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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第68号(平成24年11月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE(ナイセ)━━━
■目次
【1】お知らせ
【2】NISEトピックス
【3】研究紹介
【4】連載コーナー
【5】特別支援教育関連情報
【6】研修員だより
【7】アンケートのお願い
【8】編集後記
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【1】お知らせ
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★NEWS★
●研究所公開のご案内
 前号でもご案内しましたが、来たる11月10日(土)に、筑波大学附属久里
浜特別支援学校公開・国立特別支援教育総合研究所公開を開催します。研究
所公開では、本研究所の施設を公開し、最新の活動内容や研究成果等を紹介
します。皆様お誘い合わせの上、お気軽にお越しください。
 
◇日時:平成24年11月10日(土) 9:00~12:00
◇費用:無料
 ◇主な催しもの(予定)
 1. 研究所の概要(沿革、組織、活動内容等)の紹介
 2. 最新の研究成果の紹介
 3. さまざまな障害の疑似体験
 4. 障害のある子どものための教育支援機器の展示
 5. 障害のある子どもに対する生活環境面での工夫や配慮に関する展示
◇お申込み
 事前申込みは必要ありません。当日受付でお名前等をご記入ください。
 なお、筑波大学附属久里浜特別支援学校公開に参加される方は、別途事前
申込みが必要となりますので、同学校に直接お問い合わせください。
	
 ○研究所公開の詳しい内容はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/events/detail.6.5319.html
 ○筑波大学附属久里浜特別支援学校公開の詳しい内容はこちら→
  http://www.kurihama.tsukuba.ac.jp/H24gakkoukoukai.pdf

●平成24年度国立特別支援教育総合研究所セミナーの開催について
 国立特別支援教育総合研究所では、研究活動等の成果普及や質の向上、教
育現場等教育関係者・関係機関との情報の共有を図るため、毎年度「国立特
別支援教育総合研究所セミナー」を開催することとしています。平成19年度
に「特殊教育」から「特別支援教育」への発展的転換が図られ5年余りが経
過しました。この間、関係者の弛まぬ努力により、特別支援教育が目指した
ねらいは着実に達成されつつあると考えられますが、平成24年7月の中央教
育審議会初等中等教育分科会報告に見られるように、インクルーシブ教育シ
ステム構築への取組を見据え、今後の一層の進展を図る上での課題も見えて
きました。
 平成24年度の研究所セミナーは、1日目には、文部科学省からの行政説明
に引き続き、セッション1「シンポジウム」として、特別支援教育の更なる
進展のために、関係者がそれぞれの立場で、また、連携し協力する中で、ど
のような取組を進めていくべきかについて意見交換をすることとしました。
次いで2日目には、セッション2「研究・トピック紹介」として、インクル
ーシブ教育システム構築に関連した研究経過並びに聴覚障害及び発達・情緒
障害教育のトピックを報告するとともに、セッション3「研究成果報告」と
して、三つの研究課題についての分科会を設定しました。
 参加申込み等の詳細は、11月初旬に研究所Webサイトに掲載するなど、周
知を図る予定です。多数のご参加をお待ちしております。
 
◇日時:平成25年1月29日(火)、30日(水)
◇会場:国立オリンピック記念青少年総合センター
    (東京都渋谷区代々木神園町3-1)
◇定員:700名
◇申込み期間:12月1日(土)~25年1月10日(木)

 ○これまでの国立特別支援教育総合研究所セミナーはこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/9,0,22.html

●平成25年度国立特別支援教育総合研究所研修計画について
 本研究所の平成25年度の研修事業計画については、10月中旬に決定し各都
道府県教育委員会等に通知しているところです。
 平成25年度計画においては、「特別支援教育コーディネーター指導者研究
協議会」を平成24年度をもって廃止するとともに、平成25年度から新たに「
就学相談・支援担当者研究協議会」を開催することとしております。
 引き続き、特別支援教育に関し各地域における指導的立場にある教職員の
専門的研修の機会として活用されますよう、お願いいたします。
 各研修受講者の募集については、実施要項を策定した後、各都道府県教育
委員会等に照会いたします。

