の検討・利用,討議,読書,社会調査,見学などを適宜実施することにより,学習効果をあげるように努める。また,教材として適切なスライド,テレビ,映画などを精選してこれらを効果的に活用することが聖ましい。

第2 政 治・経 済
 1 目 標
(1) 日本の政治的,経済的,および社会的生活に関する基礎的理解を得させるとともに民主主義の諸原則を国家や社会の生活の各分野に実現しようとする態度と能力を養う。
(2) 政治・経済・社会の機構や機能について,それらがわれわれの生活と密接に結びついていることを理解させ,またよりよい国家・社会実現のために民主主義をどのように発展させたらよいかについて考えさせる。
(3) 近代文化の発達によって政治,経済,社会の各方面に大きな進歩が見られるとともに,多くの問題が生じていることを理解させ,それらの問題に対処していくためには,どのようにすればよいかについて考えさせる。
(4) 国と国との関係は,相互に対等の立場で尊敬し合い,その主権を互いに尊重することによって,はじめて平和な関係を維持できるものであることを理解させ国際的視野に立って他国民と協力し,世界の平和の確立に貢献しようとする態度を養う。
(5) 確実な資料を選んで,これを正しく利用し,いろいろな問題について先入観や偏見をもたず,公正な判断を得ようとする態度や能力を養う。

 2 内 容
 以下に示す内容は第3学年において履修させることを前提として作成したものである。

(1) 民主政治の組織と運営
日本国憲法と民主政治
日本国憲法の大要
日本国憲法の基本となる諸原則(基本的人権の尊重,平和主義,国民主権,三権分立,代議員制,議院内閣制,天皇の地位など)
政治の組織と運営
国会,内閣,裁判所,地方自治
政治のはたらきと国民の生活との関係
選挙と政党
選挙制度のあらまし
政党と国民との関係
政治と世論

(2) 産業,経済の構造と機能
経済の組織と動き
近代的生産の発達とその特色
企業・金融・物価・景気の変動などと生産・流通・消費などとの関係。
協同組合・証券取引・保険など
財政と家計
家計の収支,貯蓄と投資
家計と生産との結びつき
国や地方の財政と国民経済との関係(予算・租税・公債)
わが国の経済と産業構造の特色
自由経済と計画経済(社会主義経済にもふれる。)
国民所得と生活水準
わが国の主な産業と貿易
わが国の産業構造の特色
世界におけるわが国民経済の地位

(3) 世界と日本
国際社会の現状
諸国家間の相互尊重,主権平等などの諸原則
国際社会の現実(国と国,国家群と国家群との間に領土・政治・経済・文化・民族などに関連して,さまざまな問題があること。)
条約国際法
国際平和と国際協力
平和への熱意と協力
国際協力機関
国際連合やユネスコなどの専門機関の組織と活動のあらまし

(4) 現代の諸問題
産業,経済の振興
わが国の重要な課題(技術の進歩と国際競争力の増大,中小企業対策,貿易の振興,国土の総合開発,生活水準の向上,完全雇用など)
国民生活の向上
解決に努力しなければならない多くの問題(人口問題,労働問題,社会福祉と社会保障,農村問題,都市問題,犯罪の問題,交通の問題など)
文化の創造と伝統の継承
人間の文化の発展と国民生活の向上
わが国文化のよい伝統の継承と未来の文化の創造

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 中学部「社会」の学習の成果を活用するとともに,高等部「社会」の他の科目との関連にじゅうぶん留意する。また職業に関する教科・科目その他の高等部の他の教科・科目などとの関連にも留意する。
(2) 内容に掲げた事項の組織,配列は,そのまま指導の順序やまとまりを示すものではない。各学校においては教科および科目の目標に基づいて,各事項のまとめ方や順序をくふうし,適切な指導計画を作成することが望ましい。
(3) 単に政治,経済に関する基礎的知識の習得だけに終わることなく,それを社会生活に活用する能力を養うとともに,現実の諸問題に深い関心をもたせるよう導き,これらに対する公正な判断力や健全な批判力を養うように指導する。
(4) 政治に関する事項の取り扱いについては,教育基本法第8条の規定に基づき,適切に行なうよう慎重な配慮をしなければならない。
(5) 政治に関する事項の指導においては,特に民主政治の長所を理解させるとともに,その陥りやすい欠陥にも気づかせ,国民ひとりひとりが政治の実際について責任を感じ,政治をよくするための知識や態度をみがくことがたいせつであることを認識させる。
(6) 経済に関する指導にあたっては,経済用語の単なる解説に終わったり,いたずらに細かな事項の学習に深入りさせたりすることなく,大要を理解させるように努める。
(7) 現代の諸問題に関する指導においては,問題を総合的に考察させるために「社会」の他の科目の内容と有機的に関連させることに留意する。なお,単に現代社会の欠陥の指摘に終わることなく,これまでの努力と進歩の跡をも認め,できるだけ客観的に取り扱うことがたいせつである。
(8) 各種の資料や統計などを活用し,また,調査,見学などを適宜実施することにより学習効果をあげるように努める。また教材として適切なスライド,テレビ,映画などを精選して,これらを効果的に利用することが望ましい。

第3 日 本 史
 1 目 標
(1) わが国の歴史に関する基本的事項の理解を深め,現代社会の歴史的背景をはあくさせ,身近なことがらや現代社会の当面する種々の問題を歴史的に考えようとする態度を育てるとともに民主的な社会の発展に寄与する態度と能力とを養う。
(2) 歴史における各時代の概念を明確につかませ,歴史の移り変わりを総合的に理解させるとともに,それぞれの時代のもつ歴史的意義を理解させ,各時代が今日のわれわれの社会生活にどのように影響しているかを考えさせる。
(3) わが国の社会と文化が,われわれの祖先の努力の集積によって発展してきたことを理解させ,また,それにともなって国民の生活が,しだいに向上してきたことを考えさせる。
(4) わが国の学問,思想,宗教,芸術などの文化遺産についてそれが生みだされた時代との関連を通じて理解させ,親しみ尊重する態度を育て,さらに新しい文化を創造し発展させようとする意欲を高める。
(5) 日本史の発展を常に世界史的視野に立って考祭させ,世界におけるわが国の地位や,文化の伝統とその特質を理解させることによって,国際社会において日本人の果たすべき役割を自覚させて国民的心情の育成をはかる。
(6) 正確な史実に基づき,種々の学習活動によって,歴史的思考力や公正な判断力を養い,真実を追求しようとする態度を育てる。

 2 内 容
 以下に示す内容は,第2学年または第3学年において履修させることを前提として作成したものである。

(1) わが国の原始・古代
わが国の原始社会
縄文文化・弥生文化・農業生活のはじまり
国家の形成
大和朝廷,古墳文化,氏姓制度,大陸文化の伝来,日韓関係
大化の改新と律令制
十七条憲法の制定,飛鳥文化,大化の改新,大宝律令の制定・隋・唐の制度・文化の摂取
奈良・平安時代の政治と日本文化の形成
奈良の都と地方,天平文化,荘園制の発達,摂関政治,国風文化

(2) 武家社会の形成
武家政治の成立と展開
武士のおこり,源氏と平氏,鎌倉幕府の成立と発展,建武の新政,室町幕府と応仁の乱,郡雄の割拠。
アジア大陸との関係
日宋関係,蒙古(襲来,日明関係。
鎌倉・室町時代の文化
鎌倉文化と新仏教,東山文化とその普及
産業・経済の発達と地方の動き
農村と都市の成長,商工業の勃興,庶民生活の向上

(3) 武家社会の確立
国内の統一
織田・豊臣の統一事業,桃山文化,江戸幕府の成立,日本人の海外発展,鎖国
江戸時代の社会と文化
封建社会と士農工商,村のしくみと農民の生活,産業・都市・交通・貨幣経済の発達,学問・教育その他文化の変遷,町人文化の形成
武家社会のゆきづまり
幕府の改革,新しい学問,社会の新しい動き

(4) 日本の近代化
明治維新
開港,王政復古,諸制度の改革,文明開化
立憲政治の成立
自由民権運動・大日本帝国憲法の制定,議会政治の発展
近代産業の発達
富国強兵,日本の産業革命と資本主義の発達,社会問題の発生
近代文化の形成
新しい学問と教育,科学と文化の発達
国際情勢と日本の地位の向上
朝鮮との関係,日清戦争,日露戦争,条約改正

(5) 二つの世界大戦と日本
第一次世界大戦と日本
動揺する世界
国際連盟,軍縮会議,経済の世界的不況,諸国間の対立
第二次世界大戦と日本
政党政治の推移,経済界の変遷,新思想と文化,中国の民族運動と日本の大陸進出,軍部の政治への介入,日華事変と第二次世界大戦

(6) 新しい世界と日本の課題
民主的な諸改革,国際連合の成立,アジア,アフリカ諸国の独立,国家群の対立,国民生活の変化,国際平和と日本の課題

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 中学部「社会」,特に歴史的分野の学習の成果を活用するとともに,高等部「社会」の他の科目との関連にじゅうぶん留意する。また高等部の他の教科・科目などとの関連にもじゅうぶん留意する。
(2) 内容に掲げた事項の組織・配列はそのまま指導の順序やまとまりを示すものではない。各学校においては,教科および科目の目標に基づいて,各事項のまとめ方や順序をくふうするとともに生徒の生活経験や関心等も考慮して適切な指導計画を作成することが望ましい。
(3) 時代区分は,指導上の観点によっていろいろなものが考えられるが,細かな時代区分だけにとらわれて,大きな時代の流れや,その時代の社会の特色を見失わないように留意する必要がある。
(4) 近現代史の学習においては,世界的事象の扱いに特に留意することが必要である。
(5) じゅうぶんな準備がある場合には,たとえば第2学年および第3学年を通して日本史」および「世界史」の内容を学習させるなどの指導計画を作成し,実施することもできる。この場合には,科目の目標および内容ならびに指導計画作成および指導上の留意事項にそった指導でなければならない。
(6) 指導にあたっては,次の諸点に留意する必要がある。
ア 歴史的事象をつねに時間的空間的に位置づけるため,年表や地図を利用することが必要である。
イ 身近な資料やスライド,写真,テレビ,映画,図鑑などを活用して歴史的事象の具体化に努め,さまざまな学習活動をくふうして学習をいっそう効果的にさせることが望ましい。
ウ 人名・地名・年代などの基礎的事項を精選して基本的事項の理解にとどめ,宗教,思想,学問などの文化の高度な内容や,複雑な社会構造などの学習に深入りしないように留意する。また,特に人物の取り扱いを重視するが,その際には,絶えず歴史的背景と結びつけて正しく理解させることが必要である。
エ 討議,見学,読書,調査,その他種々の学習活動を展開して生徒の自発的学習意欲を高めることが望ましい。
オ 郷土の発展の跡を実地調査させたり,遺跡,遺物を見学させることによって,わが国の歴史の発展を具体的にはあくさせ,郷土との関連についても理解させるように努める。
カ 「わが国の原始・古代」に関する事項の指導においては,社会組織などに深入りしたり,考古学的な興味だけにとらわれて,これらに多くの時間を費やさないように特に留意する必要がある。
キ 「日本の近代化」に関する事項のうち,科学や文化の取り扱いではいたずらに細かな史実の列挙に陥らないように留意し,明治時代の特色を全体としてつかませるように配慮することが必要である。
ク 「二つの世界大戦と日本」に関する事項の指導にあたっては,国内政治の動きと第二次世界大戦にいたる国際関係の変転に重点をおくものとする。また,この大戦について人類の不幸と世界の平和についても考えさせることがたいせつである。

第4 世 界 史
 1 目 標
(1) 世界史の発展に関する基本的事項を理解させ,現代社会の歴史的背景をはあくさせて身近なことがらや現代社会の当面する種々の問題を歴史的に考えようとする態度を育てるとともに民主的な社会の発展に寄与する態度と能力を養う。
(2) 世界史の発展にみられる各時代の概念のあらましを理解させ,それぞれの時代のもつ歴史的意義を理解させる。
(3) 近代史の学習に重点をおき,特に民主主義の成立と発展,近代産業の形成,国際関係の推移,近代文化の成長などについて理解させる。
(4) 人類の歴史の発展には,民族,時代および地域によってそれぞれ特殊性があるとともに,その底には共通な人間性のあることを理解させる。
(5) 各時代における社会と文化は,それぞれの時代における人々の努力の集積によって発展してきたことを理解させ,歴史の発展における個人や集団の役割について認識させる。
(6) 学問,宗教,芸術などの文化遺産を,それらが生み出された時代との関連を通して理解させ,これを尊重して,新しい文化を創造し発展させようとする意欲を高める。
(7) 国際社会において日本人の果たす役割について認識させ国民的自覚を高め,国際協力を進め,世界の平和を確立し,人類の福祉を増進しようとする態度を養う。
(8) 正確な史実に基づき,種々の学習活動によって,歴史的思考力や公正な判断力を養い,真実を追求しようとする態度を育てる。

 2 内 容
 以下に示す世界史の内容は第2学年または第3学年において履修させることを前提として作成したものである。

(1) 文明の成立と古代国家の発展
人類のはじめ,世界文明のあけぼの
原始社会と文明の発生
ギリシャ文明とローマ文明
古代インド文明,中国古代文明

(2) アジアの動きと中世ヨーロッパの社会
中国社会の展開
隋唐の統一,宋から元へ
イスラム世界の発達とその文化
中世ヨーロッパの社会
ヨーロッパ封建社会の成立とキリスト教
中央集権国家への動き
十字軍の遠征,都市の発達,中央集権国家の成立

(3) 近代世界の成立
近代ヨーロッパの歩み
ルネサンス,宗教改革,ヨーロッパ世界の拡大
民主主義の発達と産業革命
イギリスの議会政治の発達,アメリカ合衆国の独立
フランス革命,産業革命の進行,科学の進歩と近代文化の発達
ヨーロッパ諸国の海外進出とアジア
列強のアジア進出
明から清へ,イギリスのインド支配,アヘン戦争,太平天国の乱
国際情勢の推移と日本
列国の世界進出,アフリカの分割,日清・日露戦争,中華民国の成立

(4) 二つの世界大戦
第一次世界大戦
第一次世界大戦と日本
ロシア革命
ベルサイユ体制と民族独立運動
世界恐慌と全体主義のだい頭
第二次世界大戦

(5) 現代の世界
国際連合の成立と国際情勢の動き
アジア・アフリカ諸民族の独立
現代の文化,国際平和と国際協力

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 中学部「社会」,特に歴史的分野の学習の成果を活用するとともに,高等部「社会」の他の科目との関連にじゅうぶん留意する。また高等部の他の教科・科目などとの関連にじゅうぶん留意する。
(2) 内容に掲げた事項の組織・配列はそのまま指導の順序やまとまりを示すものではない。各学校においては,教科および科目の目標に基づいて,各事項のまとめ方や順序をくふうするとともに生徒の生活経験や関心等も考慮して適切な指導計画を作成することが望ましい。
(3) 時代区分は,指導上の観点によっていろいろなものが考えられるが,細かな時代区分だけにとらわれて,大きな時代の流れや,その時代の社会の特色を見失わないように留意する必要がある。
(4) 近・現代史の学習においては,日本史との関連を特に密にしむだな重複を省くとともに,適切な時間を充ることが望ましい。
(5) じゅうぶんな準備がある場合には,たとえば第2学年および第3学年を通して「日本史」および「世界史」の内容を学習させるなどの指導計画を作成し実施することもできる。この場合には,科目の目標および内容ならびに指導計画作成および指導上の留意事項にそった指導でなければならない。
(6) 指導にあたっては,次の諸点に留意する必要がある。
ア 歴史的事象をつねに時間的空間的に位置づけるため,年表や地図を利用することが必要である。
イ 身近な資料やスライド,写真,テレビ,映画,図鑑などを活用して歴史的事象の具体化に努め,さまざまな学習活動をくふうして学習をいっそう効果的にさせることが望ましい。
ウ 人名,地名,年代などの基礎的事項を精選して基本的事項の理解にとどめ,宗教,思想,学問などの文化の高度な内容や,細かな史実の列挙を避け,複雑な社会構造,それぞれの国の特殊性や複雑な様相などの学習に深入りしないように留意する。また,特に人物の取り扱いを重視するが,その際には絶えず歴史的背景と結びつけて正しく理解させることが必要である。
エ 討議,見学,読書,調査,その他種々の学習活動を展開して生徒の自発的な学習意欲を高めることが望ましい。
オ 内容(4)の指導にあたっては,第二次世界大戦に至る国際関係の変転に重点をおくものとする。大戦については人類の不幸と世界の平和についても考えさせることがたいせつである。

第5 地  理
 1 目 標
(1) 日本および世界の諸地域における生活の特色を,他地域との比較・関連において明らかにし,郷土のわが国における地位やわが国の世界における地位を理解させ,郷土や国土に対する愛情を育て,わが国の発展に努力しようとする態度を養う。
(2) 郷土,日本の諸地域,世界の諸地域における生活には,地方的特殊性と一般的共通性とがあることを明らかにし,それらが成立した自然的,歴史的,社会的の条件やその意義を総合的に考えさせ,他地域の人々を偏見や先入観にとらわれないで,正しく理解しようとする態度を育てる。
(3) 現代社会は世界各地域相互の生活がますます密接になってきたことを理解させるとともに,これらの各地域における生活を世界的視野に立って考えさせ,国家および世界の一員としての自覚を高め協調の精神を養う。
(4) 自然環境そのものはあまり変化しないが,人間の自然に対するはたらきかけのしかたは,科学・技術の進歩によって発展するものであることを理解させる。また,自然をいっそう利用して人間の生活を向上させるためには,自然を深く理解しその愛護に努めるとともに,適切な利用と開発の方法を創意しくふうすることがたいせつであることを理解させる。
(5) 野外観察や調査などを行ない,地理的事象に直接ふれ,それを正しく観察したり考察したりする態度や能力を養う。
(6) 地図を読み,描き,これに親しませ,また,統計その他の資料を正しく取り扱わせて,いろいろな事象の実態,特色,傾向などを読み取る能力を育てる。

 2 内 容
 以下に示す内容は,第1学年において履修さることを前提として作成したものである。
(1) 郷 土
野外観察と調査
郷土におけるいくつかの地理的事象を選んで取り扱う。
人間生活と自然との関係
郷土における生活と自然
郷土の自然環境,開発の歴史,人口,産業,交通,衣食住
郷土と他地域との関係
郷土の地理的諸問題
開発事業,産業の振興,都市計画

(2) 日本の諸地域
位置と歴史的背景
地理的位置の変化,開発の歴史
自然環境の特色
資源の開発と産業・交通
集落・人口
おもな都市の発達とその機能と資源の分布や開発
他地域との関係
物資や人口の移動現象などに現われた経済関係

(3) 全体としての日本
日本の自然環境の特色
いろいろな資料や他の国の自然環境の比較において取り扱う。
日本の人口
日本の産業・交通・貿易

(4) 世界の諸地域
位置と歴史的背景
人文的位置については,開発の歴史と関係をもたせて取り扱う。
自然環境の特色
住民と人口
資源の開発と産業
主要国の国がらとその国際的地位
政体,国民の民族構成,国民性,わが国との関係

(5) 全体としての世界
世界の自然環境
世界の水陸分布,地形,気候,海洋を通じて人間と深い関係のある自然環境の意義を取り扱う。
世界の民族,人口
世界の資源と産業
おもな資源の分布と開発の状況,世界の農業地域,牧畜地域,工業地域などの特色を人口分布と関連させて取り扱う。
交通,貿易による世界の結びつき
世界の情勢と日本の地位

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 中学部「社会」,特に地理的分野の学習の成果を活用するとともに,高等部「社会」の他の科目との関連にじゅうぶん留意する。
 また,「理科」の「地学」,職業に関する教科・科目その他の高等部の他の教科・科目などとの関連にも留意する。
(2) 内容に掲げた事項の組織・配列は,そのまま指導の順序やまとまりを示すものではない。各学校においては,教科および科目の目標に基づいて,各事項のまとめ方や順序をくふうし,適切な指導計画を作成することが望ましい。その際,指導する事項が相互に関連づけられ,生徒の思考がしだいに発展していくように構成することが必要である。
(3) 「(2)日本の諸地域」および「(4)世界の諸地域」の学習指導に配当する時数は,それぞれ年間最低授業時数のおよそ1/3程度とすることが適当である。
(4) 「(2)日本の諸地域」「(3)全体としての日本」,「(4)世界の諸地域」および「(5)全体としての世界」は,相互に関連し,かつ深めあう関係にある。また「(1)郷土」に関する理解は,日本や世界に関する事項を学習することによって,いっそう深めることがたいせつである。
(5) 地理的分野の学習が列挙的,平板的な知識の習得に終わることのないようにするため,指導する事項を精選し,適切な指導法をくふうして,地理的思考力を養うことがたいせつである。
(6) 地図については,読図に関する基礎的事項として指導するだけではなく,内容の各事項に関連させ,その取り扱いに習熟させる。
(7) 内容の各事項の指導を通して,常に日本の問題に関連させて考察する態度を育てるとともに,世界および日本の地誌的理解を深める。
(8) 指導計画の一部として野外調査のための時間を設けて実施する。その場合,形式的な取り扱いに流れたり,また過大な計画に陥ったりすることのないように,じゅうぶん留意する。
(9) 地図のほか,地球儀,空中写真などや,統計,新聞,紀行文その他の資料を有効に使用し,教材として適切なスライド,放送,映画などを精選し活用して,地理的事象を具体的に理解させる。また,討議,見学その他さまざまの学習活動を通して,学習をいっそう深めることがたいせつである。


 
第3節 数  学

第1款 目 標

1 数学における基本的な概念,原理・法則などを理解させ,より進んだ数学的な考え方や処理のしかたを生み出す能力を伸ばす。
2 数学における基本的な知識の習得と基本的な技能の習熟を図り,それらを的確かつ能率的に活用する能力を伸ばす。
3 数学的な用語や記号を用いることの意義についての理解を深め,それらによって,数学的な性質や関係を簡潔,明確に表現したり,思考したりする能力を伸ばす。
4 ものごとを数学的にとらえ,その解決の見通しをつける能力を伸ばすとともに,確かな根拠から筋道を立てて考えていく能力や態度を養う。
5 数学が生活に役だつことや,数学と科学・技術との関係などを知らせ,数学を積極的に活用する態度を養う。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって,全体として「数学」のを目標なすものである。指導にあたっては,この点を常に考慮して,目標の達成に努めなければならない。

第2款 数  学

1 目 標
(1) 数の平方根を理解させ,これまでの有理数と併わせて,数の概念の理解を深める。また,これらの数を用いて数量および式の処理ができるようにする。
(2) 式を扱いやすい形に変形する方法や乗法公式などを理解させ,見通しをもって式を取り扱う能力を養う。
(3) 一次や比例の関数関係を式やグラフに表わすことの理解を深め,さらに一次関数や簡単な二次関数の特徴や関数と方程式との関係を理解させる。また,変数や対応の考え方や見方を深め,見通しをもつて数量的な関係を処理する能力を伸ばす。
(4) 統計事象について,資料を整理し,度数分布や相関を考えて,その傾向をとらえる能力を伸ばす。
(5) 図形の性質の理解を深め,基本的な操作や計量などを通して,図形の観念を豊かにし,図形相互の関係を理解させ,さらに空間図形と平面図形との関連を明らかにする。
(6) 三平方の定理や三角比について理解させ,これを活用して,計量がいっそう能率よくしかも詳しくできるようにする。
(7) 図形に対する直観的な見方や考え方を伸ばし,論証の意義や方法について理解させ,論理的に筋道を立てて考えるとともに,論理の過程を正確に表現する能力を養う。

2 内 容
(1) 数・式と計算
数や式についての基本的な概念を理解し,計算の法則を明らかにし,計算する能力を伸ばす。
ア 正の数,負の数の理解を深め,これらの四則計算にいっそう習熟させること
イ 平方根の意味とその必要性
(ア) 数の平方根には有理数でないものがあること
(イ) 根号を用いて種々の量を式で表わすこと
(ウ) 平方根表を用いて,数の平方根を求めること
ウ 平方根とその計算
(ア) 平方根の加法と減法
(イ) √a√b=√ab
(ウ)   
エ 文字を用いて式に表現すること
(ア) 文字で表わされた式を一つの数としてみる
(イ) 式の中の文字を変数とみる
(ウ) 等式の中のある文字を未知数としてみる
(エ) 未知数としての文字を用いることにより数量間の関係を方程式に表現する
(オ) 式が表わす関係は用いる文字にかかわりなく式の形のみに依存すること
オ 整式とその計算
(ア) 単項式の四則
(イ) 多項式の加法,減法
(ウ) 多項式と単項式との乗法
(エ) 多項式を単項式で割る除法
(オ) 多項式と多項式の乗法
(カ) 乗法公式を用いる式の展開と因数分解
 (a+b)2=a2+2ab+b2,(a−b)2=a2−2ab+b2
 (a+b)(a−b)=a2−b2,(x+a)(x+b)=x2+(a+b)x+ab
 (ax+b)(cx+d)=acx2+(ad+bc)x+bd
(キ) 式を文字で置きかえること
カ 分数式とその計算
(ア) 簡単な分数式の四則計算

