障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第42号

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
      国立特別支援教育総合研究所メールマガジン
         第42号(平成22年 9月号)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ NISE ━━━
【目次】
■お知らせ
■NISEトピックス
 トピックス
 研究紹介
■特別支援教育関連情報
■研修員だより
■アンケートのお願い
■編集後記
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■お知らせ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★NEWS★
●アンケートのお願い(第3回)
 本研究所では、本メールマガジンをより良いものにしていくための検討を
行っています。つきましては、今号をご覧いただいた上で、巻末のアンケー
トにご回答いただきたく、よろしくお願いいたします。

●研究所の最新状況
◆研修現況報告
◇平成22年度特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会を開催

 平成22年 7月26日~ 7月27日、本研究所において、文部科学省の協力を得
て、特別支援学校寄宿舎指導実践指導者研究協議会を開催しました。これは、
各都道府県において、指導的立場にある寄宿舎指導員等の専門性の向上並び
に、寄宿舎における指導等の充実を図ることを目的として毎年開催している
ものです。本年も全国からの寄宿舎指導員等76名が参加され、寄宿舎におけ
る指導実践についてのレポート提出に基づく実践発表や障害種別毎の部会別
研究協議など、活発に行われました。

◇平成22年度発達障害教育指導者研究協議会を開催

 平成22年 8月 5日~ 8月 6日、横浜ワールドポーターズ6F「イベントホー
ルA」他において、発達障害教育指導者研究協議会を開催しました。これは、
各都道府県において、発達障害のある子どもに対する支援・指導に関して指
導的立場にある教職員による研究協議等を通じ、専門的知識並びに技能を高
め、各地方公共団体の支援・指導の充実に資することを目的として、特に、
幼児期及び高等学校段階の発達障害のある幼児児童生徒への支援の充実に資
するよう、平成20年度より開催しているものです。
 本年も全国から幼稚園及び高等学校教員を含む発達障害のある幼児児童生
徒に対する支援・指導に関して指導的立場にある教職員155名が参加されま
した。第一日目は、発達障害教育をめぐる現状と課題や幼児期から後期中等
教育段階までの一貫した支援の在り方について、講演・講義が行われ、二日
目の分科会(第一分科会:幼-小連携を中心に、第二分科会:高校生活で育
てたいことと進路)では、午前は各園・校の実践発表によるパネルディスカ
ッション、午後は参加者一人一人から自身の現状や課題について報告がなさ
れるなど班別のグループ協議・情報交流が活発に行われました。

●NISE市販書籍等情報
◆多層指導モデルMIM 読みのアセスメント・指導パッケージ
  ~つまずきのある読みを流暢な読みへ~

 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所 発達障害教育情報センター
 主任研究員 海津 亜希子 編・著

 A4判・冊子3冊、A6判・カード154枚、CD-ROM1枚(各種データを収録) 
 主な対象:小学校1・2年生
 発行 (株)学研教育みらい
 発売日 2010年 8月 定価18,900円(本体18,000円+税)

 読むことは、学習全般や生活面にまで影響を及ぼす大切な活動です。その
ような「読み」につまずきを示すLDなど、学習に困難さのある子どもたちの
なかでも初期の読みにおいて、最大の難関の一つは特殊音節の読み書きです。
その特殊音節に焦点を当て、文字や語句をなめらかに読んだり書いたりでき
ることを目指す教材です。
 文部科学省の科学研究費で3年間に渡って行われた「学習につまずきのあ
る子どもへの多層指導モデル(MIM)の開発に関する研究」で効果の確かめ
られたエビデンスに基づく教材です。

【問い合わせ先】
 ○学研教育みらい 学校教育事業部  電話03-6431-1151(代表)こちら→
  http://gakkokyoiku.gakken.co.jp/elementary/mim_yomi.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■NISEトピックス
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★トピックス★
●教育支援部の活動

              大内 進(教育支援部長・上席総括研究員)

 教育支援部は、「調査」、「学校教育支援」、「事業・連携・生涯学習」
の3つの担当で構成されています。
 「調査担当」は、特別支援教育に関する基本データ調査等の企画・実施や
研究所が実施する各種調査等の全体計画の立案・調整を担当しています。
 「学校教育支援担当」は、特別支援教育の理解・啓発・普及推進を図るこ
とを目的に、特別支援学校担当と小・中学校等担当に分かれ、特別支援教育
センターや教育センターとの連携、そして、全国特別支援学校長会や関係校
長会及び関係団体との連携・連絡調整を行っています。
 「事業・連携・生涯学習担当」は、当研究所主催の基幹セミナー等の事業・
連携担当と、障害学生の支援や卒後支援等に関する生涯学習担当に分かれて
取り組んでいます。

