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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第66号(平成24年9月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】研究紹介
【4】連載コーナー
【5】特別支援教育関連情報
【6】研修員だより
【7】アンケートのお願い
【8】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●研究成果報告書をWebサイトに掲載しました。
 平成23年度に終了した13課題の研究成果報告書(別冊を含む)を本研究所
Webサイトに掲載しました。研究概要、サマリーとともに閲覧・ダウンロー
ドができますので、是非ご活用ください。

○研究成果報告書はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,2975.html
(本研究所Webサイトのトップページ右側のバナー研究成果報告書から入れ
ます。)

●平成24年度発達障害教育指導者研究協議会を開催
 8月2日~8月3日、本研究所において、発達障害教育指導者研究協議会を開
催しました。これは、各都道府県等において、発達障害のある子どもに対す
る支援・指導に関して指導的立場にある教職員の専門的知識並びに技能を高
め、各地方公共団体の支援・指導の充実に資することを目的として、平成2
0年度より開催しているものです。
 全国から幼稚園及び高等学校教員を含む発達障害のある幼児児童生徒に対
する支援・指導に関して指導的立場にある教職員117名が参加しました。第
一日目は、発達障害教育の現状と課題や発達障害のある子どもへの一貫した
支援の在り方について、行政説明と講演が行われるとともに、発達障害のあ
る子どもへの学校教育における支援の在り方に関する研究成果報告が行われ
ました。二日目は、分科会(第一分科会:幼児教育から小学校への支援のつ
ながり、第二分科会:中学校から高等学校、その後の支援のつながり)ごと
に分かれ、関係機関講師による実践事例の発表に次いで、少人数編成でのグ
ループ協議が行われ、各参加者が提出したレポートに基づく報告や情報交流
が活発に行われました。
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【2】NISEトピックス
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★トピックス★ 
●教育研修・事業部の活動について
          松村 勘由(教育研修・事業部長、上席総括研究員)

 教育研修・事業部は、本研究所が実施する研修事業の企画及び立案、研修
プログラムの開発、研修修了者のフォローアップ、地方における教員研修の
支援、インターネットによる研修コンテンツの開発提供などの業務を行って
います。また、研究所セミナーの企画・実施、外国の研究機関や研究者との
連携協力・交流、保護者団体等との連携事業の企画・実施、医療・福祉・労
働関係機関等に対する理解・啓発及び連携事業などの業務を行っています。
 本年度の主な事業について紹介します。

 研修事業は、各都道府県等における特別支援教育政策や教育研究及び教育
実践等の推進に寄与する指導者の養成を目的として行っています。
 本年度は、特別支援教育専門研修(第一期:知的障害・肢体不自由・病弱
教育コース、第二期:視覚障害・聴覚障害教育コース、第三期:情緒障害・
言語障害・発達障害教育コース)と4つの研究協議会(特別支援学校寄宿舎
指導実践指導者研究協議会、発達障害教育指導者研究協議会、交流及び共同
学習推進指導者研究協議会、特別支援教育コーディネーター指導者研究協議
会)を実施しています。
 詳細はこちらをご覧ください。
 →http://www.nise.go.jp/cms/9,0,21.html

 インターネットによる研修コンテンツは、各都道府県等において障害のあ
る児童生徒等の教育に携わる教員の資質向上を図る取組を支援することを目
的に提供しています。
 コンテンツの内容は、平成24年4月現在、特別支援教育研修講座基礎編45
タイトル、特別支援教育研修講座専門編74タイトルとなっています。専門編
については、特別支援教育専門研修等の研修事業において、本研究所の研究
職員による各障害等に関する講義の一部を収録したものがもとになっていま
すが、現在、新たな収録を行うことにより、その体系的な整備を進めている
ところです。
 詳細はこちらをご覧ください。
 →http://www.nise.go.jp/cms/9,0,20.html

 研究所セミナーは、本研究所の研究成果普及や質の向上、教育現場等関係
機関との情報の共有を図るために開催しています。本年度は、平成25年1月
29日(火)~30日(水)に、国立オリンピック記念青少年総合センターで行
います。
 詳細は、11月に研究所Webサイトにてご案内を掲載する予定です。
 →http://www.nise.go.jp/cms/9,0,22.html

★海外情報の紹介★
●KNISE主催国際会議参加報告
             原田 公人(教育研修・事業部 総括研究員)

