平成16年度第三期短期研修 肢体不自由・病弱教育コース講義等内容
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.障害のある人と福祉 | 日浦美智江 (社会福祉法人訪問の家・理事長) |
重度知的障害と肢体不自由を併せ持つ人たちへの地域ケアの実態を通して,重度・重複障害のある人たちの地域生活や仕事,QOL、自己決定など現在の障害福祉の課題となっている事柄をどのように考えるか,また,彼らの社会への完全参加と平等を実現するための支援はどうあればいいのか、支援者の姿勢はどうあればいいのかを共に考える。さらに,そうした社会参加を目指して学校教育は何をどのように提供すべきかについても触れる。 |
2.子どもの発達と課題 | 西牧謙吾 (教育支援研究部・総合研究官) |
“人は生まれながら幸せになる権利がある”人は,幸せになる為に様々な技術(医学,制度(保健・福祉・教育・医療)を発達させてきた。 日々の仕事の意味をもう一度問い直すことで,どうすれば明日へのモチベーションを高めることができるか,一緒に考えてみたい。 |
3.子どもの心理発達と課題 | 篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
人間の発達は個人とその環境との相互関係だけでなく,社会文化的,歴史的な文脈との相互関係の中で捉えることが意味深い。それぞれの発達段階においてその個人が発達課題に直面し,発達的危機をいかに越えていくかを学び,病気を抱える子どもの心の過程の理解に役立てたい。 |
4.教育課程の編成 -特殊学級等を含む- |
山本昌邦 (横浜国立大学・教授) |
教育課程の規準である学習指導要領のうち「盲学校,聾学校及び養護学校小学部・中学部学習指導要領」について,総則及び自立活動を中心に実際例を挙げながら概説するとともに,肢体不自由養護学校,病弱養護学校,特殊学級等における教育課程の編成・実施上の課題等について講義を行う。 |
5.教育課程の実際 | 長野清恵 (岐阜県立長良養護学校・教論) 久富正規 (北海道拓北養護学校・教論) 深沢修 (山梨県立富士見養護学校旭分校・教諭) 當島茂登 (教育支援研究部・総括主任研究官) 武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) |
長野清恵:慢性疾患,筋疾患,重度・重複障害など,多様な病気や障害のある児童生徒の病気や障害の多様化,重度・重複化が大きな課題となっている。そのため,多様な教育課程を編成し,類型化の弊害をなくすよう個別の指導計画で指導の個別化を図るなどして工夫している実際を発表し、その課題について検討する。 久富正規:開校以来,多くの学校で取り入れられている類型化された教育課程によらない一人一人に応じたカリキュラムによる指導を展開して来ている「個別の指導計画」を中心に,子どもの実態把握,指導の内容・方法,評価等について具体的例を示しながら述べる。 深沢修:精神科の病院に隣接した病弱養護学校におけるこの思いや動きを核とした教育課程」を紹介する。教育課程編成上の基本方針として,安心して自らが選択し,決定し,行動することを重視し,児童生徒が自立活動と教科の時数を自己選択,自己決定する柔軟な教育課程を編成している。その課題について検討する。 |
6.教科指導の実際 教科全体、体育科、音楽科を中心に) |
根市正彦 (青森県立八戸第一養護学校・教論) 松原豊 (筑波大学附属桐ヶ丘養護学校・教論) 宍戸秀明 (宮城県立光明養護学校・教論 當島茂登 (教育支援研究部・総括主任研究官) 武田鉄 ((教育支援研究部・主任研究官) |
根市正彦:本校は,平成13・14年度文部科学省特殊教育研究協力として「教科の基礎・基本の定着を促す学習活動のあり方」を研究した。この研究をもとに,本講義では個別の指導計画の作成,評価基準の活用,自己評価活動の重視など教科の指導や評価について述べる。 松原豊:肢体不自由のある子どもの体育の指導における課題を明らかにし,筑波大学附属桐ヶ丘養護学校における取組の実際について述べる。Adapted Physical Activityの理念に基づいた各教材のねらい,内容,方法,評価,安全に関する配慮事項などについて検討をしたい。 宍戸秀明:文部科学省刊行の「病弱教育の手引-教科指導偏-」を基に,病弱教育における実技を伴う教科指導について,指導上の課題を明らかにしながら指導上の留意事項について確認する。さらに,音楽科の指導の実際について教材を使って具体的に示す。 |
7.総合的な学習の時間 | 川間健之介 (筑波大学・助教授) 青山正人 (筑波大学附属桐ヶ丘養護学校・教論) 村田健二 (熊本県立黒石原養護学校・教論) 當島茂登 ((教育支援研究部・総括主任研究官) 武田鉄郎 教育支援研究部・主任研究官) |
川間健之介:各学校で取り組まれている「総合的な学習の時間」の実践に関して,様々な課題が指摘されている。ここでは,肢体不自由養護学校における取組を中心に,学習のねらい,方法,内容,評価について検討すると同時に教科や自立活動との関連について講義する。 青山正人:総合的な学習の時間について様々な実践が報告されてきている。ここでは筑波大学附属桐ヶ丘養護学校中学部における取組の実際について述べ,総合的な学習の時間のねらい,内容,方法,評価等について検討をしたい。 村田健二:進行性筋ジストロフィーや心身症等の生徒に対して,様々な事業所等で体験学習を行うチャレンジシップを実施している。 心身症等を伴う不登校を経験している生徒や進行性筋ジストロフィーの生徒の事例を中心に総合的な学習の時間の在り方について取組とその課題について述べる。 |
8.移行・進路支援 | 小塩允護 (教育支援研究部・総合研究官) 高橋寿夫 (神奈川県立中原養護学校・教論) 曽我部由里 (千葉県立四街道養護学校・教論) 高見沢智子 (千葉県立四街道養護学校・教論) 當島茂登 教育支援研究部・総括主任研究官) 武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) |
