国 名 |
フランス |
金子 |
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項 目 |
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1. |
【現状認識】 |
1−1 |
障害児の定義 |
1975年の障害者基本法(La loi d’orientation en faveur des personnes handicapees)では、障害者について、その定義をしていない。代わりに、この法では、県特殊教育委員会(CDES)(あるいは、その下位の区特殊教育委員会)が、就学措置や経済的援助措置など、何らかの措置を行う対象を障害者であるとしている。 |
1−2 |
障害児の在籍率 |
特殊教育機関の在籍者(1)は就学者全体の2.4%(1999−2000年)
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「特殊学校」 |
(1)のうち48.0% |
「特殊学級」 |
(1)のうち52.0% |
「通常学級」 |
(1)と通常学級在籍者数を加えたものを母数としたとき、9.3% |
(通級?) |
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2. |
【基本的な考え方】 |
2−1 |
特殊教育(特別支援教育)の基本的な考え方 |
明確な規定は不明だが、文部省系の特殊教育については「適応と統合教育」(文部省の特殊教育部門の名称)。また、厚生省系の施設が特殊学校に相当する役割を果たしており、また、文部省系の学校に対する支援も行っており、障害種別の専門治療教育、医療、福祉が特殊教育に関わることは基本的前提となっていると思われる。 |
3. |
【取り組み内容】 |
3−1 |
個別の教育支援計画(多様なニーズに適切に対応する仕組み) |
個別の支援計画が、各特殊学校(文部省管轄の学校と厚生省管轄の施設)や特殊学級(統合学級)で作成されている。また、通常学校に通う障害児を支援する厚生省系の「通常環境での特殊教育および治療教育のサービス」(SESSAD)機関でも作成する。また、この計画は、定期的に見直しがなされる |
3−2 |
特別支援教育コーディネータ (教育的支援を行う人・機関を連絡調整するキーパーソン) |
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3−3 |
行政レベルの連携組織体制 |
県特殊教育委員会(CDES)(あるいは、その下位の区特殊教育委員会)が、障害の認定や、就学措置、経済的援助措置など措置の権限を持っている。この委員会のもとで、文部省系および厚生省系双方の各種特殊学校(施設)や統合学級などの特殊学級が機能している。また、厚生省系の「通常環境での特殊教育および治療教育のサービス」という援助チーム(一般には厚生省系の医療−教育施設<特殊学校に相当する>に属する)による、通常学校(文部省系)内の通常学級、および統合学級、統合教育ユニットに在籍する障害児への援助があるが、これは、医療、福祉のサービスも含むものである。また、厚生省系の医療−教育施設など(特殊学校相当)では、文部省による資格をもつ教師による教育が行われる。また、学校(施設)の長は、親を含む、教育、医療、福祉など各分野の、個々の子供に関わる関係者による会議を定期的に召集する。 |
3−4 |
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4. |
【法令上の位置付け】 |
4−1 |
一人ひとりのニーズ教育 |
いわゆる障害児の他、学習上の困難をもつ児童・生徒への対応は、初等教育段階でのなされている。初等教育段階では、「特別援助ネットワーク(resaux d'aide specialisees)」という、心理学、特殊教育、リハビリテーション等の専門家および担当教員からなるチームが、通常学級に在籍する、学習が困難な子どもに対する援助を行う。(Circulaire n°90-082 du 9 avril 1990)また、中等教育段階の「適応教育学級」も、学習が困難な子どもに対する対応をしている。また、社会的保護が必要な子ども及び法的保護が必要な子どものための「社会−教育施設」という施設が存在し、これも、特殊教育の体系のなかに含まれている。(Circulaire n° 91-303 du 18 novembre 1991 Scolarisation des enfants et adolescents accueillis dans les etablissements a caractere medical, sanitaire ou social.) |
4−2 |
特殊学校 |
文部省系の初等教育段階の特殊学校、中等教育段階の地域適応学校。厚生省系の、医療−教育施設、社会−教育施設、医療施設。医療−教育施設には、知的障害、行動障害、運動障害、重複障害、聴覚障害、視覚障害、盲聾にそれぞれ対応する施設がある。それぞれについての法令上の位置付けについては、別紙参照。 |
4−3 |
特殊学級 |
文部省系、初等教育段階の統合学級(知的障害、聴覚障害、視覚障害、運動障害対応の4種)。中等教育段階の統合教育ユニット(知的障害対応)。その法令上の位置付けについては、別紙参照。 |
4−4 |
通級指導 |
厚生省系の「通常環境での特殊教育および治療教育のサービス」という援助チームによる、通常学校(文部省系)内の通常学級、および統合学級、統合教育ユニットに在籍する障害児への援助がある。これについては、基本的に、医療−教育施設に属するものであり、その規定も、各種の医療−教育施設について規定した法令で述べられている。 |
4−5 |
コーディネータ |
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4−6 |
連携組織体制 |
県特殊教育委員会(CDES)(あるいは、その下位の区特殊教育委員会)については、障害者基本法で規定されている。 |