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      国立特別支援教育総合研究所(NISE)メールマガジン
         第78号(平成25年9月号)
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■目次
【お知らせ】研究成果報告書と研究成果報告書サマリー集をWebサイトに掲載
【お知らせ】平成25年度発達障害教育指導者研究協議会を開催
【NISEトピックス】教育情報部の活動紹介
【海外情報の紹介】15th International Conference on Human-Computer
 Interaction(人間とコンピュータとの情報のやりとりに関する国際会議)
参加報告
【研究紹介】専門研究A「特別支援学校における学校マネジメントと校長の
リーダーシップの在り方に関する研究」(平成23~24年度)
【研修員だより】
【アンケートのお願い】
【編集後記】
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【1】お知らせ
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●研究成果報告書と研究成果報告書サマリー集をWebサイトに掲載

 平成24年度に終了した研究課題の研究成果報告書を本研究所Webサイトに
掲載しました。閲覧・ダウンロードができますので、是非ご活用ください。
 また、研究成果をよりわかりやすく普及するため、この研究課題の成果を
簡潔にまとめた「研究成果報告書サマリー集」を、本研究所Webサイトに掲
載するとともに、全国の都道府県・市区町村教育委員会等へ配布しておりま
す。このサマリー集をご覧いただくことで、平成24年度終了の研究課題全体
を俯瞰していただくとともに、これを手掛かりとして、必要に応じ、各研究
成果報告書を閲覧、ダウンロードしていただければと考えておりますので、
併せてご活用ください。

 ○研究成果報告書はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/8,2975.html

 ○研究成果報告書サマリー集はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/7,6887,32,133.html

●平成25年度発達障害教育指導者研究協議会を開催
 8月1日~8月2日、本研究所において、発達障害教育指導者研究協議会を開
催しました。これは、各都道府県等において、発達障害のある子どもに対す
る支援・指導に関して指導的立場にある教職員の専門的知識並びに技能を高
め、各地方公共団体の支援・指導の充実に資することを目的として、平成20
年度より開催しているものです。
 全国から幼稚園及び高等学校の教員を含む、発達障害のある幼児児童生徒
に対する支援・指導に関して指導的立場にある教職員等112名が参加しまし
た。第一日目は、発達障害教育の現状と課題や発達障害のある子どもへの一
貫した支援の在り方について、行政説明と講演が行われるとともに、研究所
が取り組んでいる「インクルーシブ教育システム構築関連データベース作成
」について事業説明を行いました。第二日目は、分科会(第一分科会:幼稚
園等から小学校への支援のつながり、第二分科会:中学校から高等学校への
支援のつながり)ごとに分かれ、関係機関の講師による話題提供に次いで、
少人数編成でのグループ協議が行われ、各参加者が提出したレポートに基づ
く報告や情報交流が活発に行われました。

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【2】NISEトピックス
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●教育情報部の活動紹介
             柘植 雅義(教育情報部長/上席総括研究員)

 教育情報部では、特別支援教育に係る教育情報の収集・整理・発信に関す
る業務を総合的に行っています。
 教育情報部は、平成23年度に発足し、平成25年度にはインクルーシブ教育
システム構築関連DB(データベース)担当が新たに加わりました。以下にそ
れらを紹介します。

[特別支援教育総合情報担当]
◆特別支援教育情報担当
 本研究所Webサイトの運営を含め、本研究所が行う情報収集・整理・発信
及び特別支援教育に係る広報事業等に関する基本方針や事業計画の検討、広
報事業等の進捗状況の把握と改善に関する業務を行っています。平成23年4
月にWebサイトを全面的にリニューアルし、併せて、コンテンツの更なる充
実に向けた作業に取り組んでいます。
◆教育支援機器担当
 障害のある子どもの教育における情報手段活用についての情報把握・提供
を行っています。平成23年4月、本研究所内に設置している支援機器等の展
示室「iライブラリー」をリニューアルオープンし、障害種別の特性に応じ
た展示を行う等、展示内容の更なる充実に取り組んでいます。

[発達障害教育情報担当(発達障害教育情報センター)]
◆発達障害教育情報担当
 発達障害のある子どもの指導・支援に関わる情報や教員向けの基礎的な講
義コンテンツ(動画)の配信、発達障害のある子どもの指導に役立つ教材・
教具や支援機器の情報、発達障害に関わる研究や文献の紹介等、発達障害教
育に関する情報の収集・整理を行っています。これらの情報を、発達障害教
育情報センターWebサイトを通して発信しています。
◆発達障害情報ネットワーク担当
 発達障害教育情報センターWebサイトを通して、発達障害に関わる施策法
令や教育相談、イベント・研修会等の情報の管理・運用・発信を行っていま
す。近年、「イベント・研修会情報」をリニューアルし、全国各地で開催さ
れる研修会等の情報を掲載しています。また、厚生労働省が設置する発達障
害情報・支援センターとの合同会議や、世界自閉症啓発デーin横須賀を通し
て、関係機関との連携に努めています。