小塩允護:中学校特殊学級及び盲・聾・養護学校中学部・高等部卒業生の過去25年間の進路動向を概観し,学ぶことを中心とした生活から働くことを中心とした生活への移行をめぐる課題,円滑な移行を目指すための支援の在り方等について論じる。 高橋寿夫:肢体不自由養護学校における進路指導及び移行支援は障害の重度化,多様化により課題が山積している。本講義では,進路指導及び移行支援に関する様々な事例を通して,校内体制のあり方,地域との連携,他職種との協働,保護者支援などについて述べる。 曽我部由里・高見沢智子:平成13年度より3年間文部科学省研究開発校の指定を受け,継続入院を余儀なくされるような重度の身体障害のある生徒を対象に,高等部の教育課程の開発が行われた。教科「ビジネス」を開発し,学校内に工房「まごころ」を設置した。在校生は就業体験でまごこころ」を利用し,卒業生はそこで働くシステムを構築した。研究開発に至るまでの経過とその成果について講義を行うと共に,卒業生とテレビ 会議システムを通じて協議を行う予定である。 |
9.脳のはたらきとその障害 | 西谷信之 (国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所・室長) |
発達障害を理解するために,中枢神経系機能の基礎を学ぶ。 最新の脳科学の知見から,今後の発達障害医学の方向性,特に模倣の脳活動に及ぼす影響から見た障害児教育の方向性について言及する。 |
10.「盲ろう}障害の理解と支援(講義) | 新井千賀子 (企画部・研修員) 金田由紀子 (弱視者問題研究会) 中澤惠江 (教育支援研究部・総括主任研究所) |
弱視の見え方は眼疾患視機能(視野、視力、しゅう明)に主に規定されるが,個人差が大きくなかなか理解しにくい。講義では,弱視の見え方の基本的とらえ方を疑似体験をとおして学習する。 また,疑似体験を通じてより具体的な障害の理解と支援の方策について考える機会を提供する。 |
11.「盲ろう」障害の理解と支援(演習) | 佐藤正幸 (教育支援研究部・総括主任研究官) 中澤惠江 (教育研修情報部・総括主任研究官) |
一般に「盲ろう」と考えても,きこえの程度は様々である。本講義では音と聴覚,聴覚が障害されるとはどのようなことか,きこえの体験,コミュニケーションの体験を中心に概説し「盲ろう」障害児、者の聴覚面での理解と支援を検討していきたい。 |
12.「盲ろう」障害の理解と支援(講義・演習) | 中澤恵江 (教育支援研究部・総括主任研究官) 藤鹿一之 (東京盲ろう者友の会・理事) 中山喜崇 (長野県花田養護学校・教論) |
盲ろうの代表的な困難は外部からの情報摂取」「コミュニケーション「移動・方向定位」にある。ここでは,全盲ろうの疑似体験によって,コミュニケーション能力や情報収集能力を著しく低下させ,その低下が自分の行動や思考や感情に何をもたらすのかを体験し,共感・理解を試みることで,盲ろうという重複障害の理解とともに,自らの児童・生徒とのかかわり合いについて見つめ直すきっかけを提供することを目的としている。 |
13.訪問教育の現状と課題 (訪問教育研究協議会) |
川住隆一 (東北大学大学院・教授) |
本講義ではまず,訪問教育の意義と歴史的経過を踏まえて現状の一端を紹介し,課題を明らかにする。ついで,訪問教育の場を念頭におきながら障害の重い子どもらへの指導の実際を紹介し,教育的かかわりのあり方を考える。保護者との相互協力についても考えたい。 |
14.医学的理解-行動障害・てんかん- | 原仁 ( 横浜市中部地域療育センター・所長) |
てんかんは小児期に多い脳の慢性疾患である。まずてんかんに関する理解を深めることを目指す。具体的には1)発作,2)検査,3)治療の3点について触れる。そして,てんかんに合併しやすい行動障害という視点から発達障害を再整理していく。 |
15.緩和ケア | 松島たつ子 (ホスピス教育研究所・所長 ) |
死という最大の喪失,その悲しみを癒すことができるのか。本講義ではホスピタス緩和ケアの考え方と日本の現状を説明した後,ホスピタスの入院相談から入院中の療養生活死別後のケアまで、独立型ホスピタスにおけるケアの実際を紹介し、終末期ケアについて考えてみたい。 |
16.学ぶということの意味 | 佐伯胖 (青山学院大学・教授) |
過去の学習論の変遷を,行動主義から,認知心理学を経て,状況的学習論へという3つのパラダイム転換として捉える。特に,最近の正統的周辺参加論を中心に,学習・発達観の転換,それに伴う個体能力還元主義からの脱皮を説く。 |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.肢体不自由の歴史と課題 | 古川勝也 (文化科学省初等中等教育局特別支援教育課・特殊教育調査官) |
肢体不自由教育のこれまでの歩みを概観し,今後の特別支援教育の諸施策と関連させながら,肢体不自由のある子どもの教育における諸課題を取り上げて講義する。 |
2.重度の肢体不自由のある子どもの身体運動の捉え方 | 笹本健 (企画部・総合研究官) |
重度の肢体不自由がある子どもに対し,彼らの「身体運動・身体の動き」を教育的な課題とするとき,どのようにそれらを捉えたらよいのか,どのように実践の展開を行ったらよいのか,について日本における昨今の教育施策の動向に照らし合わせながら述べるとともに実践事例を紹介する。 |
3.肢体不自由のある子どもの社会性の発達と支援 | 滝坂信一 (教育相談センター・総括主任研究官) |
人は皆社会的存在であり,人との関係や集団のなかで意欲を培い生きる力が育っていく。しかし、「肢体不自由」のある子どもの指導については,運動・動作,意思表出やコミュニケーション手段に関する内容が教育課題として取り上げられることが多い。ここでは「肢体不自由」のある子どもたちの社会性の育ちをどこに見,どのように支援していったらよいのかについて考える。 |
4.コミュニケーションに視点を置いた指導の実際 | 菅井裕行く (教育相談センター・主任研究官) |
障害の重い子ども達との係わり合いをコミュニケーションの視点から取り上げ,音声言語を偏重しない多様なコミュニケーションの在り方と,交渉を主題とするコミュニケーションについて,実践例をもとに考察する。生活環境を「交信圏」という視点から検討することにも触れ支援のあり方について考える。 |
5.自立活動における評価と指導 | 早坂方志 (青山学院大学・助教授) |
肢体不自由のある子どもの指導について,自立活動における評価と指導の実際から演習を交えて論じる。内容としては、1) 教育課程と自立活動、2)自立活動の概要,3)自立活動における指導計画と評価を取り上げる。 |
6.肢体不自由のある子どものコンピュータの活用 | 小野龍智 (教育研修情報部・主任研究官) |
肢体不自由教育においてどのようなコンピュータの利用法があるか概観し,機器を利用する際に必要な配慮点について述べる。 また,コンピュータを操作する際に必要な支援機器の操作を体験する。 |
