障害のある子ども一人一人の教育的ニーズに対応した教育の実現に貢献します。

「個別の教育支援計画」の策定に関する実際的研究

  1. 趣旨及び目的
  2.  障害者基本計画では、「障害のある子どもの発達段階に応じて、関係機関が適切な役割分担の下に、一人一人のニーズに対応して適切な支援を行う計画 (個別の支援計画)を策定して効果的な支援を行う」ことが規定されています。教育分野においては、障害のある児童生徒一人一人のニーズを正確に把握し、 教育の視点から適切に対応していくという考えの下、盲・聾・養護学校に在籍する児童生徒に関して、長期的な視点で乳幼児期から学校卒業後までを通じて 一貫して的確な教育的支援を行うことを目的とした「個別の教育支援計画」を作成することが求められています。今後は、小中学校に在籍する障害のある 児童生徒においても「個別の教育支援計画」を策定することが想定されますが、その策定の主体や計画の作成担当者あるいは、就学指導委員会および 関係諸機関との関連など多くの検討課題があります。本研究では、主に小中学校における障害のある児童生徒の「個別の教育支援計画」の策定とその実施の在り方について、 「個別の支援計画」、「個別の指導計画」、「個別の移行計画」との関連も含めて具体的で実効性に富むモデルを提示し、実際に試行した上で問題点の抽出までを研究します。 また、教育、福祉、医療等の連携・協力関係の観点から、「個別の教育支援計画」の位置づけについても、その関連諸機関における試行的な実践を通して検討することとし、 必要に応じて研究推進の過程において、諸外国における小中学校での取り組みの状況を情報収集と分析も取り組みます。なお、同様なテーマで行われている全国特殊学校校長会での 研究とも連携をとりながら、平成17年度中にまとめる方向で取り組んでいます。

  3. 研究全体の概要
    1. 過去の研究所の研究成果の中から、センター的機能、個別の指導計画、海外の調査研究等に関連するものを整理し、個別の教育支援計画の概念や課題の整理を行います。
    2. 教育相談体系化事業、特別支援教育コーディネーター養成等に関連し、担当者が関わる市町村または小中学校でモデル的に計画策定過程に参画し、学級担任を支援します。 そこから得られた成果をもとに、個別の教育支援計画策定に役立つ内容を、障害種別、軽度発達障害別に検討します。
    3. 都道府県の特別支援教育に関する行政対応について、研究者が関わる地域別に検討を行い、行政対応の在り方について整理します。
    4. 実際のモデル地域で計画策定過程を共有しながら、教育現場の教員が計画策定を容易に行える条件や方法の検討を行います。
  4. 期待する成果
  5.  モデル地域での実践的研究をもとに、盲・聾・養護学校のみならず、小中学校現場で役立つ手引き書の作成を行う。

  6. 平成16年度の計画
    1. 研究分担者・研究協力者・研究協力機関・研究パートナー
      1. 研究分担者
      2. 西牧謙吾 教育支援研究部総合研究官 研究代表者
        笹本健企画部総合研究官
        當島茂登横浜市教育委員会障害児教育課指導主事 サブ代表
        大内進企画部総括主任研究官
        小田侯朗教育支援研究部総括主任研究官
        佐藤正幸教育支援研究部総括主任研究官
        滝坂信一教育相談センター総括主任研究官
        石川政孝教育支援研究部主任研究官 サブ代表
        牧野泰美企画部主任研究官
        菅井裕行教育相談センター主任研究官
        亀野節子教育相談センター
      3. 研究協力者
      4. 渡辺和弘都立調布養護学校長
        岩井雄一都立羽村養護学校長
        渡辺幹夫横浜市南部地域療育センター副所長
        河野哲也玉川大学文学部人間学科助教授
        安藤正紀神奈川県教育庁教育部主幹兼指導主事
        三浦昭夫横須賀市教育委員会障害学習部学校教育課指導主事
        佐々木徳子横浜市教育委員会障害児教育課指導主事
        佐藤洋子横浜市立荏田西小学校PTA
        伊藤則博北海道教育大学旭川校幼児心理教授
        古川勝也文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特殊教育調査官
        島治伸文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特殊教育調査官
      5. 研究協力機関
      6. 鹿児島県立大島養護学校

        横須賀市教育委員会

        北海道立札幌肢体不自由児総合療育センター

        北海道立真駒内養護学校

        福井県立清水養護学校、清水台保育園

        神奈川県平塚ろう学校 通級指導教室

        京都市立九条弘道小学校

        神奈川県藤野町小渕小学校

        横浜市中部地域療育センター

        相模原市立橋本小学校

        横浜市共進中学校

      7. 研究パートナー
      8. 秋田県立大曲養護学校

    2. 実施計画
    3. 研究初年度

      • 過去の研究所の研究成果の中から、センター的機能、個別の指導計画、海外の調査研究等に関連するものの整理、 個別の教育支援計画の概念や課題の整理の実施
      • 担当者が関わる市町村または小中学校で個別の教育支援計画策定過程に参画
      • 第1回研究協議会の開催(平成16年7月):研究分担者、協力者との連絡会
      • 研究分担者が関わる学校のある都道府県の教育行政の実地調査
      • 全国の特別支援教育推進状況を、インターネットから情報収集
      • 特別支援教育に関する盲・聾・養護学校長への意識調査の実施
      • セミナーⅠでの成果発表
      • 報告書作成の準備(2年次早期に作成予定)
      • 第2回研究協議会の開催(平成17年3月)
  7. これまでの活動の成果
    • 第1回研究協議会議事録公開
    • 盲・聾・養護学校「特別支援教育の推進に関する調査」の実施
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