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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第62号(平成24年5月号)
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■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】連載コーナー
【4】研修員だより
【5】アンケートのお願い
【6】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●NISE Bulletinリニューアル創刊
 このたび、本研究所では、NISE Bulletinをリニューアルして創刊しまし
た。新しいNISE Bulletinでは、本研究所研究紀要に掲載された論文の英訳
に加えて、専門研究などの研究成果の概要、日本の特別支援教育の政策動向、
海外の研究者等からの寄稿論文などを掲載していきます。

 ○NISE Bulletin(英文)のリニューアル創刊号(Vol.11)はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/7,6232,32,137.html
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【2】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●平成24年4月21日の世界自閉症啓発デー2012in横須賀の報告
                梅田 真理(教育情報部 総括研究員)

 今年の世界自閉症啓発デー2012in横須賀が、一般市民への自閉症の理解啓
発を目的として、「自閉症の世界を知ろうよ ~ちいさな つながりを ひろ
げよう~」をテーマに、横須賀市立横須賀総合高等学校を会場として開催さ
れました。
 地域における理解啓発を図る趣旨で、国立特別支援教育総合研究所と筑波
大学附属久里浜特別支援学校が主催し、共催として筑波大学附属久里浜特別
支援学校PTA、横須賀地区自閉症児・者親の会「たんぽぽの会」も運営にあ
たりました。会場には251名の参加があり昨年を上回りました。当日は子ど
も連れの家族での参加者も多く見られ、特設の親子席では、くつろいだ雰囲
気で、兄弟と隣り合って座ったり寝転んだりする子どもたちの姿が見られま
した。アンケートは80%を超す回収率で、多くの方が、自閉症について理解
が深まったと答えていました。また、当事者として登壇された田井さん親子
の「子どもの成長を通して自分自身の世界が広がった」という話がとてもよ
かったという感想も多く寄せられました。
 なお、当日の資料や様子については、本研究所の特設Webサイトで後日公
開を予定しています。ぜひご覧ください。
 このイベントに先立ち、4月7日(土)には、世界自閉症啓発デー2012シ
ンポジウムが、霞ヶ関灘尾ホールを会場に開催されました。関連イベントと
して、3/23~4/8の期間において東京タワーで絵画等を展示する企画展が、
また4月2日(月)には、東京タワーにおいてブルーライトアップ点灯式が行わ
れました。詳細は以下のサイトをご覧ください。

 ○本研究所の世界自閉症啓発デー特設Webサイトはこちら→
  https://www.nise.go.jp/waad/index.html
 ○世界自閉症啓発デー日本実行委員会公式Webサイトはこちら→
  http://www.worldautismawarenessday.jp/

★海外情報の紹介★
●CSUN 2012(テクノロジーと障害者会議)参加報告
                田中 良広(教育支援部 総括研究員)
                金森 克浩(教育情報部 総括研究員)

 2月28日から3月5日にかけて、本研究所専門研究A「デジタル教科書・教
材及びICTの活用に関する基礎調査・研究」の一環としてアメリカ合衆国サ
ンディエゴで開催されたCSUN 2012と呼ばれる第27回テクノロジーと障害者
会議(The International Technology and Persons with Disabilities Co
nference)に参加してきました。
 CSUNとはCalifornia State University of Northridge(カリフォルニア
州立大学ノースリッジ校)の頭文字をとった略称で、その名の通りカリフォ
ルニア州立大学が主催している世界最大規模の障害者支援技術会議です。
 開催期間中に300以上のセッションが開かれており、その内容は様々でし
た。私たちは、教科書のデジタルデータや携帯型端末の活用、電子書籍のフ
ァイル形式など、デジタル教科書に関連するセッションに参加し、多くの有
益な情報を得ることができました。その主なものは以下の通りです。
1.今後、各国で作成されるデジタル教科書のファイル形式としてe-Pub3が
注目されており、韓国でも、2014年からデジタル教科書への採用が決まった
こと。
2.児童生徒用のデジタル教科書のハードウェアは、従前のタブレット型の
コンピュータに加え、使用目的や内容等に応じて携帯型端末との併用が行わ
れていくこと。
3.米国では、プリントディスアビリティ(印刷物へのアクセスが困難な障
害)のある児童生徒のために教科書の図や写真等に解説文を付加する作業を
進めており、それらの児童生徒が必要に応じてそのデータを引き出して活用
することができる仕組みを作っていること。
 本研究所では本年度から2年間の予定で障害のある児童生徒のためのデジ
タル教科書の試作に関する研究に取り組んでいますが、今回の実地調査の成
果は、この研究にも活かされています。

