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視覚障害児のための触る絵本の作製と活用
および普及についての研究

 
(課題番号 12710162)

平成12年度〜平成13年度科学研究費補助金奨励研究(A)
研究成果報告書

   
 (触素材及び立体コピーによる触る絵本の作製方法
  −自作と翻案による13種の触る絵本の作製方法と立体コピーの原図−)


                       独立行政法人
                               国立特殊教育総合研究所
                                 視覚障害教育研究部
                                  金子 健


はじめに

 視覚障害児用の絵本として「触る絵本」がある。この触る絵本とは、触素材をページに貼り付けるなどして絵を構成し、絵が触って分かるようにしたものである。しかし、実際に作製された触る絵本について、その絵が触ってもよく分からず、従って楽しむこともできないという場合があるようである。そこで、筆者らは、絵が触ってよく分かり、かつ楽しめる触る絵本の作製を試みてきた。それらを3歳〜6歳の視覚障害幼児に導入して、その妥当性を検討してきた。1) 2)
 この研究の結果として、絵が触ってよく分かり、かつ楽しめると考えられる触る絵本が13種完成した。そのうち、8種は触素材を貼り付ける形式のものであり、5種は立体コピー(注1)によるものである。また、13種のうち、11種は絵もストーリーも自作によるものであり、2種は既存の通常の絵本を触る絵本へと翻案したものである。
 また、この研究では、それらの絵本の使用によって、絵本として楽しめること以外にも、触察の仕方の向上や点字学習の促進、触覚的なイメージの豊富化および想像力の伸長などにも役立つことが分かった。
 そこで、ここでは、この13種の触る絵本の作製方法を、その絵の写真や図を含めて分かりやすくまとめ、盲学校やボランティアグループで触る絵本を作製する場合の参考としたい。また、立体コピー形式のものについては、その絵の原図と題名及びストーリーの文章のテキストを、PDFファイルの形式で掲載した。従って、それらのファイルについては、Acrobat Reader(注2) で印刷することによって、実際の原図とテキストを作製することが可能である。
 以下では、まず、その作製方法の概略について述べる。そこでは、ここに掲載した触る絵本の基本的な作製方法について述べる。次いで、作製の際にとった方針について述べる。そこには、「作製の基本方針」、「絵が触ってよく分かり楽しめるための方針」、「触察の仕方の向上を促すための方針」、「翻案による触る絵本の作製方針」、「点字への興味を喚起し、その学習を促すための方針」が含まれる。次いで、作製方法の詳細を記す。これについては、それぞれの絵本について、「ストーリー」、「絵」、「絵の説明」、「ストーリーの文章」を記す。そのうち、絵については、全ページについて、触素材を貼り付ける形式のものに関しては、実物の写真を表示する。立体コピー形式のものに関しては、その原図の縮小図を表示する。また、前述のように、「PDFファイルへのリンク」として、その実際の原図と題名及びストーリーの文章へとジャンプできるようにしている。最後に、ここに掲載した各種の触る絵本の導入の順序と、導入順序の目安について述べる。ここに掲載した触る絵本を、実際に作製して、子どもに導入する際の参考としていただきたい。
 それぞれの部分には、下記の目次からリンクしている。それぞれをクリックして利用していただきたい。
 なお、この文書は、表題にもあるように、平成12年度〜13年度科学研究費補助金奨励研究(A)「視覚障害児のための触る絵本の作製と活用および普及についての研究」(課題番号:12710162)の研究成果報告書であり、特にその「普及」に関わるものである。


                                         平成14年3月


 注意:
ここに掲載されている全ての触る絵本の著作権は、金子健(独立行政法人国立特殊教育総合研究所)及び菅井裕行(同上)に属します。そのうち、触素材を貼り付ける形式の触る絵本については金子健・菅井裕行に属します。立体コピー形式の触る絵本については金子健に属します。
 ここに掲載された触る絵本を複製して使用することは自由ですが、その際には著作権者名を明記してください。また、ここに掲載された触る絵本を改変して使用することも自由ですが、その際にも、著作権者名及び改変したことを明記してください。

 注1:立体コピーとは、原図を立体コピー専用紙に複写して、それを立体コピー現像機にかけると、その図の黒い部分を浮き上がらせることができるシステムである。なお、このシステムは、全国の盲学校や視覚障害関連福祉施設及び研究機関などで利用されている。

 注2:Acrobat Reader は、最近のパソコンであれば、最初からインストールされている場合が多い。また、     http://www.adbe.co.jp/products/acrobat/readstep.html から無料でダウンロードして使用することが可能である。


目次

 1 作製方法の概略

 2 作製の方針
  1.作製の基本方針
  2.絵が触ってよく分かり楽しめるための方針
  3.触察の仕方の向上を促すための方針
  4.翻案による触る絵本の作製方針(1)−一般的な方針−
  5.翻案による触る絵本の作製方針(2)−「赤頭巾」の翻案を元にして−
  6.点字への興味を喚起し、その学習を促すための方針

 3 作製方法の詳細
  1.触素材を貼り付ける形式
  2.立体コピーの形式

 4 触る絵本の導入の順序と導入年齢の目安

 引用文献


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