[インクルーシブ教育システム構築関連DB(データベース)担当]
 学校教育における「合理的配慮」「基礎的環境整備」等の実践事例のデー
タベース作成に取り組んでいます。平成25年度からの文部科学省のインクル
ーシブ教育システム構築モデル事業(モデルスクール、モデル地域(交流及
び共同学習)、モデル地域(スクールクラスター))等の実践事例をデータ
ベースとして構築していきます。平成26年度に、Web公開の予定です。

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【3】海外情報の紹介
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●15th International Conference on Human-Computer Interaction(人間
とコンピュータとの情報のやりとりに関する国際会議)参加報告
                土井 幸輝(教育情報部 主任研究員)

 平成25年7月21~26日に、アメリカ(ネバダ州)で開催されたヒトとモノ
との間のインタラクションをテーマにした国際会議に参加しました。この国
際会議のキーワードであるインタラクションは、最近よく耳にされる方がお
られると思います。ヒューマンインターフェースを研究課題に取り上げてい
る研究者や開発者の間では、人間とシステムとの情報のやりとりにおいて、
人間による操作や入力とそれに対するシステムの反応や出力が対話的である
場合にインタラクションという用語を使用します。子どもたちをはじめ私た
ちが使用する様々な機器やシステムが複雑化しつつある中で、今後はより対
話的なやりとりになっていくことが期待されます。そのようなことから、今
回は世界の動向を確認し、情報の収集を目的として参加しました。
 本会議には、61か国から2,300人が参加しました。本会議ではユニバーサ
ルアクセス、ユーザビリティ、認知科学、人間工学、感覚代行等12のセッシ
ョンに分かれて研究発表が行われました。私の専門領域である視覚障害関連
では、視覚障害児者のためのICタグを用いたナビゲーションシステム、三次
元モデルを用いた触覚による情報提供、公共機関における音声ナビゲーショ
ンシステム、タッチパネルの触覚フィードバック、白杖の使用感や感覚特性
等の数多くの研究紹介が行われ、今後の当該領域の支援技術の進展が期待さ
れていることを実感しました。
 また、インターフェースの研究者として著名なマサチューセッツ工科大学
の石井裕教授の特別講演が行われ、コンピュータを活用した触覚体験が可能
なデバイス開発の最新の研究成果を聴講することができました。日本人研究
者が国際的に先導的立場で研究を行っていることを目の当たりにし、大変誇
らしく思いました。それと同時に、我々の研究領域の重要性を再認識するこ
とができました。
 今後、教育においてICT活用はますます進展していくものと思われます。
そのICTを活用する際には、インタラクションの視点も非常に重要であるた
め、この領域の研究動向について今後も継続して調査していく予定です。

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【4】研究紹介
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●専門研究A「特別支援学校における学校マネジメントと校長のリーダーシ
ップの在り方に関する研究」(平成23~24年度)
             研究代表者 大内 進(企画部 客員研究員)

【研究の背景と目的】
 近年、組織として様々な課題に対処していくことが学校に求められるよう
になり、校長のリーダーシップの下での組織的・機動的な学校運営が一層重
要となってきています。特別支援学校の学校運営は、小・中学校等と共通す
る面が多いものの異なる機能も有しています。本研究は、この点を踏まえて
特別支援学校が組織的・機動的な学校運営を展開していくための知見を提供
することを目的として実施しました。
【本研究の結果】
 学校マネジメントに関する先行研究を概観した上で、特別支援学校長を対
象とし、特別支援学校におけるマネジメントの取組の実態を調査しました。
特別支援学校の重点課題である「特別支援教育のさらなる推進」、「地域に
おける特別支援教育のセンター的機能」、「特別支援教育担当教員の専門性
の向上」等の観点から学校組織の改善や管理職の学校運営に関する現状や課
題、学校長の意識等を整理することができました。学校長へのアンケートか
らは、学校外との連携についての評価は高いものの内部組織の改善が課題と
なっており、この解決に向けた取組の必要性が認められました。
 また、学校運営における教育委員会の支援も欠かせないことから、都道府
県及び政令市教育委員会を対象に、特別支援学校への支援に関する調査も行
い、現状と課題を整理しました。学校マネジメントの研修は行政主導で実施
されており、特別支援学校に焦点化した研修の充実が課題点として浮かび上
がってきました。
【研究成果の活用】
 上記の調査結果を基に、各学校における学校マネジメントの課題や工夫・
改善点、教育委員会での学校マネジメント研修の取組状況や改善点等を整理
して示しました。特別支援学校の学校長や教育委員会が学校マネジメントの
取組やその改善について検討する際、その基礎資料として活用することが期
待されます。

