平成21年度第一期特別支援教育専門研修 肢体不自由教育専修プログラム 講義等内容
肢体不自由教育専修プログラム講義等内容
※ 都合により一部変更する場合がある。
講義等題目等 | 講師氏名(所属・職名) | 講義等内容 |
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(講義・演習) 研究・研修の組織づくりと運営 (ワークショップとファシリテーションについて) | 清宮 普美代 ((株)ラーニングデザインセンター・代表取締役) 研究所関係スタッフ | 特別支援教育を推進するに当たって求められる課題解決の方策について論述する。講義や演習を通して、ファシリテーション、会議運営の方法を学ぶ。 *知的障害・肢体不自由・病弱教育専修プログラム 合同 |
(講義・演習) ICFの視点から見た肢体不自由のある子どもの理解と支援計画の作成の実際 | 徳永 亜希雄 (教育支援部・主任研究員) | ICF(国際生活機能分類)の視点から肢体不自由のある子どもについて、どのように理解し、その理解の上でどのような支援計画を立てることが望まれるのか、演習も交えて論述する。 |
言語発達の評価と指導の実際 | 坂口 しおり (東京都立府中特別支援学校・主幹教諭) | 本講義では、ことばの発達やその障害について概説しつつ、ことばに障害のある子どもへのアセスメント法について講義する。また、指導の実際を紹介しながら 肢体不自由のある子どものコミュニケーションに関する支援のあり方について論述する。特に、最近の脳科学の研究領域についても言及する。 |
(講義・演習) 視知覚・認知の評価とその指導 | 佐島 毅 (筑波大学・准教授) | 肢体不自由や知的障害のある子どもの中には、視覚に何らかの障害や問題を持っている子どもが少なくない。しかし、私たちは、見えにくいために分からなかったり不安であったりする子どものことを見過ごしてはいないだろうか。ここでは、様々な視覚の問題と、見えにくさのある子どもの認知状態への理解について概説する。また「視る」という視点から、子どもの実態を正しく評価・把握し、アプローチする方法について具体的に論述する。 *知的障害・肢体不自由教育専修プログラム合同 |
特別支援学校(肢体不自由)における新しい学校経営 | 神山 寛 (東京都立町田の丘学園・校長) | 特別支援教育への変革期の中で、国の主な動向と、特別支援学校(肢体不自由)のこれまでの実績を継承し、これからの特別支援教育に関する諸施策と関連させ、新しい学校経営について概説する。また、学校経営上重要な課題である、OJTの活用について言及する。 |
特別支援学校におけるセンター的機能 | 中田 正敏 (神奈川県立田奈高等学校 ・校長) | 特別支援教育を推進していく上で、特別支援学校のセンター的機能は大変重要である。本講義では、特別支援学校におけるセンター的機能の意義や在り方について高等学校における実践を交えて概説する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
医教の連携と協働(1) -子どもが育つ共同体としての病院、アートとは言わないアートな共同体を目指して- | 山口 悦子 (大阪市立大学 医学部附属病院・講師) 平井 祐範 (大阪市立大学医学部附属 病院庶務課・施設担当係長) | 病院も子どもが育つ地域とみることで、院内学級が単なる病気の子どもの教育の保障の場というだけでなく、医療や病院で働く様々な職種との出会いから教育に新たな可能性を見いだすことができる。大阪市立大学付属病院の試みを通して、特別支援教育に必要な視点である「地域づくり」の本質について論述する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
授業研究の理論 | 太田 正己 (皇學館大学・教授) | 知的障害児教育における授業研究の歴史と方法論について概観し、組織的・効果的な授業研究の進め方や授業づくりの在り方について論述する。 *知的障害・肢体不自由教育専修プログラム合同 |
(講義・演習) 肢体不自由のある子どもの姿勢・運動とポジショニング | 花井 丈夫 (横浜療育医療センターリハビリテーション課・担当部長) | PTの立場から、肢体不自由のある子どもたちへのかかわり方について、ポジショニングを中心に論述する。学校や家庭等での生活をできるだけ快適に過ごし、ひいては機能向上にもつながるような子どもたちへの介助の仕方について、介助する側の姿勢や身体の使い方等に重点を置きながら、実技を交えて概説する。 |
