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ここに掲載した触る絵本のうち、触素材を貼り付ける形式のものと、立体コピー形式のものについて、前者を先に導入し、次いで後者を導入するという順序が有効であると考えられる。なぜなら、触素材の情報は、より低年齢の視覚障害幼児でも理解しやすいと考えられるからである。触素材を貼り付ける形式のもので、その触素材の情報を重要な手がかりとして絵を理解していくことからはじめて、それを土台として、触素材の情報のない立体コピー形式のものの絵を理解していくことが有効であると考えられる。
筆者の研究では、触素材を貼り付ける形式のものを3歳前後から導入し、立体コピー形式のものを4歳半で導入して有効であった事例がある。
また、触素材を貼り付ける形式のもののなかでも、少なくとも、ここに掲載した、既存の絵本の翻案によるものは、自作によるものよりも理解することが難しいと考えられる。筆者の研究では、翻案形式のものを4歳前後で導入した事例がある。
以上のことを、各種の触る絵本の導入の順序および導入の年齢の参考としていただきたい。
なお、触る絵本の導入以前に、保護者や係わり手により、物語の読み聞かせ、即ち耳のみで物語を聞くことを豊富に行うことが有効であると考える。
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