(2) 方程式
 方程式の基本的な概念および性質ならびに解法の原理を理解し活用する。
ア 一次方程式
(ア) 等式の性質
(イ) 一元一次方程式の解法およびこれを用いて問題を解くこと
イ 二次方程式
(ア) 一元二次方程式の解法
(イ) 根の公式
ウ 連立方程式
(ア) 連立二元一次方程式の解法およびこれを用いて問題を解くこと
(イ) 連立三元一次方程式の解法

(3) 関数(函数)とグラフ
 比および比例式についての理解を深め,その取り扱いに習熟させ,関数の概念を理解し,一次関数および二次関数について,その特徴を明らかにする。
ア 比および比例式
(ア) 連比および比例式の意味,比例式の基本的な性質
(イ) 利率,指数など各種の比率の意味
イ 伴って変る二つの量の関係をグラフや式に表わしてその特徴を見いだすこと
(ア) 二つの量の関係を表やグラフに表わすことおよびその変化の特徴
(イ) 式の形の上からみた比例および反比例の特徴
ウ 一次関数
(ア) y=ax,y=ax+bおよびy=a/xのグラフ
(イ) グラフにおける式の係数の意味
(ウ) 一次方程式とグラフ
エ 二次関数
(ア) y=ax2およびy=ax2+bのグラフ
(イ) 「ア」のグラフの特徴および係数と形との関係
(ウ) 簡単な数係数の二次三項式のグラフ

(4) 統 計
 資料を整理し,表,グラフ,代表値などを用いて,その資料の傾向を知ることができる。
ア 度数分布とヒストグラム
イ 代表値
ウ 相関表や相関図の見方

(5) 平面図形
 平面図形の性質の理解を深め,図形の概念を明らかにするとともに,それらを活用して計量が能率よくできるようにする。
ア 作 図
(ア) 平行線,角の二等分線,垂線,線分の垂直二等分線
(イ) 各種の三角形と四角形
(ウ) 対称な図形
イ 図形の性質
(ア) 三角形,四角形の種類とその相互関係
(イ) 図形を基本的な図形に分解すること
(ウ) 図形の合同と相似
(エ) 三角形の基本的な性質
(オ) 円の性質,円と直線の位置関係,二円の位置関係
ウ 図形と計量
(ア) 三平方の定理とその応用
(イ) 三角比の意味を理解し,これを用いること

(6) 空間図形
 空間における直線,平面などの関係およびそのとらえ方について理解を深めるとともに,空間図形の概念を明らかにする。
ア 作 図
(ア) 展開図,投影図,断面図
イ 図形の相互関係
(ア) 直線と平面との位置関係,平面と平面との位置関係
(イ) 球と平面との位置関係
(ウ) 回転移動と平行移動
(エ) 平行四辺形と平行六面体

(7) 図形と論証
ア 根拠とすることがらや用語の定義
イ 仮定と結論
ウ 基本的な図形の論証

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 科目の内容は,七つの領域に分けて示してあるが,これはこの領域に分けて指導したり,示した順序に指導したりすることを意味するものではない。指導計画を作成する場合には,各領域の中の内容の前後関係や他の領域の中の内容との関連を考え,これらの内容がすべて含まれるよう適切に計画しなければならない。
(2) 内容については,その取り扱いに深浅の程度が考えられるから,実情に即して適切な指導する事項や指導法を考慮する必要がある。
(3) 概念や原理・法則を理解させる場合には,なるべく多くの具体的なものを与えて,抽象化できるようにするとともに,概念や原理・法則などを実際の場に用いて具体化できるようにすることを考慮する必要がある。また,指導の内容に応じて,実測などの各種の作業も重視して指導することも考慮しなければならない。
(4) 生徒が与えられた問題を解くことも重要であるが,それとともに進んで問題を見いだし,その解決に努力することも重要である。そのためには,常に生徒の自主的な学習を尊重し,創意くふうする態度を育てるように努めることが必要である。
(5) 図形や数・式における演えき的な考え方の指導については,生徒の発達段階をじゅうぶん考慮し,演えき的な考え方を漸進的に高めていくように配慮することが必要である。
(6) 数・式の指導と図形の指導との関連に意を用いて,数学を一体として学習できるようにすることが必要である。
(7) 数学の学習の素材として,他の教科の学習の成果を用いたり,また,数学の学習の成果を他の教科の学習において用いたりできるように留意する必要がある。
(8) 2の(1)オ(キ)の式を文字で置き換える場合は,単項式や簡単な二項式を一つの文字で置き換える程度とする。
(9) 2の(1)ウにおいて分母を有理化する場合は,b/√aの有理化の程度とする。
(10) 2の(3)エ(ウ)における二次三項式のグラフについては,主として点をとってグラフをかくことを扱う。
(11) 2の(7)の図形と論証については,それ以前に学んだ図形の基本的な性質を根拠にして,種々の性質を演えき的な推論によって導くことを意味する。また,論証の対象としての図形の性質については,主として基本的で平易なものを扱う。


 
第4節 理 科

第1款 目 標

1 自然の事象についての関心を深め,真理を探求しようとする態度を養う。
2 自然の事象を実験,観察などを通して考察し,処理する能力と態度を養い,また実験や観察に必要な機械器具を目的に応じて取り扱う技能を高める。
3 自然の事象に関する基本的な事実や原理・法則に関する理解を深め,これらを活用する能力を伸ばし,科学的な創造力を育てる。
4 科学的な自然観を育て,また自然科学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって全体として,「理科」の目標をなすものであり,「理科」の各科目の目標のもととなるものである。
 指導にあたっては,各科目の目標とともに,教科の目標の達成に努めなければならない。

第2款 各 科 目

第1 物 理
 1 目 標
(1) 生活に関係の深い物理的な事象についての関心を深め,すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2) 物理的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3) 物理的な事象に関する基本的な概念や原理・法則を理解させ,これらを活用する能力を伸ばし,さらにくふう創造する態度を養う。
(4) 物理的な事象を取り扱うのに必要な機械器具を操作する技能を習得させる。
(5) 物理的な見方,考え方が,広く自然の諸現象を科学的に理解する基礎となることを知らせるなどして科学的な自然観を育て,また,物理学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。

 2 内 容
力と仕事
力のつりあい
一点にはたらく力のつりあい,力の合成・分解,作用と反作用
斜面と摩擦
力のモーメント
てこの原理,滑車,偶力
物体の安定
重心,船の安定
仕事
仕事の原理,仕事率
動力の伝達
材料の強さ
弾性変形,塑性変形,破壊,材料のじょうぶな組み合わせ
力と運動
重力
重量と質量,密度
物体の運動
速度,加速度,速度の合成,落下運動
運動の法則
慣性,運動の法則
振り子の運動
円運動
流れから受ける力
エネルギー
熱機関
エネルギーのうつりかわり

熱容量
比熱
熱膨張率

水波と音波
音の性質

光源と明るさ
光の直進
光の反射
光の屈折
光学器械
スペクトル
紫外線と赤外線
物体の色
電流と磁界
電流,電圧,抵抗
電流の熱作用
電力と電力量
磁石の性質
電磁石とその応用
電磁誘導
交流
電子と原子
電子と真空管
電波とラジオ
真空放電
原子の構造
放射性元素

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導計画作成にあたっては,指導することを精選し,基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,物理的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要であるが,この際,学問的体系によりすぎることなく地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし,また,平易に取り扱うことが望ましい。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において,「物理」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 基本的な事項の指導において,論理的な演えきに傾いて,生徒の経験を無視したり,実生活との結びつきを軽んじたりすることのないように注意し,つとめて,具体的な事象からはいり,帰納的な考え方を重視し,このようにして学習した原理や法則を,実際の応用に結びつけるように指導する。
 なお,この場合生徒の個人差にも適切に対処できるように考慮する必要がある。
(6) 生徒は経験領域が狭いからできるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は次のような諸点に留意して選定する。
(ア) 重要な原理や法則と結びついた基本的なものであること。
(イ) 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
(ウ) 基礎的な量,たとえば長さ,質量,時間,温度,電流,電圧などの測定を含めること。
 なお指導の補助手段としてスライド,映画,テレビ放送などを精選して活用することが望ましい。
(7) 数学的な取り扱いについては,数学科との関連を考慮し,事象に即して平易な数式を用いることができるように指導する。
(8) 基本的な実験法や計量器,機械器具の取り扱いに関する技能については,指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(9) 特に実験・観察などの指導においては,事故の防止にじゅうぶんに留意する。
(10) 2内容の音に関する学習においては,残存聴力などを利用するとともに視覚化することによって,理解を助けたり,深めるようにする。

第2 化 学
 1 目 標
(1) 生活に関係の深い物質や化学現象についての関心を深め,すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2) 物質や化学現象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3) 物質や化学現象に関する基本的な事実,概念,法則などを理解させ,これらを活用する能力を伸ばし,さらにくふう創造する態度を養う。
(4) 物質や化学現象を探究するのに基礎となる平易な化学的操作に関する技能を習得させる。
(5) 自然の諸現象を,物質とその変化という立場から見ることなどによって科学的な自然観を育て,また,化学が生活や産業に広く応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。

 2 内 容
物質を構成する粒子
原子
分子
イオン
化学式
元素記号
組成式
分子式
構造式
原子価
元素の周期律
酸,アルカリ,塩
酸の水溶液
おもな酸の性質
アルカリの水溶液
おもなアルカリの性質
中和と塩
塩の水溶液
電気分解と電池
電解質
電気分解
電池
気体と沈殿の生成
おもな気体の性質
気体と水溶液からの気体の発生
水に溶けやすい塩と溶けにくい塩
沈殿ができる反応
酸化と還元
金属の酸化
金属酸化物の還元
無機化学工業
おもな金属と化学工業
おもな非金属と化学工業
有機化学工業
石炭・石油と化学工業
繊維・樹脂などと化学工業
エネルギー資源

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導計画作成にあたっては,指導する事項を精選し,基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために,順序づけ,まとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,化学的な考え方を中心にして展開していくように構成することが必要でるあが,この際,学問的体系によりすぎることなく,地域や生徒の実情などに応じて重点をおく事項を定めるなどし,また,平易に取り扱うことが望ましい。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において「化学」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 生活や産業(特に化学工業)との関連を考慮して指導するようにする。実際の応用例などを取り扱うときは,細部や特殊な事情にふれないようにする。
(6) できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は次のような諸点に留意して選定する。
ア 重要な事実,法則などと結びついた基本的なものであること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 物質の分離,計量および加熱,簡単な実験装置の組み立てなどを含めること。
 なお,指導の補助手段として,スライド,映画,テレビ放送などを精選して活用することが望ましい。
(7) 化学式および化学反応式の種類は,内容で触れたものの程度にとどめ,それらの化学的な意味をじゅうぶんに理解させるようにする。また,「有機化学工業」の項では,構造式を取り扱ってもよい。
(8) 基本的な実験法や計量器,機械器具の取り扱いに関する技能については,指導する事項との内容的な関連をじゅうぶんに図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(9) 特に実験・観察などの指導においては,中毒,爆発,火災などの事故の防止にじゅうぶんに留意する。

第3 生 物
 1 目 標
(1) 生物や生物現象についての関心を深め,すすんでこれらを探求しようとする態度を養う。
(2) 生物や生物現象を実験・観察などを通して考慮し処理する能力と態度を養い,あわせて機械器具を操作する技能を習得させる。
(3) 生物や生物現象に関する基本的な事実・原理などの理解を深め,これらを活用する能力を伸ばすとともに,科学的な創造力を育てる。
(4) 人体の構造・機能についての事実や原理の理解を深め,健康の基礎となる事項を科学的に考慮する能力を養う。
(5) 生物の有機性および生物相互あるいは生物と環境との相関についての理解を深めて自然界の調和を認識させることなどによって科学的な自然観を育て,また,生物学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。

 2 内 容
植物の構造と機能
葉の構造,蒸散,光合成,茎の構造,茎の通道,根の構造,根の吸収,植物の吸収
人体の構造と機能
カエルのからだの構造,人体の構造,食物と栄養,腐敗と発酵,消化器の構造,消化と吸収,血管と心臓,血液の循環
血液とリンパ,呼吸器とそのはたらき
排出器とそのはたらき,骨格と筋肉,関節の構造と筋肉運動,中枢神経と末しょう神経の構造,反射,目の構造とはたらき,耳の構造とはたらき,鼻と舌,皮膚,内分泌
生物の成長とふえ方
生物の成長,細胞の分裂,無性生殖,有性生殖,発生
遺伝の変異
遺伝する形質と遺伝しない形質,変異,遺伝のしくみ,品種の改良
生物の進化
進化の事実,進化の説明
生物の系統と分類
生物の系統,生物の分類
生物の利用と保護
生物の利用,生物資源の保護と育成,生物資源の開発

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導計画の作成にあたっては,指導する事項を精選し,基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現に便宜のために順序づけまとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項についてはそれらを相互に関連づけ,総合的に考察できるように構成し,学習を通してまとまった理解が得られるように指導する。
(4) 生物の構造と機能の学習については,有機的,統一的に生物を見るように扱い,その生命現象に対する関心を深めるように指導する。
(5) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において「生物」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(6) 基本的な事実,原理などの指導にあたっては,具体的な生物的事象とのつながりや帰納的な考え方を重視して指導するとともに,それの応用に関する事項を適宜に取り入れ,生活や産業との関連に留意する。
(7) できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は,次のような諸点に留意して選定し,指導する。
ア 重要な事実,原理などと密接に関連を持つ実験・観察であること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ 季節との関連に留意し,季節に応じた適切な時期に実験・観察ができるように計画し指導するとともに,その地域の生物の特徴に留意し,これらを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ スライド,映画,テレビ放送などを精選して活用し,実験・観察の効果を高めるようにすること。
(8) 機械器具の取り扱いについては,指導する事項との関連を図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(9) 動物体の構造や機能についての指導にあたって,カエル,ニワトリ,ウシなどの代表的な種類について取り扱い人体に関する理解をより的確なものにするように指導する。(10) 生命の尊重と,生物の保護,開発の重要性を認識させるように指導する。

第4 地 学
 1 目 標
(1) 地学的な事象についての関心を深め,すすんでこれらを探究しようとする態度を養う。
(2) 地学的な事象を実験・観察などを通して考察し処理する能力と態度を養う。
(3) 地学的な事象についての基本的な事実や原理・法則などの理解を深め,環境に適応して生活を合理化しようとする積極的な態度を養う。
(4) 自然の事象を,その相互の関係や長い時間的変化の観点から総合的にはあくさせ,自然界の変化,調和などを認識させるなどして科学的な自然観を育て,また,地学が生活や産業に応用されており,人類の福祉に深い関係のあることを認識させる。

 2 内 容
気象
気温の変化,気温変化の原因
湿度の変化,雲と霧,降水
気圧と風,天気図,日本の天気,天気予報
鉱物の種類と性質
造岩鉱物,鉱物の性質,鉱床
地球
地球の形と大きさ,緯度と経度
水陸分布,陸地の高低
海底の地形,海流,大気圏
地球の内部
地球の運動,季節と暦(太陽日,太陽時と標準時などにふれる)

月とその運動,潮の干満
日食と月食
太陽と太陽系
太陽の表面,太陽系の構造
惑星の見かけの運動,流星
恒星
色,光度,星座,銀河系と宇宙
地表の歴史
地層の整合,不整合,化石
地質時代と生物
日本列島の地質時代,日本の地質構造

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導計画作成にあたっては,指導する事項を精選し,基本的な事項の指導をじゅうぶんに行なうことができるように配慮する。
(2) 「内容」に示した各事項は,表現の便宜のために順序づけまとめてあるが,これは指導の順序やまとまりを示すものではない。指導にあたっては,指導する事項を順序づけ組織だてて適切な指導計画を作成しなければならない。
(3) 指導する各事項については,それらを相互に関連づけ,地学的な考え方を中心にして展開していくように構成し,学習を通して,まとまった理解が得られるように指導する。
(4) 単に知識や理解を得させるにとどまらず,その過程において,「地学」の目標とする科学的能力や態度を具体的に習得していくように指導する。
(5) 基本的な事実,原理などの指導においても,具体的な地学的事象とのつながりや,帰納的な考え方を重視して指導する。
(6) できるだけ広く実験・観察を通して学習させるようにする。実験・観察は,次のような諸点に留意して,選定し,指導する。
ア 重要な事実,原理などと密接な関連をもつ実験・観察であること。
イ 特定の事項の実験・観察に片寄ることなく,できるだけ指導する内容の全域にわたるようにすること。
ウ その地域の地学的な自然環境の特徴に留意し,これを有効に指導に取り入れるようにすること。
エ スライド,映画,テレビ放送などを精選して活用し,実験・観察の効果を高めるようにすること。
(7) 機械器具の取り扱いについては,指導する事項との関連を図り,操作の意味を考えさせるように指導する。
(8) 地学的な事象の相互の関連に留意し,これらをできるだけ総合的に取り扱うようにするとともに,適宜に自然の災害とその防止および資源の利用にふれ,その重要性を認識させるように指導する。


 
第5節 保 健 体 育

第1款 目   標
 運動の合理的実践を通して,心身の調和的な発達を促すとともに,個人および集団の生活における健康や運動についての理解を深め,これらに関する問題を自主的に解決する能力や態度を養い,国民生活を健全にし,豊かにしようとする意欲を高める。

 この目標は,「保健体育」の「体育」と「保健」の両科目のもととなるものである。指導にあたっては,両科目の目標とともに教科の目標の達成に努めなければならない。

第2款 各 科 目

第1 体 育
 1 目 標
(1) 各種の運動を適切に行なわせ,自己の体力に応じて自主的に運動する能力や態度を養い,心身の健全な発達を促し,活動力を高める。
(2) 運動についての科学的な理解に基づき,合理的な練習によって,運動技能を高めるとともに,生活における運動の意義についての理解を深め,生活を健全にし,豊かにする能力や態度を養う。
(3) 運動における競争や協同の経験を通して公正な態度を養い,自己の最善を尽くし,相互に協力して,個人や集団の目標の実現に向かって努力する能力や態度を養い,社会生活における望ましい行動のしかたを身につけさせる。

 2 内 容
 以下に示す「体育」の内容は,男子にあっては9単位,女子にあっては7単位を標準として,毎学年継続して履修させることを前提として作成したものである。

A 徒手体操
1 身体各部の運動を確実に行ない,身体の柔軟性を高めるとともに,他の運動の準備,整理,補強などに活用できるようにする。
(1) 次の身体各部の運動を複合したり結合したり,初めの姿勢に変化をつけたり,組になったり,手具を用いたりして行ない,律動的な動きができるようにする。
ア 下肢(し)の運動(屈伸,挙振,跳躍)
イ 上肢(し)の運動(屈伸,挙振,回旋)
ウ くびの運動(屈,転,回旋)
エ 胸の運動(伸展)
オ 体側の運動(屈,倒)
カ 背腹の運動(屈,倒)
キ 胴体の運動(転,回旋)
(2) 徒手体操を準備,整理,補強,きょう正などの目的に応じて適切な運動を選び,強度や速度などを変化させて行なえるようにする。

2 運動のねらいや効果を理解し,互いに批判し合って行なう能力や態度を養う。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 一般的事項
ア 指導にあたっては,運動の効果やねらいを理解させるとともに,生徒の自覚を高めて行ない,形式的にならないようにする。
イ 各部位の運動は,その方法や形のみにとらわれず,リズミカルな動きを重視する。
(2) 女子については,女子向きの運動を選ぶとともに,特に手具(棒,輪,ボールなど)を利用した運動を取り入れることも考慮する。
(3) 専門教育を主とする学科においては,特に疲労の回復,固癖の予防きょう正に活用させるようにする。

B 器械運動
1 次の運動によって,基礎的な運動能力を高めるとともに,それぞれの運動が正しく美しくできるようにする。
 男子――次の懸垂運動,跳躍運動,転回運動のうちから,それぞれ2種目以上を選択する。
(1) 懸垂運動
両足中かけ上がり
振り上がり
け上がり
ともえ
腕立て前(後)転
振りとび
横とび越しおり
開(閉)脚とび越しおり
2〜3種目の連続
(2) 跳躍運動
とび上がりおり(各種姿勢)
腕立てとび越し(斜め,水平,垂直,あおむけ)
なわとび(短なわ,長なわ)
(3) 転回運動
前転(開脚、伸膝(しつ)とび込み,台上)
後転(開脚,伸膝(しつ))
腕立て前(側)転,倒立前転
2〜3種目の連続

 女子――次の懸垂運動,跳躍運動,転回運動および平均運動のうちから,それぞれ1種目以上を選択する。
(1) 懸垂運動
懸垂移行
懸垂振り
さか上がり
前回りおり
腕立て前(後)転
(2) 跳躍運動
腕立てとび上がりおり
腕立てとび越し(開,閉脚)
腕立て横とび越し(正面,あおむけ)
なわとび(短なわ,長なわ)
(3) 転回運動
横転,前(後)転(屈膝(しつ),台上)
補助倒立前転
2種目程度の連続
(4) 平均運動
歩ー前(後)進
跳ー片足とび,両足とび
回転ー1/2回転,1回転
支持姿勢ー片足支持,腕と足との支持
上がり方ー腕立て懸垂の姿勢から上がる,腕立てとび上がり
おり方ーとびおり,腕支持でおりる。

2 練習計画を立て,互いに協力して安全に運動を行なう能力や態度を養う。
(1) 運動の要領を理解して,互いに批判し合って行なう。
(2) 正しい補助の方法を理解し,互いに協力し合って行なう。
(3) 適切な準備運動を行ない,安全に注意して練習する。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 器械運動においては,主として鉄棒,とび箱,マット,平均台を用いる運動を取り上げたが,懸垂,跳躍,転回,平均の各運動の目的を達成するために,他の適当な用具を用いた運動を行なってもよい。
(2) 懸垂,跳躍,転回,平均の各運動のうちからそれぞれ数種目を選択し,簡易な規則で競技を行なわせてもよい。
(3) 懸垂,跳躍,転回,平均の各運動のうちから2種目以上を選択する場合には,異なった種類のものを選び,同じ種類のものに片寄らないようにする。
(4) 指導にあたっては,用具の整備,点検を行なうとともに,生徒の能力および技能の発展段階などを考慮し,特に安全に注意する。

C 陸上競技
1 次の運動によって走,跳,投の技能や基礎的運動能力を高め,正規の規則に準じて,競技や審判ができるようにする。
 次の走と跳の運動のうちから,男子はそれぞれ2種目以上,女子はそれぞれ1種目以上,投の運動のうちから1種目以上を選択する。
(1) 走の運動ー短距離走(男・女),リレー(男・女),中・長距離走(男子のみ),持久走(女子のみ),障害走(男・女)
ア 走 法
 短距離走と中・長距離走のスタート,疾走フォーム,中・長距離走のペース,持久走の走り方,障害走のインターバルの走り方,障害の越し方,リレーにおけるバトンの受け渡し方
イ 規 則
 競走する場合のスタート,順位の決定,計時やリレーゾーン,バトンタッチなどについての規則
(2) 跳の運動ー走り幅とび(男・女),走り高とび(男・女),三段とび(男子のみ),棒高とび(男子のみ)
ア 跳 躍 法
 助走と踏み切り,空間のフォーム,着地のしかた
イ 規 則
 跳躍競技をする場合の試技,計測,順位の判定についての規則
(3) 投の運動−砲丸投げ,ソフトボール投げ
ア 投てき法
 持ち方,ステップまたはホップのしかた,突き出し方や投げ方
イ 規 則
 投てき競技をする場合のファール,計測などの規則
2 目標を決め,練習の計画を立てて自主的に練習する能力や態度を養う。
(1) 自己の到達目標を決め,目標に向かって最善を尽くす。
(2) 準備,計測,審判のための役割を決め,責任をもってそれをなしとげる。
(3) 互いに協力し合って練習する。
(4) 投てきでは,特に他の人に傷害を与えないようにする。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 一般的事項
ア 走,跳,投の運動を個々に取り扱うだけでなく,これらの種目を適宜組み合わせた混成競技の形式でも競技を行なわせるようにする。
イ 投の運動では,男子は主として砲丸投げ,女子は主としてソフトボール投げを取り扱うようにする。
ウ 中・長距離走や持久走を道路や山野で行なう場合には,適切なコースを選択するとともに必要な手続きをし,交通規則を守って安全に行なわせる。
エ 障害走に用いる障害物は,正規のハードルに限らないで,適当なものを用いてもよい。その高さは60cm〜80cm程度が適当である。
オ 投てき種目を指導する場合には,特に安全に関する練習上の約束を決め,それを厳守させる。
(2) 女子の持久走は,競走的な取り扱いを避け,体力に応じた指導の方法をくふうし,漸次持久力を高めるようにする。