7.身体の動きの評価と指導の実際Ⅰ・Ⅱ | 徳永豊 (企画部・総括主任研究官) |
身体の動きや姿勢について指導する場合の基本的な考え方や困難さの把握(評価),指導内容・方法について紹介する。 受講者自身が身体を動かす体験をもとに,①身体を動かす中での困難さ、②一緒に「身体の動き」の指導に取組む構造,③必要となる力の要素(子ども側と教師側)を考え,実施の指導への展開やその評価について検討する。 |
8.原初的コミュニケーション論 | 鯨岡峻 (京都大学大学院・教授) |
以下の視点から障碍の重い子どもとのコミュニケーションを考える。(1)人はなぜコミュニケーションに向かうのか、(2)感性的に通じ合う経験、(3)感性的コミュニケーションの身体的基盤、(4)障碍の重い子どもとのコミュニケーション、(5)コミュニケーションにおける教師の役割 |
9.知的障害を伴う子どもの指導 | 竹林地毅 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
知的障害のある幼児児童生徒の教育課程編成の考え方や授業づくりの工夫,等について基本的な事項を整理すると共に,研修員の所属校の現状を整理し,知的障害を併せ有する児童生徒の教育内容の創造について,実践的に検討する。 |
10.肢体不自由のある子どものポジショニング | 花井丈夫 (横浜療育医療センター・リハビリテーション科・課長) |
PTの立場から,肢体不自由のある子どもたちへのかかわり方について,ポジショニングを中心に述べたい。学校や家庭等での生活をできるだけ快適に過ごし,ひいては機能向上にもつながるような子どもたちへの介助の仕方について,介助する側の姿勢や身体の使い方等に重点を置きながら,実技を交えて取り組む。 |
11.日常生活動作の評価と指導の実際 | 杉本由美子 (神奈川県立総合教育センター・課長) |
神奈川県総合教育センターの「進路職能課アセスメント事業の現状と今後,期待される専門家の視点に触れ,その中で作業療法士の役割について述べる。また,教育活動に結びつく評価のあり方について,事例を通して考えていく。 |
12.障害観の変化と身体へのアプローチ | 徳永亜希雄 (教育研修情報部・研究員) |
肢体不自由のある子どもの事例を通して,ICIDH(国際障害分類)からICF(国際生活機能分類)への移行を概観し,身体の動きに関する理解の視点について考える。また,それらの視点から,子どもや家族の暮らしに根ざした,地域のネットワークのもとでの実際の指導について,身体へのアプローチを中心に述べる。 |
13.肢体不自由のある子どもの感覚運動指導の実際 | 當島茂登 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
肢体不自由養護学校には教科前学習の段階の子どもが多く在籍している。このような子ども達に対する指導の一つとして感覚運動指導がある。本講義では感覚運動に関するアセスメントの方法,学習の系列、指導内容・方法などについて述べる。 |
14.言語発達の評価と指導の実際 | 近藤裕美 (茅ヶ崎リハビリテーション専門学校・言語聴覚士) |
ことばの発達やその障害について概説しつつ,ことばに障害のある子どもへのアセスメント法について講義する。また,指導の実際を紹介しながら肢体不自由のある子どものコミュニケーションに関する支援のあり方について考える。 |
15.重度・重複障害のある子どもの行動理解 | 土谷良巳 (上越教育大学・教授) |
ヒトやモノとかかわり合うなかに子どもの行動の意味を探ることについて,実践的資料(ビデオ資料)に照らしつつ検討する。行動理解の視点として,1) 「子どもの障害の状態」と「子どもが取り組む活動とその状況」の交互作用から捉えること,及び2)子どもの表す行動の躍進,停滞、混乱を調整度の軸から捉えることを取り上げ検討する。 |
16.摂食困難への対応 | 向井美恵 (昭和大学・教授) |
肢体不自由をともなう重複障害のある子どもたちのなかには,摂食について困難や種々の障害がある子どもがみられる。ここでは特に,摂食機能の発達過程,摂食困難の実態,摂食指導のあり方等についての理論や実際を取り上げる。 |
17.聴知覚・認知の評価とその指導 | 鷲尾純一 (前筑波大学・助教授) |
重度・重複障害児のなかには,聴覚に何らかの障害や問題をもっている子どもが少なくない。 しかし,私たちは,聴こえにくいためにコミュニケーションに困難があったり活動の見通しがつかない子どものことを見過ごしていないだろうか ここでは,重度・重複障害児の様々な聴こえの問題と,聴こえにくい子どもの認知の状態に対する理解を深めたい。また,子どもの聴こえの状態を評価しアプローチする方法を具体的に考えたい。 |
18.医療的ケアを必要とする子どもへの医学的対応 | 山田美智子 (神奈川県立子ども医療センター重症心身児障害施設・施設長 ) |
当センターには,重症心身障害児施設が併設されている。機能として,在宅児への医療的ケアのバックアップ有目的・有期限で施設入所を進め、家族の急用やレスパイトを目的にした短期入所を推進した在宅支援を行ってきた。施設を利用した肢体不自由養護学校の教員研修を28年間行っている。横浜市の医療的ケアの取り組みを紹介し,最近「在宅及び養護学校における日常的な医療の医学的・法律的整理に関する研究」報告書を受け,文部科学省から出された「盲・聾・養護学校におけるたんの吸引等の取り扱いについて通知」について横浜市の立場から意見を述べる。 |
19.肢体不自由養護学校における新しい学校経営 | 伊東光雄 (東京都立光明養護学校・校長) |
特殊教育から特別支援教育へ大きな変革期の中で,肢体不自由養護学校の今後のあり方など、最近の特別支援教育に関する諸施策と関連させながら新しい学校経営について講義する。全国の肢体不自由養護学校の動向や東京都の取組の実際について述べる。 |
20.視知覚・認知の評価とその指導 | 佐島毅 (筑波大学・助教授) |
肢体不自由児や障害が重度の子どもの中には,視覚に何らかの障害や問題を持っている子どもが少なくない。しかし,私たちは,見えにくいために分からなかったり不安であったりする子どものことを見過ごしてはいないだろうか。ここでは,様々な視覚の問題と,見えにくさのある子どもの認知状態への理解を深めたい。また「視る」という視点から子どもの実態を正しく評価・把握し、アプローチする方法について具体的に考えたい。 |
