平成19年度 第二期 特別支援教育専門研修 知的障害教育コース専門講義等内容
専門講義・演習
※ 日程・内容については、都合により一部変更する場合がある。
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 | |
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1.研究・研修の組織づくりと運営 (ワークショップ形式) |
西 直人 (リードクライム株式会社・取締役) 木村 宣孝 (教育支援研究部・総括研究員) 齊藤 宇開 (教育支援研究部・主任研究員) 小澤 至賢 (教育相談部・主任研究員) |
特別支援教育を推進するに当たって求められる、学校における研究・研修の組織づくりの在り方について、研修員の現状と課題を整理し、企画づくりや組織づくりのノウハウを演習によって学ぶ。 研究協議班の運営や研究協議のまとめとして予定しているミニ研修会の企画・運営に生かす。 |
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2.授業研究の理論 | 竹林地 毅 (広島県教育委員会・特別支援教育室長) |
知的障害児教育における授業研究の歴史と方法論について概観し、組織的・効果的な授業研究の進め方や授業づくりの在り方について論述する。 | |
3.知的障害教育における教育課程と個別の教育支援計画・個別の指導計画 | 石塚 謙二
(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課・特別支援教育調査官) |
学習指導要領について解説するとともに、知的障害特別支援学校と知的障害特別支援学級における教育課程編成及び個別指導計画、個別の教育支援計画の在り方や諸課題について述べる。 | |
4.高等部教育の現状と課題 | 大南 英明 (帝京大学・教授) (国立特別支援教育総合研究所・監事) |
高等部における多様な進路に対応した教育課程、職業教育を中心とした教育課程の編成、個別移行支援計画づくり、進路支援のための教育、福祉、医療・保健、労働のネットワークづくり等について、その基本的な考え方、取組の現状と今後の課題について論述する。 | |
5.認知、コミュニケーションの発達と障害 | 宇佐川 浩 (淑徳大学・教授) |
知的障害のある子どもへの認知発達臨床アプローチの意義とその果たす役割について概観し、知的障害のある子どもの認知発達過程とその子どもの認知発達に応じて必要とされる臨床アプローチについて論述する。 (*肢体不自由教育コースと共通) |
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6.個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成と協力関係の推進 | 干川 隆 (熊本大学・准教授) |
授業に生かすための個別の指導計画の作成システム等を紹介し、担任教師と関係者との協力関係を推進する個別の教育支援計画・個別の指導計画の作成方法を実習する。 | |
7.自閉症の病理 | 中根 晃 (横浜市西部地域療育センター・非常勤医師) |
自閉症の概念と診断、情報処理過程の障害や行動障害への対処等について、発達援助の方法を含めて解説する。 | |
8.自閉症の特性と対応 | 渡部 匡隆 (横浜国立大学・准教授) |
自閉症の障害特性と学習特性を概観し、コミュニケーション行動の形成、生活スキルの形成、自己管理行動の形成、不適応行動の改善等について高機能の児童生徒を含め、行動論的立場から援助方法を論ずる。 | |
9.演習:発達障害のアセスメントの理論と実際 | 齊藤 宇開 (教育支援研究部・主任研究員) 伊藤 由美 (教育相談部・研究員) |
心理検査法などの発達障害のある児童生徒に対するアセスメントについて概説し、少人数のグループ毎に実習をする。 | |
10.選択 | 特別支援学校における個のニーズに応じた教育課程 | 朝野 浩 (京都市立西総合支援学校 ・校長) |
一人一人の教育的ニーズを把握して個々に必要な支援を行う特別支援教育に向かって先進的に取り組んでいる京都市の総合支援学校の実際を紹介することを通じて、今後の特別支援学校における教育課程編成の在り方について考える。 |
特別支援教室構想における弾力的な取組 | 長江 清和 (八潮市立八幡小学校・教諭) |
現行の特別支援学級の弾力的運用を意識し効果的な指導計画の工夫を類型化した実践を紹介し、校内の教師が連携した授業づくりの在り方について考える。 | |
11.発達障害の診断と療育 | 渥美 義賢 (教育支援研究部・上席総括研究員) |
「発達障害」の持つ意味や概念を解説するとともに、一般的に発達障害と考えられている障害の診断について論述する。また、発達障害の子どもを中心に、どのように理解し、どのように支援することが望ましいかについて述べる。 | |
12.選択 | 特別支援学校における授業研究の実際 | 瀬尾 裕子 (佐賀県立大和養護学校・教諭) |
知的障害特別支援学校と知的障害特別支援学級における授業研究の実践例を紹介する。授業づくりを深めるための校内の研究組織作り、授業研究会の運営、授業構成の基本的な考え方等について論述する。 |
特別支援学級における授業研究の実際 | 善 由美子 (佐賀県吉野ヶ里町立三田川小学校・教諭) |