 ○平成25年度国立特別支援教育総合研究所研修計画はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/9,7502,21,111.html

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【2】NISEトピックス
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★NISE職員の表彰受賞等のご紹介★
●神山努研究員が日本特殊教育学会平成23年度実践研究賞を受賞
 本研究所の神山努研究員が日本特殊教育学会平成23年度実践研究賞を受賞
し、去る9月28日~30日につくば市で開催された日本特殊教育学会第50回大
会において受賞者講演を行いました。
 本賞は、所属するさまざまな実践現場での研究を推進するため、同会が発
行する機関誌(特殊教育学研究)の前年度に掲載された実践研究の中で、大
変優れていると認められたものに対して授与されるものです。

 ◇受賞論文:
 発達に障害がある児童・生徒における地域・家庭生活スキルの日常生活へ
の自発的開始・般化の検討-保護者による記録に基づいた保護者支援による
介入-(掲載巻号:特殊教育学研究 第48巻第2号)

 ◇論文の概要:
 本研究は子どもに対する指導の臨床研究で、発達に障害がある子ども2名
に買い物や料理などの地域・家庭生活スキルを指導しました。そして、指導
されたスキルを子どもが日常生活で行うことができ、さらに子どもが行いた
い時に行えるようになるために、保護者に働きかけました。具体的には、子
どもに指導したスキルの日常での実施状況について、保護者に簡単な記録を
してもらい、日常生活で子どもに必要な支援を、記録をもとに保護者と考え、
その支援のやり方を保護者に伝えました。その結果、どちらのお子さんも指
導されたスキルを日常生活で行えるようになり、さらにそのスキルを行いた
い時に自分から要求するようになりました。

 ◇受賞者の言葉:
 この研究ができたのは、指導教員だった野呂先生や先輩達の支えはもちろ
ん、何よりも保護者の方の頑張りがあったためできたのだと思います。
 今後も、子どもたちの日常生活が広がる研究をしていきたいと思います。

●岡本邦広主任研究員が日本LD学会実践奨励賞を受賞
 本研究所の岡本邦広主任研究員が日本LD学会実践奨励賞を受賞し、去る1
0月6日~8日に仙台市で開催された日本LD学会第21回大会において受賞者講
演を行いました。
 本賞は、LD等の教育に関する優れた実践者であり、その成果を本学会大会
で発表したり本学会機関誌に投稿したりしている若手の実践者に対して授与
されるものです。

 ◇受賞論文:
 数学に苦手意識のある生徒への支援~外斜視、手指の巧緻性に課題のある
生徒への計算や図形の指導~(掲載巻号:LD研究 第19巻第3号)

 ◇論文の概要:
 本研究では、外斜視で手指の巧緻性に課題があり、数学に苦手意識のある
特別支援学校中学部に在籍する生徒に対して、LD児の指導方法やセルフチェ
ックなどの方法を参考にした特別支援学校における3年間の授業を通して、
計算や図形を指導する上で効果的な指導方法を検討しました。その結果、中
学1~2年生の基礎・基本的な学習内容は定着し、さらにセルフチェック表活
用後は数学に対する抵抗感が低減し、計算途中の間違いに気付くことが増え
ました。計算では、(1)約分時の数字・文字の塗りつぶし、(2)途中計算にお
ける省略なしの記述など、図形では、(1)グラフ座標軸の塗色と格子幅の拡大、
(2)角の位置関係を表す際の番号付加などの指導方法が効果的でした。

 ◇受賞者の言葉:
 対象の生徒とは3年間、数学の授業で関わり、多くを学ぶことができました。
また、親御さんからも研究論文としての公表を、肯定的に認めていただけた
ことに感謝いたします。今後、さらに研鑽を深めていきます。

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【3】研究紹介
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●特別支援教育におけるICF-CYの活用に関する研究 -活用のための方法試
案の実証と普及を中心に-(平成22~23年度)
         研究代表者 徳永 亜希雄(教育支援部 主任研究員)

