独立行政法人国立特殊教育総合研究所
The National Institute of Special Education

第3章 調査の結果

第1節 全回答者

 100人から回答を得た。ここから,スクリーンリーダをまったく利用していない回答者1人を除いた99人を有効回答者とした。99人のうち,職場のパソコン環境についての回答者数は68人,自宅のパソコン環境についての回答者数は76人,両方への回答者数45人であった。
 回答者の内訳は図3-1-1から図3-1-4の通りである。年齢は,40代を中心とした紡錘型の分布となっている(図3-1-1)。最も多い40代は29人,これに30代の24人と50代の22人が続く。20代と60代は10人,10代と70代は2人,平均年齢は44.2歳であった。
 障害等級は1級(82人)と2級(13人)の重度の視覚障害者でほとんどを占めた(図3-1-2)。これは,スクリーンリーダの利用者を対象者としたためである。ほかに,3級と5級の回答者が1人ずつ,身体障害者手帳をもたない回答者も2人いた。
 日常の使用文字は,点字のみが63人,点字と墨字両方が15人,墨字のみが19人,不明2人で,点字使用者は合計78人となった(図3-1-3)。なお,墨字とは,印刷あるいは書かれた一般の文字のことで,点字と区別してこのように表現する。
 コンピュータ利用歴の分布を図3-1-4に示す。仮に2年未満を初心者とすると,その数は9人であり,回答者の約10 %にとどまる。2年以上だと90人,10年以上でも49人となり,利用歴の長い回答者がほとんどを占めた。平均利用歴は10.0年であった。
 回答率について付記しておく。調査に利用したメーリングリスト参加者のうち視覚障害者の人数は,前章第2節の推定ではそれぞれ,317人,250人,33人,240〜280人であった。これらを合算すると840〜880人となるので,メーリングリストに参加している視覚障害者中の回答率は100/840〜880=11.4〜11.9 [%]となる。しかし,複数のメーリングリストに重複して登録している人がいると,上の計算式の分母の値が小さくなるので,回答率は11.4 %より高いと推測できる。

全回答者のプロファイル
括弧内の数字は人数を表す。


図3-1-1 年齢(n=99)
年齢:10代(2)20代(10)30代(24)40代(29)50代(22)60代(10)70代(2)平均年齢44.2歳


図3-1-2 障害等級(n=99)
障害等級:1級(82)2級(13)3級(1)4級(0)5級(1)等級なし(2)


図3-1-3 使用文字種(n=99)
使用文字:点字(63)墨字(19)点字と墨字両方(15)不明(2)


図3-1-4 パソコン利用年数(n=99)
パソコン使用歴:2年未満(9)2年以上4年未満(14)4年以上6年未満(7)6年以上8年未満(13)8年以上10年未満(7)10年以上15年未満(24)15年以上20年未満(13)20年以上 (12)平均使用歴10.0年




前ページ次ページ

研究・教育資料のページに戻る
研究所刊行物のトップページに戻る
国立特殊教育総合研究所ホームページに戻る