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13.就労をめぐる現状と課題 | 小塩 允護 (愛知淑徳大学・教授) (国立特別支援教育総合研究所・特任研究員) |
知的障害のある人の社会参加の実態を「働くこと」に焦点を当てて概観し、就労を支える個人的条件、制度的条件、学校教育の役割を論じ、知的障害教育における当面の課題とその対応策について移行教育という視点から考える。 | |
14.ダウン症の特性と対応 | 玉井 邦夫 (山梨大学・准教授) |
ダウン症の原因や諸特徴、合併症等に代表される医学的特性とコミュニケーションや問題となる行動等の心理的特性への対応方法を論述する。また、思春期・成人期に生じる問題を取り上げ検討する。 | |
15.知的障害教育における自立活動の理論と実際 | 樋口 陽子 (北九州市立八幡特別支援学校・教諭) |
知的障害特別支援学校における自立活動の指導体制、指導の実際について実践を紹介する。 | |
16.選択 | 特別支援学校の地域におけるセンター的機能と特別支援教育コーディネーターの役割 | 小澤 至賢 (教育相談部・主任研究員) 源甲斐 恵美 (福井県立福井南養護学校・教諭) |
特別支援学校では地域のセンター的機能を担うために、教育相談や地域の特別支援学級等へ直接出向いて指導に関する支援をするなど、様々な地域支援の取組を行っている。特別支援学校が担うべき地域支援機能の在り方と特別支援教育コーディネーターの役割について、実践例を紹介し、今後の実践の在り方を検討する。 |
小・中学校の校内支援体制づくりと特別支援教育コーディネーターの役割 | 荒川 正敏 (横須賀市立野比東小学校・総括教諭) |
小学校での実践例を紹介し、今後の小・中学校の(校内)支援体制の在り方や特別支援教育コーディネーターの役割について検討する。 | |
17.社会性の発達と障害 | 齊藤 宇開 (教育支援研究部・主任研究員) |
社会性の発達を概観するとともに、知的障害や自閉症のある子どもの社会性の発達の支援を進めるために、社会的スキルの評価、具体的指導・支援方法などについて論述する。 | |
18.障害児の性教育 | 蓮香 美園 (東京学芸大学附属幼稚園・教諭) |
性教育に関する内外の動向を踏まえ、学校教育のなかで性教育を進めていく上での諸課題や指導法、評価の在り方について論述し性教育のプログラムについて紹介・検討する。 | |
19.発達障害の医療と本人主体の支援 | 田中 康雄 (北海道大学大学院・教授) |
発達障害者に対する治療プランについて概説するとともに、特に環境調整に視点を当てたアプローチを中心に紹介し、本人主体の支援の在り方について検討する。 | |
20.自閉症教育におけるTEACCHの理論と実際 | 佐々木 正美 (川崎医療福祉大学・特任教授) |
自閉症児への総合的な支援の在り方について、TEACCHの理論と実践例を論ずる。 | |
21.行動障害の分析と対応 | 肥後 祥治 (熊本大学・准教授) |
行動障害をどのように捉え、どのように取り組むかに関するテーマは、臨床心理学の中心的な課題である。応用行動分析の立場から行動障害のとらえ方、行動障害の分析とそれに基づく対応について論述する。 | |
22.知的障害教育における領域・教科を合わせた指導の理論 | 木村 宣孝 (教育支援研究部・総括研究員) |
知的障害教育における教育課程編成において、特に領域・教科を合わせた指導の考え方について概説するとともに、子ども主体の学習活動の展開の在り方について論述する。 (*肢体不自由教育コースと共通) |
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23.演習: 領域・教科を合わせた指導の実際1~3 |
木村 宣孝 (教育支援研究部・総括研究員) 齊藤 宇開 (教育支援研究部・主任研究員) 徳永 豊 (企画部・総括研究員) 大崎 博史 (教育相談部・主任研究員) 小澤 至賢 (教育相談部・主任研究員) 太田 容次 (教育研修情報部・主任研究員) |
領域・教科を合わせた指導の授業改善の視点を明らかにし、各学校の事例をもとに課題を整理するとともに指導計画の改善を図るための演習を行う。 | |
24.重複障害のある児童生徒の指導 -視覚障害・聴覚障害- |
中澤 惠江 (教育支援研究部・総括研究員) |
視覚障害は「情報障害」をもたらし、聴覚障害は「コミュニケーション障害」をもたらす。知的障害や運動障害に感覚障害を併せ有した子どもたちに係わるとき、他の子どもたちには届いている情報及びコミュニケーションを保障することが不可欠である。視覚障害特別支援学校・聴覚障害特別支援学校との連携を含め、その配慮について紹介する。 | |
25.総合的な学習の時間の指導 | 大崎 博史 (教育相談部・主任研究員) 北村 英之 (福井市立明倫中学校・教諭) 瀬戸脇 正勝 (静岡県立東部養護学校伊豆高原分校・教頭) |
知的障害特別支援学校及び知的障害特別支援学級における総合的な時間の実践を紹介し、そのねらいのとらえ方等、今後の実践の在り方を考える。 | |
26.演習: ノンバーバル・コミュニケーション |
緒方 登士雄 (東洋大学・教授) |
ノンバーバル・コミュニケーションに焦点をあて、研修員相互によるレッスン・プログラムでの体験を通し、自らの行動を振り返り、子どもたちとのコミュニケーションを深めるためのかかわりについて検討する。 | |