 7月4日、韓国特殊教育院(KNISE)の主催による第12回国際特別支援教育
セミナーに参加しました。本セミナーは、特別支援教育の今日的課題を一つ
挙げて各国の研究者等を招聘し、情報交換するものです。今回のテーマは、
「障害学生の進路・職業教育」で、参加国は韓国、ドイツ、カナダ、アメリ
カ、日本でした。
 韓国からは、KNISEが、大学進学が難しい障害学生に対する就職対策とし
て、1)一般学校の中から障害学生のための職業教育拠点校を指定、2)特殊学
校内の専攻科の拡充、3)特殊学校内に学校企業の設置を拡大、4)柔軟な教育
課程の運営、5)関係機関との協力体系の構築について発表し、加えて、障害
学生は地域社会での現場実習をより多く経験する必要があると報告がありま
した。
 ドイツからは、障害学生職業リハビリセンターの実践について報告があり
ました。障害学生については、障害の状態に応じて、1)就職目的の職業準備
教育、2)援助付き雇用、3)障害者作業場職業訓練があり、職業リハビリ対象
の60%が学習障害者ということでした。
 カナダからは、障害者学習センターの実践について報告があり、進路教育
として、1)障害学生(主に知的障害)対象の職業教育、2)卒業1年前の職業
訓練、3)個別現場訓練があり、これらのプログラムの成果として、障害学生
の独立心、自信感、就業能力、勤務態度の向上が挙げられました。
 アメリカからは、進路教育プログラムについて報告があり、その特徴とし
て、1)実社会と関わりの深い教科指導の強化、2)職業関連技術から職業倫理
までを職業技術と捉える、3)中等から高等教育への進路経路の明確化、4)教
育及び雇用の二次的機会の保障、5)職業技術のアップグレードが挙げられま
した。これらのプログラムを通して、進路指導教師の力量を向上させる学習
プログラムが重要視されているとのことでした。
 日本からは、私が、特別支援学校における進路指導・職業教育の現状と課
題について報告しました。障害種別に関わらず、1)校内連携、2)関係諸機関
との連携、3)卒業後の支援、4)保護者(家族)への支援の重要性について説明
を行いました。参加者からは、特別支援学校在籍者に対する予算について質
問があり、その予算額の多さに驚きの感想が聞かれました。
 各国共通の現状として、卒業後を見通した教育プログラムと実践の積み重
ねの必要性、また、課題として、地域社会への啓発と十分な予算措置の必要
性が挙げられました。今回の参加を通して、本研究所として、引き続き、調
査や実践内容の検討を深めたいと考えました。
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【3】研究紹介
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●特別支援学校(知的障害)高等部における軽度知的障害のある生徒に対す
る教育課程に関する研究 -必要性の高い指導内容の検討- <重点推進研
究> (平成22~23年度)
       知的障害のある子どもの特別支援教育に関する研究班・班長
             工藤 傑史(教育研修・事業部 総括研究員)

 本研究は、近年特別支援学校(知的障害)高等部において増加が著しい、
知的障害の状態が軽度といわれる生徒に対する教育課程について、その検討
や改善に資する知見を提供することを目的として実施しました。全国特別支
援学校知的障害教育校長会と連携して教育課程の実態調査を行い(平成22年
度)、その結果から軽度知的障害のある生徒に指導すべき内容として明らか
になった「対人コミュニケーション」、「社会生活のルール」、「基本的生
活習慣」、「職業能力の育成」の4つのキーワードについて、さらに具体的
な指導内容と教育課程上の位置づけについての調査を行い(平成23年度)、
22項目から構成される軽度知的障害のある生徒に「必要性の高い指導内容」
を明らかにしました。また、研究協力機関等へのインタビュー調査をとおし
て、指導事例を収集し、教育課程上の位置付けや具体的な指導方法について
も検討しました。
 これらの内容は、軽度知的障害のある生徒に対して教えるべき内容として
焦点化、重点化し、各教科や領域・教科を合わせた指導等に取り入れて指導
することが考えられますが、その場合、指導の形態間の関連性や指導方法に
ついても留意し、教育課程編成を検討する必要があります。

○本研究の詳細はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,5949,52,273.html

●特別支援学級における自閉症のある児童生徒への国語科指導の実際-習得
状況の把握と指導内容の編成および実践を中心に- <重点推進研究> (平
成22~23年度)
       研究代表者 廣瀬 由美子(教育情報部 上席総括研究員)

 自閉症・情緒障害特別支援学級では、在籍する児童生徒の知的障害の有無
や適応状態に幅があり、個々の実態や学年も様々であるため、特別の教育課
程の編成が難しい状況にあります。その状況を踏まえた上で、自閉症研究班
では、自閉症・情緒障害特別支援学級に在籍する高機能自閉症等のある児童
生徒を対象に、本研究を実施しました。
 この研究の特徴は、1)国立教育政策研究所の評価規準をベースにして、対
象児童生徒の前年度における国語科学習の習得状況に関する実態把握のため
の「国語科学習評価シート」を作成したことと、2)国語科学習評価シートの実
施結果、ならびに担当教員による国語科学習の方針、年間指導計画、具体的
な実践例の情報から、高機能自閉症等のある児童生徒の国語科学習の在り方
について言及をしていることです。
 本研究では、自閉症・情緒障害特別支援学級の担当者の一助となることを
願い、研究成果報告の別冊を作成しました。別冊は、経験豊かで専門的な知
見をもった自閉症・情緒障害特別支援学級担当者7名の実践例を掲載してい
ますので、大いに参考にして頂けると思います。

○本研究の詳細はこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/8,128,52,273.html
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【4】連載コーナー
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●特別支援教育に役立つアシスティブテクノロジー
            ICT・AT班 棟方 哲弥(企画部 総括研究員)