D 格 技(男子のみ)
 すもう,柔道,剣道のうちから1種目以上を選択する。

1 次の運動の技能や規則を習得し,正規の規則に準じた試合や審判ができるようにする。
(すもう)
(1) 構え,四股(し),仲脚,仕切り(立ち合い),攻め,防ぎ,四つ身,運び足,調体,受け身などの基本動作
(2) 前さばきの技能(あてがい,しぼり込み,巻きあげ,はねあげ,巻き返しなど)
(3) 押し,突き,寄りの技能
(4) 投げの技能(すくい投げ,巻き落とし,突き落とし,うわ手投げ,出し投げなど)
(5) 試合およびそれに必要な規則と審判

(柔 道)
(1) 受け身,くずしと体さばきなどの技能
(2) 投げわざ
ア 背負い投げ,体落とし
イ 浮き腰,大腰,つり込み腰,払い腰,はね腰
ウ ひざ車,ささえつり込み足,大内刈り,大外刈り,小内刈り,出足払い,送り足払い(3) 固めわざ
ア けさ固め,肩固め
イ 横四方固め,かみ四方固め
(4) 試合およびそれに必要な規則と審判

(剣 道)
(1) 構え,足さばきおよび打突のしかた(上下,左右,斜め振り,面,小手,胴,突き)などの技能
(2) 打つ,突くわざ
ア 二,三段のわざ
 小手――面    小手――胴    面――胴
 突き――面    突き――小手   面――面
 小手――面――胴
イ 払いわざ
 払い面,払い小手,払い胴
ウ ひきわざ
 ひき面,ひき小手,ひき胴
エ 突きわざ
 片手突き,払い突き
(3) かわすわざ
ア すり上げわざ
 面すり上げ面,面すり上げ胴,面すり上げ小手
 小手すり上げ小手,小手すり上げ面,突きすり上げ面
イ 返しわざ
 面返し胴,面返し面
 小手返し小手,胴返し胴
ウ 抜きわざ
 面抜き胴,面抜き小手,面抜き面,小手抜き面
エ 打ち落としわざ
 胴打ち落とし面,突き打ち落とし面
(4) 試合およびそれに必要な規則と審判

2 相手を尊重し,互に協力して練習や試合をする能力や態度を養う。
(1) 計画を立て,協力して練習をする。
(2) 礼儀正しく,常に自己の最善を尽くして練習や試合をする。
(3) 服装や練習場所を清潔にし,安全に留意して行なう。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) すもうでは次の点に留意する。
ア 基本動作は準備運動としても活用する。
イ 押し,突き,寄りの技能は個々に取り扱うだけでなく,これらの技能を適宜組み合わせて練習させる。
ウ 投げの技能は安全なものを選び,押し,突き,寄りの変化として指導する。
エ 練習や試合において,手刀,けん突き,向こうげり,頭髪をつかむ,頭突き,のどわ,指取り,張り手,さばおりなどの禁じわざを用いないようにさせる。
オ 中学部ですもうを履修しなかった生徒には,基本動作,前さばき,押し,突き,寄りの技能などをじゅうぶん身につけさせてから,投げの技能を指導するようにする。
(2) 柔道では次の点に留意する。
ア 投げわざ,固めわざでは,できるだけ類似したわざを関連させて指導する。
イ 投げわざの指導にあたっては,既習のわざを利用した連絡わざも取り扱うようにする。
ウ しめわざと関節わざについては,技能の上達した者についてのみ指導するようにする。
エ 中学部で柔道を履修しなかった生徒には,受け身およびくずしと体さばきなどの技能をじゅうぶんに身につけさせてから,投げわざや固めわざを指導するようにする。
(3) 剣道では次の点に留意する。
ア 打ち返し,そんきょは,練習の過程において適宜指導する。
イ 打つ,突くわざに重点をおいて指導する。
ウ 中学部で剣道を履修しなかった生徒には,構え,足さばき,打突のしかたなどの技能をじゅうぶんに身につけさせてから,打つ,突くわざおよびかわすわざを指導するようにする。

E 球 技
 男女別の運動種目とその選択は次のとおりとする。

男 子
 バスケットボール
 ハンドボール
 バレーボール
 テニス(または卓球,バドミントン,ソフトボール)
 サッカー
以上の各群からそれぞれ1種目以上

女 子
 バスケットボール
 ハンドボール
 バレーボール
 テニス(または卓球,バドミントン,ソフトボール)
以上の各群からそれぞれ1種目以上

1 次の運動の技能や規則を習得して,正規の規則に準じたゲームとその審判ができるようにする。
(バスケットボール)
(1) 個人技能
 パス,ドリブル,ショット,ガーディング
(2) 集団技能
ア カットインプレーとその防御
イ スクリーンプレーとその防御
ウ セットオフェンスとその防御
エ ファーストブレークとその防御
オ マンツーマンディフェンスとその攻撃
カ ゾーンディフェンスとその攻撃
(3) ゲーム
 作戦,規則および審判

(ハンドボール)
(1) 個人技能
 パス,ドリブル,シューティング,ガーディング
(2) 集団技能
ア カットインプレーとその防御
イ スクリーンプレーとその防御
ウ W型およびV型攻撃とその防御
エ マンツーマンディフェンスとその攻撃
オ ゾーンディフェンスとその攻撃
(3) ゲーム
作戦,規則および審判

(バレーボール)
(1) 個人技能
 パス,タッチ,キル,サーブ,レシーブ
(2) 集団技能
ア タッチを中心とした送球と攻撃
イ キルを中心とした送球と攻撃
ウ 2段攻撃と3段攻撃を交えた攻撃法
エ 前衛,中衛,後衛間の守備の連けい(ストップとカバーを含む。)
オ 守備隊形の変形(3:4:2,2:4:3,4:3:2など)
カ 攻撃と守備の連けいとその変化
(3) ゲーム
 作戦,規則および審判

(テニス)
(1) 個人技能
 ストローク,サービス,ボレー,スマッシユ,ロビング,レシーブ
(2) ゲーム
ア シングルスゲーム
イ ダブルスゲーム
ウ 作戦,規則および審判

(卓 球)
(1) 個人技能
 ストローク,サービス,ドライブ,ショート,カット,レシーブ
(2) ゲーム
ア シングルスゲーム
イ ダブルスゲーム
ウ 作戦,規則および審判

(バトミントン)
(1) 個人技能
 ストローク,サービス,レシーブ
(2) ゲーム
ア シングルスゲーム
イ ダブルスゲーム
ウ 作戦,規則および審判

(ソフトボール)
(1) 個人技能
 投球,捕球,投手の投球,打撃,走塁
(2) 集団技能
ア 走者がない場合の攻撃と防御
(ア) 短打の場合
(イ) 長打の場合
イ 走者がある場合の攻撃と防御
(ア) ヒッティング
(イ) バント
(ウ) スクイズ
(エ) ヒットエンドラン
(オ) 盗塁
(3) ゲーム
 作戦,規則および審判

(サッカー)
(1) 個人技能
 キック,トラッピング,ドリブル,ヘッディング,タックル,シューティング
(2) 集団技能
ア ジグザグパスを用いる攻撃とその防御
イ 三角パスを用いる攻撃とその防御
ウ ショートパスによる攻撃とその防御
エ ロングパスによる攻撃とその防御
オ スリーバック型防御とその攻撃
カ ツーバック型防御とその攻撃
(3) ゲーム
 作戦,規則および審判
2 計画を立て,互いに協力して,練習やゲームを公正に行なう能力や態度を養う。
(1) グループやチームの計画を立て,目標をもって練習やゲームを行ない,自己の責任を果たす。
(2) はげしく競う場合でも平静さを失わず,相手の立場を尊重して公正にプレーする。
(3) 審判は厳正に行ない,審判の判定にすなおに従う。
(4) 急激なプレーに適応できるように準備運動をじゅうぶんに行ない,規則を守り,安全に運動を行なう。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 一般的事項
ア 女子には7人制ボールを実施する。男子でも狭いグランドでは7人制で行なうようにする。
イ バレーボールの指導では,6人制バレーボールを行なってもよい。
ウ テニス,卓球,バドミントンなどは,できるだけ多数の者が活用できるようにコートや用具の使用および指導のしかたをくふうする。また,男女混合のチームをつくってゲームを行なうなどの方法も考慮するとよい。
(2) サッカーの指導にあたっては,競技場を狭くし,競技時間を短縮して,6人制または8人制のサッカーを行なってもよい。

F 水 泳
1 次の運動によって,泳ぎや飛込の能力を高め,救助法を理解し,水中で安全に対処できるようにする。
(1) 泳 法
ア 各種の泳法
クロール,平泳,背泳,横泳,立泳,潜水
イ 競 泳
スタート,ターン,リレーの引き継ぎ,泳き方の規則
(2) 飛 込
 立ち飛込,さか飛込
(3) 救助法
 自分がけいれんを起こした場合,泳がないで助ける場合
 泳いで助ける場合(離脱法を含む)などの救助法
 人工呼吸法

2 互いに協力して,能力に応じた計画をもって自主的に練習する。
(1) 他人の泳ぎや飛込を批判するとともに安全に練習する。
(2) 予定した距離は泳ぎきるように努力する。
(3) 競泳を計画し,審判その他の役割を果たす。
(4) 水泳の一般心得や水泳場の遵守事項を守って安全に泳ぐ。
(5) 水から上がって休んでいる時でも,泳いでいる人の様子を見て安全に注意する。
(6) 水の汚染を防止するように協力する。
(7) 自己の泳力を過信して無理な泳ぎをしない。
(8) からだの調子が悪くなったときは,指導者に告げてから休む。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 水泳の心得をよく理解させ,それを励行させる。
(2) 足の動作その他の基本動作の練習は,授業の初めや終わりなどに適宜行なわせる。
(3) 初心者に対しては,面かぶり,沈み方,浮き方.立ち方などの練習によって,水に慣れさせ,泳ぎや飛び込みの練習にはいれるようにする。なお,指導に際しては,事前に学校医の診断を受け,必要に応じて適切に指導する。
(4) 近くの海などを使用して泳法を実施する場合は,競泳的な種目に代えて遠泳に適する泳法を選び,その泳法に習熟させ,長く泳ぐような練習計画を立ててもよい。
(5) クロール,平泳,横泳のうち,いずれか一つに習熟させることが望ましい。
(6) 泳いで行って救助する方法の指導にあたっては,未熟者には困難な方法であることを理解させる。

G ダンス
 男子にあっては,フォークダンスのみとする。

1 次のダンスの技能を習得し,フォークダンスを楽しく踊れたり,美しい作品がつくれるようにする。
(フォークダンス)
(1) 各国の異なった型のフォークダンス(民踊)を選び,風土的(民俗的)特性を知って,それにふさわしく踊る。
(2) それぞれの民踊に応じ,ステップや動作を相手に合わせてリズミカルにできるようにする。

〔舞踊創作〕
(1) 自然,生活事象,芸術および思想感情から題材を選び,変化と統一のある美しい作品にまとめる。
題 材 例
 流れ,四季,動きのデザイン
 労働のリズム,音楽によせて,人間の感情
(2) 個人や集団(2〜8人)で歩走,屈伸,回旋,回転,振動,平均,倒,波動などのリズミカルな動きや場所の使い方をくふうし,対比,均衡などの美的原理を活用した表わし方をする。

2 グループごとに計画を立て,互いに協力して,練習や発表をする能力や態度を養う。
(1) 礼儀正しく,親しみをもって行なう。
(2) 役割や配役を分担し,責任をもって果たす。
(3) 題材および内容や表わし方についてグループで決定し,協力してひとつのものを完成する。
(4) 創作の手順を理解し,グループ内または他のグループと協力して練習する。
(5) 目標を知り,計画をもって学習を進め,また発表会を計画して,じょうずに運営する。
(6) 互いに作品を批判し合って美意識を高める。

〔取り扱い上の留意点〕
(1) 男子のフォークダンスは,上学年に配当して指導することが望ましい。
(2) フォークダンスは,現在および将来のレクリェーションとして,生活に活用されるように内容や指導の方法をくふうする。
(3) フォークダンスは,できるだけ男女いっしょに学習させるようにする。
(4) フォークダンスと舞踊創作の指導時数の割合は,各学校の実情に応じて適宜配分する。
(5) 舞踊創作は,美的原理の理解に基づいてよい作品ができるようにする。また,広く社会の舞踊に対しても鑑賞力を高めるように指導する。

H 体育理論
1 発達と運動
(1) 高等部期の発達や生活の特性と運動
 高等部期における男女の身体の形態,機能,運動能力の発達の特徴とそれらと関連する精神的特性および生活時間や生活環境の特性と運動との関係を取り扱う。
(2) 運動の類型と特性
 体育・レクリェーションとして行なわれている運動の類型や構造および発達や生活における運動の意義を取り扱う。
 なお,登山,キャンプ,スキーなどの野外活動に関しては,特に安全のために必要な自然に対する知識,計画の立て方なども取り扱う。

2 運動の練習
(1) 運動練習の基礎
ア 運動の生理
 運動の練習と筋肉,神経,呼吸,循環,内分泌などとの関係および疲労や栄養との関係についても取り扱う。
イ 運動の力学
 運動技能に関連した力,速度,重力などの原理を取り扱う。
ウ 運動の心理
 運動技能の上達と運動の欲求,練習過程における進歩や停滞,競争の場における精神的緊張およびリーダーシップやチームワークなどを取り扱う。
(2) 運動の練習方法
ア 体力を高めるための練習法
 運動技能の上達と身体の柔軟性,敏しょう性,筋力,持久性などとの関係およびこれらを高めるための各種の練習法を取り扱う。
イ 運動技能の練習法
 運動技能の特性に応じた練習の方法を取り扱い,また練習の配分,練習量および練習の順序など練習計画についても取り扱う。
(3) 運動の練習と健康・安全
 運動の練習と傷害予防,疾病などとの関係を取り扱う。また,身体虚弱者や肢体不自由者と運動との関係についても取り扱う。
(4) 練習効果の測定
 呼吸,循環機能の簡易な検査法や柔軟性,敏しょう性,筋力などの測定方法,運動技能の測定方法およびこれらの結果の評価法などを取り扱う。

3 社会生活と体育
(1) 現代生活と体育
 都市の発達,職業の分化,交通通信の発達および自由時間の増加などによる社会生活の変遷と体育・レクリェーションの関係を概観する。
(2) 職業生活と体育
 職業生活の特性と運動との関係および職場における体育・レクリェーションの現状や問題などを取り扱う。
(3) 地域社会の生活と体育
 現代における家庭生活や地域社会の生活の特性と運動との関係および地域社会における体育・レクリェーションの現状や問題などを取り扱う。
(4) わが国の体育
 わが国における体育・レクリェーションに関する制度,施設などの現状や問題を取り扱い,社会における体育・レクリェーションの意義について考えさせる。

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 次の表は,2に示した内容の各領域の授業時数のおよその割合を示したものである。(各学年共通)
領 域
徒手体操   15〜20






 
  10〜20






 
器械運動





 
懸垂運動
跳躍運動
転回運動
   懸垂,跳曜,転回の
   各運動のうちからそ
   れぞれ2種目以上
 
懸垂運動
跳躍運動
転回運動
   懸垂,跳曜,転回,
   平均の各運動のう
   ちからそれぞれ1
   種目以上
陸上競技










 
走 短距離走,中・長距
  離走,障害走,リレー
跳 走り幅とび,三段と
  び,走り高とび,棒
  高とび
   走,跳の運動のうち
   ちからそれぞれ2種
   目以上

投 砲丸投げ,ソフトボー
  ル投げのうちから1種
  目以上
15〜20










 
走 短距離走,持久走,
  障害走,リレー
跳 走り幅とび
  走り高とび
   走,跳の運動のうち
   ちからそれぞれ1種
   目以上

投 ソフトボール投げ,
  砲丸投げのうちから
  1種目以上
 
10〜20










 
格 技
 
すもう,柔道,剣道のうちから1種目以上 5〜15 
 

 

 
球 技










 
バスケットボール
ハンドボール

バレーボール
テニス(または卓球,
    バドミントン,
    ソフトボール)

サッカー

上の各群のうちからそれ
ぞれ1種目以上
25〜35










 
 バスケットボール
 ハンドボール

 バレーボール
 テニス(または卓球,
   バドミントン,
   ソフトボール

上の各群のうちからそれ
ぞれ1種目以上

 
25〜35










 
水 泳 泳ぎ,飛込,救助法 5〜15 泳ぎ,飛込,救助法 5〜15
ダンス
 
フォークダンス
   (上学年のみ)
5〜10
 
フォークダンス
舞踊創作
20〜30
 
理 論   5〜10   5〜10


(2) 専門教育を主とする学科の男子において,8単位あるいは7単位に減じて指導する場合は,基本的事項の学習がおろそかにならないように各領域の内容を重点的に取り扱うようにする。
(3) 各領域の内容については,示された事項に基づき,地域や学校および生徒の実態などを考慮して選択するとともに,これに示していない運動種目(たとえばスキー,スケートなど)を加えて指導してもよい。この場合においても,示された目標や内容の趣旨を逸脱しないようにするとともに,各領域の授業時数の割合をあまり変更しない程度に各領域の授業時数をさいてこれに充てる。
(4) 各領域の運動種目の選択にあたっては,学年の発達段階を考え,低学年では身体の発達を促進させるような種目,高学年では将来の生活に取り入れやすい種目に重点をおくようにする。
(5) 適当な水泳場がなく,水泳を実施することができない場合には,これを欠くことができる。
(6) 水泳を欠く場合には,これらに割り当てられた授業時数を他の運動種目の指導に充てるか,または示されていない運動種目を加えて指導する場合に,これを充ててもよい。
(7) 指導計画の作成や指導にあたっては,それぞれの運動の特性,生徒の健康状態,体力,運動の経験,男女の特性を考慮するとともに,施設,用具なども考慮する。また特別教育活動や学校行事等と関連させて自発的,積極的な学習が行なわれるようにすることが望ましい。
(8) 身体機能や基礎的運動能力などの測定を行ない,生徒に自己の体力の現状をはあくさせるとともに,これらを指導のための資料として活用し,学習効果を高めるようにする。
(9) 各運動の指導にあたっては,指導のねらいや運動の特性に応じ,単に運動技能の指導のみに陥ることなく,必要な内容が片寄りなく学習されるように考慮する。
(10) 専門教育を主とする学科では,生徒の日常生活や学習環境などをじゅうぶん考慮し,運動の片寄りを防ぎ,職業による固癖を予防するなど,生活の調和を考えて,計画し指導する。
(11) 体育理論の指導は,体育の全体計画の中に位置づけ,できるだけ各運動の指導と関連を図るとともに,保健や他教科との関連を図り,それらの学習成果を有効に利用して指導する。
(12) 各運動の指導にあたっては,病弱者,身体虚弱者および肢(し)体不自由者などに対しては,学校医と連絡をとり,その程度に応じて適切な指導をする。
(13) 各運動の指導と関連させ,日常の正しい歩き方や姿勢についても適宜取り扱うようにする。
(14) 集団行動については,各運動の指導と関連させ,その必要性を理解させて適切に指導する。

第2 保 健
 1 目 標
(1) 健康な身体・精神と健康障害の基礎的な事項について科学的な理解を深め,これに基づいて,みずから進んで健康の保持増進に関する問題を解決する能力と態度を養う。
(2) 労働について保健の立場から理解させ,これに基づいて健康生活を計画し実践する能力と態度を養う。
(3) 公衆衛生について系統的に理解させ,集団の健康を増進し,国民保健の発展に寄与する態度と能力を養う。

 2 内 容
 以下に示す「保健」の内容は,2単位を標準とし,第2学年および第3学年,において履修させることを前提として作成したものである。
(1) 人体の生理
ア 恒常性とその維持
イ 適応作用
ウ 余裕と物質貯蔵
エ 年齢等による身体の変化
オ 全体性とその維持

(2) 人体の病理
ア 疾病の原因
イ 疾病による身体の変化
ウ 疾病の転帰・治療

(3) 精神衛生
ア 精神の発達
イ 精神と身体の関連
ウ 欲求と行動
エ 個人差と適応
オ 適応異常と精神障害

(4) 労働と健康・安全
ア 労働生理
イ 労働疾病
ウ 労働衛生
エ 労働災害
オ 労働者の生活と健康

(5) 公衆衛生
ア 公衆衛生の基礎的活動
イ 公衆衛生の内容と機構
ウ 公衆衛生と健康の本質

 3 指導計画および指導上の留意事項
(1) 理科「生物」,社会「倫理・社会」,家庭に関する科目などとの関連をじゅうぶん考慮する。
(2) 特別教育活動,学校行事等との関連を密にし,自発的,積極的な学習が行なわれるようにする。
(3) 学校における保健管理との関連を考慮して,これを学習に取り入れるとともに,学習の効果のあがるようにする。
(4) 家庭や地域社会における保健問題の解決に資するようにする。
(5) 人体の生理,精神衛生,公衆衛生などの学習においては,性教育を考慮し,成熟と男女の性別,月経・妊娠・出産の生理,結婚と健康などについて指導する。この学習にあたっては,性の純潔に関する道徳を高めることをねらいとして,男女の性別を考慮して指導する。
(6) 人体の病理,労働と健康・安全,公衆衛生などの学習においては,中毒とその予防の指導を考慮する。
(7) 精神衛生については,主として精神的健康の立場から取り扱うようにする。
(8) 労働と健康・安全,公衆衛生などの学習においては,法令の指導におわらぬよう考慮する。
(9) 労働と健康・安全の学習においては,生徒の日常の生活経験をもとにして,学習の効果のあがるようにする。
(10) 聴覚を保護したり,視覚障害やその他の身体障害を防止するために,指導にあたっては,耳鼻科医および眼科医などとあらかじめ連絡をとり,指導するようにする。
(11) 学習指導に際しては,視聴覚教材等をじゅうぶん活用し実習・調査・見学なども加え,学習の効果があがるようにする。
ア 衛生統計の実習
イ 生理的機能測定の実習
ウ 環境衛生の調査
エ 保健関係施設の見学および調査
オ 食品製造・加工施設の見学および調査


 
第6節 芸   術

第1款 目   標

1 芸術の学習経験を通して,創造性に富む個性豊かな人間の形成を目ざす。
2 芸術の学習経験を通して,美的感覚を洗練し,芸術的な表現力と鑑賞力とを養うとともに,情操の純化を図る。
3 芸術の学習経験を通して,個人生活や社会生活を明るく豊かにする実践的な態度や能力を養う。
4 芸術が,人間性の円満な発達や文化の調和的発展に欠くことのできないものであることを理解させるとともに,国際間の理解や親善に,芸術の果たす役割についても認識させる。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって,全体として「芸術」の目標をなすものであり,「芸術」の各科目の目標のもととなるものである。指導にあたっては,各科目の目標とともに,教科の目標の達成に努めなければならない。

第2款 各 科 目

第1 音 楽
 1 目 標
(1) 聴覚,視覚,振動感覚およびその他の感覚を通して音楽経験を深めながら,音楽的感覚を養い,美的情操を高める。
(2) 音楽を表現する楽しさと喜びを経験させるとともに表現する能力を伸ばす。
(3) 聴覚利用を通して,わが国および世界のよい音楽に親しませ,鑑賞能力を高める。
(4) 音楽の学習経験を通して得た音楽的教養を実生活に生かし,うるおいのある豊かな生活を営む態度や習慣を育てる。

 2 内 容
(1)  身体表現
ア 強弱や速度に対する感覚を伸ばす。
イ 基礎リズムを表現する能力を伸ばす。
ウ 拍子感を伸ばす。
エ フレーズ感を身につける。
オ 即興的なリズム表現の能力を伸ばす。

(2)  器 楽
ア 楽しく演奏する態度を養う。
イ 楽器を演奏する技能を高める。
ウ 合奏の能力を高める。

(3)  歌 唱
ア 楽しく歌う態度を養う。
イ 歌唱技能を高める
ウ 読譜および記譜の能力を伸ばす。
エ 愛唱歌をふやす。

(4)  聴覚利用・鑑賞
ア 楽しく聞く態度を養う。
イ 静かに注意深く,しかも想像豊かに聞く習慣を養う。
ウ 楽器の種類とその特徴を理解させる。
エ 音楽の種類および演奏形態について理解させる。
オ 愛好曲をふやす。

