独立行政法人国立特殊教育総合研究所
特殊研D−190 視覚障害者のWindowsパソコン及びインターネット利用・学習状況

第5節 Windowsの学習状況

  Windowsの学習に関する質問は回答者全員に尋ねているので,第5節の回答者数は99人である。

1.Windowsの学習手段
  Windowsを初めて学習したときは,友人・知人,職場の同僚,家族,ボランティアに教えてもらうほかに,メーリングリストやインターネットを情報収集の手段として活用した回答者が多かった(表3-5-1)。
 視覚障害者向けの講習会または研修コースの主催者の内訳は,日本盲人職能開発センター(3人),地方自治体(のIT講習会)(4人),日本障害者雇用促進協会(3人),視覚障害者福祉協会(2人)などであった。
 その他の学習方法の内訳は,マニュアル,参考書等の利用(6人),福祉関係機関職員による個別指導(4人),JBS日本福祉放送(3人)などであった。


表3-5-1 Windowsを初めて学習したときに用いた手段(n=99。複数回答)
2000年度の調査結果をもとに,質問票の選択肢として具体的な理由を10項目用意した。

手段回答者数
友人・知人から教えてもらった53
メーリングリストで情報を収集した47
インターネットで情報を収集した29
職場の同僚に教えてもらった20
家族に教えてもらった15
ボランティアに教えてもらった15
視覚障害者向けの講習会/研修コース14
メーカー・販売店のサポートを利用した13
まったく一人で学習した8
一般向け講習会/研修コースを受けた8
その他16


2.Windows利用時,困ったときの援助者
  Windows利用時,困ったときの援助者は,友人・知人,家族,メーカー・販売店,職場の同僚,ボランティアの順に多い(表3-5-2)。これは,学習時の援助者とほぼ同じ順位である。ここでも,メーリングリストは多くの回答者(52人)に利用されている。


表3-5-2 Windows利用時,困ったときの援助者(n=99。複数回答)
2000年度の調査結果をもとに,質問票の選択肢として具体的な理由を7項目用意した。

援助者回答者数
友人・知人68
メーリングリストで尋ねる52
家族42
メーカー・販売店41
職場の同僚28
ボランティア18
まったく一人で対処する8
その他7


3.Windowsを学習する上で困った点
  Windows利用上の問題点としては,ハングアップによる音声出力の停止(78人),スクリーンリーダが画面を十分に読み上げない(76人),キーボードでできない操作がある(75人)が回答数が多かった(表3-5-3)。
 視覚障害者用研修コースの問題点の内訳は,終了後のサポート体制が整っていない,中級以上のコースがない,ボランティアの知識不足(キー操作,障害者用ツールについて),視覚障害に対する知識不足,職場の講習では一般向けのコースしか用意されない(各1人)であった。


表3-5-3 Windows利用上の問題点(n=99。複数回答)
2000年度の調査結果をもとに,質問票の選択肢として具体的な理由を16項目用意した。

問題点回答者数
ハングアップによる音声出力の停止78
スクリーンリーダが画面を十分に読み上げない76
キーボードでできない操作がある75
システムの状態がわかりづらい65
専門用語の意味がわかりづらい49
Windowsの画面/概念がわかりづらい40
マニュアルにキー操作の説明がない36
オンラインヘルプ/マニュアルが音声で利用できない36
マニュアルの説明が視覚的34
困ったときの人的サポートを得にくい32
点字・カセットテープ・テキストファイルのマニュアルがない30
操作方法がわかりづらい25
スクリーンリーダの音声に問題がある24
関連情報を得にくい18
研修コースに問題がある6
その他17





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