21.重度・重複障害のある子どもへのAAC活用 | 石川政孝 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
重度の表出障害のある人の双方向のコミュニケーションを確保する拡大・代替コミュニケーション(AAC)の考え方を述べ,様々な支援技術の利用なども含めた事例にもとづいて実際の生活や学習の場での具体的な活用方法を紹介する。 |
22.認知発達と肢体不自由のある子どもの指導の実際 | 宇佐川浩 (淑徳大学・教授) |
肢体不自由のある子どもへの認知発達臨床アプローチの意義とその果たす役割について概観し,肢体不自由の子どもの認知発達過程とその子どもの認知発達に応じて必要とされる臨床アプローチについて論述する。 |
23.障害のある子どもの思春期の課題と性教育 | 飯田雅子 (社会福祉法人悠々倶楽部・理事) |
障害のある子どもたちの思春期の発達について概観し,思春期の課題,特に性をめぐる考え方と指導のあり方を述べる。とりわけ,性教育については,実際の指導事例や教材例を示し,指導目標や指導方法・内容,指導上の留意点などについても述べる。 |
24.交流教育の実際 | 安藤敦子 (千葉県立桜ヶ丘養護学校・教論) |
本校では,学校間交流,居住地交流,地域交流の三つの形態で交流教育を行っている。特に居住地交流に焦点をあてながら,特別支援教育コーディネーターとして連絡調整を行っている立場から実際の様子や進めるにあたっての課題などについて述べる。さらに,受講者を含めて各地の状況についての情報交換や課題に関する具体的な工夫についての意見交換をしたい。 |
25.障害のある子どもの保護者支援の在り方 | 小林倫代 (教育相談センター・総括主任研究官) |
障害のある子どもを育てている保護者のおもいと担当者のおもいを調査した結果を紹介し,これらの結果を踏まえて,保護者への支援,保護者との連携について考えていきたい。 |
26.肢体不自由のある子どもの生活環境とバリアフリー | 飯野雄彦 (社会福祉法人みなと舎「ゆう」・施設長) |
肢体不自由の障害は,本人にとってのハンディであるばかりでなく,その家族にとっても大きなハンディとなっている。そのハンディを埋める手段こそ障害に対する精神的・肉体的・社会的バリアフリーを生むもととなるのだが,埋める手段とは何か考えていきたい。 |
27.重度・重複障害のある子どものライフサイクルと教育 | 本間紀夫 (障害者グループホーム「あさがお」・運営委員長) |
障害のある子どもの教育を考える場合に,障害の特性,発達の状態や生活の実態に即して,一人一人のライフステージを視野に入れた対応が望まれる。重度・重複障害児の教育についても,各ライフステージごとに生活の質を高める視点から、その援助を検討することが必要となる。その際には,障害のある子どもだけでなく,その家族への支援も視野に入れた教育的対応が求められる。 |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.病弱教育の現状と課題 | 島治伸 (文部科学省初等中等教育局特別支援教育課・特殊教育調査官) |
我が国の病弱教育の現状について,①20世紀の病弱教育 ②病気の種類の変遷 ③病弱教育の意義 ④これからの病弱教育について分析し,21世紀の病弱教育の在り方について考察する。 併せて病弱教育の充実のための課題と具体的展開の方策について考える。 |
2.小児心身症 | 篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
「からだことば」としての身体症状をどのように理解し,また対処していくことができるのだろうか。ここでは,慢性疾患などの病気や障害のある子どもにおける心身症,並びに行動面や情緒面での表現に対して,心理的教育的対応とは何かを考えたい。 |
3.病弱教育の歴史と学校衛生 | 横田雅史 (愛知みずほ大学・教授) |
我が国の病弱教育の歴史を社会背景と合わせて概観し,今後の病弱教育の在り方を考える基盤を培う。構成は以下の通りである。①身体虚弱教育の萌芽期,②休暇集落全盛期,③戦後の教育制度改革後の病弱教育における医学等の進歩に対応した病気の種類の変遷と教育的対応,④今後の病弱教育 |
4.トータルケアの在り方 | 細谷亮 (聖路加国際病院・副院長) |
小児がんの中でもっとも高頻度に発生する白血病の子どもたちのトータルケアとはなにかをまず説明する。続いて、病気の説明の仕方(病名告知)、子どもたちのQOL,ターミナルケア,そして亡くなった子どもの家族へのケアなどについて考えを述べる。 |
5.児童虐待 | 小林秀次 (横須賀児童相談所・所長) |
児童相談所での経緯を踏まえ,児童虐待の現状と課題について述べる。特に,日本児童虐待の背後に潜む問題点を明らかにし,今まで実施されてきた対応方法について具体的症例を例示し概説する。教育機関に所属する専門家の役割についても言及する。 |
6.自己への気づき | 百武正嗣 (ゲシュタルトネットワークジャパン・理事) |
教育現場では様々な問題が山積みとなり,教師自身も追い込まれているようである。 このような時だからこそ教師が自分自身を大切にし,自分らしく生きていくことが必要となり,その姿に接することによって,子ども達も自分を大切にすることを学んでいくだろう。これは自分に気づき,自分をより自由にするためのワークショップである。 |
7.病気のある子どもへの心理的支援Ⅰ | 篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
病気に罹り,病気と共に生き,あるいは死に直面する時,子どもはどのような心理的過程をとおるのか。それに対してトータルケアにおける教育の役割とは,教師がなす心理的援助とは何かを考える。 |
8.糖尿病・肥満の医療と学校保健 | 新平鎮博 (大阪市立大学・教授) |
小児期の糖尿病と成人期のそれは異なっている。まず疾患の特徴を解説する。ついで肥満の評価方法とそれぞれの方法上の問題点を論じる。学校保健の中で肥満に注目することの大切さを強調したい。 |
9.心疾患の医療と学校保健 | 瀧聞浄宏 (横浜市立大学医学部小児科・助手) |
心臓の機能の基本を理解していただきたい。ついで代表的な先天性心疾患の説明をする。学校保健としては,心臓性突然死に関する理解を深めることが重要である。心臓検診のシステムと心疾患の管理についても触れる予定である。 |