(5)  音楽理論,音楽史
ア 楽典や平易な和声および楽式などについて理解させる。
イ わが国および世界の音楽の流れについて理解させる。

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 音楽の目標を達成するには,各領域は相互に関連させ,その指導にあたっては,統合的に行なう。
(2) 指導計画を作成するにあたって基礎的な能力や技能に関するものは,各学年を通して系統的かつ累積的に指導する。
(3) 指導にあたっては,知的理解や技能の指導に片寄ることなく,感覚や身体表現を通して豊かな音楽経験をさせる。
(4) 指導にあたっては,視聴覚教材等を出来るだけ活用する。
(5) 能力差に即して実情に応じた指導が望ましい。
(6) 聴覚利用については,第1学年においてはすべての生徒に履修させ,第2,3学年においてもこれに準ずることが望ましい。

第2 美 術
 1 目 標
(1) 絵画,彫刻,デザインなどの学習経験を通して,創作の喜びを味わわせ,創造的な表現能力を養う。
(2) すぐれた美術作品に親しませて,美術的な鑑賞能力を養う。
(3) 美術の学習経験を通して,情操を豊かにするとともに,美術的な能力を生活に生かす態度や習慣を養う。
(4) わが国および諸外国の美術の伝統や動向を理解させ,美術文化を愛好し尊重する態度を養う。

 2 内 容
 以下に示す「美術」の内容は,2単位を標準とし,美術に関する科目をはじめて履修する際に取り扱うことを前提として作成したものである。

A 表 現
(絵 画)
 個性に基づく美的な表現の体験を積み,楽しく芸術的に創造する能力を養う。
(1) 具象的絵画
 対象に美しさを見いだし,その感動に基づいて対象を率直に表現させたり,また,構想に基づいて具象的に表現させたりする。
ア 表現題材は,身近な対象から選ぶものとする。
イ 表現材料は,素描材料,彩画材料その他から適宜選ぶものとする。
ウ 表現方法は,題材や表現の意図に応じて表現材料を活用し,表現の効果が得られるようにくふうさせる。
(2) 非具象的絵画
 自己の心象を,非具象的に色や形などによって自由に表現させる。
 表現は,抽象的な表現を主体とし,表現材料は,素描材料,彩画材料その他から適宜選ぶものとする。
(3) 上記(1)および(2)の絵画の制作にあたっては,形体,色彩,材質などを平面的に処理することに慣れ,これによって自己の感情や考えを表現できるようにするため,特に次の事項を指導する。
ア 形体――外観のみでなく,組成についても考察すること。
イ 色彩――外界に見られる色,絵に表わす色などについて理解すること。
ウ 材質――材質感の相違を描き出すこと。
エ 技法――描画材料の特質を生かすこと。

(彫 刻)
 個性に基づく創造的な表現能力を養い,制作を通して立体についての表現の楽しさを味わわせ理解を得させる。
(1) 具象的彫刻
 身近な自然の対象に立体的な美しさを見いだし,その感動を率直に表現させる。
ア 表現題材は,身近な人物,動物などから適宜選ぶものとする。
イ 表現材料は,粘土,木,石,紙その他から適宜選ぶものとする。
ウ 表現方法は,モデルを使ったり,スケッチまたは記憶により,対象をすなおにまる彫り,浮き彫りなどの形式によって写実的に表現する。
 粘土を使用した場合は,素焼きや,石こうどりするのもよい。
(2) 非具象的彫刻
 抽象形体による立体や構成などの基礎的な表現を主とする。
 表現は,抽象形体を基礎にし,表現材料は,粘土,木,石,金属,紙その他から適宜選ぶものとする。
(3) 上記(1)および(2)の彫刻の制作にあたっては,かたまり,面,量,質などについて,次の事項を指導する。
ア かたまり――立体をかたまりとして見ること。
イ 面――面によって,かたまりの形にまとまりを与えること。
ウ 量――かたまりを量感でとらえること。
エ 質――表現に適した材質を選ぶこと。

(デザイン)
 用に関するいろいろな条件を考えて,構想を美的かつ創造的に表現する能力を養うとともに,その基礎としての形体,色彩,材質などによる構成により,造形的感覚を訓練する。
(1) 構 成
 適切な方法と材料などにより,次の基礎的な学習を通して,形体,色彩,材質などの構成力を養う。
ア 配 色
 色相,明度および彩度をもとにした配色を通して,調和の感覚を高めるとともに,配色効果を自由に表現できるようにさせる。
イ 形の構成
 自然や人工の形の観察や抽象形をもとにした学習を通して,形や形の構成の美しさを経験させる。
ウ 技法や材料についての研究
 いろいろな表現の技法をくふうし,また,材料の持つそれぞれの特質を研究し,これを用いて各種の表現を試みさせる。
(2) デザイン
 視覚的な効果を主とする物の中から適宜選んで,次の事項を指導する。
ア 構 想
 デザインする物の諸条件を考えて,創造的な構想をまとめるようにさせる。
イ 制 作
 構想を的確に表わす能力を得させるようにする。
B 鑑 賞
(1) 美術の鑑賞
 作品に接して,その作品の美しさをすなおに味わわせる。また,作者の精神にふれさせたり,造形的にも考察させる。
ア 絵 画
イ 彫 刻
ウ 建築,工芸など
(2) 美術常識
 美術の人生に対する意義や価値に関心をもたせるとともに,美術の表現や鑑賞の活動を進めるのに必要な美的構成などについて理解させる。
ア 美術と生活
(ア) 個人生活と美術
(イ) 美術鑑賞の態度
(ウ) 美術品の保護活用
イ 美的構成
(ア) 色 彩
(イ) 形 体
(ウ) 材 料
(エ) 美の構成要素
(3) 美術変遷の概要
 近代美術の動向に関心をもたせ,また,この観点から日本美術,および西洋美術の変遷の概要についても指導する。

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 内容は,表現および鑑賞の二つの領域に大別し,表現はさらに,絵画,彫刻およびデザインの三つに分けてある。指導計画の作成や指導にあたっては,それぞれの特性を生かすとともに,相互の有機的な関連を図るようにする。
(2) 絵画,彫刻およびデザインの指導においては,造形の美的な基礎となる要素を,表現の指導と関連づけて扱い,効果があがるようにする。
(3) 鑑賞の指導における造形的な考察を,表現に役だたせるようにする。
(4) 必要に応じて共同制作なども課し,学習効果をあげるようにする。
(5) 指導する事項や指導法については,教師の興味に片寄ることなく,多面的な生徒の必要や要求に応ずるようにくふうする。
(6) 指導を有効に進めるためには,美術に関する各種の立体的造形品,図版,スライドなどの資料を精選し,これらを効果的に活用することが望ましい。
(7) 美術館,博物館,美術展覧会などを適宜利用するようにすることが望ましい。

第3 工 芸
 1 目 標
(1) 工芸の学習経験を通して,創作の喜びを味わわせる。
(2) 造形的な思考力と感覚の統合によって,物をつくりあげる創造的な能力を養う。
(3) 工芸の学習経験を通して,工芸,建築などに対する批判,鑑賞の能力を養う。
(4) 工芸の学習経験を通して,生活を造形的な面からくふう改善し,明るく豊かにする実践的態度を養う。
(5) 工芸,建築文化の伝統や動向を理解し,これを愛好し尊重する態度を養う。

 2 内  容
 以下に示す「工芸」の内容は,2単位を標準とし,工芸に関する科目をはじめて履修する際に取り扱うことを前提として作成したものである。

A デザインの基礎練習
 工芸的デザインの特質を考慮して,その要因と表示に関する基礎事項を計画的に学習させる。
(1) 美的構成
 美的構成に必要な形体,色彩,材質などの諸要素の感覚を訓練し,構成力を養う。
ア 自然や人工物における形体の観察と発見
イ 美的構成
 配  色
 形の構成
 材質の構成
(2) 材料と構造
 材料の持つ特性を研究し,その造形的な可能性を見いだす態度を養う。
ア 材料
 材料の形状や材質を生かした造形的可能性の発見
イ 構造
 材料の成形や組み合わせによる構造
(3) 表示
 構想を的確に表示する能力の基礎を養う。
ア スケッチ,製図など
イ 模型その他の立体など

B デザインと製作
 創造的な構想に基づき,用途,材料,製作法,美感などの立場から,総合的に計画し,表示する能力と製作する能力を養う。
(1) 視覚的効果を主とするもの
 以下に示す物の中から適宜選んで,デザインして製作させる。
ア 展示,包装,広告など
イ 器物,室内調度品,服飾品など
(2) 機能的効果を主とするもの
 以下に示す物の中から適宜選んで,デザインさせ,またはデザインして製作させる。
ア 家庭,学校その他身近な器物家具など
イ 建造物
 遊具,住宅など
ウ 機構的なもの
 がん具,日用器具,交通機関など
(3) 上記(1)および(2)による製作に際しては,次の事項を指導する。
ア 材料
イ 加工法
ウ 用具,機械の扱い方

C 批判・鑑賞
 作品に即して,工芸,建築に対する批判,鑑賞させ,造形的な思考力と美的感受性を養う。
(1) 批判・鑑賞の対象
ア 生徒作品,身近な造形品
イ 量産による工芸品
ウ 機械や建造物
(2) 上記(1)の扱いにおいては,次の観点から指導する。
ア 工芸,建築の用途,材料,構造,製作過程,審美性,経済性などの要因とその融合
イ 工芸,建築と生活との関係
ウ 時代の動きと作品との関係

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 内容は,デザインの基礎練習,デザインと製作,批判,鑑賞の三つの領域に分けてある。指導計画の作成や指導にあたっては,それぞれの特質を生かすとともに,相互の有機的な関連を図るようにする。
(2) 創作活動を主体にする指導においては,生徒の着想を尊重し,その構想を実現させるため,教師は適切な助言をする。
(3) デザインと製作は一貫して行なうことをたてまえとするが内容によっては,デザインとその表示に終わるものがあってよい。
 なお,デザインと製作の指導に際しては,次の点に留意する。
ア 題材については,生徒の興味と理解の程度を考え,身近な生活環境から選択すること。
イ 製作完成するものについては,材料は入手しやすく,加工のあまり困難でないものであること。
ウ 製作に際して使用する工具,機械などは,生徒の能力に応ずるものであること。
(4) 指導する事項や指導法については,次の点を考慮する。
ア 教師の興味に片寄ることなく,多面的な生徒の必要や要求に応ずるようにくふうすること。
イ 絶えず新しい科学技術や芸術の動向に留意して,研究し改善するようにすること。
(5) 必要に応じて共同製作なども課し,学習効果をあげるようにする。
(6) 環境を整備し,安全,清潔,あとかたづけなどに留意し,事故の防止に努めることが必要である。
(7) 指導を有効に進めるためには,工芸に関する各種の造形品,図版,スライドなどの資料を精選し,これらを効果的に活用することが望ましい。
(8) 環境に関心をもつように心がけ,また,工芸に関する施設,工場,展覧会,美術館などを適宜利用するようにすることが望ましい。

第4 書 道
 1 目 標
(1) 書写能力を高め,書の表現力を養い,創作する喜びを得させる。
(2) すぐれた書に親しませ,書の鑑賞力を養う。
(3) 書の理論および伝統や動向を理解し,書を愛好するとともに,その発展に努めようとする態度を養う。
(4) 書の表現,鑑賞および理解を通して,美的感覚を洗練し,芸術文化に対する理解を深め,うるおいのある生活を営む態度や能力を養う。

 2 内 容
 以下に示す「書道」の内容は,2単位を標準とし,書道に関する科目をはじめて履修する際に取り扱うことを前提として作成したものである。

A 表 現
(1) 感興や用途に応じる表現ができるようにする。
(2) 表現を容易にし,より効果的にするため,創作や臨書をさせる。
(3) 次の事項について,表現の理法や技術を習得させる。
ア 全体のまとめ方
(ア) 文字の選び方
(イ) 文字の大きさ,太さ
(ウ) 字くばり
(エ) 字間,行間,紙面などの余白
(オ) 墨の濃淡,墨の潤渇
(カ) 律  動
(キ) 調  和
(ク) 統  一
イ 字形のとり方
(ア) 均  斎
(イ) 均  衡
(ウ) 墨の濃淡,墨の潤渇
(エ) 脈  絡
(オ) 律  動
ウ 点や線の書き方
(ア) 用筆,運筆
(イ) 用具用材と線質との関係
(ウ) 方向,長短,曲直,細太,律動
(エ) 墨の濃淡,墨の潤渇
(4) 主として表現の学習を通して,書の特質と現代的意義など,書についての基礎的な理解を得させる。

B 鑑 賞
(1) 書の美について,次の着眼点などから,味わうようにする。
ア 書の性情を,直観的に,気品,明暗,強弱などの着眼点から味わう。
イ 全体の構成美を,調和,変化と統一,律動などの着眼点から味わう。
ウ 文字の形体美を,均斎,均衡,律動などの着眼点から味わう。
エ 線美を,強さ,深さ,曲直,細太,律動などの着眼点から味わう。
オ 墨色美を,濃淡,潤渇などの着眼点から味わう。
(2) 書の美について,上記(1)の着眼点などから,総合的に味わうようにする。
(3) 主として鑑賞の学習を通して,次の事項について,理解を得させる。
ア 書体の種類とその現代的意義
イ おもな書風とその現代的意義
ウ かなの成立と特性

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 表現や鑑賞のいずれにも片寄ることなく,両者を常に関連させて,指導を有機的,効果的にすることがたいせつである。
(2) 教材は,現代の書あるいは古名跡のいずれにも片寄ることなく,目的に応じて精選して,利用するようにする。
(3) 臨書の教材は,現代の書ならびに古名跡の代表的な楷(かい)書,行書,草書およびかなとし,平易な隷(れい)書を加えてもよい。
(4) 用具は,毛筆だけに限ることなく,目的や用途に応じて広く硬筆その他を取り上げるように考慮する。
(5) 臨書と創作,現代の書と古名跡,芸術作品と実用文書などの指導の比重は,目的に応じて適切にする。


 
第7節 外 国 語

第1款 目 標

1 外国語の基本的な語法に習熟させ,読むことおよび書くことができるようにさせる。
2 外国語の音声,聞くことおよび話すことを理解させる基礎を養う。
3 外国語を通して,その外国語を日常使用している国民の日常生活,風俗習慣,ものの見方などについて基礎的な理解を得させる。

 以上の目標の各項目は,相互に密接な関連をもって,全体として外国語の目標をなすものであるから,指導にあたっては,この点を常に考慮しなければならない。

第2款 英 語

1 目 標
(1) 英語の発音,アクセント,初歩的な抑揚ならびに,聞くことおよび話すことについて理解させる。
(2) 英語の基礎的な語,句,文に親しませ,読むことや書くことができるようにさせる。

2 内 容
(1) 言語材料
 言語材料および題材は,次の程度および範囲のものを扱う。
ア 言語材料は,現代の標準的な英語とする。
イ 文は,単文,重文および複文ならびに平叙文,疑問文,命令文,感嘆文などとする。 文型は,基本的なものとする。
ウ 語および連語
(ア) 新語の数は,中学部における学習の基礎の上に,1学年間におよそ400語程度とし,聾学校学習指導要領中学部編第2章第9節第2の別表1に示した語の中から運用度の高いものを選ぶものとする。
(イ) 連語は,基本的なものとし,聾学校学習指導要領中学部編第2章第9節第2の別表2に示したもののうちから選択したものを含める。
エ 文法事項は,およそ次の程度および範囲とする。
(ア) 名 詞
 種類,変化および基本的用法。
(イ) 代名調
 種類,変化および関係代名詞の基本的な用法。
(ウ) 冠 詞
 種類,および基本的用法。
(エ) 形容詞
 比較,および基本的用法。
(オ) 動 詞
 時制,活用,受動,不定詞,分詞,動名詞などの用法のうちもっとも基本的なものを主とする。
(カ) 助動詞,副詞,前置詞,接続詞についても,もっとも基本的なものを主とする。
オ 文字および符号は,中学部の場合と同じ取り扱いとする。
カ 題材は,主として英語国民の日常生活,風俗習慣,物語,地理,歴史などに関するもののうちから変化をもたせて選択し,特定のものに片寄らないものとする。なお,題材の形式は,主として対話文および説明文形式および少数の物語形式のものを加える。

3 学習活動
 学習活動には,次のものを含めるものとする。
ア 聞くこと,話すこと。
(ア) 英語を聞き取らせる。
(イ) 英語を聞かせ,これにならって言わせる。
(ウ) 英語を聞かせ,これに動作で答えさせる。
(エ) 英語を暗記し,暗唱させる。*
(オ) 実物,絵画,動作などについて英語で言わせる。
(カ) 文の一部を置き換えて言わせる。
(キ) 文を転換して言わせる。*
(ク) 英語で問答させる。
イ 読むこと
(ア) 範読にならって音読させる。
(イ) ひとりで音読させたり,集団で暗読させたりする。
(ウ) 対話の登場人物を分坦して読ませる。
ウ 書くこと
(ア) 習字をさせる。
(イ) 英語を見て書き写させる。
(ウ) 語のつづりを言わせたり,書かせたりする。
(エ) 英語を書き取らせる。
(オ) 暗記した文を書かせる。
(カ) 文の一部を置き換えて書かせる。
(キ) 文を転換して書かせる。

〔備考〕 *印を付した学習活動は,4単位時間以上実施する場合に,深めるものとする。

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 1単位時間の学習指導においては,聞くこと,話すこと,読むことおよび書くことの領域にわたって,つりあいのとれた形で進めることが必要である。
(2) 第1学年生徒の入学当初に,テスト,調査,面接などによって生徒の学力を診断し,その結果に基づいて指導計画を立てるとともに,中学部における学習をまとめさせながら,しだいに高等部の内容を指導するようにする。
(3) 言語材料は,既習のもののうち運用度の高いものについては,反復練習してじゅうぶん習熟させながら,少しずつ新しいものを加えていくように配列する。
(4) 第1学年,第2学年および第3学年の指導計画は,2の内容に示す学習活動を生徒の実態に即し,3学年間に配分して各学年の計画を立てるようにする。
(5) 英語をはじめて履修させる場合,聾学校学習指導要領中学部編の内容に示されている事項および指導上の留意事項を参考にして取り扱うものとする。
(6) 上記の文法事項に関する用語は文法事項の程度および範囲を示すもので,扱い方を示すものではないから,指導にあたっては用語の掲示は最少限にとどめるようにする。
(7) 指導にあたっては,特定の指導法に片寄ることなく,生徒の心理,特性,特に聴覚障害の程度・経験などに即し,視聴覚教材を活用して平易にしかも楽しく習わさせるようにくふうする。
(8) 音声の指導にあたっては,補聴器,レコード,録音機,テレビ放送を活用するとともに,その補助的な手段として万国音標文字のうち必要なものを掲示してもよい。なお,発音の正確さについて過度の要求をしないようにする。
(9) 読むことの領域においては,文の組み立てや語句の使い方に注意させ日本語との相違に気づかせ,暗唱および書き取りをできるだけ回数を重ねて行ない,学習を確実に積み重ねていくように指導する。
(10) 英語の学習にかなり個人差が現われてくる段階であるが,学習のおくれている生徒には基本的事項を徹底させるとともに,学習の進んでいる生徒には,いっそう能力を伸ばさせるようにくふうする。


 
第8節 家  庭

第1款 目   標

1 衣食住保育その他の家庭生活に関する知識と技術を習得させる。
2 家庭消費の意義を知り,消費者としての立場と責任を理解し,国民経済に貢献する態度を養う。
3 家庭を経営する者としての立場から家庭生活の改善向上を図り,進んで地域の家庭生活の改善を図る能力や態度を養う。

第2款 各 科 目

第1 家庭一般
 1 目 標
(1) 家庭経営の立場から家庭生活全領域にわたる知識理解を深め,食物,被服,住居ならびに保育などの基礎的技術を総合的に習得させ,特に食生活に重点をおいて家庭生活の改善向上を図る実践的態度を養う。
(2) 家庭生活の重要性を認識し,家庭の幸福と健康の維持増進を図る能力と態度を養う。
(3) 衣食住その他の家庭生活を科学的,能率的,経済的に運営する能力と態度を養う。
(4) 保育における家庭環境と生活指導の重要性を理解し,乳幼児保育についての知識と技術を習得させるとともに,それらを基礎として正しい児童観を養う。

 2 内 容
(1) 家庭生活と家庭経営
ア 家庭生活の意義
イ 家庭経営の意義

(2) 計画的な経済生活
ア 予算生活
(ア) 収入と支出           (イ) 予算と決算
(ウ) 家計簿記
イ 購入と消費
(ア) 購入法             (イ) 合理的な使用法

(3) 能率的な家庭生活
ア 生活時間の計画
(ア) 生活時間調査          (イ) 生活時間の計画
イ 家事労働の能率化
(ア) 家事労働の特徴         (イ) 家事労働の能率的な方法

(4) 食生活の経営
ア 栄養と献立
(ア) 年齢別・性別・労働別栄養所要量 (イ) 食品の栄養価
(ウ) 栄養の充足・し好と献立
イ 家族の献立
(ア) 家族構成と献立         (イ) 食物費の適正
(ウ) 調理の能率化
ウ 日常の食品
(ア) 炭水化物性食品         (イ) 脂肪性食品
(ウ) たんぱく質性食品        (エ) 無機質の給源となる食品
(オ) ビタミンの給源となる食品    (カ) 強化食品
エ 食品の選択と取り扱い
(ア) 衛生的な食品の選び方      (イ) 食品の洗浄と消毒
(ウ) 調理操作による食品成分の損失  (エ) 食物の保管
オ 調理
(ア) なま物             (イ) しる物・飲み物
(ウ) ゆで物・あく抜き        (エ) あえ物・酢の物
(オ) 煮 物             (カ) 蒸し物
(キ) 焼き物             (ク) いため物
(ケ) 揚げ物             (コ) 寄せ物
カ 食生活の合理化
(ア) わが国の食糧事情        (イ) 家族の栄養改善
(ウ) 台所の改善

(5) 衣生活の経営
ア 被服の機能
イ 衣服計画
(ア) 衣生活の現状          (イ) 被服材料の選択
(ウ) 被服整理            (エ) 家族の被服計画
ウ 家族の被服製作
(ア) 個性にあったデザイン      (イ) 型紙の活用法,用布の裁断
(ウ) 日常着の縫製
エ 衣生活の合理化

(6) 住生活の経営
ア 住居の機能と各室の配置
イ 住居の能率

(ア) 能率的な生活様式        (イ) 施設・設備と能率
ウ 住居の衛生と安全
エ 住居の管理と美化

(7) 乳幼児の保育
ア こどもの健全な成長と家庭
(ア) こどもの要求と適応       (イ) こどもと家庭環境
イ 乳幼児の心身の発達
(ア) 乳幼児の身体発育とその特徴   (イ) 乳幼児の精神発達とその特徴
ウ 乳幼児の食物と被服
(ア) 乳児の栄養           (イ) 幼児の栄養
(ウ) 幼児食の献立と調理       (エ) 乳幼児の被服

エ 乳幼児の生活指導
(ア) 基本的習慣           (イ) 遊び・児童文化財
オ 育児と結婚
(8) 家庭生活の改善向上
ア  改善を要する問題
イ  改善向上の方法

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 家庭生活の実態と地域の実情に即して実践的に指導する。
(2) 食生活の経営においては,献立作成の能力を養うとともに調理実習に重点をおくが,手法のみにとらわれず調理理論を理解させる。
(3) 衣生活の経営においては被服計画に重点をおき,被服製作の内容は地域の実情や家庭環境を考慮して選択させる。
(4) 住生活の経営においては,能率的で快適な住居のくふうを図るように指導する。
(5) 乳幼児の保育においては,心身の発達は乳児に重点をおき,生活指導は幼児を中心とし,実習,観察,見学などの方法を取り入れて指導する。
(6) それぞれの事項において家庭関係を具体的に指導する。
(7) ホームプロジェクトおよび学校家庭クラブの意義を理解させ,その活動について基礎的な指導を行ない,学習効果をあげるようにする。
(8) 常に聴覚の障害からくる自己中心の動作をきょう正させ,家族関係およびその生活を円満に実践させるよう指導する。
(9) 視聴覚教材等をじゅうぶんに利用して理解をたすけ,実習効果をあげるよう指導する。

第2 被 服
 1 目 標
(1) 日常家庭生活に必要な被服に関する知識と技術を習得させる。
(2) 衣生活を保健・衛生・活動・休養の実用的立場や,被服材料の性能に関する科学的見地から理解させる。
(3) 被服の選択・製作・整理等を科学的,能率的,経済的に処理する能力と態度を養う。
(4) 家庭経済,衣料事情,服飾,儀礼および服装の推移等から見て適当な衣生活を理解し,これを実践する態度を養う。