◆今年度の各担当の活動
 「調査担当」は、全国の特別支援学校や特別支援学級及び通級指導教室の
設置状況や関係団体の情報等について、関係校長会や教育委員会等の協力を
得て基本データとして取りまとめました。この基本データは現在、所内情報
としてまとめていますが、今後経年的に蓄積し、特別支援教育基本データと
して活用していく予定です。
 「学校教育支援担当」は、所内外の連絡調整の窓口として、全国の関係校
長会との連携及び情報収集・提供などの相互協力体制を推進してきました。
 特に全国特別支援学校長会との連携協力体制の推進と、全国特別支援学級
設置学校長協会が行った設置校の調査における連携等に、積極的に取り組ん
でいます。
 「事業・連携・生涯学習担当」は、研究所セミナーI及びIIの実施に向け
て、所内の協力体制と関係機関との連携・協力に努めています。
 また、生涯学習担当では、筑波技術大学と日本学生支援機構の障害学生支
援の研修会に後援・協力するなど実践的な連携を進めています。

★研究紹介★
●専門研究B「言語障害教育における指導の内容・方法・評価に関する研究
-言語障害教育実践ガイドブックの作成に向けて-」(平成20~21年度)

           研究代表者 久保山 茂樹(企画部・主任研究員)

 現在、言語障害教育では指導対象となる子どもの姿の多様化など、さまざ
まな課題が見られます。そこで、本研究は指導方法や内容等、最新の知見を
整理・検討し、言語障害教育の専門性を再確認するとともに、言語障害教育
実践ガイドブックを作成することを目的としました。2年間の研究では、事
例研究、文献研究、訪問による資料収集などを実施しました。この中で、特
に、子どもの姿をどのようにとらえ、どのように情報収集し、指導計画を立
案し見直していくか、その過程の重要性を再確認しました。
 これらの研究成果を研究成果報告書にとりまとめ、その第2部を『言語障
害教育実践ガイドブック』としました。第1章では言語障害教育の果たす役
割を、第2章では子どもとの出会いから指導までの過程を示しました。第3
章から第5章は、構音障害、吃音、言語発達の遅れについて、事例研究と基
礎知識で構成し解説しています。第6章では、学級・教室の経営の実際につ
いて事例を紹介しながら解説しています。言語障害教育に関わる先生方にお
読みいただき活用いただけることを期待しています。

◆ちょっと一息 季節のたより

 毎年 9月16日、鎌倉市の鶴岡八幡宮において流鏑馬が行われます。これは、
鎌倉武士の狩装束に身を包んだ射手が馬で駆けながら的を射抜く神事で、鎌
倉時代より万民息災、五穀豊穣等を祈念する行事として継承されています。
今年は、例年にない猛暑による熱中症患者の続出や農業、漁業等の被害に見
舞われています。天気予報によると残暑はまだ続くようですが、何とかこの
神事をもって、これ以上の災いが来ないようにと願うばかりです。
 また、今年は鶴岡八幡宮の御神木である大銀杏が倒伏しましたが、厳しい
暑さにも負けず力強く再生しているそうです。悠久の歴史に思いを馳せつつ、
これからを乗り切る力を授かりたいと思う今日この頃です。

                    (企画部 柳澤 亜希子 記)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■特別支援教育関連情報
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
平成22年度第35回特別支援教育教材・教具展示会作品募集!
(財団法人障害児教育財団)

 前号でもご案内したところですが、現在、財団法人障害児教育財団では、
特別支援教育に携わる教職員が、日常の教育活動の中で創意工夫し、実際の
教育活動に活用している教材・教具(コンピュータによる学習ソフトウェア
を含む)を募集しています。
 本年度は以下のとおり募集をしています。ふるってご応募ください。

 ◇賞 文部科学大臣賞
    国立特別支援教育総合研究所理事長賞
    障害児教育財団理事長賞(金賞、銀賞、銅賞、佳作)
 ◇応募締切 平成22年10月 8日(金)必着
 ◇応募先  財団法人障害児教育財団事務局
       〒239-8585 神奈川県横須賀市野比5丁目1番1号
       TEL 046-839-6888

 ○過去の展示会の状況及び今年度の募集要項及び応募用紙はこちら→
  http://www.nise.go.jp/blog/kyozaitenjikai.html

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■研修員だより
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今号は、平成17年度第三期短期研修修了の岩田信子先生からお寄せいただ
きました。

