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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第117号(平成28年12月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【お知らせ】
・平成28年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの参加申込みについて
・平成29度国立特別支援教育総合研究所研修計画について
・平成28年度研究所公開の開催(終了報告)
・平成28年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会の開催(終了報告)
・平成28年度特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会の
開催(終了報告)
・聴力検査室における新しい機器の導入について
【NISEトピックス】
・NISE特別支援教育国際シンポジウムの開催について
【海外情報の紹介】
・平成28年度「中南米地区日本人学校校長研究協議会」への参加及びグアナ
ファト補習授業校への訪問
【研究紹介】
・共同研究「視覚障害のある児童生徒のための校内触知案内図の作成と評価」
(平成25~27年度)
【NISEダイアリー】
【特別支援教育関連情報】
・高等学校における「通級による指導」に関する行政説明会及び高等学校に
おける個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育成果報告会、国立特別支援教
育総合研究所「平成28年度第1回高等学校における通級による指導に関する
研修会」の開催(終了報告)
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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●平成28年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの参加申込みについて
 前号で、平成28年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
ご案内したところですが、12月5日から参加申込の受付を開始します。
 参加申込は、本研究所Webサイトより直接お申込みください。多数のご参
加をお待ちしています。

◇テーマ:インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の推進
    ―21世紀を生きる子どもたちの可能性を最大限に伸ばすためには―
◇期日:平成29年2月17日(金)、18日(土)
◇会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
◇申込期間:平成28年12月5日(月)~平成29年1月20日(金)

○国立特別支援教育総合研究所セミナーの詳細・参加のご案内はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,11809,22,119.html

●平成29度国立特別支援教育総合研究所研修計画について
 本研究所の研修事業は、特別支援教育に携る教職員に対して、インクルー
シブ教育システムの充実に向けて、国の重要な特別支援教育政策や教育現場
の喫緊の課題等に対応する指導者の養成を目的として実施しています。
 平成29年度研修事業計画については、新たに「高等学校における通級によ
る指導に関わる指導者研究協議会」を3回の連続型研修として実施する他、
特別支援教育専門研修について募集人員の拡充を図るなどの見直しを図り、
過日決定し、すでに各都道府県等教育委員会にお知らせしているところです。
 受講者の募集については、研修ごとに実施要項を策定した後、各都道府県
教育委員会等へ、以下の時期に照会する予定です。関係教職員の積極的なご
参加と教育委員会等から多数のご推薦をお待ちしています。

◇特別支援教育専門研修及び高等学校における通級による指導に関わる指導
者研究協議会は、平成28年12月上旬
◇特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会及び交流及び
共同学習推進指導者研究協議会は、平成29年2月上旬

○平成29年度国立特別支援教育総合研究所研修事業計画はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,12467,21,274.html

●平成28年度研究所公開の開催(終了報告)
 11月5日(土)に平成28年度研究所公開を開催し、学校教員、大学生、保
護者や地域の方など、多くの方にご参加いただきました。
 今年度の研究所公開では、障害のある児童生徒に対する教育上並びに生活
上の支援・配慮について障害種ごとに紹介した展示スペースを対象としたス
タンプラリーを実施し、家族連れを中心に多くの方が台紙を持って、所内を
巡る様子が見られました。
 その他、教員を目指す大学生との交流イベント「NISEカフェ」、発達障害
の特性に関するミニ講義、聴覚障害を題材とした映画「レインツリーの国」
上映会、障害者スポーツ体験としてゴールボールの体験会、今年度の新企画
である筑波大学附属視覚特別支援学校の生徒と教員による「あん摩マッサー
ジ」体験など幅広い内容の催しを行いました。
 当日は天候に恵まれ、昨年度を大幅に上回る438名の方々にお集まりいた
だきました。特に子ども達も多かったことから、普段の研究所とは異なって、
終始賑やかな雰囲気に包まれていました。