 ○本研究の詳細はこちら→
  http://www.nise.go.jp/cms/8,3741,52,275.html

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【5】研修員だより
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 今号は、平成17年度第一期短期研修(特殊教育中堅教員養成研修)を修了
された中野欣也先生からお寄せいただきました。

「短期研修から学んだこと」
           中野 欣也(京都市立西総合支援学校 中学部長)

 平成16年度から京都市ではこれまでの障害種別の養護学校から地域制の総
合支援学校として障害のある子どもへの教育が始まりました。様々な障害の
ある子どもへの授業を通し、その中で見えや聞こえ等の感覚に障害のある子
どもへの環境作りや支援について、難しさを感じているところでした。その
ような時、平成17年の研究所での短期研修「視覚障害教育コース」で学ぶ機
会を得ることができました。研修に向け、自分なりに学びたいと考えていた
ことは「見え方の基本」「視機能と視機能評価」「見えにくさに配慮した学
習環境と教具・教材」の3点でした。
 2ヶ月間の研修では講師の先生方の専門講義や演習を通して、見ることの
基本、視機能や視機能評価等の知識を学ぶことができました。実地研修では
視覚障害のある子どもの学習活動や施設を見学し、指導された先生との話か
ら学習環境設定等具体的に体験し、知ることができました。また、グループ
による研究協議では研修員一人一人のテーマについて色々な意見を出し合い
協議を行いました。協議の方向性に迷った時には先生からのアドバイスを受
けることにより、充実したものとなり、自分自身の研究テーマ以外の視覚障
害のある子どもの課題についても学ぶ場となりました。
 研修で多くの先生方から学び、研究協議で意見を交わし、研修員同士で語
り合ったことを通して感じたことは、「子どもを見る視点」「人と人とのつ
ながり」「連携」「協働」の大切さです。育てたい力やそのために必要な支
援について、その子どもに関わる人たちが、子どもの将来像をどう考え、お
互いに関わり、繋がるかということが、子どもの現在や将来への大きな力に
なると思います。また、このように子どもを中心に据え、周りのどのような
人がどのように関わる必要があるのかを考えるとき、コーディネーターとし
ての役割を果たす人も必要であることが実感されました。
 短期研修から8年が経ち、様々な立場で仕事をしてきました。子どもと直
接関わることは少なくなりましたが、人と人とのつながりを大切に、校内の
教職員同士や、学校や家庭との連携、協働というコーディネーター的役割を
担い、障害のある子どもたちの、できる力を育てていきたいと思います。

 ○京都市立西総合支援学校のWebサイトはこちら→
  http://cms.edu.city.kyoto.jp/weblog/index.php?id=400503

※「短期研修」は、平成19年度以降、「特別支援教育専門研修」と名称及び
内容を変えて実施しています。

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【6】アンケートのお願い
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 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  https://www.nise.go.jp/limesurvey/index.php?sid=77354&lang=ja

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【7】編集後記
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 この夏は例年にない暑さのため、熱中症で搬送される等、体調を崩される
方がいつも以上に多かったと伺っています。また、地域によっては局地的な
豪雨に見舞われて大きな被害を受けられた場所もありました。一刻も早い健
康の回復と日常生活の復旧を心よりお祈り申し上げます。
 さて、夏休みが終わり、子どもたちのまぶしい笑顔が学校に戻ってきまし
た。この間に家庭生活や地域生活等での様々な経験を通してどのような成長
があったかを知ることが、教員としての大きな楽しみの一つでもあります。
 体格がひと回り成長した子どもたちには、学習面や生活面において、身に
付けるもの、履くもの、教室の机と椅子の高さのバランス、車椅子や補聴器
のイヤモールドのサイズ等が合っているかどうか、もう一度確認することが
大切ですね。また、生活リズムのバランスを崩したり、咀嚼や嚥下等の状態
が一次的に変化したりしていることも考えられます。更にはこの夏休みに起
こったエピソードの中で個別の教育支援計画等に反映させるべき大切な情報
があることも考えられます。
 子どもたち自身から語られること、保護者や関係者を通して把握できる事
実を大切にすると同時に、子どもたち一人一人の様子を丁寧に観察していき
ながら充実した学習を積み重ね、実り多い秋を迎えていきたいですね。
                    (第78号編集主幹 武富博文)

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連載「サバン-自閉症の不思議で大きな可能性-」は、今号はお休みとさせ
ていただきます。

次号も是非ご覧ください。
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国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第78号(平成25年9月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho[アットマーク]nise.go.jp
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