 ○カリフォルニア州立大学障害研究センターのWebサイトはこちら→
  http://www.csun.edu/cod/conference/index.php
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【3】連載コーナー
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●特別支援教育に役立つアシスティブ・テクノロジー
            ICT・AT班 棟方 哲弥(企画部 総括研究員)

 第2回 アシスティブ・テクノロジーの定義(その2)

 今回はアシスティブ・テクノロジーの定義の「その2」です。第1回目は、
一貫して20年以上にわたり一言一句変わっていない米国の定義を紹介し、ア
システィブ・テクノロジーの活用においては『支援機器』のみならず関連し
た『支援サービス』を含めて考えることが重要であると述べました。今回は
視野を広げて、国際標準化機構(ISO)が定める規格の一つであるISO 9999(
福祉用具の分類と用語)とICF(国際生活機能分類)におけるアシスティブ
・テクノロジーに関連する記述や『共用品』、『ユニバーサルデザイン』、
『アクセシブルデザイン』といった関連用語についても説明します。

 ・・・・・・続きはこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,6565,13,257.html
 ・・・・・・全10回の連載内容はこちらのリンクへ→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,6204,13,257.html
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【4】研修員だより
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 今号は、平成23年度第一期特別支援教育専門研修修了の和田尚子先生から
お寄せいただきました。

「1年前・・そしてこれから」
                和田 尚子(北九州市立天籟寺小学校)

 教職員生活10年目を迎える節目の年に、研究所で研修を受ける機会をいた
だきました。特別支援教育コーディネーターとして、校内であまり仕事がで
きておらず、学校のためにもっと役に立ちたいと思っていた時でした。
 研究所では、著名な先生方から講義を受けることができ、本当に贅沢で貴
重な時間を過ごすことができました。また、専門的な話だけではなく、子ど
もと向かい合う教師の姿勢等も学び、自分の日々の指導を振り返ることがで
きました。
 研究協議では、地域も立場も年齢も違う6人が、「校内支援体制の構築」
という同じ悩みを抱えてアイデアを出し合い、研究所の先生も私たちを支え
て下さって、特に充実した時間を過ごすことができました。「1年後に、成
果を伝え合おう」という約束をしましたが、同じ志をもつ仲間が全国にいる
ということが、心の支えになっています。
 あの研修から早いもので1年が経とうとしています。研修で学んだことは
数えきれないほどたくさんありますが、これからも常に新しい情報を取り入
れながら、子どもたちのために日々励んでいきたいと思います。

 ○北九州市立天籟寺小学校のWebサイトはこちら→
  http://www.kita9.ed.jp/tenraiji-e/
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【5】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga62
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【6】編集後記
 NHKの世論調査によれば、日本人は5月の好きな方が比較的多いようです。
梅雨に入る前に、映画のプレビューのように、これから輝く夏が来ることを
実感させてくれるからでしょうか。
 さて、第62号のメールマガジンはいかがでしたでしょうか。新たに海外へ
の情報提供の窓口となるNISE Bulletinを紹介し、海外情報の紹介と連載コ
ーナーでは教育の情報化において益々期待される『アシスティブ・テクノロ
ジー』が取り上げられました。北九州市の和田先生から「同じ志をもつ仲間
が全国にいる」という専門研修に参加された方ならではの心強いお便りの余
韻を楽しみながら、次号へとバトンタッチしたいと思います。
 今後とも、メールマガジンご愛読の程、どうぞよろしくお願い申し上げま
す。
                    (第62号編集主幹 棟方哲弥)
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第62号(平成24年5月号)
発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
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