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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第115号(平成28年10月号)
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熊本地震で被災された皆様に、心からお見舞い申し上げます。
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■目次
【お知らせ】
・世界自閉症啓発デー2016 in 横須賀のご案内
・研究成果報告書サマリー集と研究成果報告書のWebサイト掲載について
・平成28年度第二期特別支援教育専門研修開講
【NISEトピックス】
・研究所公開のご案内
【研究紹介】
・聴覚障害教育における教科指導及び自立活動の充実に関する実践的研究 
-教材活用の視点からインクルーシブ教育システム構築における専門性の継
承と共有を目指して-(平成26~27年度)
・小・中学校に在籍する肢体不自由児の指導のための特別支援学校のセンタ
ー的機能の活用に関する研究-小・中学校側のニーズを踏まえて-(平成26
~27年度)
【連載コーナー】
・「地域実践研究」って何?
 第5回 「教材教具の活用と評価に関する研究」
【特別支援教育関連情報】
【NISEダイアリー】
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●世界自閉症啓発デー2016 in 横須賀のご案内
 国立特別支援教育総合研究所では、今年も12月の横須賀市障害者週間キャ
ンペーンの一環として、筑波大学附属久里浜特別支援学校とともに「世界自
閉症啓発デー2016 in 横須賀」のイベントを開催します。「知ろう つなが
ろう」をテーマに、自閉症の方とその家族への支援、地域とのつながりにつ
いて考えます。
 多くの方のご参加をお待ちしております。

◇日時:平成28年12月3日(土)12時30分~16時30分
◇会場:横須賀市総合福祉会館 5階ホール
◇主催:国立特別支援教育総合研究所
    筑波大学附属久里浜特別支援学校
◇主なプログラム
・映画上映「くちびるに歌を」
・自閉症についてのミニ講義
・シンポジウム
・自閉症のある子どもの作品展(予定:久里浜特別支援学校、横須賀市内小
学校)
・疑似体験
◇申込方法
・Web上から、またはFAXでお申し込みいただきます。
・参加費は無料です。どなたでも参加いただけます。
・受付期間は11月1日~30日ですが、詳細につきましては11月1日発行のメ
ールマガジンでご案内します。

●研究成果報告書サマリー集と研究成果報告書のWebサイト掲載について
 平成27年度は「インクルーシブ教育システム構築のための体制づくりに関
する研究-体制づくりのガイドライン(試案)の作成-」など、専門研究9
課題、共同研究3課題について、研究成果をとりまとめました。
 これらの研究成果を広く普及するため、その内容を簡潔にまとめた「研究
成果報告書サマリー集」を本研究所Webサイトに掲載するとともに、全国の
市区町村教育委員会等へ配布いたしますので、是非ご活用ください。
 なお、各研究成果報告書の全文につきましては、10月上旬に本研究所Web
サイトに掲載予定です。

○研究成果報告書サマリー集はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/7,11935,32,133.html
○研究成果報告書はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/7,0,32.html

●平成28年度第二期特別支援教育専門研修開講
 9月1日(木)、平成28年度第二期特別支援教育専門研修(視覚障害・聴
覚障害・肢体不自由・病弱教育コース)が開講しました。今期(9月1日~
11月8日)は、全国から集まった59名が受講しています。
 特別支援教育専門研修は、年三期開講し、各都道府県等で指導的立場に立
つ又は今後指導的立場に立つことが期待される教職員が、教育委員会等の推
薦を受けて受講するものです。
 研修プログラムは、特別支援教育全般と各障害種別に関する専門的な講義
や演習、研究協議、実地研修等で構成されています。約2か月間の宿泊型研
修で、神奈川県横須賀市の本研究所にて受講します。
 この研修では、専門的知識及び技術を深めるとともに、全国から集まった
教職員同士の情報交換やネットワークづくりも魅力となっています。
 
○特別支援教育専門研修の内容等はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/9,3088,21,111.html

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【2】NISEトピックス
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●研究所公開のご案内
 先月号でもご案内したとおり、11月5日(土)、本研究所の一般公開を開
催します。
 今年4月に「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(障害者
差別解消法)」が施行され、障害のある子どもと障害のない子どもが共に学
ぶインクルーシブ教育システムの構築に向けて、学校教育でも様々な取組が
行われています。本研究所公開では、学校や地域で障害のある子どもと障害
のない子どもが共に生活し、学んでいく際に参考となる様々な配慮や工夫等
をわかりやすく紹介していきます。また、新しい企画として特別支援学校生
徒によるあん摩マッサージ体験やNISEスタンプラリーGO等を用意しておりま
す。是非、お誘い合わせの上、お気軽にお越しください。