27.重複障害のある児童生徒の指導 -肢体不自由- |
徳永 豊 (企画部・総括研究員) |
実態把握、目標設定、指導内容・方法、評価において、動きに不自由がある場合の課題や工夫について考える。特に、行動の基礎となる対人意識や運動、社会性の発達を促すために、からだの動きを題材にした取組とその基本的考え方について紹介する。 (肢体不自由教育コースと共通) |
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28.特別支援学校の個別の教育支援計画・個別の指導計画 | 志村 克美 (北海道教育大学附属特別支援学校・教諭) |
知的障害特別支援学校と知的障害特別支援学級において実際に作成している個別の指導計画とその実践について紹介する。個別の指導計画を作成し実践する上で留意する事項や授業に生かすための諸課題へのアプローチの実際等について述べる。 | |
29.演習:体育の指導 | 佐藤 賢 (愛知県立一宮養護学校・校長) |
体育科の指導の基本的な考え方、児童生徒の体力特性のとらえ方、体育指導の実際、生涯にわたるスポーツライフにつながる指導の在り方について論述する。また、いくつかの運動やゲームなどの実習を行う。 | |
30.生活に生きる国語の指導の実際 | 坂田 佳美 (福岡市立高宮小学校・教諭) |
国語科の指導内容のとらえ方や指導の基本的な考え方を論述し、生活の中で生きる力となるための国語の指導の実践例を紹介する。 | |
31.生活に生きる算数・数学の指導の実際 | 髙橋 玲 (群馬大学教育学部附属特別支援学校・教諭) |
算数・数学科の指導内容のとらえ方や指導の基本的な考え方を論述し、生活の中で生きる力となるための算数・数学の指導の実践例を紹介する。 | |
32.演習:教材・教具の工夫 | 大久保 直子 (筑波大学附属久里浜特別支援学校・教諭) 齊藤 宇開 (教育支援研究部・主任研究員) |
教育的ニーズに応じた教材・教具の工夫とその実際について紹介し、演習を通してその意義、基本的な考え方、授業等で効果的に活用するための視点を紹介する。 |
実地研修
題目等 | 研修先 | 研修内容 |
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1.就学前・卒業後の生活の実際 | ①(財)鉄道弘済会総合福祉センター弘済学園 | 弘済学園は、鉄道弘済会の経営する自閉症・知的障害など発達障害児(者)の療育支援施設であり、その行動の理解や援助の困難な人たちへの支援を行っている。 |
②横浜市中部地域療育センター | 横浜市中部地域療育センターは、障害やその心配のある子どもを対象に、早期発見と早期療育、各種療育相談、巡回訪問など、子どもとその家族を支援するための専門機関である。 | |
③㈱富士電機フロンティア | 富士電機フロンティアは、富士電機㈱の特例子会社として設立され、富士電機グループにおける、清掃や製本・印刷、社内メール、部品加工などの幅広い業務を行っている。 | |
1班:① 2班:②③ ①(財)鉄道弘済会総合福祉センター弘済学園 〒257-0000 神奈川県秦野市北矢名1195-3 ②横浜市中部地域療育センター 〒232-0007 神奈川県横浜市南区清水ヶ丘49 ③㈱富士電機フロンティア 〒210-9530 神奈川県川崎市川崎区田辺新町1-1 |
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2.自閉症教育の実際 | ①学校法人武蔵野東学園 ②東京都立青鳥養護学校 同 久我山分校 |
幼稚園、小学校、中学校、技能高等専修学校を設置する武蔵野東学園では、健常児と自閉症児の共学体制をとりつつ、自閉症児への「生活療法」に基づいた療育プログラムを実施している。また、東京都立青鳥養護学校久我山分校では、自閉症のある子どもの教育課程や学級編制など、自閉症の特性に応じた教育を展開している。これらの学校の指導の実際を実地に研修し、その教育のあり方について考える機会とする。
1班:① 2班:② ①学校法人武蔵野東学園 〒180-0012 東京都武蔵野市緑町2-1-10 ②東京都立青鳥養護学校 〒154-0001 東京都世田谷区池尻1-1-4 東京都立青鳥養護学校久我山分校 〒157-0061 東京都世田谷区北烏山4-37-1 |
研究協議等
講義題目等 | 内容等 |
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研 究 協 議 | 各研修員の希望するテーマに基づき班を編成し、協議する。各班員の話題提供の仕方やまとめの仕方(報告書、報告会を兼ねたミニ研修会の企画・運営など)、司会や記録の順番等の協議の進め方は各班で工夫しながら進める。研修の成果は、受講者を対象としたミニ研修会において発表する。 当研修コース実施グループから1名ずつ各班の相談に応じる担当者を決めて、協議の進行の支援や情報提供をするのでご活用願いたい。 全体で14コマ(ミニ研修会4コマを含む)を設定している。 |
課 題 研 究 | 研修員それぞれの課題の解決に向け、図書館での資料収集、他機関への訪問等、研修員が主体的に計画を立てて取り組む研修の時間である。 全体で8コマを設定している。 所外での研修を行う場合は、所定の手続きによる。 |