障害の重い子どもの理解と教育支援 | 吉川 一義 (金沢大学・教授) | 特別支援学校に在籍する子どもの障害が重度・重複化している現状を踏まえ、障害の重い子どもの生活と発達のダイナミズムを如何に捉え、何を目指して教育を行うのか、 を考察する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
摂食困難への対応 | 向井 美惠 (昭和大学・教授) | 肢体不自由のある児童生徒の中には、食物摂取機能に障害がある場合も多い。生活機能の基本である摂食・嚥下機能の発達過程、機能不全の内容を概説し、教育の場で実践できる知識について論述する。 |
(演習) 身体の動きの評価と指導の実際 | 徳永 豊 (福岡大学・教授) | 研修員自身が身体を動かす体験をもとに、①身体を動かす中での困難さ、②一緒に「身体の動き」の指導に取組む構造、③必要となる力の要素(子ども側と教師側)を考え、動きの指導における工夫や実施の展開、その評価について検討を行う。 |
認知、コミュニケーションの発達と障害 | 宇佐川 浩 (淑徳大学・教授) | 知的障害のある子どもへの認知発達臨床アプローチの意義とその果たす役割について概観し、その認知発達過程と認知発達に応じて必要とされる臨床アプローチについて論述する。 *知的障害・肢体不自由教育専修プログラム合同 |
重度・重複障害のある子どもへのAAC活用 -理論編- | 金森 克浩 (教育研修情報部・総括研究員) 小松 敬典 (東京都立光明特別支援学校・教諭) | 重度・重複障害のある子どもへの指導におけるコミュニケーション支援に関わる基本的な考え方、支援機器やスイッチトイなどの活用について、実践事例を紹介しながら、その活用方法について論述する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
(演習) 障害の理解 -動きを通して考える- | 林 菊盛 (千葉県立 つくし特別支援学校・教頭) 長沼 俊夫 (教育支援部・総括研究員) 滝川 国芳 (教育研修情報部・総括研究員) 徳永 亜希雄 (教育支援部・主任研究員) | 「ボッチャー」「車いすサッカー」「運動障害の疑似体験」の体験をとおして、障害のある子どもの視点から、適切な指導や必要な支援の方法について検討を行う。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
(実習) 重度・重複障害のある子どもへのAAC活用 -実習編- | 外山 世志之 (東京都立光明特別支援学校・主任教諭) 金森 克浩 (教育研修情報部・総括研究員) 太田 容次 (発達障害教育情報センター・主任研究員) | 重度・重複障害のある子どもへの指導におけるコミュニケーション支援に関わる支援機器やスイッチトイを製作する。 また,その普及方策について検討を行う。 |
障害のある人と福祉 | 日浦 美智江 (社会福祉法人訪問の家・理事長) | 重度の知的障害と肢体不自由を併せ持つ人たちへの地域ケアの実態を通して、重度・重複障害のある人たちの地域生活や仕事、QOL、自己決定など現在の障害福祉の課題となっている事柄をどのように考えるか、また、彼らの社会への完全参加と平等を実現するための支援はどうあればいいのか、支援者の姿勢はどうあればいいのかを共に考える。さらに、そうした社会参加を目指して学校教育は何を、どのように提供すべきかについても言及する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
難病を生きる -当事者の視点から- | 河原 仁志 (国立病院機構八雲病院・小児科医長) 竹田 保 (NPO法人ホップ障害者 地域生活支援センター・代表理事) | 竹田氏は、筋ジストロフィーの当事者であり、NPO法人の代表理事でもある。また、河原氏は、長年筋ジストロフィー医療に携わってきた医師である。難病である筋ジストロフィーでありながらも、ひとりひとりが自立した生き方をするために必要な視点をそれぞれの立場から論ずる。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