 2 内 容
(1) 被服の役割
ア 保健衛生と被服
イ 着用目的に応じた被服の適用方法
(2) 被服材料
ア おもな被服材料とその用い方
イ わが国の衣料事情
(3) 意匠
ア 服装美とその要素         イ 個性とデザイン
(4) 被服製作
ア 用途に応じた型・デザイン     イ 材料の選定
ウ 型紙,型紙の製作および活用法用布の裁断
エ 縫製
(例) ワンピースドレス・ひとえ長着・ツーピースドレス・作業服・こども服・長着・はおるもの・スーツ・休養着・乳児服・寝具類など
(5) 被服整理
ア 洗たく              イ しみ抜き
ウ 手入れ・保存
(6) 手芸
ア 編み物              イ 刺しゅう
ウ 染色               エ 織物
オ その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 被服材料,被服整理等は,実験・実習によって指導するように留意する。
(2) 被服製作,手芸については,地域の状況や履習単位の多少によって適当な製作品を選択し,基礎的な技術を習得させる。
(3) 火気・針・薬品等の取り扱いに注意して,事故の防止に努める。
(4) 職業人としての知識と技術を習得し,業務に従事する技術者としての態度を養う。

第3 食 物
 1 目 標
(1) 家庭生活に必要な食物に関する知識と技術を習得し,食生活の改善向上を図る実践的態度を養う。
(2) 家族の年齢その他個人の要求に適合する献立作成の能力を習得させる。
(3) 日常食その他の基本的な調理の技術を習得させる。

 2 内 容
(1) 栄養素の機能
ア 炭水化物の分類とその代謝     イ 脂肪の分類とその代謝
ウ たんぱく質の分類とその代謝    エ 必須(ひっす)アミノ酸とたんぱく価
オ 無機質の種類とその生理機能    カ ビタミンの種類とその生理機能
(2) 消化と吸収
ア 食物の味,食欲          イ 消化と消化酵素
ウ 吸収と排出            エ 消化吸収率
(3) 特殊栄養
ア 母性栄養             イ 小児栄養
ウ 老人栄養
(4) 加工食品・市販調理食品
ア 穀 類              イ いも類
ウ 豆 類              エ 油肪類
オ 獣鳥肉類             カ 魚貝類
キ 乳卵類              ク 野菜類
ケ 果実類              コ 海草類
サ きのこ類             シ 調味料・香辛料・し好品
ス 市販調理食品
(5) 食品衛生
ア 食中毒              イ 腐敗
ウ 食品添加物            エ 食品衛生監視
(6) 献立
ア 妊婦・授乳婦の献立        イ 小児の献立
ウ 老人の献立            エ 朝・昼・夕の栄養配分
(7) 調理
ア 日常食              イ べんとう料理
ウ 行事食              エ 簡単な客ぜん料理
オ 病人食

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 理論は単なる理論として遊離することなく,実生活と関連させ,食生活向上の意欲を起こさせ,それを実行するように指導する。
(2) 調理実習においては献立を考慮し,調理実験と関連をもたせて指導する。
(3) 視聴覚教材,見学などを適宜取り入れて,学習をいっそう効果的になるように指導する。
(4) 実習にあたっては,器具および火気の取り扱いや,衛生にじゅうぶん注意して,事故の防止に努める。

第4 保 育
 1 目 標
(1) こどもの心身発達の理解を深め,その生活指導についての知識と技術を高め,健全な成長を図る能力と態度を養う。
(2) 正しい児童観を養い,常にこどもの現実をはあくして,健全な人間形成を助成する能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 妊娠と分べん
ア 妊娠と摂生           イ 分べんと産じょく中の摂生
(2) 乳幼児の心身発達
ア 身体発育と生理         イ 精神発達
(3) 乳幼児の栄養
ア 乳幼児の栄養          イ 幼児期の栄養
ウ 調乳,離乳食の献立・調理
(4) 乳幼児の生活指導
ア 養護              イ 生活習慣
ウ 精神衛生            エ 保育の協同化
(5) 乳幼児の病気とその予防および看護
ア 乳幼児の死亡率         イ 乳幼児のかかりやすい病気
ウ 予防              エ 看護
(6) 育児法の改善
(7) 児童と社会
ア 児童観の発達          イ 児童の福祉
ウ 青少年不良化の問題

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「家庭一般」で重点的に扱った項目は重複しないように指導する。
(2) 家庭や近隣,保育施設における実習や視聴覚教材等の利用などにより効果があがるように指導する。

第5 家庭経営
 1 目 標
(1) 物資,金銭,労力,時間を有機的,総合的に使用して家庭生活を運営する知識と技術を習得させ,その充実向上を図る態度を養う。
(2) 家族の心理や特徴を理解し,その要求や関心を配慮して,家庭生活を円滑に運営する能力と態度を養う。
(3) 家族の職業や所得に応じて,家庭経済を計画的に運営し,その安定と向上を図るための知識と技術を習得させ,さらに家庭経済と国民経済との関連を理解させる。
(4) 物資の購入や使用を通して,消費者としての社会的立場を自覚させ,その合理的な方法を習得させる。
(5) 時間を計画的に使用し,家庭生活の能率化を図り,余暇を善用して生活の向上を図る能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 家 族
ア 家族関係             イ 家庭生活と職業
ウ 家庭生活と法律          エ 日常の作法
(2) 家庭経済
ア 収入と生活費           イ 経済計画
ウ 家計簿記             エ 物資の購入の消費の合理化
オ 貯蓄・保険            カ 家庭経済と国民経済
(3) 労力と時間の管理
ア 労働と休養・余暇         イ 労力と時間の使用計画
(4) 住居の改善
ア 住居の環境衛生          イ 住居の設計
ウ 施設・設備と装飾         エ 住宅問題

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 家庭経営の原理を,衣食住の実践的な活動を通して理解させるように指導する。
(2) 地域社会の家庭経営の実態をはあくし,その改善向上を図るように指導する。
(3) 宿泊して家庭経営の実習を行なうのもよい。

第6 被服材料
 1 目 標
(1) 被服材料,使用目的に適した被服地の選択などについての知識理解を得させる。
(2) 被服材料の鑑別法,試験法の技術を習得させ,被服生活を合理的に営む態度を養う。

 2 内 容
(1) 被服繊維
ア 繊維の分類            イ 天然繊維
ウ 化学繊維             エ 繊維の性能,鑑別法
(2) 糸
ア 構造,種類,太さ         イ 製造法
ウ 性 能
(3) 織 物
ア 種類および用途          イ 組織と組織法
ウ 製造法              エ 加工法
(4) 編み物
ア 種類および用途          イ 構  造
ウ 製造法
(5) レース
ア 種類および用途          イ 製造法
(6) 皮革,擬革,ゴムおよび合成樹脂
ア 皮革の種類と製造法        イ 擬革,ゴム,その他
(7) わが国の衣料事情
(8) 使用目的に適した被服地の選択
ア 被服地の保健・衛生的性能     イ 被服地の実用的性能
ウ 繊維製品の品質表示        エ 被服地の選択

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 実験・実習を重視して,視聴覚教材等を利用したり,見学などによる具体的指導をするように留意する。
(2) 薬品・器具の取り扱いに注意して,事故の防止に努める。

第7 被服経理
 1 目 標
 衣生活および被服の製作・整理等を計画的,能率的,科学的にする知識と技術を与え,衣生活の改善向上を図る実践的態度を養う。

 2 内 容
(1) 衣生活の改善
ア 被服材料の現状と選択        イ 被服形態の現状と改善
ウ 被服製作・整理の現状と改善
(2) 被服計画
ア 被服計画の基準           イ 家庭生活と被服計画
ウ 被服製作の能率化
(3) 被服の手入れと保存
ア 洗たく               イ しみ抜き
ウ 手入れ,保存            エ 手入れ,保存の能率化

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 洗たくの際,各被服材料に適当な洗たく液の温度,洗剤,洗い方,干し方,仕上げなど,実験・実習によって指導する。
(2) 洗たく・しみ抜き用具や,その配置,用い方については,実物によって実生活に即した指導をする。

第8 意 匠
 1 目 標
(1) 服装美についての認識を深め,被服デザインの原理と方法を理解させ,これを実際に活用できる能力を養う。
(2) 被服の変遷について理解させ,被服デザインと今後の服装のくふう改善に役だたせる。

 2 内 容
(1) 服装美
(2) デザインの意義
(3) デザインの基礎
ア 形 態             イ 色 彩
ウ 材 質
(4) 個性とデザイン
ア 体形とデザイン         イ 性格とデザイン
(5) 流行と個性
(6) デザインの表現と実習
(7) 服装の推移
ア 日本の服装           イ 西洋の服装

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 実習を重んじ,被服デザインの実際にあたって,着る人の個性・環境などにふさわしいデザインを適切に選び,あるいはくふうできるように具体的に指導する。
(2) 視聴覚教材等を活用するなど,なるべく具体的に指導する。

第9 被服製作
 1 目 標
 衣生活を保健衛生,活動,休養の実用的立場を基礎として,日常の被服を能率的かつ経済的に製作する技術を習得させる。

 2 内 容
(1) 和服製作
ア 各種和服の特徴         イ 材料の選び方
ウ 形,各部の名称         エ 寸法
オ 布の積もり方,地直し      カ がら合わせ
キ 裁ち方             ク しるしのつけ方
ケ 縫い方             コ 仕上げ,着方
サ 手入れ,しまい方        シ 和服の改善について
(例) ひとえ長着・帯・あわせ長着・各種改良着・下着類・寝具類・はおるものなど。
(2) 洋服製作
ア 各種洋服の性格
イ 体型によるスタイル,デザインの選び方
ウ 目的に応じたスタイル,デザインの選び方
エ 型紙製作,ならびに活用のしかた
オ 布の積もり方,縫いしろのつけ方,地直し,裁ち方
カ 仕立て方
キ 仕上げ,着方
ク 個性と布味の生かし方
ケ はぎれおよび更生品の応用,くふう
コ 手入れ,しまい方
(例) 婦人服・男子服・こども服・下着類・作業服・スポーツ服・帽子類など。

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 部分縫い,その他の方法で基礎枝術の習熟を図り,実物製作によって製作技術の徹底を図る。
(2) 単位数に応じて,材料や型を変えて実習し,応用力を養う。
(3) 火気・針などの取り扱いに注意して,事故の防止に努める。

第10 手 芸
 1 目 標
 編み物・ししゅう・染色・織物の基礎技術を習得させ,服飾手芸,室内装飾に対する関心を高め,情操を豊かにする。

 2 内 容
(1) 手芸の一般的知識
ア 手芸の意義            イ 手芸の種類
ウ 服飾手芸と室内装飾
(2) 編 み 物
ア 材料と用具            イ 各種編み方
ウ 意匠図案             エ 毛糸編み
オ レース編み
(3) ししゅう,その他
ア 材料・用具            イ 基礎手芸
ウ 意匠図案
(4) 染 色
ア 染料の種類,性質         イ 染料の用い方
ウ 染 色
(5) 織 物
ア 織物の性質            イ 機械の操作
ウ 材料と目的の関係         エ 織方の種類・意匠・図案

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 実習においては,意匠,技法に自由な創作ができるように指導する。
(2) 火気・薬品などの取り扱いに注意して,事故の防止に努める。
(3) 視聴覚教材等の利用につとめ,理解をたすけるよう指導する。


 
第9節 農   業

第1款 目   標

1 農業の各分野における生産および経営に必要な知識と技術を習得させる。
2 農業技術の科学的な根拠を理解させ,その改善進歩を図る能力を養う。
3 農業と国民経済との関係を理解させ,農業を合理化しようとする態度を養う。

第2款 各 科 目

第1 作 物
 1 目 標
(1) 作物の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて作物の栽培計画を立て,それを合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 作物の栽培と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 作物とわが国の作物栽培
ア 作物の種類
イ わが国の作物栽培の状況および食糧,工芸作物加工品などの需給の現況と動向
ウ 作物栽培と農業経営との関係
(2) 食用作物・工芸作物・飼料作物などの栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと作物の生育との関係
ウ 品種,たねものと育苗       エ 栽培管理
オ 収穫,生産物の処理        カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 特殊栽培             ク 採種と育種
ケ 農機具,農業施設の利用
(3) 作物生産の経営
ア 作付計画             イ 生産物の収支計算と記帳
ウ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業料およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この科目とともに「生産」,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」,園芸関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術や経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。

第2 園 芸
 1 目 標
(1) 園芸作物の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) 園芸とわが国の園芸作物栽培
ア  園芸作物の種類
イ  わが国の園芸作物栽培の状況および園芸生産物需給の現況と動向
ウ  園芸と農業経営との関係
(2) 野菜・果樹・草花などの栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと園芸作物の生育との関係
ウ 品種,たねものと育苗
エ 栽培管理,果樹園,温室などの管理
オ 収穫,生産物の処理,草花の利用と鑑賞
カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 特殊栽培
ク 農機具,農業施設の利用
(3) 採 種
ア 育種,一代雑種の利用      イ 採 種
ウ たねの取り扱い
(4) 園芸の経営
ア 作付計画,果樹園の設定など   イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳     エ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「生物」,「作物」,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,他の園芸関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術や経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。

第3 畜 産
 1 目 標
(1) 家畜の特性,飼育環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて家畜の飼育計画を立て,合理的に飼育する技術を習得させる。
(2) 畜産と農業経営との関係を理解させ,家畜の飼育法・利用法の合理化を図り,畜産物を経済的に処理し,利用し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 家畜とわが国の畜産
ア 家畜の種類
イ わが国の畜産および畜産物需給の現況と動向
ウ 畜産と農業経営との関係
(2) 各種家畜の飼育
ア 飼育的,経営的な特性,品種   イ 飼養,管理
ウ 育 成             エ 生育などの調査,実験,飼育日誌
オ 生産物の処理,利用       カ 畜舎,舎内設備
(3) 繁 殖
ア 繁殖              イ 育種
(4) 畜産の経営
ア 飼育計画と飼料計画       イ 生産物の収支計算と記帳
ウ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は畜産科,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(3) 常に災害の防止に努め,安全と衛生に留意して指導することがたいせつである。

第4 土・肥料
 1 目 標
(1) 栽培に関する学習と緊密に関連させて,作物の栄養生理,土と肥料の性質およびそれらの相互関係を,主として実験,調査を通して理解させ,作物栽培の基礎となる土の管理,改良および施肥に必要な技術を習得させる。
(2) 自分の家や地域の土の実態を理解させ,地力の維持増進と施肥の合理化を図ろうとする能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) 土の生成・性質およびこれらに関する実験
ア 土の生成・種類および断面調査
イ 土のおもな理化学的性質

(2) 土と作物の関係およびこれに関する実験
ア 土中の水・空気・有機物・微生物のはたらき
イ 土の反応とその改善法        ウ 肥料成分の土中における変化
(3) 水田土と畑土の特性およびこれらに関する実験
(4) おもな肥料の性質と取扱法
ア 肥料の種類,特徴および成分の検出  イ 配合法,施用法
(5) 肥料成分と作物栄養との関係およびこれに関する実験
ア 施肥試験              イ 肥効に影響する条件
(6) 自給肥料の製法,性質,施用法
(7) 施肥設計

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,栽培関係科目,「農業土木」,などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) この科目は,主として実験・調査を通して学習させるようにする。
(4) この科目の学習に必要な実験の材料,器具などの自作,適切な視聴覚教材の利用,現地調査や関係研究機関の見学などを行なうことがたいせつである。

第5 作物保護
 1 目 標
(1) 栽培に関する学習と緊密に関連させて,病原菌の性質と病徴,害虫の習性と加害状況および気象災害などについて,主として実験・調査を通して理解させ,病害虫の防除,気象災害の予知と対策に関する基礎的な技術を習得させる。
(2) 病害虫,気象災害の発生に応じて合理的な対策を講ずる能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 各種作物の災害および災害対策
(2) 各種作物のおもな病気の診断と害虫の鑑別
ア 病原微生物および病徴の観察    イ 害虫および加害状況の観察
ウ 病気や害虫の発生と環境および経過習性の観察
(3) 病害や害虫などの防除法
ア 病害・虫害の被害調査       イ 耐病性・耐虫性品種の調査
ウ 発生予察と防除の方法
(4) 雑草とその防除法
(5) 農薬とその使用法
ア おもな農薬の種類と特性      イ おもな農業の調製と使用法
ウ 薬効と薬害
(6) 農業気象と気象災害対策
ア 微気象観測とその利用       イ 気象災害の調査
ウ 気象災害の予知と対策

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「生物」,栽培関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) この科目は,主として実験・調査を通して学習させるようにする。
(4) 夜間に実施しなければならない実験・調査については,家庭実習または宿泊当番などの機会を活用するようにする。
(5) 毒性の強い農薬の取り扱いにあたっては,毒物,劇物取締まりなどの関係法規を厳守すること。
(6) この科目の学習に必要な実験の材料,器具などの自作,適切な視聴覚教材の利用,現地調査や関係研究機関の見学などを行なうことがたいせつである。

第6 農畜産加工
 1 目 標
(1) 加工原料の性質,微生物,酵素および加工機械などについて,理解させ,環境や経営に応じて農産物・畜産物を合理的に加工・貯蔵する技術を習得させる。
(2) 農畜産物の加工と農業経営との関係を理解させ,原料を経済的に処理し,利用し,加工法の合理化を図り,進んで農畜産物の新用途を開拓しようとする能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 農業経営と農畜産物の加工・貯蔵
(2) 加工原材料としての農産物・畜産物の成分と栄養
(3) 微生物と酵素
(4) 農畜産加工の副原料
(5) 農畜産加工用のおもな器具機械
(6) 農畜産加工品の製造
(7) 畜産加工品の製造
(8) 生産費の計算と記帳
(9) 製品の検査

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(2) 加工実習は当番などによる交代制で,夜間あるいは放課後に学習させる場合も考えられるので,特に指導計画を綿密に立てて実施するとともに,生徒指導や災害の防止に留意する。
(3) 加工品の製造や処理利用にあたっては,食品衛生や税法などの各種関係法規を厳守すること。

第7 農業機械
 1 目 標
(1) 栽培や飼育に関する学習と緊密に関連させて,それらに必要な農機具の構造,機能および動力などを理解させ,経営に適した農機具の選び方およびその操作・整備・修理・保管などの技術を習得させる。
(2) すぐれた農機具の利用は農業経営を合理化する基本であることを理解させ,農業の機械化を図ろうとする能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) 農業の機械化と電化およびそれと農業経営との関係
(2) 農作業の動力源,原動機および伝導装置
(3) 耕うん・整地用機具        (4) 育成・管理用機具
(5) 収穫・調製用機具         (6) 運搬用機具
(7) 農機具の整備・修理と簡単な製作

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに,数学,栽培・飼育関係科目,「農畜産加工」,「農業土木」,「農業経営」,農業土木関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
 なお,各学科で履修する農業に関する科目の学習に必要な作業機械等の日常の点検,手入,使用法,注油,掃除などはそれぞれの科目で学習するようにする。したがってこの科目では,それらの学習に必要な基本的事項や,分解・組立,簡単な修理を含む定期的な整備,農業機械化の研究などに重点をおいて指導することとし,内容の無用な重複や抽象的な学習に陥らないように留意する。
(3) この科目の学習にあたっては,けがや油脂・電気などによる火災などの災害防止,および機械の保全に留意することがたいせつである。
 また,走行操縦を伴う操作運転の学習にあたっては,道路,交通取り締まりなどの関係法規を厳守すること。

第8 農 業 土 木
 1 目 標
(1) 営農に必要な農舎,かんがい,排水施設の機能,構造などを理解させ,環境や経営に適した農業生産施設の計画・施工や農地の保全・造成などに必要な技術を習得させる。

 2 内 容
(1) 土 エ               (2) コンクリート,ブロックの工作
(3) 木構造と構作            (4) 農地の測量
(5) かんがい,排水施設         (6) 農地の保全と造成施設
(7) 農地の整備

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この学科において,この科目とともに,数学,栽培・飼育関係科目,「農業機械」,「農業経営」,農業土木関係科目などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
 なお,各学科で履修する農業に関する科目の学習に必要な農業生産施設の日常の取り扱い法と修理・保全・簡単なものの工作または施工などは,それぞれの科目で学習するようにする。したがって,この科目ではそれらの学習の基本的事項や,農業生産施設の計画,施工,農地の保全,造成,整備などに重点をおいて指導することとし,内容の無用な重複や抽象的な学習に陥らないように留意する。
(3) この科目の学習にあたっては,けがの防止と機械や施設の保全に留意することがたいせつである。
 また,建築や水利などの関係法規および慣例などに留意して指導することがたいせつである。

第9 農 業 経 営
 1 目 標
(1) 農業経営の構造,およびそれと国民経済・農業政策・農家生活との相互関係を理解させ,農業経営の改善計画を立て,それを実施させるのに必要な知識・技能を習得させる。
(2) 自分の家や地域の自然的,経済的な環境に適応し,さらに積極的に環境条件を改善して,生産性の高い農業を営み,所得を高め,農業および農村生活の発展向上を図る能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) プロジェクトと学校農業クラブ
ア 地域の農業とプロジェクト     イ 学校農業クラブ
(2) 日本農業の現状と発展方向
(3) 農業簿記
ア 簿記のしくみ           イ 農家簿記
ウ 労働日記             エ 生産費計算
オ 農業協同組合簿記
(4) 農業経営の組織と運営
ア 農業経営と環境          イ 経営の組織と集約度
ウ 経営規模と自立経営        エ 経営発展と技術発展
(5) 農業経営と交換経済
ア 農産物の販売           イ 農業資材の購入
ウ 市場と価格形成          エ 経営発展と資本,農業金融
(6) 農業経営の診断と改善計画
(7) 共同組織,共同経営
ア 諸形態              イ 成立条件
ウ 労働組織
(8) 農業協同組合
(9) 農村社会と農村生活
(10) 農業経営と国民経済,農業政策
(11) 日本農業と外国農業

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,農業科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において履修させる「政治・経済」,および農業に関する科目などと,じゅうぶん内容の関連を図って,経営と技術とが総合一体化されるように指導することがたいせつである。
(3) この科目の学習にあたっては,生徒のホームプロジェクト,学校農場の実習,実地調査,優良農家の見学,簿記実習などを通して,できるだけ実情に即して具体的に指導し,なるべく2か年以上にわたって履修させることがたいせつである。
(4) 簿記は,つとめて実習によって簿記能力を身につけるようにし,その学習を通して計算能力を高めるようにする。

第10 野 菜 園 芸
 1 目 標
(1) 野菜の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 野菜園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 野菜園芸とわが国の野菜栽培
ア 野菜の種類
イ わが国の野菜園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 野菜園芸と農業経営との関係
(2) 育 苗
ア 品種,たねものと育苗
イ 温床,冷床などの育苗の施設とその管理
(3) 各種野菜の栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと野菜の生育との関係
ウ 栽培様式              エ 栽培管理
オ 収穫と生産物処理          カ 生育などの調査,実験,栽培日誌
キ 農機具・農業施設の利用
(4) 採種と育種
ア 育種,一代雑種の利用        イ 採 種
ウ たねの取り扱い
(5) 野菜園芸の経営
ア 作付計画              イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳       エ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「作物」,他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。

第11 果 樹 園 芸
 1 目 標
(1) 果樹の特性,裁培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に栽培する技術を習得させる。
(2) 果樹園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性を高めようとする能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 果樹園芸とわが国の果樹栽培
ア 果樹の種類
イ わが国の果樹園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 農業経営と果樹園芸との関係
(2) 各種果樹の栽培と果樹園の管理
ア 栽培的,経営的な特性       イ 品種と苗
ウ 栽培環境およびそれと果樹の生育との関係
エ 栽培様式             オ 栽培管理
カ 収穫と生産物処理         キ 生育などの調査,実験,栽培日誌
ク 農機具・農業施設の利用
(3) 果樹の育種
(4) 果樹園芸の経営
ア 果樹園の設計           イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳      エ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。

第12 草 花 園 芸
 1 目 標
(1) 草花の特性,栽培環境およびそれらの相互関係を理解させ,環境や経営に応じて栽培計画を立て,合理的に裁培する技術を習得させる。
(2) 草花園芸と農業経営との関係を理解させ,栽培法の合理化を図り,生産物を経済的に処理し,いっそう生産性をを高めようとする能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) 草花園芸とわが国の草花栽培
ア 草花の種類
イ わが国の草花園芸および生産物需給の現況と動向
ウ 草花園芸と農業経営との関係
(2) 繁 殖
ア たねものと品種
イ たねまき,さし木,株分け,分球,つぎ木,取り木など
(3) 温床と温室
(4) 各種草花の栽培
ア 栽培的,経営的な特性
イ 栽培環境およびそれと草花の生育との関係
ウ 栽培様式            エ 栽培管理
オ 生育などの調査,実験,栽培日誌 カ 農機具・農業施設の利用
(5) 草花の利用と観賞,生産物処理
(6) 採種と育種
(7) 草花園芸の経営
ア 作付計画            イ 市況と出荷
ウ 生産物の収支計算と記帳     エ 生産費低下と技術改善など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として園芸科およびこれを必要とする学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに他の園芸関係科目,「土・肥料」,「作物保護」,「農業機械」,「農業土木」,「農業経営」などを履修させる場合は,特に内容の関連をじゅうぶん図るようにする。
(3) 指導にあたっては,最近の技術および経営の進歩に留意するとともに,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。