 第5回 特別支援教育に役立つ支援機器の紹介
     その2:コミュニケーション
 
 第6回 特別支援教育に役立つ支援機器の紹介
     その3:読むこと、書くこと

 特別支援教育に役立つ支援機器の紹介の2回目と3回目です。
 まず、コミュニケーションについて、国連障害者権利条約では「言語(音
声言語及び手話その他の形態の非音声言語)、文字表記、点字、触覚を使っ
た意思疎通、拡大文字、利用可能なマルチメディア並びに筆記、聴覚、平易
な言葉及び朗読者による意思疎通の形態、補助的及び代替的な意思疎通の形
態、並びに利用可能な情報通信技術を含む手段や様式」とされています。す
なわちアシスティブ・テクノロジーを使った意思疎通は、人のコミュニケー
ションの1つの形態です。
 また、読むことと書くことは、学習に欠かせない活動であり、特別支援教
育におけるアシスティブ・テクノロジーの特徴の1つと言えます。
 今回も東京大学の『エイティースクウェアード』、国立特別支援教育総合
研究所の『支援機器等映像マニュアル』、『iライブラリー』、保健福祉広
報協会の『福祉機器製品検索』、テクノエイド協会の『福祉用具情報システ
ム』などから紹介します。

・・・・・・その2の続きはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,7133,13,257.html

・・・・・・その3の続きはこちら→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,7135,13,257.html

・・・・・・全10回の連載内容はこちらのリンクへ→
 http://www.nise.go.jp/cms/6,6204,13,257.html
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【5】特別支援教育関連情報
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●「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」Grand Open!~地域・社
会、産業界等が提供できる支援と学校が望む支援をマッチングする特設サイ
トを開設~
                 文部科学省初等中等教育局児童生徒課

 文部科学省では、「学校が望む支援」と「地域・社会や産業界等が提供で
きる支援」をマッチングするための特設サイト「子どもと社会の架け橋とな
るポータルサイト」を、8月3日に正式オープンいたしました。
 各学校、教育委員会において、地域・社会や産業界と連携した教育活動の
充実のため、ぜひ、本サイトを積極的にご活用ください。

○「子どもと社会の架け橋となるポータルサイト」のURLこちら→
 http://kakehashi.mext.go.jp
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【6】研修員だより
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 今号は、平成21年度第二期特別支援教育専門研修修了の渡邊大志先生から
お寄せいただきました。

「遊び」と「学び」
               渡邊 大志(静岡県立富士特別支援学校)

 「よく遊び、よく学べ」
 私の大学時代の恩師が、よくおっしゃっていたことです。20代の頃は「よ
く」を「たくさん」と量的な意味に解釈して、体力に任せて「たくさん遊ん
で、たくさん勉強しなさい」という意味に捉えていました。でも、「よく」
には「うまく」「上手に」「正しく」といった質的な意味も込められていま
す。思い起こすと、私にとって専門研修での2か月は質的な意味での「よく
遊び、よく学べ」について初めて実感した期間であったように感じます。
 3年前、「本当に2か月間やっていけるのか!?」という不安感と、日常か
ら離れることで感じた開放感をもって受付の前に立ちました。そこに立つま
では、「特総研」という看板があまりにも遠く、無縁に感じていたというの
が正直な思いでした。しかし、いざ跳び込んでみると、暖かく、そして熱い
思いをもつ先生方をはじめ、時には一緒に悩み、時には気付きを与えてくれ
た研修員の仲間たち、数々の貴重な資料や教材…と、「よく学ぶ」ためには
素晴らしい環境が整い、視覚障害だけでなく、特別支援教育というより大き
な枠組みの中での専門性を高めることができました。また、研究所の先生方
や研修員の皆さんとの交遊も含めて「よく遊ぶ」環境にも事欠きませんでし
た。
 あれから3年が経ち、勤務校も変わり、日々感じる課題意識も変わってい
ます。あの2か月の経験を生かしながら、自分がどう活きていくかを考える
毎日ですが、野比での貴重な「遊び」と「学び」を、これからの人生の“よ
い「遊び」と「学び」”につなげていけたらなぁと思っています。

○静岡県立富士特別支援学校のWebサイトはこちら→
 http://www.edu.pref.shizuoka.jp/fuji-sh/home.nsf/
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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga66
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【8】編集後記
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 今年の夏も昨年と同様、暑い日が続きました。この暑さで体調を崩された
方も多いのではないでしょうか。そのような中、今年は節電という言葉をよ
く耳にしました。節電に向けて各自が努力することで、これまで当然のよう
に使っていたものの大切さに改めて気づき、感謝する機会が得られたと思い
ます。
 これは勉強や仕事をするときも、同じようなことが言えると思います。自
分が立てた目標に向かって努力し続けることによって、自分を成長させたり
今まで気づかなかった新たな自分に気づいたりできるからです。
 さて、9月に入ってもまだ残暑は厳しいですが、この暑さに負けないよう
に新学期、新しい月を節目に、目標に向かって努力して研鑽を深めていきた
いと思います。
                    (第66号編集主幹 岡本邦広)
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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第66号(平成24年9月号)
発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
([アットマーク]を@にして送信してください。)

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