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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第70号(平成25年1月号)
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あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。
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■目次
【お知らせ】専門研究B「高等学校における発達障害等の特別な支援を必要
とする生徒への指導・支援に関する研究」に関わる「高等学校における特別
支援教育の推進に関する実態調査」結果の速報をWebサイトに公開しました
【お知らせ】研究活動についての意見募集を行います
【お知らせ】第35回全国特別支援教育振興協議会を開催しました
【研究紹介】発達障害と情緒障害の関連と教育的支援に関する研究-二次障
害の予防的対応を考えるために-
【研究紹介】小・中学校等に在籍している視覚障害のある児童生徒等に対す
る指導・支援に関する実際的研究
【連載コーナー】特別支援教育に役立つアシスティブ・テクノロジー 第1
0回これから出現が期待されるアシスティブ・テクノロジー
【特別支援教育関連情報】通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特
別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する調査結果について
【特別支援教育関連情報】第26回(平成24年度)辻村賞授賞について
【特別支援教育関連情報】平成24年度自閉症教育実践研究協議会のご案内
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】

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【1】お知らせ
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★NEWS★
●専門研究B「高等学校における発達障害等の特別な支援を必要とする生徒
への指導・支援に関する研究」に関わる「高等学校における特別支援教育の
推進に関する実態調査」結果の速報をWebサイトに公開しました
 専門研究B「高等学校における発達障害等の特別な支援を必要とする生徒
への指導・支援に関する研究」では、高等学校における特別支援教育の推進
に関する現状と課題を把握するために、都道府県政令都市の教育委員会に対
して6月~8月にかけて標記の調査を行いました。回答率は100%で、全ての
教育委員会よりご回答をいただきました。ご協力ありがとうございました。
調査結果は、本研究所Webサイトにて12月末に公開しました。どうぞご活用
ください。

 ○調査結果の速報はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/8,6744,18,106.html

●研究活動についての意見募集を行います。
 研究課題の精選・採択や研究計画・内容の改善を図るため、「平成25年度
専門研究課題(案)」及び「平成25年度に継続する専門研究の研究課題」に
ついて、また、研究計画の事前評価を通じた研究の質向上のため、「平成2
3年度に終了した研究課題(研究成果報告書サマリー集、研究成果報告書)
」について、教育関係者をはじめ広く国民の皆様のご意見を募集します。1
月11日(金)~2月8日(金)の間、研究所Webサイトにて実施する予定です。

 なお、お寄せいただいたご意見については、個人が特定できない形で公開
させていただく可能性がありますので、その旨ご了承願います。

 ○意見募集はこちら(上記期間中Webサイトにて掲載します。)
  https://www.nise.go.jp/cms/6,0,26,224.html

●第35回全国特別支援教育振興協議会を開催しました
 12月7日(金)、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて、全
国特別支援教育推進連盟、文部科学省及び本研究所の共催で第35回全国特別
支援教育振興協議会を開催しました。
 本振興協議会は、これまで全国特別支援教育推進連盟による主催のもと、
昭和39年以来これまで35回にわたり開催されており、第33回大会より本研究
所も共催という形で運営に参画しております。
 今大会においても全国より多数の関係団体などが出席した中で「特別支援
教育の更なる充実を目指して」という主題のもと教育、医療・保健、福祉、
労働関係機関と家庭、地域との連携の具体化等についての提案、協議等が行
われました。

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【2】研究紹介
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●発達障害と情緒障害の関連と教育的支援に関する研究 -二次障害の予防
的対応を考えるために-(平成22~23年度)
            研究代表者 笹森 洋樹(企画部 総括研究員)

 発達障害のある子どもは、その障害特性により学習面、行動面、対人関係
において様々なつまずきや失敗を経験している場合があります。また、気づ
かれにくい障害であることから、無理強いなどの不適切な対応の繰り返しに
より、精神的ストレスや不安感が高まり、自信や意欲の喪失、自尊感情の低
下などを引き起こしやすくなります。不登校やひきこもり、反社会的行動等
の症状として、さらなる適応困難を招いている場合もあります。
 これらの適応困難の背景には、適切な対応がなされないことによる二次障
害によるものも多いと考えられます。二次障害の対応は、本来の障害特性や
併存障害、付随する症状等も含めて総合的に対応する必要があります。
 教育現場における予防的対応については、障害特性だけでなく、子どもの
全体像の理解の深化、小さな症状や様子の変化への気づき、気づきを環境と
の相互作用と関係づけて考えることに意識を向けることが大切です。また、
家庭環境の影響も大きいことから、安心できる人的環境と居場所となる生活
環境の保障を、学校と保護者が共通理解し、共に考えていく姿勢が重要です。