第13 造 園
 1 目 標
(1) 造園と生活との関係を理解させ,環境に応じて造園材料を選び,創意くふうに富んだ造園計画を立て,施工し,維持管理する技術を習得させる。
(2) 生活環境に造園的な美的要素を取り入れ,生活と趣味の向上を図ろうとする能力と態度とを養う。

 2 内 容
(1) 造園の様式,意匠
(2) 造園計画
ア 予備調査            イ 日本庭園,西洋庭園
ウ 各種公園            エ 運動競技場の設計
(3) 造園材料の特性と取り扱い
ア 造園植物            イ 庭石,加工石材
ウ 木材,竹材           エ 金属材,その他
(4) 造園施工
ア 土  工            イ えん路工
ウ 張り芝工            エ 排水工
オ いわ組工            カ コンクリート工
キ 擁 壁 工           ク 日かげだなの施工
(5) 都市計画
(6) 風景地および国立公園

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として造園科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに「美術」,園芸および農業土木関係の科目などを履修させる場合は,特に内容の関連じゅうぶんに図るようにする。
(3) 指導にあたっては,地域の状況や生徒の必要などを考慮して,適切な内容を重点的に選ぶようにする。
(4) 学習の効果を高めるために,実地調査および庭園の見学,あるいは学習に必要な実習材料,学習方法などのくふうを図ることがたいせつである。

第14 農業一般
 1 目 標
(1) わが国の農業の現状と動向,農業の特性などを理解させ農業の生産と経営に必要な知識・技能を習得させる。
(2) 農業の個人的,社会的な意義を理解させ,進んで農業および農村生活を改善向上しようとする態度を養う。

 2 内 容
(1) わが国の農業と農業の特質
ア わが国の農業の現況と動向     イ 農業の特質
ウ 農業と国民経済          エ 農業と農村生活
(2) 各種作物(園芸作物を含む)の栽培と生産物処理
ア 作物の種類と品種         イ 栽培的,経営的な特性
ウ 栽培環境およびそれと作物の生育との関係
エ 育苗,たねもの          オ 栽培管理
カ 農具と機械            キ 収穫,生産物の簡単な加工,貯蔵
ク 作付計画             ケ 栽培生産と農業経営との関係
(3) 各種家畜の飼育と生産物処理
ア 家畜の種類と品種         イ 飼育的,経営的な特性
ウ 飼育環境およびそれと家畜の生育との関係
エ 繁殖と幼畜・ひなの育成      オ 飼   料
カ 日常の手入と飼養管理       キ 畜舎と設備
ク 畜産物とその簡単な加工,貯蔵   ケ 飼育計画
コ 畜産と農業経営との関係

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,主として農業科以外の学科において履修させるものである。
(2) その学科において,この科目とともに農業に関する他の科目を履修させる場合は,内容のうち重復する部分を省くようにする。
(3) この科目は,地域や学校の事情および生徒の必要などに応じて内容を重点的に取り上げ,実践を通して学習させることがたいせつである。

第15 総合実習
 1 目 標
(1) 主として農業に関する科目において履修した実習・実験などの成果をもとにして,農場・演習林・加工工場・施工現場などの各種作業と管理的な事務について,重点的で総合的な練習あるいは研究を行なわせ,それらの習熟度や理解度を高める。
(2) 農業の生産技術や経営実務の合理化を図り,協同・責任・安全を重んずる実践的な態度を養う。

 2 内 容
(1) 栽培総合実習             (2) 飼育総合実習
(3) 林業総合実習             (4) 農産製造,林産製造総合実習
(5) 農業土木総合実習           (6) 農業経営実務総合実習
(7) 農家生活実務総合実習

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,これを必要とする学科において履修させるものである。
(2) この科目は,各学科によって特色をもつものである。また授業に関する実験,調査,ホームプロジェクト,学校農業クラブ活動,現場実習,休暇中の実習などのうち適当なものを総合実習の内容とすることができる。この場合にその指導計画は,その学科で履修される農業に関する各科目の指導計画と緊密に関連づけて作成し,各科目の実習,実験として実施可能なものは,総合実習の内容に取り上げないようにする。
(3) 野外における実習などは,季節や天候などの影響を受けやすいので,指導計画を綿密に立てて実施することとし,特に同一の内容を学習集団(組・班など)を編成して交代制で実習させる場合には,学習集団によって学習する内容の領域や程度が違ったり,遺漏などの起きないように留意することがたいせつである。


 
第10節 工   業

第1款 目   標

1 工業の各分野における必要な知識と技術を習得させ技術者としての資質の向上を図る。
2 工業技術の基礎を理解させ,これを実際に活用する能力を養う。
3 工業技術の性格や工業の社会的意義を理解させ,共同して責任ある行動をする態度と勤労に対する正しい信念をつちかい,工業人としての自覚を養う。

第2款 各 科 目

第1 機 械 実 習
 1 目 標
 実際の作業を通して,各科目と有械的関連を保ちながら,総合的に機械に関する必要な技術を科学的に体得させるとともに応用と創造の能力,望ましい態度と習慣を養う。

 2 内 容
(1) 原型・鋳造   (2) 鍛造  (3) 熱処理
(4) 板金・プレス  (5) 溶接  (6) 工作機械
(7) 仕上・組立   (8) 検査  (9) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 内容には機械工業全般に関連するものをあげてあるが,地域社会の要求,教育課程編成目標その他の事情により適切な取捨選択を行ない,濃淡の度合いをおいてもよい。ただし技能者養成の傾向に陥らないように考慮する。
(2) 指導段階の過程においては,個々の作業等の指導に重点をおく場合もありうる。しかしこの場合,ただその熟達を図ることだけに終わらず,技術者として備えなければならない総合された技術的教養の一分野であるという認識のもとに指導するとともに,他の科目での学習事項を活用し,密接な関連を保って事象を科学的に考察させ,作業を合理的に処理するように指導する。
(3) 作業にあたっては,所要時間,経費等にも関心をもたせてさらに合理的な生産方法を考え,実践しうる能力および態度を養うように留意する。
(4) 設備・装置等には完全な安全装置を施し,実際の作業に即して危険予防法を理解させ,その実行の徹底を図る。

第2 機 械 製 図
 1 目 標
 製図通則や機械製図に関する規格を理解させ,機械の図面を読むことや設計どおりに生産に直結した製作図およびその他の図面をかくことができまた図面の管理ができる能力を養う。

 2 内 容
(1) 製図の基礎 (2) 機械製図などに関する日本工業規格 (3) 機械要素
(4) 工 具   (5) 機械のスケッチ (6) 機械の製図
(7) すえ付け図・配置図  (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 製図の基礎では,中学部の技術・家庭科における設計,製図の学習を考慮の上,内容を選んで指導し,機械製図などを取り上げるのもよい。

第3 機 械 工 作
 1 目 標
 各種の機械工作および生産に関する技術を,科学的根拠に基づいて,理解させ,合理的な工作,生産方法を考え,実践する能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 鋳造   (2) 溶接     (3) 塑性加工
(4) 熱処理  (5) 切削・加工  (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 機械工作および生産技術の進歩に応じて指導内容を適宜改善するように留意する。

第4 機 械 材 料
 1 目 標
 機械工業に使用されるおもな材料の製造法,組成,性質などを理解させ,使用目的に応じて適切に材料を選定し,計画的,経済的に材料を活用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 金属と合金  (2) 金属材料の試験・検査  (3) 鉄合金
(4) 非鉄合金   (5) 粉末合金        (6) 非金属材料
(7) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目では,単に各種材料の記述的な講議に終わらず,実験・実習・調査・見学などにより,材料の組成による性質の変化や特性などを習得させ,正しい材料の選択,使用ができるようにする。
(2) 技術の進歩に応じて,新しい材料を取り上げるように考慮して指導する。

第5 窯 業 実 習
 1 目 標
 窯業の各部門における製造技術に関する技術や態度を実験的・体験的かつ総合的に習得させる。

 2 内 容
(1) 基礎実習
ア 化学分析 イ 顕微鏡試験 ウ 性質の測定 エ 温度の測定 オ 調合試験 カ その他
(2) 製造実習
ア 陶磁器 イ 耐火物 ウ ガラス エ ほうろう オ セメント
カ その他の窯業製品

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 基礎実習と製造実習との有機的関連を図って指導する。
(2) 製造実習の指導は,学校の特色や実情をじゅうぶん考慮して重点をおいた学習となるよう配慮する。
(3) 各科目との関連に留意し,発展応用の能力を養うように指導する。

第6 窯 業 原 料
 1 目 標
 各種窯業原料の組成・性質および処理方法を理解させ,窯業の各部門における原料の選定・利用改善など応用の能力を養う。

 2 内 容
(1) 鉱物と岩石  (2) けい酸質原料   (3) ばん土質原料
(4) ばん土けい酸質原料  (5) 苦土質原料  (6) 苦土けい酸質原料
(7) 石灰質原料  (8) アルカリ原料   (9) その他の原料

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 窯業原料の各種について一般岩石・鉱物との関係を知らせ産出状態を理解させる。
(2) それそれの原料の採掘および精製その他の処理について,基礎的な知識を得させる。
(3) 各原料について,鑑識・品質判断の能力を養い,その用途を理解させる。

第7 陶 磁 器
 1 目 標
 陶磁器製造に必要な原料の性質・選定および陶磁器の製造法や製品の性能を理解させ,これを実際の製造に応用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 陶磁器の概要    (2) 原 料    (3) 原料の採掘と精製
(4) 素地土の調製    (5) 成 形    (6) 乾 燥
(7) うわぐすり     (8) 焼 成    (9) 装 飾
(10) 陶磁器の各種    (11) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 原料の選定・成形と乾燥の方法を理解させ,製品に適したものを選定できるようにする。
(2) 素地とうわぐすりの調製や陶磁器装飾法を理解させ,これを応用できるようにする。
(3) 各種陶磁器の特徴についても学ばせる。

第8 耐 火 物
 1 目 標
 各種耐火物の性質および製造法を理解させて,耐火物についての基礎的な知識を習得させ,これを正しく選定使用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 耐火物の概要  (2) 耐火原料    (3) 耐火物製造法
(4) 各種耐火物   (5) 耐火物試験法  (6) 耐火モルタル
(7) 断熱材     (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 金属酸化物の高温における化学性の大要を理解させる。
(2) 各種の耐火物や断熱材の製法と性質を理解させ,あわせてその用途や規格についても学習させる。

第9 ガラス・ほうろう
 1 目 標
 ガラスおよびほうろうの性質や製法を理解させ,それを合理的に取り扱う能力を養う。

 2 内 容
A ガ ラ ス
(1) ガラスの概要           (2) 原  料
(3) 窯                (4) 溶融と溶融素地
(5) 成形と保冷            (6) ガラスの性質と試験法
(7) ガラスの加工           (8) 特殊ガラス
(9) その他

B ほうろう
(1) ほうろうの概要          (2) ほうろううわぐすり
(3) ほうろううわぐすりの製造     (4) ほうろう用素地
(5) 素地の成形            (6) ほうろう加工
(7) ほうろうの性質と試験法      (8) 特殊ほうろう製品
(9) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) ガラスについては,ガラス状態の特質とガラス物質の生成を理解させ,ガラスの一般的性状と試験法を習得させて,品質改善の能力を養うようにする。
(2) ほうろうでは,ほうろうわぐすりと金属素地の特性を理解させ,ほうろうの一般的性状と試験法を習得させて,品質改善の能力を養うようにする。

第10 セ メ ン ト
 1 目 標
 セメントの意義と用途を明らかにし,各種セメントについてその原料,製造工程,性質などを理解させ,それを試験する能力や合理的な選定,処理の能力を養う。

 2 内 容
(1) セメントの概要
(2) ポルトランドセメント(早強ポルトランドセメント,特殊ポルトランドセメントなどを含む)
(3) 混合ポルトランドセメント      (4) アルミナセメント
(5) マグネシアセメント         (6) その他のセメント
(7) セメントの性質と試験法       (8) モルタルとコンクリート
(9) セメント製品            (10) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) セメントの意味と各種構造用材料としての重要性を認識させる。
(2) セメントのおもな性質,特にその硬化の機能を理解させ,セメントの利用法を学ばせる。

第11 窯 炉・燃 料
 1 目 標
 窯業における窯炉燥作の重要性を認識させ,各種窯炉の構造性能および設計,築窯上の基礎的な技術を習得させ,熱管理の概念を理解させる。

 2 内 容
(1) 燃焼理論       (2) 燃 料
(3) 燃焼装置       (4) 炉 材
(5) 窯炉の各種      (6) 窯炉設計および築窯
(7) 熱管理        (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 燃料・燃焼装置・焼成操作に関して,理論的基礎を指導するとともに,諸計器の取り扱いも学習させる。
(2) 築窯法の基礎,窯炉各部の相関関係および築窯工事法について学習させるようにする。

第12 窯 業 図 案
 1 目 標
 窯業製品の製作に必要な創意と意匠の発想能力を養い,表現材料の特性や適否を理解させ,表現技術を習得させる。

 2 内 容
(1) 基礎図案            (2) 立体図案
(3) 窯業製品の図案         (4) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 窯業製品の図案の基礎を学習させるとともに,その応用能力を養うものであるから,資料の収集に努め,実際に即して広い視野を得られるように指導すること。

第13 工 芸 実 習
 1 目 標
 工芸に関する各科目の学習を基礎とし,作業を通して総合的に技術を習得させ,あわせて生産に対する企画,運営,管理の能力を養う。

 2 内 容
(1) 木材加工            (2) 金属加工
(3) ガラス加工           (4) プラスチック加工
(5) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「工芸材料」,「工芸工作」,「工芸製図」との関連に留意し,また地域性や生徒の進路によって,指導内容を決める必要がある。
(2) 各種の材料を総合した製品の組み立てについても実習を行なうようにする。
(3) 作業工程を分祈し,生産計画が立てられるように習慣づける。

第14 工 芸 製 図
 1 目 標
 製図の基礎を理解させ,工業・意匠および室内装備の計画に対する図示の能力を養う。

 2 内 容
(1) 製図の基礎             (2) 生活器具製図
(3) 家具製図              (4) 建築製図
(5) 室内製図              (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「デザイン」,「工芸計画」,「建築一般」との関連に留意する。また地域性や,生徒の進路により重点をおいて指導するのもよい。
(2) トレース・現寸・工作図などの図示は,機会あるごとに練習させる。
(3) グッドデザインについては常に関心をもたせて,スケッチ・レンダリング・実測・模写などはもちろん,材料の扱い方,構造についても研究させる。

第15 絵 画
 1 目 標
 美術の理解を深めるとともに,形と色に対する感覚を養い,描画の技法を設計製図に応用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 絵画概説   (2) 鉛筆画   (3) 木炭画
(4) 水彩画    (5) 油彩画   (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 鉛筆,木炭によるデッサンには特に重点をおき,対象物をよく観察して正確に模写できるようにする。
(2) デザイン科では,コンテ・パステル・水彩画など必要な内容を含めて指導する。
(3) デザイン科では,抽象・非具象絵画なども取り扱う。

第16 造 形
 1 目 標
 造形の基本となる諸要素について感覚を養い,創造的な構成力を高める。

 2 内 容
(1) 平面構成
 平面構成に必要な形体・色彩・材質などの構成
ア 構成による色彩効果
イ 構成による感情効果
ウ 構成による空間感
(2) 立体構成
 立体や空間の感覚および材料,構造,技術の体験や理解
ア 材料と技術
イ 構造の機能
ウ 立体と空間

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「絵画」,「デザイン実習」,「デザイン」,「彫塑」などの科目との連関を図り,指導の効果があがるようにする。
(2) 指導する事項や指導法については,絶えず新しい科学技術や芸術の動向に留意して,研究し改善するようにする。

第17 工 芸 史
 1 目 標
 各国各時代における造形文化の推移を知らせ,おのおのの特色を理解させるとともに,現代工芸の正しいあり方の考察に資する能力を養う。

 2 内 容
(1) 原始の世界         (2) 日本・東洋
(3) 西 洋           (4) 現代の世界
(5) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 単位数により,内容を適切に整理して指導計画を立てる必要がある。

第18 工 芸 計 画
 1 目 標
 家具・室内などについて基本的な要素を理解させ,これらを合理的,意匠的に計画し設計できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 人体と計画          (2) 生活器具計画
(3) 家具計画           (4) 室内計画
(5) 展示計画           (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「工芸材料」,「工芸工作」,「工芸製図」との関連に留意する。
(2) 実験・演習・見学・模型製作などを加え,総合的にまとめるようにくふうさせる。

第19 工 芸 材 料
 1 目 標
 工芸材料の性質について理解させ,これらを適正に選択,応用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 木 材            (2) とう竹材
(3) 接着剤            (4) 金 属
(5) ガラス            (6) プラスチック
(7) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「工芸工作」,「工芸計画」などの科目の学習と密接な関連をもたせて指導する。
(2) 材料の強さや耐久性などについて考察させる。
(3) 新材料の性質や性質や取り扱いを理解させて,工芸に活用するように指導する。

第20 工 芸 工 作
 1 目 標
 工芸材料の基礎的な加工について理解させ,これを総合的工作技術に応用する能力を養う。

 2 内 容
(1) 工具・機械・設備        (2) 木材加工
(3) 木質材加工           (4) 金属加工
(5) ガラス加工           (6) プラスチック加工
(7) 機器構造            (8) 家具構造
(9) 室内構造            (10) 生産管理
(11) 安全管理            (12) 工場経理

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「工芸材料」,「工芸計画」などの科目の学習と密接な関連をもたせて指導する。
(2) 技術の進歩に応じて,新しい材料を取りあげるように考察して指導する。
(3) 安全管理の必要性を理解させ,実習と関連をもたせて指導する。

第21 塗 装
 1 目 標
 各種塗料の組成・性質・用途・塗装法を理解させるとともに,塗装の技術を習得させ,これらを科学的,技術的に考察して,適切に選択し応用する能力を養う。

 2 内 容
(1) 塗装概説            (2) 塗装原料
(3) 各種塗料            (4) 塗装補助材料
(5) 塗装用具・機器         (6) 木材塗装
(7) 金属塗装            (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 講義と実習とを交互に行ない,あるいは実習中に講義を行なうなどして,理論と実際とを融合させる。
(2) 従来の塗装技術中心を避け,各種塗料の塗膜に理学的,機械的な考察を加えるように留意する。

第22 建 築 一 般
 1 目 標
 建築工業の大要とその基礎的事項について理解させ,簡単な建築物の設計・監理・施工に応用できる能力を養う。

 2 内 容
(1) 建築概要             (2) 建築材料
(3) 建築構造             (4) 建築計画
(5) 建築施工             (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 建築工業の特質を理解させるとともに,建築材料・構造・建築計画・建築施工の概要について理解させ,見学・製図・実習など加味して実際的な知識,能力を養うようにする。

第23 デザイン実習
 1 目 標
 デザインの創意と構想に基づき,これを適確かつ実際的に表現する技術を体得させ,能力を養う。

 2 内 容
(1) デザインの基礎技法
ア デザイン用具と材料        イ 平面デザインの基礎技法
ウ 立体デザインの基礎技法      エ その他の関連技法
(2) 商業デザイン
ア 商業デザインの基礎技法      イ グラフィックデザイン
ウ パッケージングデザイン      エ ディスプレーデザイン
オ その他
(3) 工業デザイン
ア 工業デザインの基礎技法      イ 生活機器デザイン
ウ 視聴覚機器デザイン        エ 交通機体デザイン
オ その他のプロダクトデザイン
(4) 工芸デザイン
ア 工芸デザインの基礎技法
イ 木材・金属・陶磁・塗装・染織などの工芸デザイン
ウ 服飾・室内装飾などの総合意匠計画

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,地域社会の実状と生徒の個性に応じて内容の調整を図り,特に高学年ではそれぞれ専門のコースを選定して履修させ,将来職場の業務に直結しうるような技術の習熟に努める。
(2) 関連科目との連けい,基本的実習はもとより,デザインアイデアの発想から完成に至るまでの業務実習を通して,特に創造の意欲とデザイン倫理観の養成に努める。
(3) 共同製作や作業を実施してチームワークの成果があげられるような学習指導に留意する。

第24 造 形・意 匠
 1 目 標
 造形の基礎理念を明らかにし,あらゆるデザインに応用できる美的原理と構成表現の技術を習得させ,独創的な態度と能力を養う。

 2 内 容
(1) 造形感覚             (2) 形体・色彩・材質
(3) 材料・加工技術          (4) 用途・機能・構造
(5) 意匠構成の諸元とその展開     (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,デザイン技術の基盤となるものであるから,特に理解の適確を期し,種々の実験や試作を通して感覚表象と造形意匠に関する独創力を養うように指導する。
(2) 視覚的造形はいうまでもなく,他の感覚作用との関連についても考察させ,現代社会に適応する意匠の原則を体得させるように留意する。

第25 造形美術史
 1 目 標
 原始から現代に至る世界の造形文化発展の様相について理解させ,新時代の造形デザイナーとなるできものに必要な見識を養う。

 2 内 容
(1) 造形芸術の起源
(2) 原始時代の各民族造形
(3) 古代・中世・近代の造形美術
ア 東洋・日本  イ 西洋・アメリカ
(4) 現代世界の造形美術
(5) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 各時代,各民族造形の様式的特質とその展開について適確な鑑識力と鑑賞力を養う。
(2) デザイン史的考察を促し,特に近代の美術運動の推移について関心をもたせる。

第26 デザイン
 1 目 標
 視覚的な効果を主とするデザインの学習を通して,デザインについての理解を深めるとともに,デザインにおける計画と表現の能力を高める。

 2 内 容
(1) ベーシックデザイン
(2) ビジュアルデザイン
(3) プロダクトデザイン
(4) クラフトデザイン
(5) テキスタイルデザイン

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 地域社会の実状と生徒の個性に応じて内容の調整を図り,高学年ではそれぞれ専門のコースを選定して履修させ,将来職場の業務に直結し得るような技術の習熟に努める。

第27 意 匠 製 図
 1 目 標
 図学一般と製図の基本技法を習得させて,造形デザインの意図を,正確に表わせるような能力を養う。

 2 内 容
(1) 製図の基礎
(2) 平面図法
(3) 投影図法
(4) 透視図法
(5) 製図実習
(6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 関連科目,特に「デザイン実習」および「デザイン」との対応を考慮して,アイデアスケッチ・ラフスケッチ・レンダリングないし原型・模型製作を関連させ,実際的な意匠製図の実技に習熟させるようにする。
(2) 読図や透写ないし製図技術に付帯する図面処理の実務を習得させるようにする。

第28 彫 塑
 1 目 標
 美的感受性を陶やし,客観的・現実的表現や,主観的・抽象的表現の技術を体得させて,造形意匠技術者に必要な創造の能力・態度・習慣を養う。

 2 内 容
(1) 浮彫彫塑(木材・石材・粘土・石こう・鋳造その他)
(2) 丸彫彫塑(同上)
(3) 抽象・非具象彫塑その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) モチーフ・テーマおよび各種表現材料・技法を適確に選択し,特に関係科目との関連を密にし,ゆるす限り鑑賞および模写・模造を課する。
(2) この科目の内容に版画(木版・石版・銅版など)を取り入れてもよい。

第29 写 真・印 刷
 1 目 標
 最近の科学および工業技術を応用する写真と製版,印刷の原理および技術一般について学習させ,グラフィックないし,各種生産デザインへの活用性に視野を広めて,それぞれに関する専門的技術・能力を養う。

 2 内 容
A 写 真
(1) 写真光化学と写真機器・材料
(2) 撮影・現像・印画・引き伸ばし
(3) 天然色写真
(4) 映画と動画・特殊撮影
(5) 写真作画と編集・構成技法(フォトモンタージュ技法その他)
(6) 特殊感光技法と特殊操作技法(フォトグラム技法その他)
(7) 写真応用と企画業務その他
(8) その他の付帯技法

