平成19年度LD・ADHD・高機能自閉症指導者研修講義等内容
平成19年度 LD・ADHD・高機能自閉症指導者研修 講義等内容
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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発達障害の教育をめぐる現状と課題 |
樋口 一宗 (文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課・特別支援教育調査官) |
発達障害の教育の現状と課題及び特別支援教育推進体制の設備の状況等の教育施策について、文部科学行政の立場から概説する。 |
発達障害と脳科学 | 渥美 義賢 (教育支援研究部・上席総括研究員) |
学習、知覚・認知、コミュニケーション能力等、脳機能に関する知見に基づき、発達障害のある子どもの特性や状態像をどう捉えればよいのか、脳科学の視点から概説する。 |
二次的な問題への対応 | 竹田 契一 (大阪医科大学LDセンター・客員教授) |
発達障害のある子どもは、まわりのかかわりや置かれた環境により、二次的問題につながる可能性があることに配慮が必要である。二次的問題の捉え方と未然に防ぐ支援の在り方について概説する。 |
算数障害への指導 | 秋元 有子 (白百合女子大学発達臨床センター・非常勤講師) |
算数・数学の学習でつまずきやすい内容をLDのタイプと関連づけながら論じ、授業における指導の実際、生活における対応などについて解説する。 |
読み書き障害への指導 | 海津 亜希子 (企画部・研究員) |
読み書きについてのつまずきを演習を通じて体験し、つまずき要因のとらえ方とそれに基づく具体的な指導の在り方について解説する。 |
学校コンサルテーション | 石隈 利紀 (筑波大学・教授) |
学校心理学の立場から、LD等の障害のある児童生徒を抱える学級・学校に対する地域コーディネーター等の外部の専門家の活用等を具体的に論じる。 |
言語・コミュニケーションの指導 | 牧野 泰美 (企画部・主任研究員) |
言語のもつ様々な側面とその習得、コミュニケーションの成立や深まり、そこに生じる課題・障害、等に関する基礎的知見を踏まえながら、言語の育ちや、コミュニケーションの深化・拡充を支える子どもとの関わりのありようを論じる。 |
保護者との連携の在り方 -ペアレントトレーニングから学ぶ- |
高山 恵子 (NPO法人えじそんくらぶ・代表) |
発達障害のある子どもを持つ保護者の悩みやニーズを概観し、保護者支援の視点から保護者と教員等他の専門家との連携の在り方について、ペアレントトレーニングの考え方を参考に論じる。 |
発達障害の早期発見と支援 | 本田 秀夫 (横浜市総合リハビリテーションセンター・発達精神科医師) |
発達障害の早期発見と早期からの支援の在り方の重要なポイントについて、特別支援教育と医療との連携を踏まえて概説する。 |
アセスメントと解釈 | 篁 倫子 (お茶の水女子大学・教授) |
心理教育的アセスメントの目的と方法を整理した上で、発達障害の子どもの実態把握とその解釈、指導へのつなげ方等について解説する。 |
個別の指導計画の作成 | 小林 倫代 (教育相談部・総括研究員) |
個別の指導計画を立案するにあたり、教育支援計画との関係や自立活動など、個別指導計画の基礎的知識を確認し、具体的な目標の設定と指導手だて等について概説し、グループ協議を通して考える。 |
LDの指導事例 | 伊藤 逞子 ((社団)神奈川学習障害教育研究協会・学校支援チームリーダー) |
LDの子どもの学習面と行動面に対する具体的な指導の在り方について、指導事例の実践から学び、指導法について検討する。 |
LD・ADHDの心理 | 玉木 宗久 (教育支援研究部・研究員) |
LD、ADHD児の行動、認知、生理学的特性をふまえ、それらが家庭や学校等日常生活の場でどのように表現されるかを整理し、問題となる行動の促進や緩和の要因を考えるとともに配慮すべき点について検討する。 |
ADHDの指導事例 | 杉山 明 (横浜市立荏田東第一小学校・教諭) 笠原 丈史 (横浜市立綱島東小学校・教諭) |
ADHDの子どもの行動特性の捉え方と教育的支援について、通級指導教室に通級する2つの事例の指導実践を通して検討していく。 |
福祉と教育の連携の在り方 | 藤井 茂樹 (教育支援研究部・総括研究員) |
発達障害児への一生涯における支援から、医療・福祉・就労等関係機関と学校との連携の在り方を概説する。特に、生活面・就労面での支援の在り方を論じる。 |
発達障害への医学的対応 | 市川 宏伸 (東京都立梅ヶ丘病院・院長) |
発達に偏りや歪みのある子どもは、行動面や精神面に問題が生じやすい。ADHD、高機能自閉症等を中心に、その特性の捉え方や支援の在り方等も含め、医学的な対応について論じる。 |
感覚運動面の指導 | 是枝 喜代治 (東京福祉大学・教授) |
感覚刺激への過敏性、協調運動の拙さ、不器用さ等、感覚運動面の問題について、把握・分析の仕方、対応の基本を具体例を交えて論じる。 |
社会的スキルの指導 | 小貫 悟 (明星大学・准教授) |
LD等に見られる社会的スキルの困難を説明し、基本的な学習態勢、会話のルール、役割の遂行、仲間との協力等、発達障害へのソーシャルスキルトレーニングの指導について学ぶ。 |
発達障害関連プロジェクト研究報告 | 本研究所が、政策課題や教育現場のニーズに基づく緊急の課題に関する実践的・総合的研究であり、横断的なプロジェクトチームを任期制で編成して実施しているプロジェクト研究のうち、関連する以下3つの研究課題について、当該研究チームから報告し、知見を提供する。概ね50分で合わせて質疑応答を行う予定。