10.病気のある子どもへの心理的支援Ⅱ | 矢吹和美 東洋英和女学院大学・教授) |
病気の状態は,心理的な喪失体験としての意味があるという視点から,病弱児への心理的援助のありようについて述べる。それは,喪失によって生じたつながりを再びもしくは新たな形で発見していかれるような形で援助していくことになるであろう。 |
11.神経・筋疾患の医療と学校保健 | 斎藤加代子 (東京女子医科大学・教授) |
神経筋疾患とは何かを述べる。 運動の単位としての,ニューロン,神経筋接合部,骨格筋の働きを解説する。また,各々の疾患の特徴を解説して,学校保健の立場からの配慮事項に触れる予定である。 |
12.腎疾患の医療と学校保健 | 酒井糾 (小児腎疾患総合管理研究所・所長) |
学校検尿の普及に伴って小児期腎疾患の初期病態が少しずつ解明されてきた。 腎疾患の種類,検査,治療法そして管理方法を説明する。また,腎疾患の栄養法について基本となる考え方を解説する。 |
13.小児がんの医療と学校保健 | 小原明 (東邦大学小児科・教授) |
小児期の血液疾患・悪性腫瘍の種類と頻度を説明し,それぞれの疾患において「どのような病気で,どのように治療し,養育上の注意点と問題点はなにか」を順に解説する。 長期入院する血液・腫瘍患児の問題点と終末期医療にも触れる。 |
14.病気と共に生きること | 岡茂 (東海大学・教授) |
疾病や内部障害をもつ人々の行動・生き方・価値観について論述する。様々な疾病や虚弱さを担いながら,よりよい人生を生きるとはどういうことか,何か必要かという問題を,現在の行動を横軸に,ライフ・スパンを縦軸にとり,事例を交え考察する。 |
15.アレルギー疾患の医療と学校保健 | 大矢幸弘 (国立成育医療センターアレルギー科・医長) |
アレルギー疾患は子どもが罹患する慢性疾患のなかでは最もありふれたものであるが,様々な誤解が敷衍しており,不適切な対応で苦しむ不幸な患者・家族が後を絶たない。ハイレベルの根拠に基づく対応によって,学校保健の現場で解決できることは何か,という視点を軸に授業を進めていきたい。 |
16.病気のある子どもの見方 | 村上由則 (宮城教育大学・助教授) |
慢性疾患は障害としての性格をもち,病弱児には特別な援助が必要である。教育は,病状変動の認知,変動の原因の認識,生活水準での対処,そしてそれらを支える受容にとって,重要な役割を担う。ここでは,子どもの行動と援助に関して具体例をあげて検討する。 |
17.病気のある子どもへの自己管理支援(1) (2) | 武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) |
病弱のある子どもの自己管理を支援していくために,健康の概念,セルフケアについての概念を明確にし,自己管理能力を高めるための支援の仕方を探る。その中で,ストレス対処過程でのソーシャルサポートや対処行動,又は自己効力感の効用について述べる。 |
18.重度・重複障害のある子どもの医療と学校保健 | 井合瑞江 (神奈川県立こども医療センター医務課・課長) |
重度・重複障害児の成長は遅々としたものだが、確実に認めることができる。子どもたちの可能性を引き出す環境つくりが大切である。そのような立場で,健康管理,合併症,医療と教育の連携について述べたい。 |
19.医学の進歩と遺伝病 | 大橋博文 (埼玉県立小児医療センター遺伝科・科長) |
医学の分野としてますますその重要性が注目されている臨床遺伝学の基礎を説明する。 先天異常と遺伝病,遺伝病の分類と概説,主な染色体異常症,遺伝相談と出生前診断などに関連して医療倫理についても触れる予定である。 慢性疾患は障害としての性格をもち,病弱児には特別な援助が必要である。教育は,病状変動の認知,変動の原因の認識,生活水準での対処,そしてそれらを支える受容にとって,重要な役割を担う。ここでは,子どもの行動と援助に関して具体例をあげて検討する。 |
20.不登校の心理 | 石川瞭子 (川崎医療福祉大学・助教授) |
近年,不登校の状態像は多様化の傾向にあり,現代型ないし新しいタイプの不登校が報告されて10年以上が経過する。現代型の不登校は多様なタイプがあるため,解決の決め手や有効策がないとされている。 本講義では,これらの中でも特に対応が困難とされる,校内型不登校の現状と対応策の提案を行う。 |
21.スクールカウンセリングの実際 | 山口豊一 ( 跡見学園女子大学・教授) |
学校において児童生徒は苦戦している。また、児童生徒をサポートする教師や親も苦戦している例えば,不登校,いじめ,暴力行為,軽度発達障害等である。ここでは,学校心理学の視点からこれらの問題状況を捉え,チームによる援助を考えることを通して,スクールカウンセリングの実際の理解を深めたい。 |
22.病気のある子どもの自立活動の実際(1)(2) | 伏木泰子 (千葉県立仁戸名養護学校・教諭) 黒木あらた (宮崎県立都城養護学校・教諭) 武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) |
障害観の変化,自立観の変化について述べると共に,養護・訓練から自立活動に学習指導要領が改訂された経緯,ポイントを述べ,病気の多様化・重症化に対応していくための自立活動の授業や評価について概説する。 また,自立活動の授業を進めていく際に,行き詰まりという観点から自立活動に関して課題整理・解決方法を提案する。指導の実際として,慢性疾患の自立活動の実際,心身症等の自立活動の実際について講義し,よりよい自立活動の在り方について協議を行う。 |
23.難病の子どもと福祉 | 小林信秋 (難病の子ども支援全国ネットワーク・事務局長) |
子どもの難病は指定されているだけで500種類を越え,全国で20万人以上の子ども達が難病と闘っている。難病のこども支援全国ネットワークは,これらの子どもと家族のために情報提供と交流活動を進めている。その活動の一端を紹介しながら難病の子どもと福祉について講義を行う。 |
24.病気の子どもと家族への支援 | 池田文子 (がんの子どもを守る会・ソーシャルワーカー) |
病気の子ども,特に小児がんの子どものいくつかの事例を提示し,患者や家族が直面する教育の課題を明らかにしていく。また,小児がん経験者に行ったアンケート調査の結果を報告し,本人達が語る教育への要望等を述べ,家族・本人の立場から教育の在り方について講義を行う。 |
下記の4班より、いずれかを選択し受講する。
1班:盲・聾・養護学校の地域におけるセンター的機能 |