◇日時: 平成28年11月5日(土) 9時30分~15時(14時受付終了)
◇主な内容
・映画「レインツリーの国」上映会
・障害者スポーツ体験「ゴールボール」
・特別支援学校生徒によるあん摩マッサージ体験
・NISEスタンプラリーGO
・ミニ講義「発達障害の特性に関する疑似体験」
・障害のある子どものための教育支援機器の展示・実演
・障害のある子どもがくつろげる心地よい環境づくりの体験
・障害のある子どもに対する生活環境面での身近な配慮や工夫の紹介
・本研究所の最新の研究成果等の紹介
・作業所によるイベント出店(パンや「よこすか海軍カレー」などを販売)
◇参加費: 無料
◇事前申込不要
◇駐車場有(80台分)

 各企画内容については、WEBサイトやFacebookにて紹介していますので、
是非ご覧下さい。

○研究所公開の詳しい内容はこちら→
 http://www.nise.go.jp/sc/koukai/ (WEBサイト)
 https://www.facebook.com/nisekoho/ (Facebookサイト)
 https://twitter.com/nisekoho/ (Twitterサイト)

○「NISEカフェ」の参加者募集について
 研究所公開では、主に特別支援教育を学んでいる学生の皆さんを対象とし
た「NISEカフェ」を開催します。
 NISEカフェは、目指す教師像や理想とする学校について考えるために、現
職の教員から体験談を聞き、参加者同士でいろいろ語り合える場となってい
ます。NISEカフェに是非ご参加ください。
◇定員:30名
◇参加費: 200円(お菓子+飲み物代)
◇参加申込方法:
 メールにて件名を「NISEカフェ」とし、氏名、所属(在籍校)、年齢をご記
入の上、”kokai@nise.go.jp”までお申し込み下さい。
◇締切:平成28年10月28日(金) ※定員を超えた場合は、抽選となります。

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【3】研究紹介
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●聴覚障害教育における教科指導及び自立活動の充実に関する実践的研究 
-教材活用の視点からインクルーシブ教育システム構築における専門性の継
承と共有を目指して-(平成26~27年度)               
                 
                            原田 公人
      (インクルーシブ教育システム推進センター上席総括研究員)

 本研究では、聴覚障害児童生徒への国語科及び算数・数学科、自立活動に
おいて、教科指導又は自立活動の目標を達成するための教材の在り方(考え
方)と活用方法を明らかにするとともに、聴覚障害児の教科指導で継承・共
有すべき指導上の知見を明らかにすることを目的として、国語科、算数・数
学科、自立活動について、教材の選択と活用に関する授業研究を研究協力機
関で実施しました。
 授業研究では、多くの協議がなされ、以下のことが確認されました。国語
科では、「教師が把握した実態」と「個々の児童のねらいたいこと」及び
「具体的な学習活動」とを照合することが、子どもの実態に応じた適切な学
習活動の設定につながります。
 算数・数学科では、学習に際して、単元の目標や児童生徒の興味・関心に
即した教材活用が重要になります。算数・数学科に対する興味・関心を高め
るためには、日常的な関わりの中で、言語を介した、疑問や結果、因果関係
を考える習慣形成が大切です。
 教科指導では、板書や発問が重要です。板書は、児童生徒にとって、その
ままノートの役割を果たすため、児童生徒が自身で気づいたこと等もノート
に書き残す習慣が身に付くよう指導することが大切です。発問では、児童生
徒の実態を把握し、子どもが何と答えれば良いか選択肢を与える方法を用い
ると有効な場合があります。
 自立活動では、個に応じた指導が基本になります。聴覚障害児の将来を見
据えた対応を考えた場合、「個別の指導計画」の作成と複数教員による評価、
発達の各期(各段階)における「個別の教育支援計画」の活用も重要な課題
となります。
 また、今後のインクルーシブ教育システム構築に際して、聴覚障害児を担
当する指導者には、聴覚障害児の発達やニーズを客観的に把握できること、
通常の学級での指導との関連性を重んじた指導が特別支援学校(聴覚障害)
でできること、通常の学級の指導者と何をどこまで共有しているか、把握で
きることなどが重要だと考えました。
 なお、本研究では、インクルーシブ教育システムの構築を踏まえ、初めて
聴覚障害の指導に当たる小・中学校の先生や聾学校の先生に対して、指導場
面で参考となる情報提供を目的として、理解啓発資料『聴覚障害教育Q&A50~
聴覚に障害のある子どもの指導・支援~』を作成しましたので、本研究所
Webサイトをご参照ください。