緩和ケア | 小澤 美和 (聖路加国際病院・小児科副医長) | 近年、小児科領域でも緩和ケアという概念がでてきた。これは、がん末期のターミナル期のケアという捉えではなく、子どもが発病した早期から、QOLの向上を目指したトータルなケアの在り方というものである。緩和ケアを必要とする子どもの対象は、白血病のように発病早期に死に直面する病気から、筋ジスのように進行性の長期にわたる病気まで多種多様である。ここでは、緩和ケアの概念について述べ、教育の在り方について考える。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
教育課程の編成 -特別支援学級等を含む- | 山本 昌邦 (横浜国立大学・名誉教授) | 特別支援学校における教育課程の基準である「学習指導要領」の規定のうち、総則及び自立活動を中心に取り上げ、教育課程の編成・実施の要点及び今後の課題等について概説する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
子どもの心理発達と課題 | 島 治伸 (徳島文理大学・教授) | 人間の発達を個人とその環境との相互関係だけでなく、社会文化的、歴史的な文脈との相互関係の中で捉え、母子関係、発達課題、発達的危機、そしてアイデンティティーの概念を中心に発達理論を概説する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
肢体不自由のある子どもの上肢機能の理解と指導 | 関内 美奈子 (新宿区立新宿養護学校・作業療法士) | 日常生活動作、学習能力のなどの発達を促す視点で、上肢(肩·肘・手)機能の発達について解説し、事例の紹介を通して実態の把握や指導のポイントを概説する。 |
知的障害教育における領域・教科を合わせた指導の理論 | 井上 昌士 (教育支援部・総括研究員) 大崎 博史 (教育研修情報部・主任研究員) | 知的障害教育における教育課程編成において、特に領域・教科を合わせた指導の考え方について概説するとともに、子ども主体の学習活動の展開の在り方について論述する。 *知的障害・肢体不自由教育専修プログラム合同 |
重度・重複障害のある子どもの身体運動の捉え方 | 笹本 健 (教育支援部・上席総括研究員) | 重度・重複障害がある子どもに対し、彼らの「身体運動・身体の動き」を教育的な課題とする時、どのようにそれらを捉えたらよいのか、どのように実践の展開を行ったらよいのか、について日本における昨今の教育施策の動向に照らし合わせながら論述するとともに、実践事例を紹介する。 |
肢体不自由教育の現状と課題 | 下山 直人 (文部科学省初等中等教育局 特別支援教育課・特別支援教育調査官) | 肢体不自由教育の現状を考察するとともに、肢体不自由特別支援学校の特色ある教育活動を紹介しながら、特別支援教育における肢体不自由教育の在り方や課題について言及する。 |
移行・就労支援の在り方 | 春名 由一郎 (高齢・障害者雇用支援 機構障害者職業総合センター・上席研究員) | 移行及び就労支援は、障害の重度・重複化、多様化により課題が山積している。本講義では、これまでの移行・就労支援についての研究の蓄積を踏まえ、スムーズな移行・就労支援のための情報伝達の在り方や難病のある人への支援の取組等を紹介し、今後の在り方について論述する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
(講義・演習) 聴知覚・認知の評価とその指導 | 藤本 裕人 (企画部・総括研究員) | 聴知覚の基本的な発達過程をふまえ、聴覚と音声言語の関係、重複障害児の聴力検査の実際について概説し演習を行う。 |
(講義・演習) 肢体不自由のある子どもの感覚運動指導の実際 | 當島 茂登 (鎌倉女子大学・教授) | 肢体不自由特別支援学校には教科前学習の段階の子どもが多く在籍している。このような子ども達に対する指導の一つとして感覚運動指導がある。本講義の前半は、発達の初期段階における感覚運動指導の重要性について述べる。特に、指導内容・方法を検討する手がかりになる学習の系列、アセスメント法などについても言及する。講義の後半は実技をとおして考える。 |
肢体不自由のある児童生徒の教科指導への入門期の指導 | 川間 健之介 (筑波大学・准教授) | 教科への入門期の指導における肢体不自由児の実態把握と教科指導へのつながりを見据えた目標設定及び指導の実際について、概説する。講義に併せて実習を行い、体験をとおして理解の深化を図る。 |