「チームで挑む」

            岩田 信子(筑波大学附属久里浜特別支援学校)

 短期研修に参加する前の私は、日々の実践や研修で得た情報をうまく整理
できず、毎日が飽和状態でした。そんな中、研修に参加する機会を得て、こ
の研修を自分自身が成長するきっかけとしたいという思いがありました。と
同時に、2か月も職場を離れる不安、久里浜での生活での不安もありました。
 研修で学んだことは、チームで取り組むことの大切さです。グループでの
研究や演習などで、意見を出し合い、話し合って、自分たちの思いを形にし
ていくことは、達成感や充実感を生みました。テーマについてそれぞれで調
べて持ち寄ったり、一人では難しいかも?と思うことでも、数人で協力して
考えたり作ったりすることで、できるかもしれないという希望がわきました。
そして、そこには個々の努力、互いを思いやる心がありました。研究グルー
プというチーム、第3期研修員というチーム、講義、演習、実地研修の全て
が私の宝物になりました。
 今でも、悩んだりアイデアに詰まったりしたときには、講義でいただいた
資料を読み直したり、演習で作成した教材やポスター等を納めた写真を見直
したりしています。そうするとアイデアだけでなく、やる気もわいてくるの
です。
 研究所の先生とお話して、印象に残っている言葉があります。「自ら学ぼ
うと研修会を企画したり、研修会に出かけていくことは素晴らしい。けれど
も本当に大切なのは、研修を受けた後である。研修した後、自分はどう行動
するのか、実践にどのように活かしていくのかを形にしていくことが大切で
ある。」研修を終えた一人として、自分にできることは何かを考えながら、
日々過ごしています。
 研修棟からはキラキラ光る海と久里浜養護学校(当時)が見えました。そ
れから5年。縁あって今は久里浜特別支援学校で勤務しています。学校から
研修棟を見るたび「みんなで過ごしたなぁ。みんな元気かなぁ。」と当時を
思い浮かべます。「困ったな、ちょっとしんどいな」と思うときもあります
が、現在は、今のチームで子供たちのために取り組んでいきたいと思ってい
ます。

 ○筑波大学附属久里浜特別支援学校のWebサイトはこちら→
  http://www.kurihama.tsukuba.ac.jp/

※なお、先生が研修された短期研修は、平成19年度以降、「特別支援教育専
門研修」として実施しています。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■アンケートのお願い
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 今号の記事について、以下のアンケートにご回答いただきたく、ご協力の
ほどよろしくお願いいたします。

 ○アンケートはこちら→
  http://www.nise.go.jp/enquete/fm/haisin/maga42

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■編集後記

 今年の夏は、例年より暑く感じますね。メルマガ読者の皆様は、体調を崩
されていないでしょうか?
 さて、当研究所では、 9月 6日より第二期特別支援教育専門研修(情緒障
害・言語障害・発達障害教育コース)がスタートします。スタッフ一同、本
研修の充実に向けて準備を進めているところです。まだまだ暑さが続きそう
なので、研修が終わる頃の季節といってもピンとこないのですが、約2ヶ月
間にわたる研修なので、終わる頃は肌寒い季節となっているはずです!
 夏休みが終わって、子どもたちの声が戻ってきた学校は、にぎやかさを取
り戻していることと思います。この夏の暑さにめげず、各地で研修されてき
た先生方、その成果を日々の実践の中で存分に活かしていってください。
 なお、今号でもアンケートを実施しております。メルマガ充実のため、皆
さんの声をぜひお聞かせください。アンケートへの御協力、どうぞよろしく
お願いいたします。

                   (第42号編集主幹 小澤 至賢)

 ○「メールマガジン」へのご意見・ご感想はこちら→
  a-koho@nise.go.jp(@を半角にして送信してください。)
 ○研究所メールマガジンの利用については、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/policy.html
 ○研究所メールマガジンPC版の登録は、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/
 ○研究所メールマガジン携帯版の登録は、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/keitai/
 ○研究所メールマガジンのバックナンバーは、こちら→
  http://www.nise.go.jp/magazine/back.html
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
国立特別支援教育総合研究所メールマガジン 第42号(平成22年 9月号)
       発行元 独立行政法人国立特別支援教育総合研究所内
           国立特別支援教育総合研究所メールマガジン編集部
           E-mail a-koho@nise.go.jp
(@を半角にして送信してください。)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


サイトポリシー情報公開個人情報保護調達情報・契約監視委員会| Copyright © 独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所