 ○本研究の詳細はこちら
  https://www.nise.go.jp/cms/7,7056,32,142.html

●小・中学校等に在籍している視覚障害のある児童生徒等に対する指導・支
援に関する実際的研究(平成23年度)
          研究代表者 田中 良広(教育支援部 総括研究員)

 本研究は、平成22年度に実施した「小・中学校等に在籍している視覚障害
のある児童生徒等に対する指導・支援に関する研究」の後続研究として、盲
学校におけるセンター的機能に関する1カ年の研究を実施したものです。
 盲学校におけるセンター的機能に関する取組については前年度に実施した
実態調査をもとに、先進的な取組を行っているいくつかの盲学校を訪問して
グッドプラクティスとして取りまとめました。その具体的内容は、(1)支援
センター、(2)サテライト教室、(3)支援籍、(4)視覚障害のある児童生徒等
の把握についてです。
 そして、今後、各盲学校がセンター的機能を充実させていくための視点と
して、(1)校内支援体制の充実、(2)視覚障害教育の専門性の担保と継承、(
3)旅費等の予算確保状況に大きく影響を受けない地域支援の在り方、(4)視
覚障害のある児童生徒等の把握の4点について具体的な提言をおこなってい
ます。
 また、小・中学校に在籍している視覚障害のある児童生徒への支援等につ
いては、支援体制と点字タイプライタや音声出力付き点字エディタ等の感覚
代行機器の活用という観点から3つの個別事例として取りまとめました。

 ○本研究の詳細はこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/7,7057,32,142.html

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【3】連載コーナー
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●特別支援教育に役立つアシスティブ・テクノロジー
            ICT・AT班 棟方 哲弥(企画部 総括研究員)

 第10回 これから出現が期待されるアシスティブ・テクノロジー

 第1回アシスティブ・テクノロジーの定義から始まった本連載は、今回が
最終回となります。この連載では第1回から第7回まで、その定義、用途と
分類、さまざまな活動に役立つ支援機器について紹介しました。第8回と第
9回は、それらを子どもの指導に導入するためのSETTフレームワークと質の
高いアシスティブ・テクノロジー活用を進めるためのQIAT指標について紹介
しました。
 最終回は、これから出現が期待されるテクノロジーなどを含めて特別支援
教育に役立つアシスティブ・テクノロジーの今後の展望を試みます。

 ・・・・・・続きはこちら→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,7723,13,257.html


 ・・・・・・全10回の連載内容はこちらのリンクへ→
  https://www.nise.go.jp/cms/6,6204,13,257.html

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【4】特別支援教育関連情報
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●通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要と
する児童生徒に関する調査結果について
                    (文部科学省特別支援教育課)

 文部科学省において、平成24年12月、今後の施策の在り方や教育の在り方
の検討の基礎資料とするため、標記調査を実施し、今般、その結果をとりま
とめました。詳しくは下記のWebサイトをご覧ください。

 ○文部科学省が公表した内容はこちら→
  http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/material/1328729.htm

●第26回(平成24年度)辻村賞授賞について
                     (財団法人障害児教育財団)

 当財団では、我が国の特別支援教育の第一人者として、その振興発展のた
めに尽力された故辻村泰男先生(初代国立特殊教育総合研究所長)のご遺徳
を永く記念するため、特別支援教育の領域において特に顕著な功績のあった
方や特に優秀な研究を行った方に対して、「辻村賞」を授与しております。
 今年度(平成24年度)、第26回の辻村賞は、11月に開催された選考委員会
において、山本昌邦様(横浜国立大学名誉教授、放送大学客員教授)の受賞
が決定され、障害者週間の12月5日都内にて、授賞式が開催されました。
 なお、本事業については、当財団の最後の事業実施となりました。

●平成24年度自閉症教育実践研究協議会のご案内
                 (筑波大学附属久里浜特別支援学校)

 ◆期日
  平成25年2月6日(水)9:00~15:15(授業公開及び授業研究会等)
  平成25年2月7日(木)9:30~16:10(研究協議会)

 ◆会場
  『授業公開』  筑波大学附属久里浜特別支援学校
          ○Webサイトはこちら→
           http://www.kurihama.tsukuba.ac.jp
  『研究協議会』 ヨコスカ・ベイサイド・ポケット
          (横須賀芸術劇場小ホール)
          ○Webサイトはこちら→
           http://www.yokosuka-arts.or.jp/index.html