医教の連携と協働(2) -高次脳機能障害を中心に、小児のリハビリについて- | 栗原 まな (神奈川県総合リハビリテーションセンター・小児科部長) | 脳炎脳症や交通事故等の後遺症として起こる高次脳機能障害は、子どもの場合、治癒過程と成長発達に修飾され、変化する多彩な障害像を呈し、既存の障害種を超える対応が求められる。子どもの高次脳機能障害の医療の実際を概説し、その教育的対応について言及する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
特別支援教育におけるキャリア教育 | 菊地 一文 (教育支援部・主任研究員) | キャリア、キャリア教育の定義を確認し、知的障害のある児童生徒を対象としたキャリア教育について論述する。キャリア発達段階表を活用した実践を紹介すると共に、学校教育で行われている児童生徒主体の活動に対して、キャリアの視点から論述する。 *知的障害・肢体不自由教育専修プログラム合同 |
子どもの発達と課題 | 西牧 謙吾 (教育支援部・上席総括研究員) | 人は、幸せになる為に様々な技術(医学)、制度(保健・福祉・教育・医療)を発達させてきた。この講義では、病気の成り立ちについて概説しながら、病気があっても幸せに生きるための条件を日々の仕事の中で問い直すことで、どうすれば明日への仕事のモチベーションを高めることができるか、ともに考える。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
肢体不自由のある子どもの思春期の課題と性教育 | 田村 和宏 (びわこ学園 障害者支援センター・所長) | 肢体不自由も含めて、障がいのある子どもたちは、思春期に入ると身体だけではなく心の世界も大きく変化する。こころとからだの大きな変化は、時に障がいによって子どもたちの内面で均衡がとれず、大きな葛藤となってさまざまな姿となって現れてくる。 本講義では、性に関する事柄をはじめとした、子どもたちの葛藤や自己変革の願いに対して、そこにどうむきあっていくのかということについて、具体的なケースを通してともに学びあう。 |
自立活動における評価と指導 | 長沼 俊夫 (教育支援部・総括研究員) | 肢体不自由のある子どもの指導について、自立活動の指導における評価と指導の実際について論述する。内容として、1)教育課程と自立活動、2)自立活動の内容、3)個別の指導計画(実態把握、目標設定など)、4)自立活動の視点を生かした授業づくりに言及する。 |
肢体不自由児の障害特性を踏まえた教科指導 | 一木 薫 (福岡教育大学・助教) | 肢体不自由児の教科指導において教員が理解しておく必要のある「障害特性と教科」「脳性まひ児の認知面の困難」「個人差の大きい集団の指導」について、事例をまじえながら概説する。 |
学習のつまずきの実態把握とその指導 | 海津 亜希子 (発達障害教育情報センター・主任研究員) | 学習のつまずきに対してアプローチするには、どういう領域や課題においてつまずきを示すのか、つまずき方に特徴がみられるかなど、詳細な実態把握が不可欠になる。ここでは、その実態把握の際の視点と方法、さらには指導方法について、事例を交えながら概説する。 *肢体不自由・病弱教育専修プログラム合同 |
肢体不自由教育の歴史 | 徳永 亜希雄 (教育支援部・主任研究員) | 我が国の肢体不自由教育の変遷について社会的背景と併せて概観し、特別支援教育における今後の肢体不自由教育のある子どもの教育の在り方について論述する。 |
○実地研修
題 目 等 | 研 修 先 | 研修内容 |
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就学前施設の取組の実際 |
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特別支援教育では、子どものニーズを適切に捉え、保護者を含めた関係機関・関係者が密接に連携し、一貫した支援と指導が求められる。見学を通して就学前の支援の実際を理解し、学校教育の課題について多角的な視点で学ぶ。また、学校と療育機関、教員と他職種の専門家との連携について考える。
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○課題研究
講義題目等 | 内容等 |
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課題研究 | 研修員それぞれの課題の解決に向け、図書館での資料収集等、研修員が主体的に計画を立てて取り組む研修の時間である。全体で7コマを設定している。所外での研修を行う場合は、所定の手続きによる。 |