○本研究の研究成果サマリーはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/11935/20160620-105647.pdf

○理解啓発資料『聴覚障害教育Q&A50 ~聴覚に障害のある子どもの指導・
支援~』はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,9317,52,300.html

●小・中学校に在籍する肢体不自由児の指導のための特別支援学校のセンタ
ー的機能の活用に関する研究-小・中学校側のニーズを踏まえて-(平成26
~27年度)
                 長沼 俊夫(研修事業部総括研究員)

 インクルーシブ教育システム構築のためには、特別支援教育の一層の推進
が必要です。その際、小・中学校に在籍する、障害のある児童生徒の学びを
支援する教育資源の一つとして、特別支援学校のセンター的機能の活用が期
待されています。増加している小・中学校に在籍する肢体不自由のある児童
生徒への指導のために活用可能な特別支援学校のセンター的機能については、
これまで、特別支援学校側からのセンター的機能に関する検討がなされてき
ました。一方で、活用する側からの検討は決して十分とはいえない状況でし
た。
 そこで、本研究では、小・中学校に在籍する肢体不自由児への指導のため
の特別支援学校のセンター的機能の活用に焦点を当て、小・中学校側の活用
の在り方及び特別支援学校側の支援の在り方について現状と課題を明らかに
し、併せて具体的な事例の紹介や今後の方向性の提案を行うことを目的とし
ました。
 小・中学校において、肢体不自由のある児童生徒の指導の充実のために、
特別支援学校のセンター的機能をさらに活用すべき視点として、以下の5点
が重要です。(1)肢体不自由児の学習上の困難さや支援ニーズの評価、(2)
適切な学習の手だて、(3)学習環境の改善・充実、(4)専門性向上や指導に
関する担任の不安感の解消、(5)発達や進路に関する情報入手。
 また、特別支援学校による支援の在り方で求められる視点として、以下の
8点が重要です。(1)センター的機能を推進する校内体制整備、(2)学校経
営方針及び設置者の特別支援教育推進計画等での位置づけ、(3)支援地域内
の小・中学校在籍肢体不自由児の状況等の把握、(4)小・中学校の状況に合
わせた具体的かつ実効性のある支援、(5)担当者の専門性、特に教科指導に
関する対応と専門性向上の取組、(6)関係機関や他職種等との連携や早期か
らの対応、(7)理解啓発と依頼手続の改善、(8)研修会開催とネットワーク
構築の必要性。
 研究協力機関における取組として、小・中学校が特別支援学校のセンター
的機能を活用した以下の7事例を紹介しています。
 (1)学校全体での支援体制に基づきセンター的機能を活用した中学校での
取組、(2)通級による指導を活用した取組、(3)前籍校である特別支援学校
の継続的支援を活用した取組、(4)地域の肢体不自由児担当者学習会を活用
した取組、(5)幼少期からの継続的な支援を活用した取組、(6)ICTに関す
る専門性を活用した取組、(7)特別支援学級設置準備や校内体制作りへの活
用の取組。
 各地域の取組は、それぞれの実態に合わせた多様な内容ですが、事例報告
にあたっては、取組の特徴をつかんでいただきやすいように、構成を1)小
・中学校及び地域の概要、2)当該事例の概要、3)特別支援学校のセンター
的機能を活用するまでの経過、4)具体的な取組の経過、5)成果と課題、と
して統一しました。
 
○本研究の研究成果サマリーはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/resources/content/11935/20160620-105732.pdf

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【4】連載コーナー
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●「地域実践研究」って何?
 第5回 「教材教具の活用と評価に関する研究」
                情報・支援部総括研究員 金森 克浩
                  