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サービス提供を求める側からの声を聞きながら,どのようにセンター的機能を開発・実施していったらよいかについて各学校や地域の実態を踏まえて考える。 (担当者: 滝坂信一・菅井裕行) |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.講義及び協議 養護学校の「センター的機能の内容、そして開発上の工夫と課題」 |
滝坂信一 (教育相談センター・総括主任研究官) 菅井裕行 (教育相談センター・主任研究官) |
「盲・聾・養護学校のセンター的機能」はどのような経緯のなかで提起されているのか,またどのような内容として実施していったらよいのかについて研究所の研究成果等から話題提供する。 |
2.演習 それぞれの学校の現状と推進するための条件及び戦略を考える |
菅井裕行 (教育相談センター・主任研究官) 滝坂信一 (教育相談センター・総括主任研究官) |
参加者の各学校における「センター的機能」開発・実施の実態について整理し,それぞれの特徴について検討する。 |
3.パネルディスカッションセンター的機能を通じた資源提供と活用 | 大久保淳子 (福島市保健福祉センター・主任保健師) 於保和子 (茅ヶ崎市立浜之郷小学校・養護教諭) |
養護学校のセンター機能を活用している機関の側から,機関の事業内容とセンター機能の有効性や課題について話題提供をしてもらう。 大久保淳子:保健福祉センターにおける母子保健及び子育て支援の実態と,養護学校の教育相談部門から受けている支援の内容とその意味について話題提供する。 於保和子:小学校における子どものもつ様々な支援ニーズの実態と,個々のニーズにそって多様な教育的支援を行っていくために設置した「ケース検討会」に養護学校の地域支援担当の教諭に参加してもらうことの意味とについて話題提供する。 |
4.演習 それぞれの学校で「センター的機能」を開発・実施する条件整備と戦略を考える |
菅井裕行 (教育相談センター・主任研究官) 滝坂信一 (教育相談センター・総括主任研究官) 大久保淳子 (福島市保健福祉センター・主任保健師) 於保和子 (茅ヶ崎市立浜之郷小学校・養護教諭) |
午前の話題提供を受け,話題提供者からの示唆を得ながら各学校が社会的ニーズに合わせたセンター的機能の開発と実施を行っていくために必要な要件について整理し,具体的な展望をたてる作業を行う。 |
2班:個別の教育支援計画 |
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個別の教育支援計画がなぜ必要か,この計画によって何が変わるのか,一人一人の子どもを生涯にわたって総合的に支援していくために他機関との連携のあり方,保護者の参画などについて受講者とともに検討したい。 (担当者: 當島茂登・石川政孝) |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.講義及び協議 今、なぜ個別の教育支援計画か |
石川政孝 (教育支援研究部・総括主任研究官) 當島茂登 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
個別の教育支援計画の策定に関し,これまでの政策を概観するとともに全国的な動向について話題提供をする。また,受講者が勤務する学校や地域での取組の現状について報告しテーマに迫る。 |
2.講義及び協議 ツールとしての個別の教育支援計画-他の機関との連携をどう進めるか- |
中田正敏 (神奈川県立つ総合教育センター・教育相談部長) |
盲・聾・養護学校では,平成17年度までに策定することとなっている「個別の教育支援計画」について,神奈川県における全体的な取組の中でのその位置づけについて述べる。特に,他機関との連携や個別の教育支援計画策定の意義や背景にある考え方について,複雑化しつつあるニーズに対応できるシステムとしての協働チーム論を基盤として受講者とともに検討する。 |
3.講義及び協議 保護者の願いと個別の教育支援計画 |
小林保子 (横浜国立大学。非常勤講師) |
障害のある子どもを生涯に渡って総合的に支援する仕組みの一つとして「個別の教育支援計画」の策定に関し,保護者の参画が重要であることが指摘されている。 ここでは,保護者の立場から現在及び今後の支援のあり方について述べる。また,個別の教育支援計画策定の意義について受講者とともに検討する。 |
4.演習 個別の教育的支援計画によって何が変わるか |
石川政孝 (教育支援研究部・総括主任研究官) 當島茂登 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
この演習をとおして各受講者が今後どのような視点でこの課題に取り組んでいくのか,個別の教育支援計画で何が変わるのか,何を変える必要があるのか,などについて協議する。 |
3班:特別支援教育コーディネーター |
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盲・聾・養護学校における特別支援教育コーディネーターを中心に,その概要やスキル,実践上の課題等について整理し,実際の取り組みに向けた検討を行う。 (担当者: 篁倫子・徳永亜希雄) |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.講義及び協議 特別支援教育コーディネーター基本的な考え方と各地での取り組み |
徳永亜希雄 (教育研修情報部・研究員) 篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) |
特別支援教育コーディネーターを取り巻く状況や期待される役割・機能、求められる資質等について概括し,各地での取り組みについて協議を行う。 |
2.演習 特別支援教育コーディネーターに求められるスキル |
篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) 徳永亜希雄 ( 教育研修情報部・研究員) |
特別支援教育コーディネーターが実際にその職務を遂行する上で必要と思われるスキルについて概括し、演習を通して具体的なスキルアップを試みる。 |
3.実践報告及び協議 特別支援教育コーディネーターの取り組みの実際 |
奥村美由 (神奈川県立武山養護学校・教諭) |