 本研究は、特別支援学校の学習指導要領等の解説に示されたWHO(世界保
健機関)のICF(International Classification of Functioning, Disabil
ity and Health、国際生活機能分類)の考え方を具体的な教育実践につなげ
ていくことを目指したものです。ICFの活用によって、人の生活や障害を環
境との相互作用等で多面的、総合的に捉えることができます。ICF-CY(Chil
dren and Youth Version)とは、ICFと基本的な枠組はICFと同じくして、分
類項目の拡充が図られた児童版です。本研究所の調査(2009)では、約5校
に1校の特別支援学校において何らかの形でICF又はICF-CYが活用されてい
ることが明らかになった一方で、活用方法の検討が課題として指摘されたこ
とを踏まえ、活用を支える方法試案としての活用支援ツールについて実証し、
より学校現場等で使いやすい、効果的なものに改善した上で普及を図りまし
た。併せて、これまでICFやICF-CYを活用してきた学校における活用後の効
果について検討するとともに、多職種間連携に活用した事例、生徒本人が活
用する事例、幅広い障害種の事例を収集し、更なるICF及びICF-CYの可能性
についても検討しました。

 ○本研究の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/7,7048,32,142.html
  http://www.nise.go.jp/cms/8,559,52,273.html
 
●特別支援学校高等部(専攻科)における進路指導・職業教育支援プログラ
ムの開発(平成22~23~24年度)
       研究代表者 原田 公人(教育研修・事業部 総括研究員)

 本研究では、進路指導・職業教育に関わる「校内連携」、「関係諸機関と
の連携」、「卒業後の支援」、「保護者(家族)への支援」に焦点を当て、
全国の特別支援学校高等部(専攻科)の進路指導・職業教育担当者を対象と
したアンケート調査を実施し、上述した4つの取組状況と課題を明らかにし
ました。その結果、個に応じた進路指導・職業教育の重要性、系統性のある
進路指導・職業教育の必要性、学校全体で進路指導・職業教育に取り組む意
識の高揚と専門性の向上、卒業後の生活も考慮した支援の必要性と校内での
引き継ぎ体制の強化、個々の保護者(家族)の状況を踏まえた配慮の必要性
が示されました。また、本研究においては、研究協力機関等での取組の実際
とそこで活用されている支援ツールを収集・整理し、全国調査の結果を踏ま
えて進路指導・職業教育における「進路指導・職業教育支援プログラム」と
して提案しました。

 ○本研究の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/7,7049,32,142.html

●言語障害のある子どもの通常の学級における障害特性に応じた指導・支援
の内容・方法に関する研究 -通常の学級と通級指導教室の連携を通して-
 (平成22~23年度)
       研究代表者 牧野 泰美(教育研修・事業部 主任研究員)

 言語障害(構音障害、吃音、及び言語発達の遅れ)のある子どもへの指導
・支援の在り方については、通級指導教室等における個別的な対応を中心に
構築されてきました。しかし、言語障害のある子どもは多くの時間を通常の
学級で過ごすことからすれば、そこで生じている学習・生活上の課題や困難
さ、暮らしにくさに目を向け、それに対して通常の学級でどのような指導・
支援ができるのか、また、通級指導教室の担当者(以下「通級担当者」)は
何ができるのかといった観点から検討していくことも重要なことと考えられ
ます。
 本研究では、文献研究、調査や聞き取り等による資料収集、及び実践研究
を通して、言語障害のある子どもの通常の学級での生活を視野に入れた取組
の現状や、通常の学級と通級指導教室の連携の実態を明らかにするとともに、
子どもの通常の学級における困難さを軽減するための障害特性に応じた指導
・支援、通常の学級担任及び通級担当者が各々の立場でできうる事項、通常
の学級と通級指導教室のより機能的な連携の在り方について検討しました。
その結果、通常の学級担任に実施しやすい配慮事項、通級担当者が通常の学
級担任と協働して行う実践内容と成果を上げるための要件、連携を機能させ
ていくための知見が示されました。