 本研究では、神奈川県と連携し「教材教具の活用と評価に関する研究~タ
ブレット端末を活用した指導の専門性の向上と地域支援~」を行っています。
 文部科学省が平成25年8月に発表した「障害のある児童生徒の教材の充実
について 報告」において「障害のある児童生徒について将来の自立と社会
参加に向けた学びの充実を図るためには、障害の状態や特性を踏まえた教材
を効果的に活用し、適切な指導を行うことが必要である。」とあります。ま
た、本年4月から施行された「障害者差別解消法」に即して文部科学省が策
定した「文部科学省所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推
進に関する対応指針」にもICT等の機器を活用した合理的配慮の実施が例示
されており、ICT活用の具体的な方法を示すことはとても重要であると考え
ます。
 そこで、インクルーシブ教育システム構築に向けたツールとして、合理的
配慮を実現するためのICT機器の活用を充実させることを目的とした研究を
行っています。本研究においては特別支援学校のタブレット端末の活用にお
ける専門性を高め、地域の小・中学校にその活用方法を発信することにより、
インクルーシブ教育システムの推進を図る事を目的として行っています。研
究成果は特別支援教育教材ポータルサイトや指定研究協力地域(神奈川県)の
Webサイトに実践事例を掲載して普及を図る予定です。
 具体的には、先進的にタブレット端末を活用した実践を行っている学校と
連携して実践の交流をし、神奈川県内の各学校への訪問や、研究授業への協
力、タブレット端末を活用した地域支援体制についてのアンケート調査等を
行いながら、必要な情報を収集整理して研究を進めています。

                    地域実践研究員 小原 俊祐 
                     (神奈川県立鎌倉養護学校)

 4月から始まった久里浜での地域実践研究員としての生活が半年経ちまし
た。
 これまで勤めていた学校現場とは異なる職場環境や神奈川県が抱える課題
の解決に果たして自分自身が貢献できるのかといった不安もあり、当初は戸
惑いの気持ちの方が大きかったことを覚えています。しかし、こちらで研究
を進めていくうちに、研究所の先生方の協力や支えに非常に大きな力をいた
だくとともに、これまでの教員人生とはまた違った視点での知識の獲得や新
しい発見に気づくことができ、そのことが向上心、探究心につながり、とて
も充実した毎日を過ごしています。また、特別支援教育に携わる全国の先生
方と関われる機会も多く、意見交換等を通してとても刺激を受けることがで
き、自分の活力にもなっています。
 地域実践研究員として、研究生活の折り返し地点となりました。限られた
残りの日々を大切にし、研究成果を地域の教育に少しでも寄与できるよう引
き続き努めていきたいと思います。

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【5】特別支援教育関連情報
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●平成27年度インクルーシブ教育システム構築事業の成果報告書(概要)に
ついて
 文部科学省初等中等教育局特別支援教育課は、本年9月、平成27年度イン
クルーシブ教育システム構築モデル事業、平成27年度早期からの教育相談・
支援体制構築事業及び平成27年度学校における交流及び共同学習を通じた障
害者理解(心のバリアフリー)の推進事業の各成果報告書(概要)を文部科
学省Webサイトに掲載しました。詳しくは下記のWebサイトをご覧ください。

○平成27年度インクルーシブ教育システム構築モデル事業の成果報告書(概
要)はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/006/h27/1376569.htm

○平成27年度早期からの教育相談・支援体制構築事業の成果報告書(概要)
はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/006/h27/1376333.htm

○平成27年度学校における交流及び共同学習を通じた障害者理解(心のバリ
アフリー)の推進事業の成果報告書(概要)はこちら→
 http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/main/006/h27/1376675.htm

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【6】NISEダイアリー
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           「免許法認定通信教育」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 10月1日から、本研究所では、免許法認定通信教育を開始することとなっ
た。これまで、特別支援学校に勤める教員に関しては、教育職員免許法にお
いて、特別支援学校の免許状と各部に相当する小学校等の免許状の両方を持
つことが原則として求められてきたが、一方で、同法の附則第16項において、
当分の間は、特別支援学校の免許状を持っていなくても、小学校等の免許状
を持っていれば、それに相当する各部の指導も行えることとされていた。
 これは、以前の盲・聾・養護学校時代に、それらの学校の教員養成におい
て、当該免許状を持つ先生が不足した場合を想定しての次善の策であった。
それが、今日まで引き継がれてきたと言える。
 特別支援教育関係者にとっては、教員養成の仕組みを整える中で、一日で
も早く、この「当分の間」を取り除き、特別支援学校の免許状と指導する当
該学部に相当する学校の免許状を持って、子どもの指導に当たるという、教
育職員免許法の本来の趣旨を実現したいというのが悲願であった。