知的障害・肢体不自由併置の養護学校における特別支援教育コーディネーターとして取り組んだ、教育相談を中心とした取り組みについて報告する。 日頃の実践の様子とその中で得られた成果や課題について報告し,参加者と共に協議を行う。 |
4.演習 今後の取り組みに向けて |
篁倫子 (教育支援研究部・総括主任研究官) 徳永亜希雄 ( 教育研修情報部・研究員) |
これまでの知見を整理し,今後の各地での実際の取り組みに向けて協議・演習を行う。 |
4班:小・中学校における特別支援教育 |
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小・中学校における軽度発達障害のある児童生徒への支援について,課題を整理し,解決に向け,演習や協議を通して考える。 (担当者: 武田鉄郎・海津亜希子) |
講義題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義内容 |
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1.講義及び協議 LD、ADHD、高機能自閉症児等のこどもの理解と支援-擬似体験を通じて- |
海津亜希子 (企画部・研究員) |
LD,ADHD、高機能自閉症等の子どもにかかわる際のアセスメントの視点や方法,指導・支援方法について概説する。 特に,LDについては,疑似体験を通して,子どもたちの認知や心理面についての理解を深める。 |
2.演習 個別の指導計画の作成 |
海津亜希子 (企画部・研究員) 武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) |
個別の指導計画を作成する際のポイントについて実践研究から得られた知見をもとに概説する。さらに,事例について実際にグループディスカッションを通して個別の指導計画を作成する。作成後は各グループで発表を行う。 |
3.講義及び演習 小・中学校への支援-専門家チームからのアプローチ- |
中井滋 (宮城教育大学・教授) |
小・中学校における軽度発達障害のある児童生徒への支援について,どのような問題があるかを取り上げどのように解決すればよいかを考える。 |
4.演習 各校における課題整理と問題解決 |
武田鉄郎 (教育支援研究部・主任研究官) 海津亜希子 (企画部・研究員) 中井滋 (宮城教育大学・教授) |
演習のまとめとして,小・中学校における軽度発達障害のある児童生徒への支援について,課題を整理し,その解決に向け,全体で協議を行う。 |
1.肢体不自由・病弱教育共通
題目等 | 研修先 | 研修内容 |
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1.筑波大学附属久里浜養護学校の指導の実際 | 筑波大学附属久里浜養護学校 副教頭 馬場信明 小学部主事 浜津平一 幼稚部主事 吉川明守 教務主任 工藤貴子 |
平成16年度より国立大学法人筑波大学付属久里浜養護学校となる。知的障害を伴う自閉症の児童の教育についての研修を行い、自閉症教育のあり方について考える機会とする。
筑波大学附属久里浜養護学校 〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-1-2 |
2.肢体不自由教育
1、2は、各班よりいずれか1か所を選択し、受講する。
題目等 | 研修先 | 研修内容 |
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1.就学前の福祉施設等での取り組みの実際 | 1班 横浜市南部地域療育センター 通園部園長 渡辺幹夫 通園部親子主任 小幡保夫 通園部単独主任 三山匡 |
当センターは,1985年8月に開所し、20年が経過した。これまで,心身の発達に遅れやつまずきのある子どもたちに対し外来療育(医療)・通園療育(通園・地域療育(相談・巡回)の3つの機能で地域の療育拠点として役割を担ってきた。現在は「軽度障害群」のお子さんに対する対応等を課題の1つとして運営している。
実地研修では,様々な障害種別のクラスの見学後協議を行う。 横浜市南部地域療育センター 〒235-0033 神奈川県横浜市磯子区杉田5-32-20 |
2班 横浜市中部地域療育センター 通園部園長 秋永厚子 第1通園部主任 中野ユミ 第2通園部主任 甲谷乃里子 |
1970年代以降,障害の早期発見と早期対応に関するシステムが医療,福祉の領域で整備されてきた。これによって障害のある,もしくはその可能性のある子どもたちは1歳半前後から就学までの間,療育をはじめとしたサービスを受けることができる。そのなかにあって,当センターでは,診療、通園,相談部門をもちケースワーカーが地域での暮らしを支える業務を行っている。 実地研修では,肢体不自由のある子どものクラスでの実習等を行う。 横浜市中部地域療育センター 〒232-0007 神奈川県横浜市南区清水ヶ丘49 |
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3班 川崎中部地域療育センター ケースワーカー 古川恵 |
当センターは,川崎に3カ所ある地域療育センターの一つである。子どもの成長や発達の遅れが心配なとき,障害などで特にケアが必要なとき,専門スタッフが相談にのるとともにケアしている。対象は,中原区・高津区・宮前区(向ヶ丘出張所所管内を除く)にお住まいの0~18歳までのお子さんである。医師,看護師,ケースワーカー,心理職,言語聴覚士(ST)、理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、児童指導員,保育士,栄養士,他の専門スタッフがいる。外来相談・グループ指導・通園療育などの利用ができる。 実地研修ではクラスに実際に入り実習等を行う。 川崎中部地域療育センター 〒211-0035 神奈川県川崎市中原区井田3-16-1 |
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4班 うめだ・あけぼの学園 地域生活支援部長 竹谷志保子 毎日通園部長 松本美代子 指定日 高倉めぐみ |
