障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

Q & A

独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の活動について

Q: 研究所では、どのような研究が行われているのですか?
 本研究所では、特別支援教育に関する実際的、総合的な研究を行っています。 そして、国の施策へ貢献するため、さまざまな課題について研究活動を行っています。
 これらの研究活動には、特別支援教育全般の課題に関わる横断的、総合的研究(専門研究A)や 障害種別等の各分野固有の課題に対応する専門的研究(専門研究B)があります。また、各部の 業務に関わり、かつ全所的に取り組むべき課題に対応した研究(専門研究C)や、上記以外の 先端的あるいは試験的・萌芽的研究(専門研究D)があります。
 その他、大学等の他機関との共同研究、各部の業務に関わって国内外の特別支援教育の現状や 動向等を調査する調査研究、科学研究費補助金等の外部資金を得て行う研究等があります。
 また、専門研究のうちから、特に研究所として重要性及び緊急性という観点から重点的に推進 する研究として、「重点推進研究」を選定し、実施しています。
 以上の研究活動の詳細については、 「研究計画・内容」のページ をご覧下さい。
Q: 研究所では、どのような研修を実施しているのですか?
 本研究所では、指導的立場にある教職員を対象に、本研究所の研究成果等を踏まえて、 障害のある子どもの教育に関する専門的知識の深化、指導力の向上を図る一定期間の現職研修を実施し、 各都道府県における指導者の養成を行っています。
 研修には、特別支援教育研究研修員制度及び特別支援教育専門研修の他、 政策課題の推進を図るための指導者研修(特別支援教育コーディネーター指導者研究協議会、 交流及び共同学習推進指導者研究協議会)、教育現場の喫緊の課題の解決を図るための指導者研修 (発達障害教育指導者研究協議会)及び教職員の指導力の向上を図るための 指導者研修(特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会)があります。
 当研究所で実施している研修・講習等の詳細については、 「研修」のページをご覧下さい。
Q: 研究所では、教育相談が受けられるのでしょうか?
 平成18年度以降、保護者からの要請による教育相談は原則として各自治体の教育センター等に 委ねることとなりました。当研究所では我が国の障害のある子どもの教育に関するナショナル センターとしての役割を果たすため、① 学校など機関へのコンサルテーション、 ② 希少障害等の自治体では対応が困難と思われる相談、③ 国外在住の方や日本人学校等からの相談、 の3点について教育相談活動を推進しています(①、②の場合には依頼状が必要となります)。
 当研究所の教育相談事業についての年度報告と関連する調査・研究資料等については、 「教育相談年報」にまとめて刊行しています。これらの資料の詳細については、 「教育相談部刊行物」のページをご覧下さい。
 また、全国の特別支援教育センター等の相談窓口についての情報を知りたい方は、 「教育相談機関」のページをご覧下さい。

特別支援教育に関するトピックス

Q: 学習障害とは、どのような障害なのでしょうか?
 学習障害(Learning Disabilities:LD)という用語は、わが国では、平成11年7月に 文部科学省が設置した調査研究協力者会議の最終報告において定義されています。この定義によれば、 学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く、話す、読む、書く、 計算する、推論するといった学習上の基礎的能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を 示すさまざまな状態を総称するものとしています。
 また、その原因としては、何らかの中枢神経系の機能障害が推定され、他の障害(例えば、 視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害など)や環境的な要因が直接の原因となるものではない としています。
Q: ADHDとは、どのような障害なのでしょうか?
 ADHDは、Attention-Deficit / Hyperactivity Disorderの略語で、日本語では「注意欠陥/ 多動性障害」と訳されます。主な症状は「不注意」「多動性」「衝動性」の3つで、 「注意を集中したり持続させることが困難」「そわそわしてじっとしていられずエンジンが ついているように動き回る」「出し抜けで場にそぐわない発言や行動がある」等の行動がしばしば みられます。
 原因は何らかの脳機能障害によるものと考えられています。このような症状の軽減には、 薬物が有効な場合もあります。また、適切な支援があれば、年齢が上がるに従い多動は落ち着き、 衝動性が目立たなくなることが少なくありません。
Q: 自閉症とは、どのような障害なのでしょうか?
 自閉症とは、3歳位までに現れ、1, 他人との社会的関係の形成の困難さ、 2, 言葉の発達の遅れや独特な言葉の使い方、3, 興味や関心が狭く特定のものにこだわることを 基本的な特徴とする行動の障害であり、その他に、4, さまざまな過敏性の問題、5, 運動や動作の ぎこちなさ、不器用さが伴いやすいといわれています。
 広義の自閉症の概念(自閉症スペクトラム)には、知的発達の遅れを伴わない高機能自閉症や アスペルガー症候群が含まれます。文部科学省の調査協力者会議において取りまとめられた 「今後の特別支援教育の在り方について(最終報告)」の「定義と判断基準(試案)等」では、 『高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、1, 他人との社会的関係の形成の困難さ、2, 言葉の発達の 遅れ、3, 興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動の障害である自閉症のうち、 知的発達の遅れを伴わないものを言う。また、中枢神経系に何らかの要因による機能不全があると 推定される。』という定義が示されています。また、アスペルガー症候群は、知的発達や自閉症の 特徴である言葉の発達の遅れを伴わないものをいいます。
Q:特別支援学校や特別支援学級では「交流及び共同学習」を行っていると聞きましたが、 それはどのようなものなのでしょうか?
 特別支援学校や特別支援学級に通う子どもたちが、幼稚園、小学校、中学校、高 等学校や地域の人々と活動を共にすることを通じて、経験を広め、社会性を養 い、豊かな人間性をはぐくむ教育活動を積極的に設けることが大切です。このよ うな教育活動には,特別支援学校と小学校、中学校、高等学校等の間で行う学校 間交流や、特別支援学級と通常学級との学校内での交流、それぞれの居住地の学 校で行う居住地校交流、学校のある地域の人々との地域交流等があります。ま た、交流の仕方としては、直接一緒に活動する直接交流と、手紙やビデオテープ の交換、インターネット等を介して行う間接交流とがあります。

 

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