障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

ターミナル期における教育・心理的対応に関する研究
-子どもとともに在る教育を目指して-

研究の実施計画

目的
 わが国の小児がん医療は目覚しい進歩を遂げており、近年ではおよそ70%の患児が治癒する時代となってきた。しかし、30%の子どもは先端医療の甲斐なく、亡くなっている。他方、進行性筋ジストロフィー、重症腎疾患など、依然として死を避けられない病を患う子どもたちもいる。
 これらの重篤な病気を抱える子どもやターミナル期(生の終末期)にある子どもに対する教育的対応について、特殊教育の中では直接に取り上げ、体系的に研究されることはなかった。その背景には「ターミナルケア」なる用語がわが国で理解され、その実践が行われるようになってまだ日が浅いこと、ターミナルケアは前提に病気の告知の問題が含まれており、現在のところ成人を対象とした実践が中心であること、そしてこれまで医療・福祉関係者が中心となって取り組まれてきたことなどの要因が存在する。
 医療、福祉、心理、教育、保育、および法律など、多面的・総合的な支援を目指したトータル・ケアが子どもに対して必要であるという視点からすれば、ターミナル期に至るまで教育がその過程に関わることも当然である。 しかし、院内学級で指導にあたる教師の多くは、必要な知識や経験が十分でないまま、医療との連携を模索し、子どもへの指導や教育的対応にあたっているのが現状である。
研究全体の概要
 本研究では院内学級に在籍している小児がんの子どもやターミナル期にある子どもに対して必要な心理・教育的対応を、教師が抱える課題と必要とされる専門性、 トータル・ケアにおける院内学級の役割などを明らかにしながら、検討していく。
  • 期待する成果
    啓発・情報普及と協力機関と事例研究の成果を普及することで、がんの子どもやターミナル期にある子どもを担当する院内学級担当教員の専門性を養い、 これら児童生徒への教育・心理的対応の在り方を提案する。
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