 ○本研究の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/7,7053,32,142.html

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【4】連載コーナー
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●特別支援教育に役立つアシスティブテクノロジー
            ICT・AT班 棟方 哲弥(企画部 総括研究員)

 第8回 アシスティブ・テクノロジーの導入手法
     -SETTフレームワークを中心に-

 連載の第1回から第7回までに、アシスティブ・テクノロジーとは如何な
るものであるのか、どのような種類があって、どのような役に立つのか、ど
こで探せば良いのか、どのような支援機器があるのかなどについて紹介して
きました。今回と次回は、それらの支援機器を一人一人のニーズに合わせて
適切に選定し活用していくために必要な考え方や具体的な検討手法を学びま
す。

 ・・・続きはこちら→
    http://www.nise.go.jp/cms/6,7523,13,257.html

 ・・・全10回の連載内容はこちらのリンクへ→
    http://www.nise.go.jp/cms/6,6204,13,257.html

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【5】特別支援教育関連情報
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●障害者虐待防止施行に伴う研修教材「児童虐待防止と学校」の更新につい
て
 文部科学省特別支援教育課において、文部科学省ホームページで公開して
いる研修教材「児童虐待防止と学校」の更新を行い、平成24年10月、同ホー
ムページの更新を行いました。障害者虐待の防止に向けた教職員への研修等
にご活用下さい。

 ○文部科学省ホームページの研修教材「児童虐待防止と学校」の内容はこ
  ちら→
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/seitoshidou/1280054.htm

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【6】研修員だより
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 今号は、平成24年度第一期特別支援教育専門研修修了の佐藤秋久先生から
お寄せいただきました。

「貴重な経験に感謝」
                 佐藤 秋久(山形県立鶴岡養護学校)

 久里浜での3ヶ月研修はとても貴重な経験でした。これ以上ない最高の環
境の中で多くのことを学ぶことができました。わかりやすく情熱のこもった
講義をしてくださった研究所の先生方、北は青森県から南は沖縄県までの研
修員の方々との終わることのない語らい、読みたい本が山のようにあった図
書室、普段はなかなか行けないところに訪問できた実地研修、久里浜の地域
の人々のあたたかさ、語りつくせないほど思い出がいっぱいです。
 講義を聴いて改めて思ったことは、子どもたちの「自己肯定感」を高める
ことの大切さです。そのためには、子どもたちのアセスメントをしっかり把
握し、目標をしっかりと設定し、できる状況づくりを整え、子どもたちの成
功体験を積み上げていくことだと思いました。
 研修に専念させてくれた学校の先生方、3ヶ月間家を離れることを許して
くれた家族に心から感謝しています。さらに共に学んだ研修員の仲間にも感
謝しています。研修が終わって1カ月後に、近隣の県の仲間と会う機会があ
りましたが、またいつか再会し、お互いの悩みや教育について語り合える日
が来ることを願っています。

 ○山形県立鶴岡養護学校のWebサイトはこちら→
  http://www.tsuruoka-sh.ed.jp

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【7】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
 http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga68

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【8】編集後記
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 「実りの秋、本番!」観光や味覚に限らず、全国各地で公開授業研究会、
研究会や学会等が多く開催されています。
 教育に携わる者は、担当する子どもたちの変容にこそ、仕事のやりがいを
感じる…という記事を読んだことがあります。そうした子どもたちの変容を
願い、私たちは、自身が立てたテーマについて深く調べ、考え、物事を明ら
かにしていくという研究を行っているのだと思います。
 どのような視点で調べ考えるのか、どのような方法で明らかにしていくの
かは、研究により様々ですが、研究会への参加を通して、自分自身を磨き、
教育実践や研究に反映させていきたいと思います。
 今号でも、11月10日開催の「研究所公開」、来年1月29~30日開催の「国
立特別支援教育総合研究所セミナー」についてご案内しました。皆様のご参
加を心よりお待ちしております。
 また、今後とも、本メールマガジンへの忌憚のないご意見、ご感想をお寄
せくださるようお願い申し上げます。
                  (第68号編集主幹 庄司 美千代)

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 次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第68号(平成24年11月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
      ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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