【3】研究紹介

●発達障害のある子どもへの学校教育における支援の在り方に関する実際的研究 -幼児教育から後期中等教育への支援の連続性- <重点推進研究>
 (平成22~23年度)
研究代表者 笹森 洋樹(企画部 総括研究員)
 発達障害のある人においては、発達障害の基本的な症状は生涯にわたり持ち続けますが、乳幼児期から成人期まで、各ライフステージにおける状態像は変容していきます。学校教育においても、長期的な展望を持ち、その年齢や発達段階に応じた支援を工夫するとともに、支援の連続性を考えていく必要があります。
 本研究では、これまでの研究により開発した支援ツールである学級サポートプランについて、小・中学校における有効性の検証を行うとともに、幼稚園から高等学校に至るライフステージに応じた支援の在り方について支援の連続性という視点から検討を行いました。
 教師自身の振り返りから授業改善をすすめる学級サポートプランは、学校全体の授業研究会等にも活用できる等、子どもの実態に応じたわかりやすい授業づくりをすすめる上で有効と考えられます。指導者間の共通理解に基づいた支援の工夫という点では、幼稚園、高等学校においてもその活用が期待されます。
 また、幼稚園から高等学校まで支援が連続していくためには、生涯という長い期間を想定して子どもの発達段階を踏まえた支援を考えること、個々の障害特性に応じた支援の目的や意味について学校間を超えて共通理解することが重要であると考えられます。
 ○本研究の詳細はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/7,7058,32,142.html
 ○学級サポートプランの詳細はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/403/c-83.pdf

●インクルーシブ教育システムにおける教育の専門性と研修カリキュラムの開発に関する研究 【中期特定研究(インクルーシブ教育に関する研究)】
 <重点推進研究> (平成23~24年度)
 研究代表者 澤田 真弓(教育研修・事業部 総括研究員)
 インクルーシブ教育システムを構築し、推進していくためには、まずは教員をはじめとして、それに関わる人たちがインクルーシブ教育システムについて理解し、それぞれに必要とされる専門性を確実に高めていくことが大切です。そして組織、地域として専門性を担保していく仕組みが必要です。
 本研究では、インクルーシブ教育システムの構築に向かう国の政策の方向性に対応し、その要となる人材育成及び専門性を担保するためのシステムについて検討し、関係機関に情報提供を行うことを目的としています。
 研究1年目では、研修に関わる情報を国内外から収集のうえ、分析し、インクルーシブ教育システムの構築に向けて必要となる研修の要素を検討しました。そしてそれらを基に、関係者に求められる専門性について整理しました。
 研究2年目では、1年目を受け「研修カリキュラム立案のための方策」について検討し、「通常の学校」で研修を実施する場合を例として示せるよう研究を進めています。また組織及び地域としての専門性の担保の仕組みについて、どのような取組の工夫が考えられるのか整理し、情報提供できるよう検討しています。
 ○本研究の詳細はこちら→
http://www.nise.go.jp/cms/8,4164,18,105.html

●インクルーシブ教育システムの構築に向けた特別な支援を必要とする児童生徒への配慮や特別な指導に関する研究 【中期特定研究(インクルーシブ教育に関する研究)】 <重点推進研究> (平成23~24年度)
研究代表者 藤本 裕人(教育支援部 総括研究員)
 本研究は、障害のある児童生徒と障害のない児童生徒に対する現在の学校教育活動の状況を踏まえ、これからのインクルーシブ教育システムの構築に向けて必要な配慮や指導法を明らかにすることを目的としています。平成20年3月に告示された小学校・中学校の学習指導要領では、障害のある幼児児童生徒との交流及び共同学習の機会を設けることが配慮事項として明確に示されました。こうした教育活動は今後の共生社会の形成、とりわけ、障害者の権利に関する条約の批准に関連して、検討がなされているインクルーシブ教育システムの構築に深く関係するものとなります。
 研究に当たっては、小中学校で学習している障害のある児童生徒の学習場面や、交流及び共同学習の事例について訪問調査を行い、合理的配慮や基礎的な環境整備について検討し、それらを報告書の形で提示します。
 ○本研究の詳細はこちら→
http://www.nise.go.jp/cms/8,4171,18,105.html