●平成28年度交流及び共同学習推進指導者研究協議会の開催(終了報告)
 11月17日及び18日の2日間、文部科学省の協力を得て標記研究協議会を本
研究所において開催しました。研究協議会は、各都道府県等において障害の
ある幼児児童生徒と障害のない幼児児童生徒との交流及び共同学習を推進す
る立場にある教職員による研究協議等を通じ、各地域における交流及び共同
学習と障害の理解推進に資することを目的として、開催しているものです。
本年度は、全国から特別支援学校、小・中学校教員や指導主事等74名が受講
しました。
 1日目は、文部科学省による最新の政策動向「交流及び共同学習をめぐる
現状と課題」の説明に続いて、NISEトピックス「インクルーシブ教育システ
ム推進センターにおける情報発信・相談支援」の報告の後、特色ある取組と
して、埼玉県教育委員会と茨城県守谷市立御所ケ丘中学校から発表いただき
ました。
 2日目は、3分科会5班に分かれ、研究協議が行われました。第一分科会
は「交流及び共同学習を推進する上での学習活動の工夫」、第二分科会は
「居住地における幼児児童生徒の交流及び共同学習の推進」、第三分科会は
「交流及び共同学習を推進する上での行政的取組」をテーマに各受講者のレ
ポートに基づく報告や最新の情報について活発に協議がなされました。協議
では、インクルーシブ教育システムにおける交流及び共同学習の意義、交流
及び共同学習における合理的配慮、教育課程上の位置づけ、副次的な学籍の
導入による居住地校交流の推進等が話題となりました。最後に、各班の協議
内容を報告し合い、文部科学省の特別支援教育調査官からの指導・助言をい
ただきました。

●平成28年度特別支援教育におけるICT活用に関わる指導者研究協議会の
開催(終了報告)
 11月24日及び25日の2日間、文部科学省の協力を得て標記指導者研究協議
会を本研究所において開催しました。研究協議会は、障害のある幼児児童生
徒に適切な指導・支援を行う上で必要なICT活用をはじめとする教育支援機
器活用について、専門的知識を深め、各地域における指導・支援の充実を図
ることを目的として、新たに開催したものです。全国の指導的立場にある教
職員を対象としており、今年度は全国の特別支援学校、小・中学校教員や指
導主事73名が受講しました。
 1日目は、文部科学省による最新の政策動向「特別支援教育におけるICT
活用の現状と課題~合理的配慮の考え方を踏まえて~」の説明に続いて、研
究紹介として本研究所による研究最前線「障害のある児童生徒のためのICT
活用に関する総合的な研究」に関する発表を行いました。
 2日目は、1コース(指導主事)、2コース(教員)で「ICT活用の推進
に向けた教育委員会(学校)の取組について」のテーマにより、ICT活用実
践演習室における演習、福岡県立柳河特別支援学校及び大分県教育委員会の
受講者より特色ある取組発表が行われました。さらに、計12班で各受講者
から提出のレポートに基づく報告や最新の情報等について、活発な協議・意
見交換がなされました。

●聴力検査室における新しい機器の導入について
 現在、ICTに代表される電子機器はデジタル化が進み、聴力測定機器も
日進月歩の発展をしています。この度、ハイブリッド型(コンピュータと聴
力検査装置の一体型)の聴力測定器を導入いたしました。この装置の最大の
特徴は、聴力測定に必要とされる殆どの検査機能を搭載し、コンピュータで
全てのデータが管理できることです。また、これに併せて、乳幼児聴力測定
装置を追加設備し、幼児用の聴力測定に欠かせない視覚強化装置を改良しま
した。
 これらの機器は、聴覚障害教育専門研修の講義・演習に活用し、乳幼児か
ら成人までの一貫した聴覚管理の必要性と聴力測定に関する理解を深めるこ
とができました。また、研究所公開でも紹介し、多くの方々に関心を持って
いただくことができました。今回の導入を契機として、聴覚の重要性につい
て更に啓発に努めていきたいと考えております。

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【2】NISEトピックス
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●NISE特別支援教育国際シンポジウムの開催について
 先月号でもご案内したとおり、本研究所では、昨年度に引き続き、「発達
障害教育について学ぶ」というテーマで国際シンポジウムを開催します。 
 国際シンポジウムの中では、最近話題となっている発達障害に関わる診断
基準の改訂の動向をわかりやすく解説します。その後に、アメリカ、イギリ
ス、日本のシンポジストから各国の発達障害のある児童生徒へ提供される教
育の現状や指導の実践を紹介して頂いた後に、講師やフロアとともに、日本
の教育現場(小・中学校等)ではどのように応用でき、実践できるかについ
て理解を深めます。

◇シンポジスト:<米国> Constance McGrath 氏
           (マサチューセッツ州Carlisle Elementary School)
        <英国> Yvonne Griffiths 氏
           (Leeds大学)
        <日本> 冢田 三枝子 氏
           (横浜市立斎藤分小学校)

