平成19年度 第二期 特別支援教育専門研修 講義等内容(共通講義)
知的障害教育コース、肢体不自由・病弱教育コース
○共通講義等(各期共通内容)
※ 日程・内容については、都合により一部変更する場合がある。
講義等題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義等内容 | |
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1. | 図書室利用案内 | 総務部研修情報課情報サービス係 | 研究所図書室の利用方法について、実際に閲覧室、書庫を案内しつつ、説明を行う。 |
コンピュータ端末の利用実習 | 総務部研修情報課情報管理係 | 研究所固有のコンピュータ端末の利用について説明会を行い、実際に操作することにより、スムーズな端末利用を行えるよう実習する。 | |
2.理事長講話 | 小田豊 (国立特別支援教育総合研究所・理事長) |
学校教育の課題について | |
3.知的障害教育概論 | 木村 宣孝 (教育支援研究部・総括研究員) |
知的障害児の教育指導について、以下を概説する予定。
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4.肢体不自由教育概論 | 當島 茂登 (教育支援研究部・総括研究員) |
肢体不自由児について、教育指導の観点から概説する。
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5.病弱教育概論 | 西牧 謙吾 (教育支援研究部・上席総括研究員) |
病弱・身体虚弱児の教育指導について、以下を概説する予定。
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6.重複障害教育の教育課程 | 大崎 博史 (教育相談部・主任研究員) |
法令や学習指導要領上の特例等を解説し、重複障害のある子どもの教育課程編成のあり方に関する基本的な考え方、留意点等を述べる。また、現行の学習指導要領の自立活動のとらえ方についても概説する。さらに、特別支援教育の推進に向け、子ども一人一人の教育的ニーズに応じた教育課程とは何かについても考える。 | |
7.医学的理解-行動障害・てんかん- | 河原 仁志 (重症心身障害児施設太陽の門・施設長) |
てんかんは小児期に多い脳の慢性疾患である。まず、てんかんに関する理解を深めることを目指す。そして、てんかんに合併しやすい行動障害という視点から医学的に解説する。 | |
8.ニーズのとらえと対応-障害観の変遷- | 小塩 允護 (愛知淑徳大学・教授) (国立特別支援教育総合研究所・特任研究員) |
知的障害を例にとり、障害に関わる科学研究の進歩が知的障害の捉え方と対応の仕方に如何に影響を及ぼしてきたかを概観し、世界保健機構(WHO)による1980年の「国際障害分類(ICIDH)」、さらには2001年の「国際生活機能分類(ICF)」に基づき、ニーズの捉え方と対応のあり方について考えていく。 | |
9.諸外国における障害のある子どもの教育 | 徳永 豊 (企画部・総括研究員) |
諸外国(主としてOECD等の国際機関やイギリス、フィンランド)における特別支援教育の考え方やシステム、現状について述べる。さらに、我が国の課題を整理しつつ、障害のある子どもの教育、特別支援教育について、今後の方向性を考える。 | |
10.脳のはたらきとその障害 | 加藤 俊徳 ((株)脳の学校・代表取締役) |
脳画像(MRI)の教育への導入によって、障害の特性を詳細に診断し、障害の程度を区別することができる。脳酸素交換機能マッピング(COE)は、個人個人の異なった教育経過を、科学的に捉えることができる。講義では、脳科学の基礎的な知識の上に、子どもの障害を脳画像診断をベースにして理解する手段と考え方を講義する。 | |
11.「特別な支援を必要とする子ども」への教育の実際 *本研究所セミナーⅠ第一日目に参加する。 |
セミナー趣旨:特別支援教育の一層の推進には、発達障害を含む障害のある子ども全てに対応する教育が重要であり、学校全体で取り組むことが求められている。特に発達障害への対応は喫緊の課題であり、幼稚園・小学校・中学校・高等学校・大学等の「つながり」や「支援の充実」をキーワードにした講演とパネルディスカッションを開催する。
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12.学校教育における医療的ケア | 古川 勝也 (長崎県教育委員会・特別支援教育室長) |
特別支援学校における医療的ケアを実施するための体制整備の全国的な動向について述べるとともに、実際に学校教育で医療的ケアがどのように実施されているのかを紹介し、実施上の課題点等についてまとめる。また、学校で医療的ケアを実施することは子どもにとってどのような教育的意義があるのかを考える。 | |
13.重複障害教育の現状と課題 | 後上 鐵夫 (教育相談部・上席総括研究員) |
重複障害教育とは何かを、ヘレン・ケラーとサリバン先生との教育の営みを概括しながら考える。また、特別支援教育の流れの中で、取り組むべきこととこれまで果たしてきた役割を整理して、今後の課題について考える。 | |
14.交流及び共同学習による教育 *前半共通、後半コース毎 |
藤本 裕人 (企画部・総括研究員) 知的障害教育コース 山下 仁志(花巻市立花巻小学校・教諭) 肢体不自由・病弱教育コース 北原 百代(静岡県立中央養護学校・教諭) |
交流及び共同学習の始まり、小・中学校や特別支援学校における意義、多様な形態とその特徴、総合的な学習の時間との関連などについて論述し、交流及び共同学習の実践について紹介する。 | |
15.情報手段活用による教育的支援 | 太田 容次 (教育研修情報部・主任研究員) |
文部科学省の「情報教育に係る学習活動の具体的展開について-ICT時代の子どもたちのために、すべての教科で情報教育を-」をもとに特別な教育ニーズのある子どもたちへの情報化と支援について概説する。アシスティブ・テクノロジー(AT:支援技術)について具体的な機器や利用について紹介するとともに、「障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティ」について考察する。 | |
16.障害のある子どもの保護者支援の在り方 | 小林 倫代 (教育相談部・総括研究員) |
子どもの障害をいつ、誰が、どこで、どのように伝えていくのかという課題と、子どもの障害を聞いた保護者をどのように支え、子どもの教育について手を携えていくことができるのかという課題について考えたい。 | |
17.障害のある人の余暇活動とスポーツ | 橋谷 俊胤 (元神奈川県総合リハビリテーションセンター・体育科長) |
余暇活動とスポーツの身体的な活動は、興味を持って取り組むようになると精神をリラックスさせたり、リフレッシュさせたりすることが可能となる。上手に運動の手ほどきをし、安全にできるようになると必ずまたやってみたい思いになるだろう。 | |
18.障害のある子どもと人権 | 野沢 和弘 (全日本手をつなぐ育成会・権利擁護委員長) |
知的障害のある人の権利擁護に関する基本的な考え方を論述するとともに、各地で取り組まれている権利擁護システムづくり等、知的障害のある人の人権をめぐる動きを紹介し、その在り方を考える。 | |
19.特別支援教育の現状と課題 | 特別支援学校教員の専門性向上に資するよう、各障害種等毎に概説した後、全体を通じて受講者との質疑応答を行い、特別支援教育の現状と課題について理解を深める。
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○実地研修
題目等 | 研修先 | 研修内容 |
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筑波大学附属久里浜特別支援学校の指導の実際 | 筑波大学附属久里浜特別支援学校 校 長 西川 公司 副校長 馬場 信明 小学部主事 浜津 平一 |
知的障害を伴う自閉症の児童の教育についての研修を行い、自閉症教育のあり方について考える機会とする。 筑波大学附属久里浜特別支援学校 〒239-0841 神奈川県横須賀市野比5-1-2 |