平成19年度国立特別支援教育総合研究所セミナー(I)
◎平成19年度国立特別支援教育総合研究所セミナーI
- 概要
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1月24日(木)~25日(金)の2日間にわたって、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開催しました。本年度は、特別支援教育を推進するための喫緊の課題の一つである発達障害のある子どもへの対応に焦点を当て、『「特別な支援を必要とする子ども」への支援の実際-発達障害のある子どもを中心に』をテーマに企画しました。
1日目は、「発達障害関係施策について」と題した文部科学省からの行政説明の後、基調講演として「発達障害のある子どもへの支援」と題して講演をいただきました。これらを受けた、パネルディスカッションでは「地域の学校におけるつながりのある発達障害支援」をテーマのもとで特別支援学校と市教育委員会の立場から提言がなされ、「つながり」「支援の充実」をキーワードに活発な議論が行われました。
2日目は、2つの分科会に分かれて行いました。第1分科会は「特別支援教室(仮称)への展望」のテーマのもと、プロジェクト研究「小・中学校における障害のある子どもへの『教育支援体制に関する在り方』及び『交流及び共同学習』の推進に関する実際的研究」での研究成果の報告とパネルディスカッションを行い、特別支援教室(仮称)に向けた現行の指導体制からのソフトランディング等、様々な意見交換が行われました。
第2分科会では、「自閉症教育の充実をめざして」のテーマのもと、プロジェクト研究「特別支援学校における自閉症の特性に応じた指導パッケージの開発研究」の研究成果である『自閉症教育実践マスターブック(平成20年2月発刊)』のエッセンスが報告された後、研究協力校による取組の報告、パネルディスカッションを行い、教育課程の編成等の今後の課題と展望について協議が行われました。
また、2日目の昼休みには、ポスター展示が行われ、本研究所の研究成果と共に、研究協力校や研究パートナー校の研究成果も合わせて報告し、関心を集めました。
本セミナーには、852名(2日間延べ1、537名)の方が参加され、会場の定員(700名)を超えたため、第2会場でモニター視聴という環境で参加された方も大勢いました。特別支援教育への関心の大きさに改めて気の引き締まる思いです。
(セミナーⅠ 実行ワーキンググループリーダー 後上 鐵夫)
- テーマ
- 「特別な支援を必要とする子ども」への支援の実際
-発達障害のある子どもを中心に- - 開催日
- 平成20年 1月24日(木)・1月25日(金)
- 内容
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(1日目)
□行政説明 発達障害教育をめぐる現状と課題- 講師
- 永山 裕二 氏(文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課長)
□基調講演 発達障害のある子どもへの支援- 講師
- 柘植 雅義 氏(兵庫教育大学大学院臨床・健康教育学系 教授)
□パネルディスカッション 「地域の学校におけるつながりのある発達障害支援」
- パネリスト
- 井上 和久 氏(兵庫県立赤穂特別支援学校支援部長)
- 鈴木 和子 氏(一関市教育委員会特別支援教育コーディネーター)
(2日目)
□第1分科会 「特別支援教室(仮称)」への展望
- 報告
- 藤本 裕人 (国立特別支援教育総合研究所企画部 総括研究員)
- 田中 良広 (国立特別支援教育総合研究所教育支援研究部 総括研究員)
- 滝川 国芳 (国立特別支援教育総合研究所教育支援研究部 主任研究員)
- パネルディスカッション
- 藤本 裕人 (国立特別支援教育総合研究所企画部 総括研究員)
- 廣瀬由美子 (国立特別支援教育総合研究所教育支援研究部 総括研究員)
- 中村美津子 氏(新潟県上越市立飯小学校 教諭
- 上松 武 氏(新潟県上越市教育委員会 指導主事)
□第2分科会 自閉症教育の充実をめざして
- 報告
- 徳永 豊 (国立特別支援教育総合研究所企画部 総括研究員)
- 内田 俊行 (国立特別支援教育総合研究所企画部 研究員)
- 齊藤 宇開 (国立特別支援教育総合研究所教育支援研究部 研究員)
- 研究協力校における取組の実際 -実際の教育環境、教材教具を手がかりに-
- 筑波大学附属久里浜特別支援学校
- 東京都立青鳥養護学校久我山分校
- 北海道教育大学附属特別支援学校
- パネルディスカッション -今後の課題と展望(教育課程の編成を中心に)-
- 石塚 謙二 氏(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官)
- 三苫由紀雄 氏(東京都立高島養護学校長)
- 徳永 豊 (国立特別支援教育総合研究所企画部 総括研究員)
■開催にあたってのパンフレットはこちら(既に終了しています)