平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナー(II)
◎平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナーII
- 概要
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本研究所では、平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナーIIを 2月28日(月)に、国立オリンピック記念青少年総合センターにおいて開催いたしました。このセミナーの目的は、本研究所が実施している研究活動等諸活動の内容とその成果を広く普及することにあります。
本年度は、特別支援教育制度が実施され4年が経過しようとしている現在、その現状と課題を受け止め、質的に向上させるための手だてを検討すべき時期にあるとの認識から、「特別支援教育の展開と質的向上を目指して―国立特別支援教育総合研究所の研究活動の成果から―」というテーマを掲げ、本研究所が取り組んできました以下の四つの研究を報告しました。
午前の全体会では、「障害のある子どもへの一貫した支援システムに関する研究-早期から社会参加に至る発達障害支援の確立と検証-」から、一人ひとりの特性を踏まえた支援を発達段階にあわせ、一貫性と継続性をもたせて行っていくための方策等について研究成果が紹介され、その課題や展望、実現されるための手だて等について議論されました。
午後は三つの分科会が行われ、第1分科会では、「特別支援学校の特性を踏まえた学校評価の在り方に関する実際的研究」から、研究報告、各学校での事例の紹介、学校評価の活用についての議論がなされました。第2分科会では、「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校に在籍する児童生徒の増加の実態と教育的対応に関する研究」から、調査を踏まえた実態の報告及び課題の整理がなされ、教育的対応について議論されました。第3分科会では、「小・中学校における発達障害のある子どもへの教科教育 等の支援に関する研究」から、一人ひとりの子どもに対する多様で公平な評価を求めて、試験における配慮をいかに考え実施していったらよいかについて、内外における実態や、実践の報告とともにガイドラインが提案され、議論されました。
また、平成21年度に終了した研究、13課題についてポスター形式で成果報告を行い、参加者と直接意見交換することができました。
本セミナーには、全国各地から600名を超える方々の参加がありました。特別支援学校関係者の他、通常学校の先生方、福祉関係者、保護者等と幅広い立場からの参加があり、関心の広がりを感じました。このセミナーを機会にみなさまの学校等での特別支援教育がさらに充実・発展していくことを願っております。
渥美 義賢(セミナーⅡ実施ワーキンググループ長)
- テーマ
- 「特別支援教育の展開と質的向上を目指して-国立特別支援教育総合研究所の研究活動の成果から-」
- 開催日
- 平成23年2月28日(月)
- 内容
- ※平成22年度国立特別支援教育総合研究所セミナーII 要項 PDFファイル(3.11MB)
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□全体会 「発達障害のある人への一貫した支援 」-実践から見えてくるもの-
- 研究報告
- 渥美 義賢 (国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)
- シンポジスト
- 河井 克典 氏(松江市教育委員会特別支援教育課 課長)
- 丸岡 恵真 氏(京都府立桃山養護学校 ももやま地域支援センター センター長)
- 藤平 俊幸 氏(発達障害者支援センター全国連絡協議会 副会長)
- 笹森 洋樹 (国立特別支援教育総合研究所 総括研究員)
- 司会者
- 梅田 真理 (国立特別支援教育総合研究所)
- 全体会の記録 PDF(127KB)
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□第1分科会 「学校全体が活性化する学校評価の活用」
- 研究報告
- 大内 進 (国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)
- シンポジスト
- 野坂 静枝 氏(神戸市立垂水養護学校 校長)
- 兵馬 孝周 氏(東京都立調布特別支援学校 校長)
- 望月由佳恵 氏(東京都立調布特別支援学校 主幹教諭)
- 小澤 至賢 (国立特別支援教育総合研究所 主任研究員)
- 指定討論者
- 西川 公司 氏(放送大学 客員教授)
- 司会者
- 牧野 泰美 (国立特別支援教育総合研究所)
- 小澤 至賢 (国立特別支援教育総合研究所)
- 第1分科会記録 PDF(95KB)
- □第2分科会 「増加し続ける特別支援学校(知的障害)の児童生徒」
-増加の実態とその教育的対応-- 研究報告
- 井上 昌士 (国立特別支援教育総合研究所 総括研究員)
- シンポジスト
- 尾崎 祐三 氏(東京都立南大沢学園 校長)
- 湯汲 英史 氏(早稲田大学 客員教授)
- ※竹林地 毅 氏(広島県教育委員会教育部特別支援教育課 課長)
- ※ビデオ映像による話題提供
- 司会者
- 猪子秀太郎 (国立特別支援教育総合研究所)
- 第2分科会記録 PDF(126KB)
- □第3分科会 「一人ひとりの子どもに対する多様で公平な評価を考える」
-試験における配慮の検討-- 研究報告
- 原 裕子 氏(町田市立薬師中学校 教諭)
- 玉木 宗久 (国立特別支援教育総合研究所 主任研究員)
- 伊藤 由美 (国立特別支援教育総合研究所 研究員)
- 海津亜希子 (国立特別支援教育総合研究所 主任研究員)
- 指定討論者
- 渥美 義賢 (国立特別支援教育総合研究所 上席総括研究員)
- 司会者
- 海津亜希子(国立特別支援教育総合研究所)
- 第3分科会記録 PDF(122KB)