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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第60号(平成24年3月号)
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■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】連載コーナー
【4】特別支援教育関連情報
【5】研修員だより
【6】アンケートのお願い
【7】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●平成24年度研究課題にかかる研究協力者及び研究協力機関の募集について
 本研究所では、広く関係機関等と連携し、より良い研究活動を推進するた
め、研究協力者及び研究協力機関を募集します。
 詳細は後日、Webサイトに掲載します。

●世界自閉症啓発デー イベントのご案内
 毎年4月2日は国連総会で決議された「世界自閉症啓発デー」です。その啓
発イベントとして、4月7日(土)に灘尾ホール(新霞ヶ関ビル:東京都千代
田区)でシンポジウムが開催されます。
 世界自閉症啓発デー日本実行委員会には本研究所も共催団体として参画し
ており、シンポジウムの開催にあたって協力しております。
 参加申し込み等の詳細については、下記Webサイトをご覧ください。
 
○世界自閉症啓発デー日本実行委員会の公式サイトはこちら→
 http://www.worldautismawarenessday.jp/

●世界自閉症啓発デー2012 in横須賀のご案内
 本研究所においては、知的障害のある自閉症の子どもの教育を行っている
筑波大学附属久里浜特別支援学校とともに「世界自閉症啓発デー2012 in横
須賀」を開催いたします。
 このイベントでは、横須賀市の自閉症の親の会等の協力や横須賀市の後援
を得て、「自閉症の世界を知ろうよ~ちいさな つながりを ひろげよう~」
をテーマに、自閉症の方とその家族の地域とのつながりについて考えます。
 皆様、どうぞふるってご参加ください。

[日時] 4月21日(土)13:00~16:30
[会場] 横須賀市立横須賀総合高等学校 SEAホール
[主催] 国立特別支援教育総合研究所、筑波大学附属久里浜特別支援学校
[共催] 横須賀地区自閉症児・者親の会「たんぽぽの会」
    筑波大学附属久里浜特別支援学校PTA
[後援] 横須賀市、横須賀市教育委員会
[主なプログラム]
・映画「ちづる」上映
 自閉症の妹をもつ兄が制作したドキュメンタリー映画です。
・自閉症のある子どもたちの学校「筑波大学附属久里浜特別支援学校」の 
 実践紹介
・自閉症のある方からのメッセージ
[申し込み方法]
 ○FAXによるお申し込み
 氏名、所属、職種、電話番号、住所を明記の上、下記のFAX番号にお送り
ください。情報保障の必要がある方は、その旨もお書きください。
 送り先のFAX番号 →046-839-6938(教育情報部内)
 申し込み用紙はこちらからダウンロードできます。
  →http://www.nise.go.jp/waad/2012/inyokosuka2012.pdf
  ※この申し込み用紙を使用しなくてもお申し込みいただけます。
 ○Webサイトからのお申し込み
 詳しくはこちらをご覧ください。→http://www.nise.go.jp/waad/
[その他]
・参加費は無料です。
・定員は280名です。申し込み締切りは、4月9日(月)17時です。ただし、
定員になり次第、締め切らせていただきます。
・会場に駐車場を用意しておりませんので、お越しの際は、公共交通機関を
ご利用ください。

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【2】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●平成23年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの報告
           西牧 謙吾(教育研修・事業部 上席総括研究員)

 本研究所では、平成23年度国立特別支援教育研究所セミナーを平成24年1
月31日(火)、2月1日(水)の二日間にわたり、延べ700名を超える参加者
を得て、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催しました。テーマ
は「今、特別支援教育に求められるもの-子どもを守るために、育てるため
に-」でした。
 平成23年度からは、従来の研究所セミナーⅠ・Ⅱを一つに統合し、広く特
別支援教育に関連するトピックスを取り上げる部分(セッション1)、研究
所の研究班活動の報告(セッション2)、研究成果普及び協議の部分(セッ
ション3)からなる3部構成としました。
 1日目のセッション1では、東日本大震災を取り上げ、「災害時における
学校の対応の在り方」をテーマとしました。前半で、宮城県立石巻支援学校
校長の櫻田博氏、宮城教育大学教授の菅井裕行氏から基調報告を、岩手県教
育委員会事務局学校教育室首席指導主事兼特別支援教育担当課長の佐々木政
義氏、福島県立聾学校校長の髙屋隆男氏から指定発言をいただき、東日本大
震災の被害状況等について学びました。後半はシンポジウム形式で、新たに
兵庫県立舞子高等学校教諭の諏訪清二氏、宮城県子ども総合センター医師の
吉田弘和氏から防災教育や心のケアについて話題提供いただき、フロアーや
パネリストとも活発な議論が行われました。
 2日目午前中は、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課課長の千原由
幸氏から行政説明をいただいた後、当研究所の障害種別研究班より、障害の
特性等を踏まえた指導に際して配慮すべき事項について情報提供を行いまし
た。原田公人総括研究員の司会で、田中良広総括研究員からは視覚障害につ
いて、工藤傑史総括研究員からは知的障害について、金森克浩総括研究員か
らは肢体不自由教育について説明がありました。
 午後は、ポスターによる研究発表と研究所創立40周年に関するパネル展示
に続き、平成23年度重点推進研究の中から、3つの分科会に分かれて研究活
動報告がありました。第1分科会では、「幼稚園、小学校における支援の工
夫と連続性を考える」として、研究概要の報告、小学校、幼稚園における支
援の工夫について事例報告、「支援の連続性」について討論を行いました。
第2分科会では、「自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する自閉症のある
児童生徒の国語科教育の在り方について」として、研究報告と学習評価シー
トを活用した指導事例発表、国語科学習評価シートを用いたワークショップ
を行いました。第3分科会では、「特別支援学校における新学習指導要領に
基づいた教育課程編成の在り方に関する実際的研究」として、研究内容の報
告、知的障害のある児童生徒一人一人の教育的ニーズに対応した教育課程編
成の取り組みと特別支援学校(聴覚障害)における幼稚部から高等部(専攻
科)までの各発達段階を配慮した教育課程編成の実践報告、指定討論を行い
ました。
 2日間のセミナーの記録は後日、Webサイトに掲載する予定ですので、是
非ご覧ください。