 こうした流れを受けて、平成27年12月21日にまとめられた中央教育審議会
の「これからの学校教育を担う教員の資質能力の向上について(答申)」に
おいては、教員免許制度に関する改革の具体的な方向性の一つとして、「特
別支援学校教諭等免許状の所持率向上」が掲げられた。そこでは、「附則第
16項の廃止も見据え、平成32年度までの間に、おおむね全ての特別支援学校
の教員が免許状を所持することを目指し、・・・独立行政法人国立特別支援
教育総合研究所による免許法認定通信教育・・・を進めることが考えられる。」
と述べられている。
 これまでも、本研究所においては、二か月間の特別支援教育専門研修を受
講する先生方の希望に応じて、免許状更新講習や免許法認定講習を実施して
きた。そして、新たに免許法認定通信教育を実施することにより、特別支援
学校教諭免許状所持者の増加に寄与したいと考えている。
 免許法認定通信教育は、インターネットを通じて、映像や字幕による説明
などを基に、自学自習を進めてもらう試みである。約半年後には、試験を受
けていただき、その結果に基づいて科目の単位を修得することになる。

 平成28年内には、中教審から学習指導要領等の改訂に関する答申がまとめ
られる予定である。社会に開かれた教育課程を実現するためには、先生方の
日々の実践が求められる。その際には、今、話題となっている育成すべき資
質・能力やカリキュラム・マネジメント、アクティブ・ラーニング等につい
ても考える必要があろう。
 併せて、平成32年を目途に進められる、特別支援学校教諭等免許状の所持
率向上の取組が、免許状を取得した先生方による特別支援学校の子どもたち
への創造性溢れる教育実践に繋がることを期待したい。

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【7】研修員だより
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 今号は、平成23年度第二期特別支援教育専門研修を修了された後松慎太郎
先生からお寄せいただきました。

「結び付く」
                後松 慎太郎(秋田県立横手支援学校)

 平成23年度に肢体不自由専修コースに参加し、知的障害教育専修、病弱教
育専修と合わせ、総勢108名で学び合うことができました。国立特別支援教
育総合研究所の諸先生方を始め、先進的な研究や実践をされている講師の方
々による講義や演習、実地研修、研究協議、課題研究等を通して、知る喜び
と学ぶ楽しさを感じる日々を送ることができました。これは、現在本校で進
めている授業づくりの形の一つと結び付きます。私は、子どもたちが他者と
の学び合いの中で自分の考えや価値観を深めていけるように強く意識しなが
ら授業づくりにあたりたいと考えています。 
 本校では、学校での学びが家庭生活や社会生活に結び付くようにと「ライ
フキャリアの視点を大切にした教育課程」をテーマに文部科学省の指定研究
を進めています。研修中に授業づくりや教育課程など、全国の実践に触れる
機会をもてたことが、この研究の礎となっています。加えて、今でも研修で
お世話になった先生方から実践事例や取組に関する情報を得る機会がありま
す。研修を通して諸先生方と結び付くことができたこと、貴研究所での研修
や経験を今に結び付けられていることに感謝しています。

○秋田県立横手支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.yokote-s.akita-pref.ed.jp/

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【8】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
 https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=78726&lang=ja

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【9】編集後記
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 8月に開催されたリオデジャネイロオリンピックに続き、パラリンピック
でも、熱戦が繰り広げられました。日本では、4年後の東京オリンピック・
パラリンピックを控えていることもあってか、パラリンピックへの社会の注
目や関心が高かったように思います。
 ある日の新聞に、「想像力を刺激するパラリンピック」というコラムがあ
りました。その中に、視覚障害者の競技について、「目をつむり想像してほ
しい」という記述がありました。この想像力こそ、相手を理解する一歩にな
るように思います。相手の立場に立つことは難しいですが、立とうとするこ
と、想像することはできます。今回のパラリンピックを通じて、多くの方が
障害のある方々のことを知り、思い、考える機会になったのではないでしょ
うか。
 4年後は、障害の有無にかかわらず、国民誰もが互いに人格と個性を尊重
し、支え合って共生する社会に着実に向かっている中でのパラリンピックで
あってほしいと願います。そのためには、これから4年間の中で、障害に関
することが公的な場だけではなく、家族や友人、地域など身近な場で一層語
られることが大事であると考えます。たくさんのことを考えさせられたパラ
リンピックでした。
                   (第115号編集主幹 清水 潤)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第115号(平成28年10月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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いてはこちら→
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