 また、当日の午前中は、プレイベントとして発達障害等のある子どもへの
教育に関心のある方々を対象に理解啓発ワークショップを同じ会場で開催し
ます。「一人一人の子どもに合った」指導や支援を考えるためのヒントとな
るようにコーナーを設ける予定です。
 ・子どもが抱える困難さの疑似体験
 ・子どもへの支援「研修講義」VTR視聴
 ・教材教具・関連書籍等の展示
 ・研究所の最新の研究成果報告 等

 既に参加申込の受付を開始しておりますので、参加をご希望される場合に
は、本研究所Webページよりお申込みください。多くの皆様のご参加をお待
ちしております。

◇日時:平成29年1月14日(土)
     ・国際シンポジウム          13:45 ~ 16:15
     ・発達障害教育理解啓発ワークショップ 10:30 ~ 13:30
     ・情報交換会(会費制 3,000円)    17:00 ~ 18:30

◇会場:一橋大学一橋講堂・中会議場(学術総合センター内)
    (東京都千代田区一ツ橋2-1-2)
◇定員:400名
◇申込期間:平成28年11月21日(月)~ 平成29年1月10日(火)

○NISE特別支援教育国際シンポジウムのWebページはこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/9,12121,22,295.html

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【3】海外情報の紹介
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●平成28年度「中南米地区日本人学校校長研究協議会」への参加及びグアナ
ファト補習授業校への訪問                      
          
               明官 茂(情報・支援部上席総括研究員)

 中南米地区日本人学校校長研究協議会が10月11日からメキシコにある「日
本メキシコ学院」で開催されました。研究協議会には中南米諸国から14名の
日本人学校長が集まりました。多くの地区では治安が悪く、子供たちの安全
の確保が重要な課題となっていますが、最近は特別支援教育に対するニーズ
も高くなっています。
 日本人学校校長研究協議会は、世界の4地域で開催されています。日本人
学校の校長にとって、外務省や文部科学省等も参加する協議会は、日本の最
新の情報をつかむことができる数少ない機会となっています。本研究所は、
これまで、アジア・大洋州や北米・欧州地区には参加して情報提供してきま
したが、中南米地区への参加は初めてです。以前からあった特別支援教育に
関する研修がないとの現場の声にようやく応えることができました。中南米
地区で特別支援学級を設置しているのは、ブラジル・サンパウロ校だけです
が、発達障害のある児童生徒は増えており、適切な指導方法や障害者理解に
対する情報を多くの学校が求めています。また、障害のある子供たちが入学
を希望した場合の対応についても課題になっています。海外では、専門性の
ある教員の確保が難しい上に、国内のように相談できる関係機関が少ないか
らです。本研究所は日本人学校や保護者からの相談を受ける数少ない機関で
あり、Webサイトでの情報提供や、メールでの教育相談を行っています。最
近は海外に転勤するにあたっての相談が増えている現状があります。
 現在、保護者に帯同して海外で学ぶ日本人子女は7万人以上います。その
3分の1が日本人学校(89校)で学んでいます。また、日本人学校が無い地
域の子供たちの多くは、現地校に通学しながら、放課後や土曜日に補習授業
校(200校以上)に通い、日本語を中心とした教育を受けています。今回の
訪問では、グアナファト州にある補習授業校を訪問しました。グアナファト
は世界遺産に指定された美しい街並みのある古い都市です。近年、日本企業
が複数進出し、同行する子供たちも増えています。数年前に開校した補習授
業校には、114名の子供たちが毎週土曜日に学んでいます。通学範囲は100km
に及ぶそうです。今回は学校の要請で、保護者向けに特別支援教育に関する
情報提供を行いました。今後も個性のある子供たちの増加が予想されること
から、本研究所への期待が感じられました。

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【4】研究紹介
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●共同研究「視覚障害のある児童生徒のための校内触知案内図の作成と評価」
(平成25~27年度)                        
                 土井 幸輝(研究企画部主任研究員)