★海外情報の紹介★
●フランスにおける障害のある子どもの教育
                  棟方 哲弥(企画部 総括研究員)

 フランスは2010年2月18日に国連障害者権利条約の本文と選択議定書を合
わせて批准しました。同国の教育法典は2008年に「全ての障害のある、ある
いは健康上の問題のある子どもと青年が、居住地に最も近い通常の学校に学
籍を登録される」ことを規定して子どもの学籍一元化を実現しています。し
かし、この学籍登録は必ずしもその子どもが通常の学校に通うことを意味し
ていません。就学先の決定は、以下のようになります。まず、子ども本人あ
るいは保護者は、学籍登録の後で、自らの意思で各県の障害者センターで『
個別就学計画』を作成してもらいます。それに基づいて、支援員を利用して
通常の学級で就学する、あるいは特別なクラス(『インクルージョンのため
の学級』と呼ばれます。)へ入級する、さらに障害が重度である場合には特
別な教育施設で教育を受けることになります。これらの就学先の判断は通常
の学校を最優先として障害者センターの多職種チームが本人や保護者と密接
に関わりながら決定されると規定されています。
 筆者らは、文部科学省の科学研究費補助金を受けて、就学の手続きと教育
システムの紹介(棟方, 2010)、日本との比較からフランスの課題の検討(
棟方, 2011)、保護者向けの就学の手引やアンケート調査報告の翻訳紹介(
『世界の特別支援教育(24)・(25)』に掲載)などを行ってきました。これま
での実地調査では、「新しい法律ができたことで、支援員付きの就学が実現
した反面、支援員が付かないと通常の学級への就学ができなくなってしまっ
た」(保育学校の保護者)、「不安定な雇用への不安」や「十分な研修を受
ける事ができない」(支援員団体のリーダー)との声がありました。また、
最初から「特別な教育施設への就学ありき」のケースの存在なども聞かれま
した。
 本年度は、これらの課題を含めて最終報告をする予定です。これらフラン
スの現状は、国連障害者権利条約を批准しようとしている日本の特別支援教
育へも大切な示唆を与えるものと考えています。

文献
棟方哲弥(2010), フランス-2005年2月11日法とインクルーシブ教育の展開
-, 発達障害研究, 第32巻2号, pp.135-145
棟方哲弥(2011), 日本との比較からフランスの障害児教育の問題点, フラン
ス教育学会紀要, 第32号, pp.19-28.

○『世界の特別支援教育(24)・(25)』に掲載された文献の内容はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/7,385,32,133.html

○本研究所による「フランスにおける障害のある子どもの教育について」の
報告(中央教育審議会初等中等教育分科会特別支援教育の在り方に関する特
別委員会(第10回)配付資料6-2)はこちら→
 http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/044/siryo/1306551.htm

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【3】連載コーナー
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●「発達障害教育情報センター」Webサイトをご存じですか???
                大城 政之(教育情報部 総括研究員)

 第7回 教育相談に関する情報が知りたい!