B 印 刷
(1) 製版・印刷の原理と印刷機械一般
(2) 印刷材料と材料化学
(3) とっ版・平版・おう版その他の版式・技術
(4) 原色版印刷およびその他の特殊印刷
(5) 印刷原稿と編集および製本・出版・刊行
(6) 印刷応用と企画経営その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 写真・印刷の芸術的産業的意義はもとより公共社会における視覚広報的意義の重要性を認識させる。
(2) 特に実験・演習を重んじ,操作作業・管理・応用の技術・態度・能力を身につけるように指導する。
(3) 教育目標によっては,内容のAまたはBのいずれか一つを学習させてもよい。

第30 印 刷 実 習
 1 目 標
 印刷技術に関する諸科目の学習を基礎として,とっ版・平版・おう版のそれぞれの製版印刷の基本を体験し,将来現場での作業の研究・計画・管理・改善などの印刷技術者として必要な資質をつちかうことを目標とする。

 2 内 容
(1) 活版実習
(2) 平版実習
(3) 写真製版実習

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 実習は総合的な体験学習であるから,印刷に関する他の科目とじゅうぶんな連けいを持ちながら指導を行なうこと。
(2) 器具,機械などの取り扱いについて,じゅうぶんな管理方法を指導するとともに,安全作業について指導を行なうこと。
(3) 協調的な作業態度,作業計画,研究心を進める習慣をつけさせること。
(4) 将来の進路に応じて専門的な技術訓練を行なう場合は,初め基礎的な広い分野の実習を行ない,高学年になるに従い,漸次専門分野の技術にはいり,これに習熱するように配慮すること。
(5) とっ版(活版を含む)平版,おう版,写真製版などの各版式について実習を行なうことができない場合は,主たる実習をその一つまたは二つにとどめ,他は実験的な指導によってその版式による印刷の実地生産を体験させるようにすること。

第31 製 版 印 刷
 1 目 標
 印刷様式の発生,印刷の文化的使命の重要性を認識させ,印刷技術の各基礎方法とその応用とを理解させ,印刷技術者としての能力を養う。

 2 内 容
(1) 製版印刷の原理と沿革
(2) とっ版・平版・おう版およびその他の版式の技術
(3) 印刷原稿と編集および製本・出版・刊行
(4) 印刷応用と企画経営その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目の学習指導にあたっては,自発的に学習の活発化を図るために努めて実験・実習によって具体的な学習を行なわせるとともに参考資料の展示や工場見学を利用すること。
(2) 内容(1)に関しては,印刷方式の分類と成立および特徴を理解させること。
(3) 内容(2)に関しては
 とっ版製版法のうち特に活版法,平版印刷法のうち特にオフセット印刷法についてその製版工程と方法およびこれに使われる製版用諸材料・諸器具類などの知識・理解を得るよう指導すること。
(4) 製版印刷用器具・機械・材料の科学的整備の習慣を身につけさせ,工程手順の計画,着実な作業の進行,作業の合理化を図る能力を養成するように指導すること。

第32 写 真 製 版
 1 目 標
 写真の発達歴史を知るとともに写真応用製版印刷の技術と応用能力を養成する。

 2 内 容
(1) 写真の原理と沿革
(2) 製版写真法
(3) 写真製版法
(4) 原色版製版法
(5) 写真おう版製版法

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は写真応用の製版技術を養成するものであるから,写真の基礎的技能・知識を身につけさせるとともに,製版印刷との関連をじゅうぶん理製させるように指導すること。
(2) 写真植字機は写真製版法の中に含むものとする。

第33 印刷機械・材料
 1 目 標
 製版印刷に使われる機械・器具・材料などの基礎的理解を得させ・その適切な選択と使用・保守・管理の知識・技能を養成する。

 2 内 容
A 印刷機械については
(1) 印刷機械の原理・構造・分類
(2) とっ版印刷機械
(3) 平版印刷機械
(4) おう版印刷機械
(5) 特殊印刷機械・その他の印刷機械
(6) その他の製版印刷用機器類

B 印刷材料については
(1) 印刷用紙
(2) 印刷インキ
(3) 印刷写真用材料・薬品
(4) その他の製版印刷用材料

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 印刷機械についてはその構造・機能をじゅうぶんに理解させ,その機械を使用するにあたって,適切な運転と保守・管理および安全を保持する能力を身につけさせるよう指導すること。
(2) 印刷材料については,その製造工程・種類・特性および検査に関する知識を理解させ,その適切な選択と使用についての基礎的能力を得るよう指導すること。

第34 図 案・製 図
 1 目 標
 この科目は,基礎的製図学習を基盤として印刷図案・レイアウトの知識を理解させるとともに,その技能を習熟させて,印刷技術者としての能力をつちかう。

 2 内 容
(1) 用器画法             (2) 描画・彩色
(3) 印刷図案・包装図案        (4) 広告と広告業務
(5) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 形状・色彩など配色効果の知識と商業意匠・包装意匠の実際知識を理解して,これらと印刷との関連を理解させるようにすること。
(2) 原稿の模写能力・図案文字の描画力・配色表現能力・配色の効果的技法または印刷効果への利用技能を体得させるようにすること。
(3) 各種図案とその印刷による複製との関連性の考察力および判別力を養成し,印刷効果を深く推理する能力・習慣をつちかうように配慮すること。

第35 写真化学・写真光学
 1 目 標
 写真および写真製版に使用される材料・薬品の化学変化ならびに,これに使用される光学機器の光学的機能・性質を理論的にまた実験的に理解・体得させて,これらの適切な選択と使用の能力をつちかう。

 2 内 容
A 写真化学
(1) 光化学・写真感光理論
(2) 写真感光物質
(3) 現像理論・現像薬品
(4) その他

B 写真光学
(1) 写真光学理論
(2) レンズ・プリズム・フィルターなどの写真・印刷用光学機器
(3) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 写真法ならびに写真製版法に用いられる感光物質の光化学的反応ならびに光学機器の性能を原理的に理解して,これらを選択・使用する場合にじゆうぶん役だつように配慮すること。

第36 工 業 経 営
 1 目 標
 企業と生産との合理化を図るために,科学的工場管理法を理解させ,能率的な生産手段を計画・実践できる生産担当者としての能力を養い,それぞれの工業の発展に寄与する素地を養う。

 2 内 容
(1) 生産と経営           (2) 生産管理
(3) 安全管理            (4) 人事管理
(5) 工場経理            (6) 工業関係法規
(7) 原価計算            (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 生産管理では,生産担当者としての活動に必要な技術・態度を習得させるために,特に実習と密接な関連を保って,学科の目標を達成するのにふさわしい内容を選定して指導し,特に品質管理に重点をおくこともよい。
(2) 人事管理では,賃金制度を含めて理解させ,近代的,生産的性格をもつ監督者としての技術や態度を習得させる。
(3) 工場経理では,簿記・会計・原価計算などについて指導する。

第37 工 業 概 説
 1 目 標
 現代の産業機構,工業各業種の概要,工業の経営形態と管理方式などを理解させ,工業人としての使命の自覚を深め,かつ広い視野から事を処理する能力を養う。

 2 内 容
(1) 産業の発達と現代の産業機構
(2) 工業の発達とその現代
(3) 工業の経営形態
(4) 国民経済と工業人の使命
(5) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,これを履修する学科によって,取り扱う内容の重点のおきどころが異なるし,また「工業経営」などの科目とあわせて履修する場合には,この科目で取り扱う内容は変わってくる。
(2) 産業の発達と現代の産業機構では,産業の発達と現代産業の経済機構と各種産業の相互の関連などを取り扱う,工業の発達と現状では,わが国の工業の発達の概要,工業の成立する要素,現代工業諸分野の概要などを取り扱う。工業の経営形態では,工業経営の諸形態と現代工業に採用されている各種の管理方式の概要を取り扱う。国民経済と工業人の使命では,工業政策などにもふれる。

第38 機 械・電 気
 1 目 標
 機械および電気の基礎的技術を習得させ,それぞれの学科の技術に応用できる能力を養う。

 2 内 容
A 機 械
(1) 機械の要素            (2) 材料力学
(3) 機械工作             (4) 各種機械
(5) 原動機              (6) その他

B 電 気
(1) 電気理論             (2) 電気機器
(3) 電力設備             (4) 電気応用
(5) その他 

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目の指導にあたっては,その学科の必要に応じて,機械と電気のいずれかの分野,および内容に,重みを考慮すること。
(2) その学科の必要に応じて,機械と電気を有機的に関連させて指導するように配慮すること。
(3) 普通科で履修する場合は,理科の発展学習の見地から関連を図り,つとめて実験実習による指導をすること。


 
第11節 理容・美容

第1款 目   標

1 理容師・美容師として理容業・美容業に従事する者に必要な知識,技能を習得させ,これにふさわしい態度と習慣を養成することを目標とし,次の事項の達成を目ざすものとする。
(1) 社会人として,また理容師,美容師としての教養を習得させ,特に理容・美容が社会生活,文化生活に重要な意義をもつことを理解させ,理容師・美容師としての使命を理解させる。
(2) 理容師・美容師に必要な人体生理,衛生,消毒等に関する知識,態度を習得させる。
(3) 理容師・美容師に関する基礎的技術を習得させ,研究的態度と創意くふうの習慣を養う。
(4) 経営,管理に関する基礎的知識を習得させ,物事を合理的能率的に処理する能力と態度を養う。

第2款 各 科 目

第1 衛 生 法 規
 1 目  標
 理容師・美容師として必要な衛生法規の概要を理解させる。

 2 内 容
(1) 法制大意
 法制の意義,法令の種類,衛生法規の特殊性
(2) 衛生行政
 行政の意義,衛生行政,わが国の衛生行政機構
(3) 理容師法・美容師法
 この法律の目的,用語の定義,免許,登録,行政監督,罰則及び業務,その他の事項
(4) 関係法規
 保健所法,伝染病予防法,結核予防法,労働基準法,その他の衛生法規

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) もよりの保健所について実地に調査させ,保健所がどのような活動をするところか,理容または美容の業務とどのように関連するところかを学ばせる。
(2) 理容所,美容所を見学させ,実際の業務内容,理容師法または美容師法との関連を理解させる。
(3) 罰則については行政,司法の両処分を知らせ,法の精神を具体的に明らかにする。

第2 生理解剖・消毒法
 A 生 理 解 剖
1 目 標
 人体についての基本的,総合的な知識の習得を目的として,解剖学と生理学の学問的区分にとらわれることなく人体の構造,機能の両面を学ばせ生理解剖学への関心を高める。

2 内 容
(1) 生理解剖総説
 生理学および解剖学の意義,人体構造の概要
(2) 骨格,筋肉系統
 人体の外部の名称,骨格の構造とその機能,筋肉の種類とその機能
(3) 消化器,泌尿・生殖器系統
 消化器の構造とその機能,泌尿,生殖器の構造とその機能
(4) 呼吸器,循環器系統
 呼吸器の構造とその機能,循環器の構造とその機能
(5) 神経,感覚器,内分泌系統
 神経系の種類とその機能,感覚器の種類とその機能,内分泌器官の種類とその機能

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 適切な人体の模型,標本,スライド,掛図等の視聴覚教材等の活用によって学習の効果を高めること。
(2) 動物の実験,解剖等によりその知識をさらに深めること。
(3) 骨格と食物,栄養と筋肉の関係等についてもじゅうぶん指導すること。
(4) 自己の健康を守り,日常生活の実践をどのようにすればよいか,また健康と日常生活や社会との関係,健康の考え方,保健活動等,理容師・美容師としての立場からじゅうぶん指導すること。
(5) 性別による人体の特徴や,日本人と外国人との違い,人体の美と健康との関係等も指導すること。

 B 消 毒 法
1 目 標
 衛生措置の基準を守ることによって,公衆衛生の維持と増進に寄与することは,この業務に従事する者に課せられた責務であり,消毒が衛生措置のうえできわめて重要であることを理解させ,消毒の方法と,その技術に習熟させる。

2 内 容
(1) 消毒法総論
 消毒の意義,理容,美容の業務と消毒との関係,消毒法の種類
(2) 消毒法各論
 理学的消毒法,化学的消毒法
(3) 消毒の実際
 対象別の消毒方法,各種消毒薬の調製方法,理容所,美容所においての消毒方法

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 消毒法は実験がたいせつであるので,理論のみに偏しないよう留意することが必要である。
(2) 常に未消毒のものと既消毒のものとの区別を明らかにして一定の容器を定めて置くことや,手指の洗じょうや消毒前後の処置をじゅうぶんにするように指導する。
(3) くし,ふけとり,ブラシ,はさみ,バリカン,かみそり,布片,タオル類の直接皮ふに接する器具の消毒は接客上最も必要なものであるので,そのつど消毒することを忘れない習慣を養うようにすること。また,つば・たんの消毒も接客上必要なことであるので,注意するように指導する。
(4) 理容師,美容師は危険な刃物や薬物を用いて技術を行なうものであるから,外傷,出血,火傷,熱傷,薬傷等に対する応急処置について指導しておくことが必要である。

第3 伝染病・細菌・公衆衛生
 A 伝染病・細菌
1 目 標
 伝染病の予防についての責務を果すために心得ておかなければならない知識を習得させ,これを実践する態度を養う。

2 内 容
(1) 細菌学概説
 病原微生物の種類とその特徴,病原微生物の生活現象,人間と病原微生物との関係
(2) 疫学概説
 法定伝染病と,届出伝染病,感染と発病,免疫と予防接種,伝染病予防の原則
(3) 急性伝染病
 呼吸器系伝染病とその予防,消化器示伝染病とその予防,媒介伝染病とその予防,その他の急性伝染病とその子防
(4) 慢性伝染病
 結核とその予防,トラホームとその予防,性病とその予防,らい,その他の慢性伝染病,その他の主要慢性疾患とその予防

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 学習全般を通じて,各種の統計,新聞その他の資料などを利用して図表に表わしたり,保健所,病院等を見学して,具体的事例に即して指導する。
(2) 細菌の標本の観察,あるいは掛図を用いるなどの方法によって細菌に関する理解を深める。
(3) 地域における伝染病発生の状況について調べさせ,各種伝染病発生の自然的,社会的条件について考察させる。

 B 公 衆 衛 生
1 目 標
 理容業・美容業と公衆衛生との関係がきわめて密接なものであり,公衆衛生の維持と増進について責務があることを理解させ,とくに環境衛生についての知識を得させる。

2 内 容
(1) 公衆衛生概説
 公衆衛生の意義,公衆衛生の歴史,保健所の機能,わが国公衆衛生の現状,公衆衛生と衛生教育
(2) 環境衛生
 環境衛生の意義,空気・日光・水・衣食住等の衛生
(3) 予防衛生
 栄養,口腔衛生,精神衛生と優生保護

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 理容師・美容師は,公衆衛生の知識を得るとともに,特に社会の衛生環境を改善していく責任をもっているものであるから,その精神と態度をじゅうぶん培うように配慮する。
(2) 医師,保健婦,食品衛生監視員,環境衛生監視員の仕事の内容等についても指導する。
(3) 衛生の思想,知識が乏しいため不衛生,不注意から伝染病が発生した実例を具体的に指導する。
(4) 消毒法や伝染病学とも関係する部分が多いので指導計画の作成については,よくこれらの関連を図る。

第4 皮 膚 科 学
 1 目 標
 皮膚とその付属器官の構造,機能,衛生及び疾病について学ばせ,傷害,疾病などにより皮膚および毛髪などの附属機関に衛生上好ましくない結果を招くおそれのあることを認識させ,その発病の防止のために必要な態度と能力を身につける。

 2 内 容
(1) 皮膚の解剖と生理
 皮膚の構造,皮膚の機能,皮膚の発生と老衰
(2) 皮膚の付属器官
 毛髪の構造とその種類,毛髪の機能とその衛生
 その他の皮膚の付属器官と皮膚色素
(3) 皮膚の衛生
 皮膚と毛髪の手入れ,皮膚とその環境,皮膚とその栄養
(4) 皮膚の疾患
 皮膚病の病理と手当,皮膚病の種類,伝染する皮膚病の予防,創傷伝染病とその予防

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 皮膚に関する事項を指導するにあたっては,実験・観察等により具体的に学習させること。
(2) 皮膚や毛髪の生理と衛生的処置についてはとくに公衆衛生学と消毒法と関連させて学習効果を高めるようにすること。

第5 香 粧 品 化 学
 1 目 標
 薬品の合理的な取り扱いの方法に習熟させ,香粧品の化学的性質を理解させこれを正しく使用するために必要な事項を身につけさせる。

 2 内 容
(1) 化 学
 溶液,濃度,酸,塩基,中和及び電離,コロイド,金属・水・合成樹脂
(2) 香粧品化学総論
 香粧品の定義とその分類,香粧品の原料
 せっけん,化粧水,クリーム,おしろい,着色料,美爪料,ポマード,頭髪用香水,チック
(3) 香粧品化学各論
 シャンプー,頭髪香水,整髪料,パーマネントウエーブ用製品,染毛剤,脱毛剤

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 理論と併行して,なるべく実験や観察を行なう機会を多く与え理解を深めさせる。
(2) 化学薬品の取り扱い方を学ばせ,所定の濃度の溶液の調製に習熱させるように指導する。
(3) クリーム,化粧水およびポマードの調製の実験を行なって理解を深めること。

第6 理 美 容 物 理
 1 目 標
 理容・美容器具の合理的な取り扱いの方法に習熟させて,科学的に考察する態度を養い,あわせて危険防止についての注意を身につけさせる。

 2 内 容
 熱の性質とその作用,光の性質とその作用
 磁気と静電気,電流の性質とその作用直流,交流,電気機械器具

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 理論と併行してなるべく実験を行なう機会を多く与えて理解を深めさせること。
(2) 電気クリッパー,バイブレーター,紫外線放射機,ヘアードライヤーなどの理容・美容技術に応用する電気器具についてそれを分解して構造を学ばせること。

第7 理容理論・実習
 1 目 標
(1) 理容の基礎的技術についての知識を得させ,衛生的,能率的に実践する態度と習慣を養い,くふう創造の能力を身につけさせる。
(2) 理容器具の正しい取り扱い方法と理容の基礎的技術を作業の実際について指導し,これに習熟させる。
(3) すぐれた理容技術は,経験によってのみ得られるものではなく,合理的な方法によっては握されなければならないことを理解させる。

 2 内 容
(1) 理容概論
 理容師の社会的使命,理容の沿革,理容業の経営
(2) 理容器具
 理容用具,バリカン,レーザー,ストラップ,日本かみそり,と石,くし,はさみ,その他理容に必要な器具
(3) 理容技術
 理容の調和と技術前後処置,剃毛技術,ふけ取り技術と洗髪,頭部処置と美顔術,シンジング,アイロン,染毛技術,レーザー,日本かみそりの研磨法,はさみの研磨法,せっけんの塗布法およびスチームタオルのてん包法,剃毛技術の実習,剃毛後の顔面処置法,パック美顔術,剪髪技術の実習,ふけとり技術の実習,洗髪技術の実習,頭部処置法の実習,美顔術の種類とその実習,ヘヤーアイロンの技術の実習,シンジング技術の実習,染毛技術の実習,美爪技術の実習,アイパー技術,スカルプチャーカット,ボンバージュセット

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 理容室の整理整とんはもとより常に能率を高めるための器具,機械の位置の定め方等を研究して指導する。
(2) すぐれた理容室を見学して知識を広めるとともに接客については,具体的に,接客用語や接客態度について指導する。
(3) 理容の理論は実習に即して指導すべき部面が,広範囲をしめているので理論と実習を関連させて,指導計画を作成し,効果をあげるようにする。
(4) 実習の成果を生徒相互に評価させて,技能の向上に役立たせる。

第8 美容理論・実習
 1 目 標
(1) 美容の基礎的技術についての知識を得させ,衛生的,能率的に実践する態度と習慣を養い,くふう創造の能力を身につけさせる。
(2) 美容器具の正しい取り扱い方法と美容の基礎的技術を作業の実際について指導しこれに習熟させる。
(3) すぐれた美容技術は,経験によってのみ得られるものではなく,合理的な方法によっては握されなければならないことを理解させる。

 2 内 容
(1) 美容概説
 美容師の使命,美容の沿革,美容業の経営,美容用具
(2) 美容技術
 美容の調和と頭部処理,セット
 ミシンウェーブ,コールドウェーブ,ミシンレスウェーブ
 洋髪,日本髪頭部処置法とその実習,セット実習,ミシンウェーブの実習,コールドウェーブの実習,洗髪とゆすぎの実習,マセルウェーブの実習,かつらの取り扱い方,シンジング技術の実習
 染毛技術の実習,美顔術の種類とその実習
 マニキュアー,ペテキュアーの実習
 美容体操の実習
 薄化粧と厚化粧および,ほお,くちびる,眼・まつ毛・眉毛等の化粧実習,着付の実習,かみそりの研磨法,はさみの研磨法

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 美容室の整理整とんはもとより常に能率を高めるための器具,機械の位置の定め方等を研究して指導する。
(2) すぐれた美容室を見学して知識を広めるとともに接客については,具体的に,接客用語や接客態度について指導する。
(3) 美容の理論は実習に即して指導すべき部面が,広範囲をしめているので,理論と実習を関連させて,指導計画を作成し,効果をあげるようにする。
(4) 実習の成果を生徒相互に評価させて,技能の向上に役立たせる。


 
第12節 クリーニング

第1款 目   標

1 クリーニング師に必要な知識と技術を習得させる。
2 クリーニングに関する科学的な知識を理解させ,その改善進歩を図ろうとする能力を養う。
3 クリーニングの社会的意義を理解させ,共同して責任ある行動と態度と勤労に対する正しい信念をつちかい,クリーニング師としての自慣を養う。

第2款 各 科 目

第1 クリーニング法規
 1 目 標
 クリーニングの現場で働らく技術者,経営者に必要な法規を理解させその適用,方法を習得させる。

 2 内 容
(1) 法,規則の一般概念        (2) クリーニング業法
(3) クリーニング業法施行令      (4) クリーニング業法施行規則
(5) クリーニング業法施行細則     (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 クリーニング業に関する法規と公衆衛生との関係,クリーニング師の免許に関する法令などを理解させてクリーニング業経営に応用できる能力を養う。

第2 公衆衛生一般
 1 目 標
 公衆衛生の意義を知り,クリーニングの作業に従事するものは,それについて広い理解を持つべきであることを自覚するように指導する。

 2 内 容
(1) 公衆衛生の意義          (2) 公衆衛生の行政機構
(3) 伝 染 病            (4) 消 毒
(5) 寄 生 虫            (6) 衛生管理
(7) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 クリーニング技術者やクリーニング業経営者となる時は,特に保健所などと深い関連が生ずることを理解させる必要がある。

第3 クリーニング理論
 1 目 標
 クリーニングに関する他の科目の基礎としての科学的理解を指導し,実際に応用する能力を養う。

 2 内 容
(1) クリーニングの目的         (2) 繊維と繊維製品
(3) クリーニング化学          (4) 洗  剤
(5) ランドリー             (6) 乾  燥
(7) 仕上げ               (8) しみ抜き
(9) ドライクリーニング         (10) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目はクリーニングに関する諸科目の基礎となるものであるから特に理解を確実にし,単なる経験によるクリーニングより進んだ科学的・合理的なクリーニングを行なう基礎となる理解を指導する。
(2) 新合成繊維の発見と実用化は速度にいちじるしいものがあるので,絶えず研究を重ねて指導しなければならない。

第4 クリーニング機器・装置
 1 目 標
 クリーニング機器や装置の構造操作などについて理解させ,クリーニング作業の進歩改善の基礎となる能力を養う。

 2 内 容
(1) ランドリーの機器と装置
(2) ドライクリーニングの機器と装置
(3) しみ抜き機器
(4) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) クリーニング機器は洗う機器,仕上げの機器などに分けて指導することもできるが,近年はクリーニングが進歩して洗濯,しぼり,乾燥などが一貫作業となっているものがあり,水,洗剤なども連続的に注入,排出される装置があって広い機械的理解が必要である。
(2) クリーニング作業は能率ばかりでなく,火災,爆発などの災害予防のために機器・装置などの操作に対する理解を怠らないように指導する。

第5 クリーニング実習
 1 目 標
 クリーニングに関する他の科目との有機的関連のもとに洗濯,乾燥,仕上などのクリーニング技術を習得させるとともに,作業を通じてクリーニング機器・装置などの実際を取り扱う能力と態度を養う。

 2 内 容
(1) 洗濯以前の準備          (2) ランドリー
(3) 乾   燥            (4) 仕 上 げ
(5) しみ抜き             (6) ドライクリーニング
(7) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 指導段階の過程においては個々の作業の指導に重点をおくが,この場合,単に技術の熟達を図ることだけに終わらず,技術者として,クリーニング業経営者として備えなければならない総合的教養を習得させなければならない。


