独立行政法人国立特殊教育総合研究所
特殊研D−190 視覚障害者のWindowsパソコン及びインターネット利用・学習状況

第4節 インターネットの利用状況

 インターネットの利用とは,Webページの閲覧だけでなく,電子メールの送受信も含めるので,電子メールを使った今回のアンケートでは100%の回答者がインターネットを利用していることになる。従って,本節の回答者数は有効回答者全員の99人である。

1.インターネット音声化ソフト
  重度視覚障害者がWebページを閲覧するにはインターネット音声化ソフト,またはスクリーンリーダが利用される。最も多く利用されているインターネット音声化ソフトはホームページ・リーダー(55人),スクリーンリーダはPC-Talker(29人)であった(表3-4-1)。


図3-4-1 利用されているWebページ音声化ソフト(n=99)


音声化ソフトの種類製品回答数
インターネット音声化ソフトホームページ・リーダー55
 VE200016
 ボイスサーフィン8
スクリーンリーダPC-Talker29
 95Reader19
 VDM100W15
 JAWS3
 outSPOKEN2


2.インターネットの利用目的
  インターネットの利用目的としては,ほとんどの回答者が,電子メールの送受信(98人)と情報の検索と入手(95人)を挙げた(表3-4-2)。電子商取引を利用している回答者は45人であった。以上は,選択肢を設けた項目である。その他の回答のうち,具体的に上げられた内容は,ソフトウェアのダウンロード(4人),ホームページ作成(4人),メーリングリストでの情報発信(2人)などであった。
 インターネットを情報検索に利用している回答者95人に,情報検索の種類と目的を尋ねたところ,生活実用上の情報(84人),ニュース等の閲覧(76人),趣味等の情報(75人),行政や公的団体のページの閲覧(61人),仕事上の情報(56人)という回答であった(表3-4-3)。
 インターネットを電子商取引に利用している回答者47人に尋ねた具体的内容は,ショッピング(36人),各種予約や申込サービス(27人),バンキング(株の売買も含む)(18人)などであった(表3-4-4)。
 インターネット利用時の問題で最も多かったのは,Webページやファイルを音声化できないことで83人の回答者があった(表3-4-5)。インターネットへの接続や設定が自分1人でできないという問題への回答者も多く(47人),そのとき援助を頼むのは,友人・知人(17人),家族(14人),業者(8人),ボランティア(4人),職場の同僚(3人),その他(4人)であった。


表3-4-2 インターネットの利用目的(n=99。複数回答)

利用目的回答者数
電子メールの送受信98
情報の検索と入手95
電子商取引関連45
チャット,掲示板,電子会議室の利用25
その他16


表3-4-3 情報検索の種類と目的(n=95。複数回答)

種類と目的回答者数
生活実用上の情報検索と入手84
ニュース等の提供ページの閲覧76
趣味等の情報検索と入手75
行政や公的団体のページの閲覧61
仕事上の情報検索と入手56
上記以外の情報提供ページの閲覧20


表3-4-4 電子商取引の種類(n=47。複数回答)

種類回答者数
ショッピング36
各種予約や申込サービス27
バンキング(株の売買も含む)18
オークションへの参加7
営業1


表3-4-5 インターネット利用時の問題(n=99。複数回答)

種類回答者数
音声化されないWebページやファイル83
フォームへの書き込みができない50
ネットへの接続や設定ができない47
ダウンロードができない46
その他19





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