独立行政法人 国立特別支援教育総合研究所

B−200
平成17年度 課題別研究 慢性疾患児(心身症や不登校を含む)の自己管理支援のための教育的対応に関する研究

慢性疾患、心身症、情緒及び行動の障害を伴う不登校の経験のある子どもの教育支援に関するガイドブック

研究代表者 : 武田鉄郎
研究分担者 : 西牧謙吾・大崎博史・植木田潤




表紙/内題/まえがき/目次/研究体制

第1章 はじめに (p.1〜18)
  第1節 ガイドブックの目的と対象
  第2節 ガイドブックの対象となる児童生徒
  第3節 心身症や情緒及び行動の障害を伴う不登校の現状と課題
    T.心身症や情緒及び行動の障害を伴う不登校の現状
      1.はじめに
      2.不登校児童生徒数の推移等
      3.厚生労働科学研究、国立特殊教育総合研究所の研究からみた現状
        (1)わが国における心身症・神経症等の調査
        (2)全国病弱虚弱教育研究連盟の病類調査
        (3)国立特殊教育総合研究所の調査
      4.文献研究
        (1)心身症・神経症等と不登校との関連
        (2)慢性疾患と長期欠席との関連
        (3)ADHDと長期欠席との関連の文献研究
        (4)諸外国における心身症等の調査
    U.心身症や情緒及び行動の障害を伴う不登校の課題
      1.原因・要因の多様化に対応するシステム作り
      2.教室以外の「居場所」の環境整備
        (1)適応指導教室の整備充実
        (2)特殊学級以外の校内リソース等を工夫しての支援体制
        (3)病弱養護学校での教育的対応の課題
第2章 不登校児童生徒にみられる情緒及び行動の障害 (p.19〜34)
  第1節 はじめに
  第2節 不登校の多軸診断システム
  第3節 情緒及び行動の障害
    T.不安障害
      1.全般性不安障害
      2.社会恐怖(社会不安障害)
      3.分離不安障害
      4.パニック障害
      5.強迫性障害
    U.適応障害
    V.身体表現性障害
      1.転換性障害
      2.(いわゆる)小児心身症
    W.気分障害
      1.大うつ病性障害
      2.気分変調性障害
    X.その他の疾患
      1.統合失調症
      2.反抗挑戦性障害と行為障害
    Y.発達障害
      1.精神遅滞
      2.注意欠陥/多動性障害(ADHD)
      3.広汎性発達障害
  第4節 多軸評価システムに基づく不登校児童生徒とへの支援
  第5節 まとめ

第3章 慢性疾患の子どもの不登校、それを予防する配慮 (p.35〜46)
  第1節 慢性疾患への適応のための課題
  第2節 発達段階とセルフケアの行動や留意点
  第3節 慢性疾患の代表的な疾患の心理社会的な課題
    T.各疾患ごとに抱えている心理社会的問題
      1.腎疾患
      2.心臓疾患
      3.気管支喘息
      4.悪性新生物
      5.肥満・糖尿病

第4章 情緒及び行動の問題の評価 (p.47〜56)
  第1節 はじめに
  第2節 包括的評価における留意点
    T.心理社会的発達段階
    U.情報の収集と取り扱い
      1.子どもの情報の信頼性
      2.複数の情報提供者からの情報の取り扱い
      3.個体差の取り扱い
    V.面接における情報収集
      1.聴取する内容
      2.面接の際の留意点
    W.質問紙評価票(心理検査)
      1.包括的評価
        (1)PSC(Pediatric Symptom Checklist)日本語版
        (2)CBCL(Child Behavior Checklist)
      2.抑うつ尺度
        (1)Children's Depression Inventory(CDI)
      3.不安尺度
        (1)State-Trait Anxiety Inventory(STAI)
        (2)Children's Manifest Anxiety Scale(CMAS);児童顕在性不安検査
    X.知能発達検査
    Y.結果の活用

第5章 教育相談 (p.57〜64)
  第1節 はじめに
  第2節 教育相談という枠組み
    T.教育相談とは
    U.相談対象(不登校を状態像として捉える視点)
    V.教育相談のプロセス
    W.教育相談の準備
  第3節 不登校を主訴とした教育相談の実際
    T.アセスメントの目的
    U.アセスメントのポイント
      1.医療との連携の必要性
      2.心の健康度
      3.知的能力と学習空白の程度
    V.支援の基本姿勢 
      1.自己理解の援助
      2.カウンセリング・マインド
    W.支援のポイント
      1.不登校の子どもの心の中で起こっていること
      2.遊戯療法(Play Therapy)

第6章 不登校にならないための学校づくりと義務教育終了後の進路 (p.65〜78)
  第1節 特別支援教育とコーディネーター
  第2節 養護教諭の役割
    T.保健室登校
      1.保健室登校とは
      2.保健室における対応
      3.保健室登校における養護教諭の役割
    U.校内研修及び校外諸機関との連携
      1.関係者による連絡会(支援会議)の開催
      2.児童生徒の理解のための事例研修会
  第3節 校内支援体制
    T.校内の指導体制及び教職員等の役割
      1.学校全体の指導体制の充実
      2.コーディネーター的な不登校対策担当の役割の明確化
      3.養護教諭の役割と保健室・相談室等、教室以外の「居場所」の環境・
        条件整備
      4.スクールカウンセラーや心の教室相談員等の外部人材との連携
    U.校内の指導体制の構築
  第4節 不登校を経験した生徒の義務教育終了後の進路について
    T.はじめに
      1.通信制課程(単位制)高校のシステムの特徴
      2.通信制(単位制)の学習の仕組み
    U.事例
    V.おわりに

第7章 病弱養護学校や適応指導教室、巡回指導等の様々な取組の実際
       事例1 A市の教育・福祉システムとB病弱養護学校の取組 (p.79〜90)
       事例2 D病弱養護学校の取組と地域支援 (p.91〜106)
       事例3 病弱養護学校の取組とセンター的機能 (p.107〜116)
       事例4 適応指導教室における取組 (p.117〜122)
       事例5 中学校における通常の学級と特殊学級の中間的な学級である
            特別支援教室での生徒への対応について (p.123〜128)
       事例6 巡回指導における小学校・中学校のLD、ADHD、高機能自閉症
            等の子どもへの支援 (p.129〜138)

あとがき/奥 付