 特別支援学校(視覚障害)等の学校現場では、視覚障害のある児童生徒が
学校施設内で必要な情報を得ることを支援するツールの充実が求められてい
ます。一例として、特別支援学校(視覚障害)の教員や視覚障害のある児童
生徒からは、校舎内にある教室等の配置を把握することのできる触知案内図
(以下、校内触知案内図)を求める声が挙がっています。また、触覚からの
情報のみで空間情報を取得することは容易ではないため、音声情報を触知案
内図と効果的に併用することで、情報をより取得し易くすることが求められ
ています。
 そこで当研究所では、早稲田大学との共同研究により、視覚障害のある児
童生徒が通う特別支援学校(視覚障害)の校舎内にある教室等の配置を示し
た校内触知案内図の在り方を検討するために、当研究所で開発を進めている
点字・触知案内図作成装置を用いて音声読み上げ機能付きの校内触知案内図
を作成しました。また、作成した校内触知案内図について特別支援学校(視
覚障害)の教員(全盲・弱視)を対象とした使用感評価を実施し、使用感に
ついて高い評価を得ることができました。
 本研究を通じて、利用者にとって使い易い校内触知案内図の在り方を検討
するための有用な知見を得ることができました。今後は、校内触知案内図を
より簡単に作成できるように、一般的に普及している作成法でも、同様の機
能をもった校内触知案内図を作成できるようにしていければと考えておりま
す。

○本研究の研究成果報告書はこちら→
 https://www.nise.go.jp/cms/7,12449,32,142.html

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【5】NISEダイアリー
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         「交流及び共同学習の研究協議会」
           宍戸 和成(国立特別支援教育総合研究所理事長)

 今年度の交流及び共同学習に係る研究協議会が、11月半ばに開催された。
全国から74名の参加者を得て、二日間の日程で行われた。この機会に、交流
教育の変遷について、自分なりに振り返ってみることにした。
 交流及び共同学習は、もともとは交流教育と呼ばれていた。昭和45年の教
育課程審議会の答申を経て、翌年の学習指導要領改訂で、盲・聾・養護学校
小学部・中学部学習指導要領の特別活動において、「小学校の児童または中
学校の生徒と活動をともにする機会を積極的に設ける」と示された。しかし、
交流教育は、盲・聾・養護学校側だけが頑張っても効果は少ない。そこで、
昭和54年には、小・中学校側にも関心をもってもらうために文部事務次官通
達が出された。そして、小・中学校に「心身障害児理解推進校」を指定し、
小・中学校側から盲・聾・養護学校への働き掛けを期待した。折しも、その
年は養護学校義務制施行の年でもあった。義務制に関しては様々な意見があ
り、養護学校が小学校からかけ離れた存在ではないことを示す意味でも、交
流教育は大切な教育活動であった。その後、昭和62年度からは、「心身障害
児交流活動地域推進研究校」として盲・聾・養護学校を指定し、学校を取り
巻く地域での交流活動の在り方を追求してきた。
 このように交流教育は、長い時間を掛けて、点から線、そして面へと広が
りを見せてきた。平成13・14年度には、障害のある子どもが住んでいる地域
の学校との交流を模索すべく、いわゆる居住地校交流の実践が試みられるよ
うになった。また、そこでの教科学習による交流活動がより一層推進される
よう、平成16年の障害者基本法の一部改正において「交流及び共同学習」と
いう言葉が用いられるようになった。
 その頃から、障害者権利条約に関する動きが顕著になり、その内容を意識
した交流及び共同学習が指向されることとなった。平成25年には障害のある
子どもの就学の仕組みが改められ、翌年には我が国も障害者権利条約を批准
することとなった。昭和45年から数えて44年目に当たる。当初の交流教育も
関係者の努力で、徐々に進歩してきたと言える。
 話は戻るが、今回の研究協議会では、特色ある取組として、埼玉県教育委
員会から「支援籍学習の推進について―共生社会を目指して―」、茨城県の
御所ケ丘中学校から「インクルーシブ教育システム構築に向けた交流及び共
同学習の実践」の報告があった。支援籍の取組は、平成18年度から始まり、
平成27年度には750人程の子どもが特別支援学校から小・中学校へ交流及び
共同学習(支援籍学習)に出掛けているそうだ。御所ケ丘中学校の取組も含
めて考えると、それぞれの交流及び共同学習では、様々な学習内容が取り上
げられている。学校行事に限らず、生活科や音楽、図工・美術、社会等の教
科学習においても取り組まれている。こうした時に、次の課題は何だろう。
今、学習指導要領の改訂で話題となっているが、「教育課程の連続性」だと
思う。特に、小学校等の教科と知的障害特別支援学校の教科との連続性を整
理することではないかと思う。