 
第13節 歯 科 技 工

第1款 目   標

1 歯科技工士としての一般的教養を高め,また歯科技工の社会的重要性を理解させ,その使命を認識させる。
2 歯科技工の科学的根拠を理解させ,基本的技術を習得させ,応用能力を伸展させる。
3 一般的な巧ち性をたかめ,研究態度と創意くふうの習慣を養う。
4 経営管理に関する基礎的知識を習得させ,合理的能率的に処理する能力を養う。

第2款 各 科 目

第1 歯 が 解 剖
 1 目 標
 歯がの形態を肉眼解剖的な見地から,正しく理解させるために,歯がの一般的知識を習得させると共に,個々の歯がについて,天然歯の観察を行なってその形態を学ばせさらに歯群として歯がが,口こうの総合的機能に参与する重要性を認識させる。

 2 内 容
(1) 口こう解剖および歯が解剖概況  (2) 歯の発生と萠出
(3) 切 歯             (4) 犬 歯
(5) 小きゅう歯           (6) 大きゅう歯
(7) 乳 歯             (8) 歯群(歯列号)
(9) 歯形彫刻実習          (10) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 歯科技工に直接必要な,目でみた歯がの形態と構造ならびに歯がに関係のある付近の解剖的事項について理解させるように留意する。
(2) 理論的な画を習得させるだけにとどまらず,歯科彫刻実習を行なわせることにより,歯がの形態を実感をとおして理解させる。

第2 有 床 義 歯
 1 目 標
 歯科技工士として必要な有床義歯の理論と応用について,適正な知識と基礎的な技術を習得させる。

 2 内 容
A 全部床義歯
(1) 全部床義歯概論         (2) 義歯の構成
(3) 印象採得            (4) 模  型
(5) 咬合採得            (6) 咬合器
(7) 人 工 歯           (8) 歯肉形成
(9) 歯型採得,埋没,重合      (10) 研 磨
(11) 義歯の修理           (12) 金属床による全部床義歯
(13) 基礎実習            (14) その他

B 部分床義歯
(1) 部分床義歯概論         (2) 維持装置
(3) 鈎               (4) アタッチメント
(5) バー              (6) 金属床による部分床義歯
(7) 基礎実習            (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 全部床義歯は有床義歯の基礎となるものであるから,その目的等について理解をさせるとともに,技工室内における有床義歯取り扱い上の手技をじゅうぶんに習得させるよう留意する。
(2) 部分床義歯では,この種の義歯の技工室内における取り扱い上の理論とその実技についてじゅうぶんに理解させ,その専門的技術を適用できる能力を養う。
(3) 基礎実習では,実習を行なわせることを通して,基礎的な技術,態度,能力を身につけるよう指導する。

第3 継 続 架 工
 1 目 標
 歯冠補綴と橋義歯について,その意義と目的,にその種類と構成等について理解させ,個々の補綴物の作成にあたっての理論的な裏付けを行なうとともに,基礎的な技術を習得させる。

 2 内 容
(1) 継続架工概説          (2) 金 属 冠
(3) ジャケット冠          (4) 継 続 歯
(5) 橋 義 歯           (6) 基礎実習
(7) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 金属冠,継続歯,橋義歯等の応用目的とそれらの構造的,機能的な諸理論を理解させ,技工室内における取り扱い上の技術を習得させるようにさせる。
(2) この科目は,実習によって技術的な能力を身につけることが必要であるから,基礎的な技術についての実習を重点的に行なう。

第4 充 て ん
 1 目 標
 充てんの意義ならびに目的および分類について理解させ,インレー体調整法とその理論を習得させる。

 2 内 容
(1) 充てん概説             (2) セメント
(3) アマルガム             (4) メタルインレー
(5) ワックス原型調整          (6) 埋没,鋳造,研磨
(7) 基礎実習              (8) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 充てんの目的等についてじゅうぶん理解させ,充てん物の製作にあたっては,技工室内の作業について習得させる。
(2) 基本的な手技についての基礎実習を行なわせる。

第5 きょう正
 1 目 標
 きょう正治療の基礎的概念およびその実績について理解させ,一般に使用されているきょう正装置の製作法について習得させる。

 2 内 容
(1) きょう正概説            (2) 線屈曲の基本
(3) 自在鑞着法             (4) きょう正装置の製作と器械
(5) 基礎実習              (6) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) きょう正治療の目的等についてじゅうぶん理解させ,きょう正装置の技工室内での取り扱い上の手技について習得させる。
(2) 基本的な手技についての基礎実習を行なわせる。

第6 歯 科 理 工
 1 目 標
 歯科技工士として必要な歯科材料,機械器具についての基礎的知識を理解させ,その取り扱いと応用について習得させる。

 2 内 容
(1) 歯科理工概説           (2) 材料力学
(3) 歯料材料の種類と特性       (4) 歯科材料の取り扱い
(5) 歯科用機械            (6) 技工用器具
(7) 基礎実習             (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) この科目は,歯科材料や機械器具の取り扱いの基礎となるものであるから,いろいろの具体的な事象を取り上げて理解させるようにすること。
(2) 単に各種材料や器械の記述的な講義に終わることなく,実験,実習,調査,見学等により,正しく材料や器械を選択,使用できるようにする。
(3) 技術の進歩に応じて,新しい材料や器械を取り上げて指導するように考慮すること。

第7 歯科技工関係法規
 1 目 標
(1) 歯科技工土として必要な歯科技工法ならびに関係法規について理解させ,その業務を遂行できるよう適正な知識を与える。
(2) 法を守る態度を養う。

 2 内 容
(1) 法に関する一般的知識        (2) 衛生行政
(3) 歯科技工制度の沿革         (4) 歯科技工法とその関係法令
(5) 歯科医師法概要           (6) 歯科衛生士法概要
(7) 歯科医療の概況           (8) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 単に条文を暗記させるような指導に陥らないよう,必要な関係法規の適正な解釈,適用のできるような考察力,判断力を養うようにつとめる。
(2) 内容に応じて,関連の深い社会科学的な科目において指導してよい。

第8 歯科技工実習
 1 目 標
 歯科技工士として必要な歯科技工に関するすべての科目の学習を基礎として,歯科技工の技術について実験的,体験的かつ総合的に習得させる。

 2 内 容
(1) 全部床義歯             (2) 部分床談歯
(3) 金 属 冠             (4) ジャケット冠
(5) 継 続 歯             (6) 橋 義 歯
(7) メタルインレー           (8) きょう正装置
(9) そ の 他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導の過程においては,その他の科目との関連に注意しなければならない。また個々の作業等の指導に重点をおく場合もありうるが,それだけに熟達するだけに終わらず,基礎実習の上に立った総合的な技術を習得させるという認識のもとに指導を行なうこと。(2) 原価計算や安全管理についてじゅうぶん理解させるようにすること。
(3) 実習は原則として校内の施設で行なうが,特殊な機械器具を使用するものなどについては,校外における実習や見学等によってその操作法を習得させること。


 
第14節 美   術

第1款 目   標

1 美術の学習経験を通して,美的体験を豊かにし,基本的な感覚を洗練し,創造的な表現と鑑賞の能力を高める。
2 造形的な立場から,社会環境の改善向上に寄与する態度と能力を養う。
3 美術文化の伝統や動向を理解し,美術文化の発展に寄与する態度や能力を養う。

第2款 各 科 目

第1 美 術 理 論
 1 目 標
 造形における基本となる原理を理解させるとともに,これを表現に役だたせ,創造的な表現の基礎的能力を高める。

 2 内 容
(1) 形 体
ア 基本形体
イ 鉱 物
ウ 植 物
エ 動 物
オ 人 体
(2) 色 彩
ア 色の三要素
イ 色彩の感情と機能
ウ 色彩の混合
エ 色彩の調和
オ 色彩設計
(3) 材 料
ア 材料の性質
イ 材料の特性
(4) 構 成
ア 美の構成要素
イ 構造と機能

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
 指導にあたっては,講義のみに終ることなく,できるだけ具体的な作品や資料を利用し,その効果があがるようにする。

第2 美 術 史
 1 目 標
 美術の変遷の理解を通して,美術的な鑑賞力を高め,創造的な表現力の向上に役だたせるとともに,美術の人生や社会における意義や価値を理解し,美術文化の向上発展に寄与する態度を養う。

 2 内 容
(1) 日本美術
(2) 東洋美術
(3) 西洋美術

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 内容に示した(1),(2)および(3)の領域の扱いについては,いずれかに重点をおいてもよい。
 この際,いずれの取り扱いにおいても,世界的な視野から日本美術の伝統や動向を理解させるように留意する。
(2) 指導にあたっては,できるだけ具体的な作品や資料を利用し,効果をあげるようにする。

第3 素 描
 1 目 標
 造形の基本となる形体や空間をはあくし,対象の的確な観察力や,構成力を養うとともに,創造的な表現能力を高める。

 2 内 容
(1) 鉛 筆 画
(2) 木 炭 画
(3) 鑑 賞

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 表現の指導にあたっては,次の事項に留意し,表現の効果があがるようにする。
ア 形,質,量(点,線,面,方向,大きさ,形体,明暗,地はだなど)
イ 均衡,安定,比例,強調,律動,動勢,調和など
ウ 部分と全体との関係など
(2) 表現の指導にあたっては,絶えず対象のはあく,表現の方法および効果の吟味を考慮して,表現の効果があがるようにする。
(3) 素描的表現に適する各種の材料を扱い,常に新たなくふうや創造をするように努めさせる。
(4) 鑑賞の指導においては,素描的はあくができるような効果的な作品などを選び,これをいろいろな角度から扱い,表現力や鑑賞力が高められるようにする。

第4 基 本 造 形
 1 目 標
 造形の基本となる諸要素について感覚を養い,創造的な構成力を高める。

 2 内 容
(1) 平面構成
 平面構成に必要な形体,色彩,材質などの構成
ア 構成による色彩効果
イ 構成による感情効果
ウ 構成による空間感
(2) 立体構成
 立体や空間の感覚および材料,構造,技術の体験や理解
ア 材料と技術
イ 構造と機能
ウ 立体と空間

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 「彩画」,「彫刻」,「デザインA」,「デザインB」などの科目との関連を図り,指導の効果があがるようにする。
(2) 指導する事項や指導法については,絶えず新しい科学技術や芸術の動向に留意して,研究し改善するようにする。

第5 彩 画
 1 目 標
 彩画による表現技術を通して,創造的な表現や鑑賞の能力を高める。

 2 内 容
(1) 水 彩 画
(2) 油 彩 画
(3) 鑑 賞

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 表現の指導にあたっては,次の事項に留意し,表現の効果があがるようにする。
ア 形,色,質,量(点,線,面,方向,大きさ,形体,色価など)
イ 均衡,安定,比例,強調,律動,動勢,調和など
ウ 部分と全体との関係など
(2) 日本画の形式による表現に必要な用具と材料に対する理解を得させるとともに,その扱いに慣れ,表現の効果があがるようにする。
(3) 鑑賞の指導においては,作品や作者の精神にふれさせるとともに,造形的に考察させて,創造的な表現力の向上に役だたせるようにする。
(4) 「美術理論」,「美術史」,「素描」,「基本造形」などの科目との関連を図り,指導の効果があがるようにする。

第6 版 画
 1 目 標
 各種の版画の表現形式,技法を理解し,版形式による表現の美しさを表現する能力や,それを鑑賞する能力を高める。

 2 内 容
A 表 現
(1) 木 版 画
(2) 銅 版 画
(3) ドライポイント
(4) 石 版 画
(5) その他

B 鑑 賞
 生徒作品,名作など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 版形式と印刷材料などとの関係により,版画に各種の形式があることを理解させ,表現の目的に適した方法により表現するようにくふうさせる。
(2) 版画の指導と関連して,印刷技術やその効果に対する常識を得させるようにする。
(3) 版画の学習に関連のある他の科目との関連にも留意し,指導の効果があがるようにする。

第7 彫 刻
 1 目 標
 立体についての理解を得させ,立体による表現の基礎の能力を養うとともに,創造的な表現能力を深める。

 2 内 容
A 表 現
(1) 写生による表現
(2) 構想による表現

B 鑑 賞
 生徒作品,名作など

 3 指導計画の作成および指導上の留意事頂
(1) 表現の指導にあたっては,次の事項に留意し,表現の効果があがるようにする。
ア 空間――立体と空間との関係を理解すること。
イ 大きさ――作品の大きさと表現材料および表現形式の関係に留意すること。
ウ かたまり――かたまりの密度と量感との関係に留意すること。
エ 面――個々のかたまりに大きな面としての統一を与えること。
オ 質――質感の表現に留意すること。
カ 動勢――かたまりのつながる方向と面の傾斜に留意すること。
(2) 鑑賞の指導にあたっては,作品や作者の精神にふれさせるとともに,造形的に考察させて,創造的な表現力の向上に役だたせるようにする。
(3) 「美術理論」,「美術史」,「素描」,「基本造形」などの科目との関連を図り,指導の効果があがるようにする。

第8 デ ザ イ ン A
 1 目 標
 視覚的な効果を主とするデザインやプロダクトデザインの学習を通して,デザインについての理解を深めるとともに,デザインにおける計画と表現の能力を高める。

 2 内 容
(1) デザインの基礎
(2) ビジュアルデザイン
(3) 鑑 賞

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) デザインにおける条件の調査,構想および表現の段階の学習が調和的になされるようにする。
(2) 生徒の着想を尊重し,指導の効果があがるようにする。
(3) 指導する事項や指導法については,絶えず新しい科学技術や芸術の動向に留意して,研究し改善するようにする。
(4)「美術理論」,「美術史」,「素描」「基本造形」などの科目との関連を図り,指導の効果があがるようにする。

第9 デ ザ イ ン B
 1 目 標
 技術や生産性を主としたデザインの学習を通して,デザインについての理解を深めるとともに,デザインにおける計画と表現の能力を高める。

 2 内 容
(1) デザインの基礎
(2) クラフトデザイン
(3) プロダクトデザイン

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) デザインによる条件の調査,構想および表現の段階の学習が調和的になされるようにする。
(2) 生徒の着想を尊重し,指導の効果があがるようにする。
(3) 指導する事項や指導法については,絶えず新しい科学技術や美術の動向に留意して研究し改善するようにする。
(4) デザインしたものは,これに基づく製作へ発展することがあってもよい。

第10 製 図
 1 目 標
 製図に必要な基礎的な図法を理解させ,立体と空間と図面との関係を明確にし,製図の能力と読図の能力とを高める。

 2 内 容
(1) 図 法
ア 平面図法
イ 投影図法
ウ 透視図法
(2) 製 図
ア 製図の基礎
イ 製図に関する日本工業規格
ウ 製図実習

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 図法の扱いにおいては,造形的な感覚を養い,表現力の向上に役だたせるように指導する事項や指導法を考慮する。
(2) 「デザインA」,「デザインB」の科目との関連を図り,指導の効果があがるようにする。

第11 写 真
 1 目 標
 写真技術の学習を通して,写真による表現能力を養い,写真による伝達の効果を理解させる。

 2 内 容
(1) 写真とその材料の知識
(2) 撮 影
(3) 暗室技術
(4) 写真作画と編集・構成方法
(5) その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 実験実習を重視し,操作・製作・保管などの技術を身につけさせ,科学的合理的な面の指導にも留意する。
(2) 写真とデザインなどの関係についても必要に応じて扱うようにする。
(3) 「美術理論」,「美術史」,「素描」,「基本造形」などの科目との関連を図り,指導の効果が上がるようにする。
(4) 教育目標によっては,「写真・印刷」の内容のAを学習させてもよい。

第12 総 合 実 習
 1 目 標
 協同の造形活動への参加を通して,造形的な各種の能力を確かなものにし,責任感と実践的な態度を養う。

 2 内 容
(1) 環境の美化
(2) 展示計画,展示
(3) 各種の催物に必要なものの製作その他

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 指導が断片的にならないように,年間計画などを作成し効果があがるようにする。
(2) 材料購入,使用その他にわたって計画的にさせるようにする。
(3) 造形計画,製作,使用,反省批判にわたって一貫性のある指導をするようにする。

 

第3章 特別教育活動および学校行事等

第1節 特別教育活動

第1款 目  標

 生徒の自発的な活動を通して,個性の伸長を図り,民主的な生活のあり方を身につけさせ,人間としての望ましい態度を養う。

第2款 ホームルーム,生徒会活動およびクラブ活動

第1 ホームルーム
 1 目 標
(1) 人間としての望ましい生き方を自覚させるとともに,民主的な人間関係を育てる。
(2) 生活を楽しく豊かなものにするとともに,日常生活における自律的な態度を養う。
(3) 心身の健康の助長を図るとともに,自主的に進路を選択決定する能力を養う。

 2 内 容
 ホームルームは,学校における基礎的な生活の場であって,そこでは,主として次のことがらを取り扱う。
(1) ホームルームとして共同生活の問題
(2) 人間としての望ましい生き方,積極的な意欲をもって障害を克服していこうとする生き方に関する問題
(3) 進路の選択決定やその後の適応に関する問題
(4) 心身の健康の保持や安全に関する問題
(5) レクリェーション

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 生徒の自発的な活動を助長することがたてまえてあるが,常に教師の適切な指導が必要である。
(2) 指導計画の作成および実施にあたっては,生徒会活動やクラブ活動との関連および各教科・科目や学校行事等との関連に図意することが必要である。なお,「人間としての望ましい生き方に関する問題」などの取り扱いにあたっては,特に「社会」の「倫理・社会」との関連を図ることが必要である。
(3) 指導計画の作成および実施にあたっては,なるべく生徒がみずから活動の計画を作り,自主的に活動するのを奨励し,援助するように図ることが望ましい。
(4) ホームルームに充てる時間のうち,毎週少なくとも1回は,長時間(教科・科目に通常充てる1単位時間)のものとして実施しなければならない。
(5) 教師相互の共通理解を深めるとともに,常に生徒の理解に努め,青年期の特性に即した指導を行なうように留意することがたいせつである。
(6) 教師が積極的な指導を行なう場合にも,生徒の自主的な活動を促すとともに,できるだけ具体的な事例に即して指導を行なうなど,効果的な方法をくふうする必要がある。この場合,視聴覚教材等を利用するにあたっては,特に事前や事後の指導を怠らないように留意することがたいせつである。
 なお,個々の生徒に対する指導を徹底するためには,適当な機会をとらえて,面接相談などによる指導を行なうことが望ましい。
(7) ホームルームの指導は,ホームルーム担任の教師が担当することを原則とするが,その内容によっては,適当な他の教師の協力を受けることが望ましい。
(8) 「進路の選択決定やその後の適応に関する問題」については,最終学年のみでなく,毎学年計画的に指導することが必要である。
(9) ホームルームにおける生徒相互の話し合いが正しく活発に行なえるよう助言することが望ましい。

第2 生徒会活動
 1 目 標
(1) 学校生活を楽しく規律正しいものにし,よい校風を作る態度を養う。
(2) 学校生活における集団の活動に積極的に参加し,民主的に行動する態度を養う。
(3) 学校生活において自治的な能力を養うとともに,公民としての資質を向上させる。
 2 内 容
 生徒会は,全校の生徒を会員として,主として次のような活動を行なう。
(1) 学校における生徒の生活の改善や福祉の向上を図る活動
(2) ホームルーム・クラブ活動などにおける生徒活動の連絡調整に関する活動
(3) 学校行事等への協力に関する活動

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 生徒の自発的な活動を助長することがたてまえであるが,常に教師の適切な指導が必要である。
(2) 指導計画の作成および実施にあたっては,ホームルームやクラブ活動との関連および各教科・科目や学校行事等との関連に留意することが必要である。
(3) 指導計画の作成および実施にあたっては,なるべく生徒がみずから活動の計画を作り,自主的に活動するのを奨励し,援助するように図ることが望ましい。
(4) 学校の事情に応じ,適当な時間を設けて,計画的に実施するように配慮する必要がある。
(5) 教師相互の共通理解を深めるとともに,常に生徒の理解に努め,青年期の特性に即した指導を行なうように留意することがたいせつである。
(6) 全校の生徒が生徒会の活動に対する関心をもち,その運営が民主的に行なわれるように配慮することがたいせつである。
(7) 必要により高等部全体または学年の集会活動を計画し,実施するものとするが,小学部・中学部や地域社会との関係において奉仕活動を行なう場合も考えられるが,この場合には,特に学校行事等との関連をじゅうぶん図るように指導するとともに,その教育的価値についても配慮する必要がある。

第3 クラブ活動
 1 目 標
(1) 健全な趣味や豊かな教養を養い,個性の伸長を図る。
(2) 心身の健康を助長し,余暇を活用する態度を養う。
(3) 自主性を育てるとともに,集団生活において協力していく態度を養う。

 2 内 容
 クラブは,学年の所属を離れて同好の生徒をもって組織するものとし,それぞれ次のいずれかに属する活動を行なう。
(1) 文化的な活動
(2) 体育的な活動
(3) 生産的な活動
(4) その他の活動

 3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 生徒の自発的な活動を助長することがたてまえであるが,常に教師の適切な指導が必要である。
(2) 指導計画の作成および実施にあたっては,ホームルームや生徒会活動との関連および各教科・科目や学校行事等との関連に留意することが必要である。
(3) 指導計画の作成および実施にあたっては,なるべく生徒がみずから活動の計画を作り,自主的に活動するのを奨励し,援助するように図ることが望ましい。
(4) 学校の事情に応じ,適当な時間を設けて,計画的に実施するように配慮する必要がある。
(5) 教師相互の共通理解を深めるとともに,常に生徒の理解に努め,青年期の特性に即した指導を行なうように留意することがたいせつである。
(6) 指導にあたっては,生徒の興味や欲求の充足に留意するとともに,熱心さのあまりゆきすぎの活動に陥ることのないように配慮する必要がある。
(7) クラブ活動に全校生徒が参加することは望ましいことであるが,生徒の自発的な参加によってそのような結果が生まれるように指導することがたいせつである。
(8) クラブ活動は教科の学習と深いつながりをもつ場合もあるが,そのような場合には,単に教科の補習を目ざすようなものとならないように注意する必要がある。


 
第2節 学校行事等

1 目 標
 学校行事等は,各教科・科目および特別教育活動のほかに,これらとあいまって聾学校教育の目標を達成するために,学校が計画し実施する教育活動とし,生徒の心身の健全な発達を図り,あわせて学校生活の充実・発展に資する。

2 内 容
 学校行事等においては,儀式,学芸的行事,保健体育的行事,遠足,修学旅行,その他上記の目標を達成する教育活動を適宜行なうものとする。

3 指導計画の作成および指導上の留意事項
(1) 学校行事等は,学校が計画し実施するものであるが,その計画や実施にあたっては,生徒に自主的,積極的に協力をさせるようにし,特に特別教育活動との関連において配慮することが必要である。
(2) 学校行事等の年間を通ずる計画の作成にあたっては,各教科・科目および特別教育活動との関連を考慮して,その種類,実施の時期・回数などを決定することが必要である。
 この際,生徒の発達段階に即応するよう留意するとともに小学校・中学部の諸行事との関連を考慮する必要がある。
(3) 学校行事等の計画や実施にあたっては,それぞれのねらいを明らかにするとともに,実施の時間,方法などを適切にするように配慮することがたいせつである。
(4) 地域社会の要請と関連して,学校行事等の計画を作成し,実施する場合には,その教育的価値をじゅうぶん検討し,学校全体の教育計画を乱すことのないように特に留意する必要がある。
(5) 学校行事等の計画や実施にあたっては,学校生活に変化を与え,生徒の生活を楽しく豊かなものにするとともに,集団行動における生徒の規律的な態度や障害を克服する積極的な意欲を育てることなどにじゅうぶん配慮する必要がある。
(6) 学校行事等の計画や実施にあたっては,生徒の負担過重に陥ることのないように考慮し,その健康や安全に特に留意しなければならない。
(7) 儀式を行なう場合には,それぞれの儀式の趣旨に添うように配慮することが必要である。なお,国民の祝日などにおいて儀式などを行なう場合には,生徒に対してこれらの祝日などの意義を理解させるとともに,国旗を掲揚し,君が代をせい唱させることが望ましい。
(8) 学芸的行事や保健体育的行事においては,平素の教育活動の成果を総合的に生かすようにし,それぞれの趣旨を逸脱することのないように考慮し,特に一部の生徒の活動に終始しないよう配慮することが必要である。
(9) 遠足や修学旅行においては,綿密な計画のもとに実施し,楽しく豊かな経験を得させるように配慮するとともに,特に安全その他の指導について細心の注意を払わなければならない。
(10) 「その他上記の目標を達成する教育活動」の一部として,学校給食を実施する場合には,給食時において,適切な指導を行なうようにすることが必要である。

施行期日
 この聾学校学習指導要領高等部編は,昭和41年4月1日から施行し,同年同月同日以降聾学校高等部の第1学年に入学した生徒に係る教育課程から適用する。