うめだ・あけぼの学園は,0~6歳の発達障害乳幼児の発達援助とその家族を支援する発達支援センターで,医療スタッフを含めチームで支援を提供している。保育園との日常的なインデグレーション活動やレスパイトサービスも行っている。実地研修では0歳からの発達支援の実際と支援システム,モンテッソリー法を基本においた教室環境とクラス活動,個々に応じたコミュニケーション方法の準備などを見学し情報交換をすることができる。 うめだ・あけぼの学園 〒123-0851 東京都足立区梅田7-12-15 |
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2.卒業後の福祉施設等での取り組みの実際 | 1班 小さき花の園 療育部係長 金田祐輔 看護部長 濵邉富美子 |
湘南の海辺の丘に立つ重症心身障害児施設である。事業内容としては,児童短期入所事業,知的障害者短期入所事業,重症心身障害児者通園事業B型,在宅重症心身障害児者療育訪問事業,身体障害者ディサービス事業等を実施している。 神奈川県立鎌倉養護学校が施設訪問教育を担当し,施設職員と連携して教育を行っている 重症心身障害のある人々の学校卒業後の施設における生活にふれるとともに,教育,福祉,医療の連携のあり方を考える協議を行う。 小さき花の園 248-0033 1-2-1 〒神奈川県鎌倉市腰越 |
2班 訪問の家「朋」 施設長 生田目昭彦 理事長 日浦美智江 |
重度・重複障害のある人たちのための通所施設である。 当日は,施設利用者の活動場面での実践体験や施設・設備等の見学,施設経営の理念や地域ケアの具体例等に関する質疑応答・協議等を実施し,あらためて学校教育のあり方を考える機会としたい。 訪問の家「朋」 〒247-0013 神奈川県横浜市栄区桂台中4-5 |
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3班 みなと舎「ゆう」 所長 山本修子 施設長 飯野雅彦 |
施設「ゆう」は,平成10年に重度・重複障害のある人を対象とした知的障害者通所更正施設として開所し,卒業後の日中活動の場として地域での生活を支えている。その後支援費制度に伴い,平成15年4月からヘルパーを派遣する居宅介護事業「支援センターゆう」を,10月からグループホーム「はなえみ」の地域生活援助事業をスタートし,地域生活の充実、本人支援と自立を目標に展開中である。非常勤職員を主体とした1対1対応のサービスは全国でも珍しく「ゆう」の取り組みとメンバーの笑顔を肌で感じてほしい。 みなと舎「ゆう」 〒240-0104 神奈川県横須賀市芦名2-8-17 |
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4班 横浜療育医療センター 地域サービス課長 増淵晴美 |
当センターは,横浜市に在住する主に15歳以上の重症心身障害児・者(重度の知的障害と重度の肢体不自由を併せ持つ人)を対象に,個々の生活状況や家族・介護者の状況に応じた療育ニーズに対し,医療・看護・生活及びリハビリ訓練・相談等幅広い療育サービスが提供できるよう以下の4つの事業を行っている。入所事業(長期及び短期入所事業・通所事業・外来診療事業・在宅訪問療育事業である。 実地研修では,実習や協議等を行う。 横浜療育医療センター 〒241-0014 神奈川県横浜市旭区市沢町557-2 |
3.病弱教育
題目等 | 研修先 | 研修内容 |
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1.医療施設での取り組みの実際① | 聖路加国際病院 副院長・小児科部長 細谷亮太 社会・心理科コメディカル部長 西田知佳子 小児科ナースマネージャー 吉川久美子 |
白血病の子どもたちの医学,看護,心理,教育等からのトータルケアの実際を研修し,その実態を把握すると共に,白血病,腫瘍などの小児がんに羅患した子どものターミナルケア,トータルケアの在り方について考える機会とする。 聖路加国際病院 〒104-8560 東京都中央区明石町9-1 |
2.医療施設での取り組みの実際② | 東京女子医療科大学母子総合医療センター 講師 河野由美 |
新生児医療の目覚しい進歩により,低出生体重児、ことに出生体重1、500g未満の極低出生体重児の生存率は飛躍的に向上した。しかし,これらの児には発達上のハイリスクを持つ子どもたちが少なくない。新生児医療の現場を見学し,現代医療と子どもの生活の質を考える。 東京女子医科大学母子総合医療センター 〒162-8866 東京都新宿区河田町8-1 |
3.医療施設での取り組みの実際③ | 神奈川県立こども医療センター 施設長 山田美智子 指導課長 佐藤洋克 看護係長 飯島眞裕美 |
重症心身障害児の日常生活での健康管理食事、経管栄養,排痰,吸引等の医療現場の現状や教育の実際について,こども医療センターの重症心身障害児施設において研修し,重度・重複障害教育の在り方を考える機会とする。 神奈川県立こども医療センター 〒232-8555 神奈川県横浜市南区六ツ川2-138-4 |
4.病弱養護学校での取り組みの実際 | 神奈川県立秦野養護学校 教諭 髙山健一 教諭 足立靖子 |
病弱養護学校のセンター的機能について,実際に学校を訪問し研修を行う。ケース会のコーディネート,小・中学校・高等学校へのコンサルテーション,軽度発達障害についての理解と指導に関する地域の小・中学校との合同学習会等について協議を行う。 神奈川県立秦野養護学校 〒232-8555 神奈川県秦野市落合500 |
講義題目等 | 内容等 |
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研究協議 | 指導事例や学校事例など,自らかかわっている事例について小グループで協議を行う。小グループは,コース全体が5つに分かれ,それぞれのグループに2名ずつの研究所職員が入る。 全体で7コマを設定している。 |
総括協議 | 研修を通じて得られた成果と課題について,個人またはグループで整理したものをポスター形式で発表し,研修員同士や研究所職員との間での協議を通して,研修の総括を行う。 1コマ設定している。 |
自己研修 | 受講者それぞれの課題の解決に向け,図書館での資料収集,他機関への訪問等,受講者が主体的に計画を立てて取り組む研修の時間である。 全体で10コマを設定している。 所外での研修を行う場合は,所定の手続きによる。 |
特別支援教育演習 | コース全体が「盲・聾・養護学校のセンター的機能」、「小・中学校での特別支援教育」、「特別支援教育コーディネーター」、「個別の教育支援計画」の4つの班に分かれ,各テーマ毎に演習を行う。 2日間連続で行い,合計4コマを設定している。 |