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【6】特別支援教育関連情報
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●高等学校における「通級による指導」に関する行政説明会及び高等学校に
おける個々の能力・才能を伸ばす特別支援教育成果報告会、国立特別支援教
育総合研究所「平成28年度第1回高等学校における通級による指導に関する
研修会」の開催(終了報告)
 文部科学省及び国立特別支援教育総合研究所では、平成30年度から実施さ
れる高等学校における「通級による指導」の円滑な実施に向け、本年11月8
日、行政説明会及びモデル校による成果報告会、翌9日には国立特別支援教
育総合研究所による研修会を開催しました。
 11月8日の行政説明会及びモデル校による成果報告会には、各都道府県・
指定都市教育委員会より160名の出席を得て、制度改正に関する説明と、小
・中学校で実施されている「通級による指導」と同様の取組を、高等学校等
において教育課程の特例を適用して研究し、本制度化の検討に資する実証的
資料を得ることを目的として事業を実施した成果報告会が開催されました。
 翌9日の研修会には、各都道府県・指定都市教育委員会より120名の出席が
あり、本制度の導入に向けての教育委員会、学校の具体的準備とその検討課
題をテーマとした講義、特別講演等を行いました。
 なお、第2回研修会を平成29年3月23日(木)文部科学省において開催予
定です。また、この制度改正に伴う学校教育法施行規則の一部を改正する省
令等の公布については、近日中に公布・通知予定です。

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【7】研修員だより
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 今号は、平成24年度第一期特別支援教育専門研修を修了された植田佐知子
先生からお寄せいただきました。

「あれから4年」
              植田 佐知子(静岡県立中央特別支援学校)

 このメールマガジンの話をいただき、専門研修最終日のお礼の言葉を読み
返し、朝から晩まで研修員間の交流に勤しみ、あっという間の9週間だった
ことを思い出しました。多角的に組まれた専門研修を受け、他府県の学校の
取組を聞き、自校の課題だけではなく改めて取組の良さを再認識しました。
研究協議を基にした自分のレポートには、自校の取組を自分なりに俯瞰し、
授業づくりを大切にした校内研修の必要性を述べました。授業づくりは、
「今日はこうだった、明日はこうしてみよう」、日々変わる子ども達から授
業づくりの醍醐味を学び、子どもと同じように学校に来ることが楽しみとな
り、教師として授業改善が毎日の充実につながると考えます。 
 さて、本校は「児童生徒の主体的な姿を目指して」の研修テーマのもと、
研修を進めています。学習グループ毎に児童生徒について話し合い、授業実
践で得たことをポスター発表形式で校内の共有を図っています。子どもや授
業づくりへの思いを語る先生方の熱意にいつも驚かされます。まさに、教師
のアクティブラーニングと言ってもよいかと思います。今年も、校内で対話
が生まれ、互いの良さを授業づくりに生かせる機会になることを願っていま
す。

○静岡県立中央特別支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.edu.pref.shizuoka.jp/chuo-sh/home.nsf

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【8】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

○アンケートはこちら→
https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=92143&lang=ja

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【9】編集後記
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 毎年、この時期になると、フッと自己を振り返る機会があります。その機
会とは、12月3日からはじまる障害者週間です。これは、平成16年の障害者
基本法の改正により、国民の間に広く障害者の福祉についての関心と理解を
深めるとともに、障害者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積
極的に参加する意欲を高めることを目的として、設定されたものです。
 普段、教育という立場から障害児・者の方々と関わっていますが、地域住
民の一人として考えた時に、実際どのくらいのことに自分自身が取り組めて
いるか考えさせられます。先日、地域のお祭りで福祉作業所の方たちが、手
作りのクッキーを販売していました。その販売している障害者の方々に、お
勧めの商品や作り方などを聞いたりしながら品定めをして購入しました。作
り手の思いが伝わる買い物であり、買い物の楽しさを味わうことができまし
た。抹茶味のクッキーが気に入り、もう一度あのサクサクとした抹茶クッキ
ーを食べたと思うのですが、来年のお祭りまで待つか、それとも今度その福
祉作業所を訪ねてみるか・・・・・。自分が一歩行動に移すことで、さらな
る交流が生まれるきっかけづくりになるということに気づくことができまし
た。早速、機会を見つけて、訪問してみたいと思います。
                  (第117号編集主幹 北川 貴章)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第117号(平成28年12月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

○研究所メールマガジンの利用(登録、解除、バックナンバーを含む)につ
いてはこちら→
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