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LD・ADHD等のこれからの課題 | 上野 一彦 (東京学芸大学・教授) |
LD・ADHD等の歴史とこれまでの取り組みを概観しながら、今後の適切な支援の在り方や特別支援教育のシステムの問題について論じる。 |
中学校期における発達障害の課題 | 渡辺 圭太郎 (東京都東大和市立第二中学校・教諭) |
中学生の時期は、自己認識、身体の変化と成熟、精神的自立、友達関係等において重要な第二次性徴期であり、発達障害のある子どもにも様々な課題が出てくる。中学校期の子どもの捉えと支援の在り方について論じる。 |
幼稚園における早期支援 | 塩崎 政江 (群馬県総合教育センター・幼児教育センター長) |
発達障害のある子どもの早期発見・早期支援は、発達障害者支援法においても規定されている重要課題である。発達障害のある子どもの幼児期における具体的対応や支援の在り方について、具体的な実践例を交えて解説する。 |
高機能自閉症の指導事例 | 大柴 文枝 (教育相談部・主任研究員) |
8年間の不登校のあとで高校・大学へと進学したアスペルガー障害の事例を中心に、30歳台半ばまでフォローを行った高機能自閉症の事例との係わりの経験を含めて、成人期以降までを視野に入れた本人や家庭への支援、教員へのコンサルテーションについて考える。 |
組織・チームによる課題解決 | 笹森 洋樹 (教育支援研究部・総括研究員) |
通常の学級で配慮を要する子どもの支援は、担任一人が抱え込むのではなくチームで考えることが重要である。気づき、実態把握、授業や学級経営の工夫等、通常の学級における支援について、組織・チームで課題解決する方法について考える。 |
アシスティブテクノロジーを活用した指導 | 太田 容次 (教育研修情報部・主任研究員) |
ICTの発達障害のある子どもの教育への活用を考える。LD・ADHD等への支援技術の適用について、海外のソフトウェア・機器の紹介やソフトウェア利用の実習を交えながら概説する。 |
校内支援体制・事例検討会議 | 廣瀬 由美子 (教育支援研究部・総括研究員) 海老原 紀奈子 (取手市立取手小学校・教諭) |
校内支援体制に関する研究成果を解説するとともに、特殊教育担当者による校内におけるコーディネーター機能、地域におけるコーディネーター機能について協議する。また、事例検討会の例としてインシデントプロセス討議法の演習を実施する。 |
高等学校における指導と支援 | 高井 麗子 (福島県立川俣高等学校・教諭) |
制度上特別な教育の場がない高等学校において、発達障害のある子どもの支援の在り方は、喫緊の課題である。文部科学省の研究開発学校の研究の取り組みの成果と課題を中心に講義する。 |
ひとり一人の子どもを生かす学級経営 | 松浦 加代子 (湖南市立三雲小学校・教諭) |
特別な配慮を要する子どもへのわかりやすい支援は、他の子どもたちへの支援にもなっている。小学校における実践からひとり一人の子どもを生かす学級運営について考える。 |
通級による指導の実際 | 堀川 淳子 (広島市立袋町小学校・教諭) |
通級による指導では平成18年度より、情緒障害と自閉症が分類され、LDとADHDが対象として加えられた。多様化、弾力化の図られた通級による指導について、実践事例を通して概説する。 |
進路と就労支援 | 望月 葉子 (高齢・障害者雇用支援機構障害者職業総合センター・主任研究員) |
LD等の発達障害のある人の就労支援事例を紹介し、就労支援の現状と課題を職業リハビリテーションの立場から概説する。 |
講演 学校・教師に期待すること ~universal designed education の実現に向けて~ |
品川 裕香 (教育ジャーナリスト) (教育再生会議有識者) |
発達障害のある人たちへの支援の在り方について教育ジャーナリストの立場から概観し、教員の意識、保護者や関係機関との連携等、特別支援教育の充実に向けて、これからの学校そして教員に期待することを述べる。 |
  | 所内担当予定者(所属・職名) (予定) |
内容 |
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研究協議 1コマ |
大柴 文枝(教育相談部・主任研究員) 海津亜希子(企画部・研究員) 小林 倫代(教育相談部・総括研究員) 笹森 洋樹(教育支援研究部・総括研究員) 玉木 宗久(教育支援研究部・研究員) 廣瀬由美子(教育支援研究部・総括研究員) 藤井 茂樹(教育支援研究部・総括研究員) 牧野 泰美(企画部・主任研究員) |
研修の開始に当たり、受講者相互の現状と課題を共有し、研修の進め方などについて確認する機会と捉える。 |
事例研究協議 (1)~(4) 4コマ | 受講者による事例報告を基に協議を行う。(8班程度を予定) 個々の事例について支援の手立てを考えることが中心ではなく、事例を通して問題分析や意思決定能力などの力量を高めるとともに、グループ協議により、ものの見方や考え方の幅の拡がり、統一見解に至る意見調整のプロセスなどを体験的に学んでいくことを目的とする。 受講者が地域に戻ったときに、校内のキーパーソンとなり、効率的な事例検討会議を進めることができるように、ケース・スタディとしての研修と位置付ける。 | |
<課題研究> 2コマ 自ら課題解決に向け、図書室での資料収集や、他機関の見学など、主体的に研修する時間である。所外での研修を行う場合は所定の手続きによる。 |