 本連載(全7回)では、「発達障害教育情報センター」Webサイトについ
てご紹介しています。
 今回は、「教育相談に関する情報が知りたい!」についてです。
 発達障害のある子どもの幼児期、児童期、そして青年期など、それぞれの
ライフステージによって、教育にかかわる相談内容は変わってきます。
 就学や学習、生活面での具体的なかかわり方はどのように考えれば良いの
か、相談できる窓口はどこにあるのか、などの情報を知っておくことは大切
です。
 また、海外で生活している発達障害のある子ども達を支える日本人学校等
の先生やご家族に対して、抱える不安や現在の海外状況に関わる情報等につ
いても知っておくことは大切なことだと思います。
 そこで、当センターWebサイトでは、「教育相談」のページを設け、国内
の相談機関の紹介や、具体的な相談のQ&A。また、海外渡航者に向けた日本
人学校等に関する情報を整理し、以下のコンテンツで発信しています。

①発達障害のある子どもの支援に役立つQ&A
 子育ての中で気になること、教育に関するシステム等、発達障害のあるお
子さんと関わる方に参考になる情報を紹介しています。内容は、就学前、就
学に向けて、小学生、中学生、高校生以降と子ども達のライフステージで想
定される内容で整理しています。

②身近な相談機関について
 発達障害のお子さん・保護者、また学校の先生の相談を受けている公的な
教育相談機関と全国の発達障害者支援センターを紹介しています。

③海外での支援・指導について
 日本人学校等の先生に向けた子どもの支援に関する情報や海外赴任される
保護者に向けた日本人学校等に関する情報について紹介しています。

 ・・・・・・続きはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,5960,13,257.html
 ・・・・・・全7回の連載内容はこちらのリンクへ→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,5080,13,257.html

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【4】特別支援教育関連情報
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●特別支援学校等における医療的ケアの今後の対応について
 平成23年12月、文部科学省初等中等局長から「特別支援学校等における医
療的ケアの今後の対応について(通知)」が出されました。平成24年4月か
らの制度実施に向けてご留意ください。
 
○文部科学省初等中等局長通知の内容はこちら→
 http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/1314510.htm

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【5】研修員だより
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 今号は、平成22年度第三期特別支援教育専門研修修了の長谷川明美先生か
らお寄せいただきました。

「ICTの活用を通して病弱教育の学びを広げよう」
              長谷川 明美(京都市立桃陽総合支援学校)

 私は、今からちょうど一年前に、平成22年度第三期特別支援教育専門研修
(病弱教育専修プログラム)に参加させていただきました。久里浜での研修
は、素晴らしい先生方による講義、仲間と真剣に語り合った研究協議、特別
支援学校(病弱)への学校訪問等、どれもが充実したものばかりでした。あ
の2カ月間の中身の濃い研修を通して、子どもが置かれている状況に寄り添
う病弱教育、自己管理能力を育てる病弱教育、医療・家庭そして教師間の連
携が必須である病弱教育の真髄を学ぶことができました。
 当校は、本校のほか市内にある病院内に4つの分教室を有し、分教室のな
い病院への訪問による教育も行う特別支援学校(病弱)です。本校には、心身
症や神経症の児童生徒が在籍し、その約9割の児童生徒が、地域の小・中学
校では不登校または不登校傾向でした。各分教室には、小児がんなどの重篤
な病気の児童生徒が在籍しています。
 また、今年度より3年間「学びのイノベーション事業」(文部科学省)、
「フューチャースクール推進事業」(総務省)の実証校となりました。2月
17日にはICTを活用した公開授業を行い、本校と分教室を無線で結ぶ授業を
行いました。ICTを活用することで、生活体験の幅を広げることできる、視
聴覚資料の提示により一層の理解を深めることができる、前籍校とインター
ネットを通してつながることで入院中の不安を軽減することができる、など
病弱教育での学びが広がると考えています。
 専門研修で得た多くのことを糧として、病気の児童生徒が「できた」「わ
かった」という気持ちを自信につなげ、教師が児童生徒の「もっとやってみ
たい」という気持ちを引き出す授業を目指して、これからも精進していきた
いと思います。

○京都市立桃陽総合支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.edu.city.kyoto.jp/hp/toyo-y/

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。
 
○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga60

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【7】編集後記
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 平成23年度も、あと1ヶ月を残すのみとなりました。学校においては、学
年末そして学年始め準備等の学務に追われる1年で最も忙しい月が3月では
ないのでしょうか。読者の皆様におかれましては、健康に留意され、お過ご
し下さい。
 さて、昨年3月11日14時46分に東日本大震災が発生し、尊い多くの命が失
われました。そして福島第一原発の事故も重なり、今なお多くの方々が不自
由な生活を余儀なくされています。今年の3月は、日本国中の人々が、追悼
の念と復興への願いを一層強くすることと存じます。本研究所においても、
障害のある子ども達の教育に関する研究を推進し、日本の復興の一助となる
よう努めてまいります。
 本研究所メルマガは、読者の皆様のおかげをもちまして、第60号を迎える
ことができました。本研究所職員一同、心よりお礼申し上げます。これから
も、特別支援教育分野における最新の情報を発信してまいります。今後とも
ご愛読いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。
                    (第60号編集主幹 滝川国芳)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第60号(平成24年3月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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