 ◆主題
  知的障害を伴う自閉症幼児児童のための自立活動の指導-思い、考え、
  行動する子どもの育成を目指した授業づくり-【2年次】

 ◆内容
 (1日目)
  ◇指定授業参観、授業研究会、教材教具展示など
 (2日目)
  ◇報告:「本年度の研究について」
  ◇事例発表(本校の指導実践の中から4事例発表予定)
  ◇パネルディスカッション
   テーマ:「知的障害を伴う自閉症児が、人との関わりを深め、コミュ
       ニケーション力を高めるための指導について考える」
   指導助言者:前川久男 先生(前筑波大学教授)
   参加校:秋田大学教育文化学部附属特別支援学校 北島英樹 先生
       静岡大学教育学部附属特別支援学校   若松唯晃 先生
       京都教育大学附属特別支援学校     早川 透 先生
       本校
  ◇その他 教材展示、ポスター発表など

 ◆参加費:4,000円(資料代として)
 ◆参加定員:研究協議会は先着350名。授業公開は先着240名。
      (授業公開のみの参加は受け付けておりません。)

  詳しくは、本校Webサイトをご覧ください。
       ○Webサイトはこちら→
        http://www.kurihama.tsukuba.ac.jp

 ◆問い合わせ先
  筑波大学附属久里浜特別支援学校
  自閉症教育実践研究協議会を推進する会 総務係(副校長 雷坂)
  〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5丁目1番2号
  TEL:046-848-3444 FAX:046-848-3740
  E-mail:wschool[アットマーク]kurihama.tsukuba.ac.jp
     ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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【5】研修員だより
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 今号は、平成21年度第一期特別支援教育専門研修修了の村瀬直樹先生から
お寄せいただきました。

「専門研修、3年目」
                村瀬 直樹(奈良県立明日香養護学校)

 平成21年に2ヶ月間の専門研修に参加してから3年が経ちました。研究所
の先生方や素敵な仲間との出会いは、私にとってかけがえのない宝です。
 専門研修でできたつながりは、私一人ではどうにもならなかったことを実
現するパワーと、私一人では思いつかないたくさんのアイデアをもっていま
した。そして、そのつながりが新しく学びの場を作りました。
 一つは、「黄昏スイッチくらぶ 」です。専門研修中に支援機器について
勉強しようと仲間が集まりました。講義が終わった黄昏時に集まり、活動し
ていたのでその名がつきました。今でもメーリングリストや研修会などで熱
く情報交換を行っています。もう一つは、今年10月21日に開催した「なんと
カンファレンス」です。奈良県(南都)の特別支援教育を「なんと」か良く
したいと教員や研究者、特別支援教育を受ける児童とその家族などが集まり
ました。第1回目は、支援機器活用に関する情報などを共有しました。次回
は、支援機器の活用について当事者である児童が発表する予定です。
 このように様々なつながりによって私の専門研修は、形を変え場所を変え
て今も続いています。

 ○黄昏スイッチくらぶ→
  http://tasogareswclub.blog92.fc2.com/

 ○なんとカンファレンス→
  https://www.facebook.com/nanto.conference

 ○奈良県立明日香養護学校のWebサイトはこちら→
  http://www5.kcn.ne.jp/~kameisi1/

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=13817&lang=ja

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【7】編集後記
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 2013年が始まりました。皆様いかが新年をお迎えでしょうか?
 新しい年になり、今年はどう過ごそうかと考えておられるところだと思い
ます。気持ちを新たにして挑戦しようと考えられている方、年度末に向けて
さまざまな活動のまとめに取り組もうとされている方など。どちらにせよ、
次のステップに進むにあたっては一人で行うことには困難があり、さまざま
な人との共同が大切なのではと思います。
 今号に研修員だよりをお寄せくださった村瀬先生も、研修を縁として多く
の人とつながっていった事が大きな糧になったとおっしゃっています。
 今後も皆様に特別支援教育に関する情報をご活用いただき、それらを通じ
てさまざまなつながりができればと願っております。そのためにも更なる内
容の充実を図って参りたいと思いますので、ご意見、ご感想などお聞かせい
ただければ幸いです。
 本年も、どうぞよろしくお願い申し上げます。
                    (第70号編集主幹 金森克浩)

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次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第70号(平成25年1月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
          ([アットマーク]を@にして送信してください。)

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